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ストリーミングとライブと [弦楽四重奏]

バンフ大会、2日目の朝です。今日は朝から「ハイドン+バルトーク」セッションが6団体続いて、途中で2度飯食って、オシマイ、という「バンフ&ミュンヘン地獄のコンクールロード」でも最もタフな日です。朝からユンケル飲んで備えてます。

今やストリーミングで世界中でセッションの様子が聴ける、視られるという状況になったのに、なんでそんなまでして遙々カナディアン・ロッキーの山の中まで行かねばならぬか、不思議に思われる方も多いでしょうねぇ。でも、理由はハッキリしているのですよ。ひとつは「ここに来るといろんな人に会える」ということ。なんせ昨日も、「わああ、どれも雀に見えるけど、みんなちがああああう!」とパニックを起こしながらセンター内をウロウロしているだけで、サンフランシスコで室内楽音楽祭やってるおばさんとか、デンバーのプレゼンターのオッサンとか、2018年にアムステルダムで弦楽四重奏ビエンナーレを始めようとしているプロデューサーさんとか、はたまた遙かアブダビ室内楽のおかーさんとか…ともかく石を投げれば知り合い、関係者に当たるという状態。一種のコンヴェンション状態で、試合のセッションは「ショーケース」なのであります。こればっかりは来ないとダメ。

もうひとつの理由は、会場となるホールの音の酷さにあります。
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基本、北米でキャリアを積もうとすると、会場の酷さに文句を言ってるわけにはいかない。ヨーロッパみたいに小さな室内楽演奏会場は教会が基本で、酷さとは「響きすぎ」にあるのと違って、もう単純に「聴こえない」会場が殆どなんですわ。日本や中国みたいに、ある時期以降、建設業界と自治体が一緒になって次々とスペック最高のホールを作りまくった、なんどという嬉しいんだか困るんだか判らんような状況とはまるで異なり、ともかく、公会堂か集会場(要は、タウンホール)みたいな場所ばかり。そこでどうやってステージから客席の隅々まで音を伝えるか、伝えることが出来るは、少なくともジュリアードQやグァルネリQ的な演奏に対する価値観の基本にあった。「アメリカのクァルテットは騒々しくて大味だ」というある時期の日本音楽業界に漂っていた常識が生まれる背景であります。

このバンフの会場も、大会創設以来、ずーっとそんな「酷く響かない会場」です。昨日、クロスニック翁がトロントの小学生の弦楽四重奏団にマスタークラスをやったレクチャールームの方が、試合をやってる会場よりも余程響くのだから、なにをか言わんやです。

ええ、もう朝ご飯に行かねばならぬのでさっさと話を終わらせると、早い話、どう考えても客席で聴くよりもライブストリーミングで聴く方が、良く聴こえるんですわ。これはもう、事実です。昨日の夜のセッション、やくぺん先生の隣の席に座ってるどこかのジャーナリストさんというおばちゃん、セッションに遅刻してテスラQを会場の外ロビーで遅刻者のために流しているライブストリーミングを視ていたそうなんですが、「あのテレビの方がよくみえるわ、この席、朝からきこえないなぁと思ってて、あたしの耳が悪くなったと思ってたんだけど、そーじゃなのね」ってさ。ま、仰る通り。ともかく、前の方の数列でライブ音を拾うか、壁際で反射音に助けて貰うかしないと、ホントに「きこえないなぁ」としか感じられない。で、恐らく、そういう意味で最悪の席は、審査員がズラリと座ってるまんなかなんですわなぁ。いや、冗談じゃ無い。

こういう中での闘いですから、当然、こういう会場にどう対応するか、というのは大事な要素になる。だけど、その部分は、ストリーミングでは全く判らない。

具体的には、昨日最初に演奏したアーガスQなど、流石に北米に於ける最もヨーロッパ風団体と言われるブレンターノQの弟子だけあって(なのか?)、「デカイ音で弾く」という要素をすっぱり落とした音楽をやりました。だから、ぶっちゃけ、聞こえない。バンフでハーゲンが勝てなかったのは音が小さすぎて聴こえなかったから、という都市伝説があるのだが、正にそんな感じ。

でもあれ、ストリーミングを通して聴くと、もの凄く柔らかくて繊細なことをやってる団体に聴こえたでしょうねぇ。

それに続くアイオロスQは、北米出世コースたるジュリアード音楽院のグラジュエート・スチューデント・レジデンシィ(要するに、ジュリアードQがいないときになんのかんのする助手)をやってた団体で、いまどき珍しいと言いたくなっちゃうようなジュリアード・スタイルの「アメリカ弾き」のすっかり出来上がった連中であります。これまた、放送だとすげええええじょーずに聴こえるだろうなぁ。ライブだと、「わあ、騒々しくてくどい奴らだ」と思っちゃう瞬間もあるわけだけど。

夜に出て来たテスラQはタカーチュQの弟子で、最初の2つの団体のいいとこどりみたいなキャラで、これまた出来上がった響きの団体…なんて言ったら乱暴すぎて失礼だなぁ。んで、昨日最後のパシフィカQの弟子ヴェローナQは、アッと吃驚、こういう場所でもしっかり各声部が聴こえるじゃん、って超絶芸をみせて、もう大喝采。

あああ、バンフはやっぱり来ないと判らんなぁ、とあらためて思わされた次第。

さて、今日は残りの6団体。ひたすらハイドンバルトーク、ちょっとヤナーチェクも入るみたいだな。

がんばろー、あたし。

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バンフ・コンクールの作り方 [音楽業界]

バンフは曇り空の朝。
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ここは山岳時間でもいちばん東なので、夏の終わりとはいえ朝の7時前くらいにやっと周囲の山々に朝日が当たり始めるくらいの場所。本日は、昨晩遅くに車で北米大陸各地から到着したような人々(なんせ、聴衆の飛び込み即興弾きセッションもあるので、楽器を抱えてくるレジデント聴衆も多く、フロリダから車で4日かけてきた、なんて人も結構いるのです)に無理をさせないため、セッションは午後からです。で、午前中には、監督のバリー(元セント・ローレンスQの第2ヴァイオリン)とレジデント数学者(!)の方が、「コンクールに於ける評価の仕方」というレクチャーをやる。要は、「具体的にどうやって採点するのか、みんなに説明しちゃいます」ということ。こんなことやるコンクール、世界にもここしなかいでしょうねぇ。

さても、このバンフというちょっと特殊なコンクール、どうやって作られているのか、財政面の話では無く、構造的な部分を、ざっくり説明しておきましょうぞ。ある意味、21世紀に於ける「イベントとしてのクラシック音楽コンクール」のひとつの理想型みたいなところがあり、まあ、ある意味、この週末から始めるミュンヘンの放送局がやってるコンクールのデパート、ARDコンクールの対極にあるやり方であります。

◆アイデンティティ・存在の理由付け
なによりも、バンフ・センターというカナダ国立のアーツセンターというか、客員教授と客員生徒だけの住み込みの大学院大学というか、そういう特殊な(割り切った、というべきか)施設が前提になっている。日本なら、さしずめ「観光客溢れる河童橋の直ぐ脇に、ホテル並の宿泊施設と現代のあらゆるアートに対応出来る最先端設備をを備えた国立のセミナーハウスがある」みたいなもんです。

この場所での弦楽四重奏コンクールを支えるアイデンティティは、「カナディアン・ロッキーという人間を寄せ付けない圧倒的な自然の中での人の営み」(アートとはネイチャーの対立項です)と、「ゾルタン・セーケイの遺産」です。前者は説明は不要でしょう。後者は歴史的な事実で、第1ヴァイオリンだったハンガリーQ引退後のセーケイ翁がこのバンフ・センターに住み、世界中からの若者をここで教えた、ということ。つまり、ハンガリーが政治的に混乱していて外国人がリスト音楽院で学ぶなど不可能だった頃に、バンフはバルトークの弦楽四重奏の直伝解釈を伝える聖地だった。だから、本日と明日の最初のラウンドでは、「古典+バルトーク」という演目になる(ヤナーチェクを敢えて選ぶ奴らもいるけど)。

◆スタッフ&聴衆
ここバンフ・センターはセーケイ翁のようなホントに住み込んじゃう完全なレジデンシィから、数日から数週間、1年の滞在など様々な滞在が可能な施設とスタッフが備わっている。このコンクールの期間中、勿論、街のホテルに泊まる人とか、バンフや隣のカンモア、はたまた車ぶっ飛ばして1時間半くらいのカルガリから聴きに来る聴衆もいなくはないけれど(幸いにも国立公園なので、ヘリコプターぶっとばして、という騒々しいセレブ客はいない)、基本はスタッフも参加者も聴衆も、みんなセンター内に泊まり込む「ミニ・レジデンシィ」になります。結果として、世界中から集まった重度のクァルテット・マニアばかり数百人が乗り込んだ1週間のクルーズみたいになる。

ぶっちゃけ、Qパルパの最大の課題は、この環境に対応出来るか、なのでありますな。この環境に耐えられれば、北米大陸でのプロの弦楽四重奏団としてのキャリアをやれる資質はあると証明されるようなもの。今回のアルパとすれば、参加10団体のどれであれコンクールで優勝しても全く不思議は無いレベルの連中しかいないのだから、結果がどうだというよりも、ここで闘ってこの空気を感じることが最大の目的。メルボルンやレッジョはちょっと近い空気はあるがやっぱり都市だし、ミュンヘンみたいな運転免許証試験を受けに行くみたいな空気とはまるで違っている。

◆試合進行
今世紀に入って、アンサンブルのコンクールは限りなくフェスティバル化しています。理由は簡単で、ソロ大会と違って参加団体が少ないから。せっかくコンクール側が経費を出して遙々世界中から来て貰うのに、いちど弾いてオシマイ、じゃあ余りにも勿体ないでしょ(ちなみに、ARDにせよボルドーにせよ、ヨーロッパのコンクールは、経費など出さない主催者側の殿様大会です)。

本日と明日は所謂「1次予選」ではなく、「最初のリサイタル・ラウンド」と呼ばれ、演目は「古典+バルトーク若しくはヤナーチェク」。ひと団体1時間くらいかかるので、流石に1日でやるのは無理だから、ふつかかかります。

明後日水曜日は、「ロマン派ラウンド」。朝から晩まで、10団体がロマン派若しくは国民楽派のレパートリーを1曲づつ弾きます。実は、やくぺん先生的には、聴衆としていちばんヘビーなラウンドなんだよねぇ。ま、それはそれ。

木曜日はお休みで、夜に前々回2位だったカナダのアフィアラQが演奏会。

金曜日は、朝から晩までカナダ人作曲家の初演大会。弦楽器で電子音の真似事をするみたいなヘビーな曲を、朝から夕方まで、10団体が次々弾きます。それだけじゃああんまり、ということか、夜は前回優勝のパーカーQが凱旋お披露目演奏会をします。なんせ客の殆どが前回も来てるので、「あいつらはこんなに立派になりました、あたしらの選択は間違ってなかったでしょ」というバンフ・センター側からの領収書みたいなもんですな。

んで、この週末だけの聴衆も押し寄せる土曜日は、「アドリブ・ラウンド」と名付けられた、「自分らの勝負曲を弾きなさい」というなんとも凄い日です。朝から晩まで、持ち時間30分ちょいだかで、10団体が「これが俺たちのベストだ」という自身のある演目を並べて来る。古典からロマン派、はたまた現代、アラカルトみたいなプログラムを作る連中もいる。プロとしての本気度を見せるラウンドでんな。

で、土曜日の夜に本選にいける3団体が発表になります。実際の点数は発表されませんが、加点方法は初日朝にレクチャーされ、webサイトにも公開されてます。

かくて日曜日の本選は、3団体がベートーヴェン中後期かシューベルト後期をひとつ弾くだけ。弾き終わると発表があって、夜は聴衆も審査員も参加団体も混じったパーティでお開き。翌月曜日は北米では夏の終わりを良いするレイバーデーの休日で、みんなバスでカルガリ空港に向かったり、車で家に戻ったり。

これがバンフ・コンクールの作り方。いかがかな、どこかの日本の自治体、真似してみますか?

さて、朝ご飯にいこーっと。

[追記]

今、シフマン音楽監督とバンフ・コンクール公式数学者モーセス・レナート教授による「優勝者を選ぶ」という巻頭レクチャーを聞いて参りました。極めて興味深いものでした。
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で、ここだけの話、小生が個人的に存じ上げているコンクール関係者で審査プロセスについて本気で悩んでいる方、プロフェッショナルレベルで関心がある方は、直接メールでご連絡いただければ、音声ファイルをおまわしします。ちゃんとした英語で60分強の、30メガくらいの小さなMP3ファイルです。投影された数字やらの映像はありませんので、ご了承を。あくまでも個人的に参考になさりたい、という方に限ります。

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バンフ・コンクールのストリーミング予定 [弦楽四重奏]

カナディアン・ロッキーの入口、バンフ・センターに到着しました。
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跣足にサンダル、半袖ではいられません。これからは、厚手の作務衣で1週間を過ごすことになるです。

トロント空港からの飛行機は評論家のリトラーさんが一緒の便だったし、カルガリ空港からのバスでは審査員でもあるセント・ローレンスQ第1ヴァイオリンのジェフが聴衆団体を盛り上げてくれるし
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到着してサインアップをしてるとアルパの皆さんが「あああ、来たぁ」と手を振ってくれるし。栗鼠さんやら鹿さんやらに出会いながら(バンフ・センターは地面を走ってる方々はいろいろいらっしゃるのだけど、裏のトンネル山が杉しかないはげ山みたいなところで、飛んでる小さい方々はあまりいらっしゃらないのが残念)部屋に入り
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鱈岬やNYCでやれなかった洗濯をしに慌てて地下のランドリーに向かうと、なんとチェンバーミュージック・ホノルルのお二人にバッタリ出会っちゃうし…ま、そんな滅茶苦茶濃ゆい空間でありまする。

さても、今世紀も10年代になり、各コンクールはwebサイトでのセッションライブ中継は当たりまえになり、一昔前までのような当電子壁新聞が唯一の情報ネタということもなくなったお陰で、すっかり気楽になってます。ですから、とにもかくにも、公式な日程表とストリーミングのアドレスを貼り付けます。

このページの「ストリーミング」という一番上の左側をポチョっと押すと、時間になればライブ中継が視られるはず。
https://www.banffcentre.ca/bisqc-watch-and-listen

で、こっちが日程。それぞれの赤い字を押せば、どの団体が何を弾くか書いてあります。
https://www.banffcentre.ca/bisqc/schedule

一応、日本の皆々様がご関心がありそうな連中を記しておくと…

8月30日午後2時:クァルテット・アルパ
8月30日午後8時過ぎ:ベルリン・トウキョウ

8月31日午後2時20分過ぎ:ベルリン・トウキョウ
8月31日午後8時半頃:クァルテット・アルパ

それから、前回の大阪で3位、続くメルボルンも同じく3位、昨年のロンドンで2位と、安定した力を示してくれているヴェローナQ(大阪ではヴェスムスQと名告ってました)は、明日29日の最後、午後8時半前くらいに最初に登場しますので、お聴き逃しないよう。

日本では15時間先に進んでますから、実質的には最初のアルパは31日の午前5時、ベルリン・トウキョウは同日昼前でんな。以下、その調子で足し算して下さい。

とにもかくにも、バンフ大会、始まりました。まあ、普通のコンクールなら絶対こいつらが優勝、って言える面子が少なくともふたつはいるし、もうなにがなんだか判らないぞ。ちなみに、今回の最大のワイルドカードというか、ジョーカーは、ロルストンQでしょう。理由を説明し出すと面倒なんだけど、あたくしめがブックメーカーだったら、この試合、頭抱えちゃいますね。

ま、なんにせよ、お暇な方は、ダラダラとお聴き遊ばせ。「センターにドーネーションしてください」とは言わないからさ。

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オリーズ健在 [マンハッタン無宿]

マンハッタン厄偏庵は、ホントの意味でのキッチンは付いていません。マイクロウェイブと冷蔵庫とちっちゃな流しと食器と…ってくらいで、その辺からなんか買って来て暖めて喰らうのが精一杯。まあ、昨今は外食が滅茶苦茶高いこの島、ブロードウェイ沿いのスーパーから買ってくるお総菜とベーグル(世界一のベーグル屋がちょっと上がったところにあったのだけど、21世紀に入って直ぐ、アホな社長が業務拡大して日本なんぞにまで商品を出し失敗、潰れてしまった)で済むのだからありがたいと思うべきでありましょう。

とはいえ少しは外食をすることもあり、その際はもう、決まってました。中華です。知る人ぞ知る、Ollie'sでありまする。

そもそもはブロードウェイを挟んだコロンビア大学正門、ってか、ミラー・シアターの向かいにある学生先生向け朝飯系中華屋から始まった店で、今を去ること20年くらい前になるのか、ヒンデミット生誕100年だったかのフェスティバルがカザルスホール、ウィグモアホール、それにミラーシアターで開催されたとき、実質上のディレクターさんだったジュリアードQのサミュエル・ローズ氏に連れて行かれて、彼がスピナッチを練り込んだ緑色のけったいなラーメンみたいなもんを喰らうのをぼーっと眺めていたのが始めて。なんであんな記憶が鮮明なのか、まあ、誰がこんなの喰うんじゃ、って緑色が面がインパクトがあったのかなぁ。

その後、世紀の終わりくらいにはブロードウェイを南下するようにあれよあれよと店舗を増やし、マンハッタン厄偏庵からそう遠くない78丁目の角、リンカーンセンター北ってか、ブロードウェイからマーキンに入る67丁目の角、さらにはなんとなんと天下のタイムズスクエアは42丁目と43丁目の間なんてとてつもないところにまで店を出す盛況ぶり。別に旨いとも思えない、日本のやたらと手の込んだラーメン好きからすれば醤油溶いただけみたいなスープにざっくりとエッグヌードルが浮かび、その上にこれでもかとローストポークやらが積み上げられる、しょーもないといえばしょーもないアメリカンチャイニーズでありました。値段も格別高くは無いけど、すげええ安い、ってんでもない。

でもねぇ、結局、これがやくぺん先生とお嫁ちゃんがNYCにいるときのほぼ全ての外食先だった。だって、ミラー・シアターの真ん前、マンハッタン厄偏庵からバーンズ&ノーブルの先までいったとこ、リンカーンセンターの裏、それにアメリカ室内楽協会総会があるホテル至近、ってわけで、用事のあるところにしかないんだもんさ。

そんなオリーズ快進撃に陰りが出て来たのは、いつ頃のことだったか。21世紀に入って暫くして、確かリーマンショックの頃だったか、まずはタイムズスクエアの店が撤収しました。まあ、あれはしょーがないよねぇ、あの場所はいくら客が入ってもあの値段の店はやってけないだろー、という感はあったもん。前後して82の辺りの、マンハッタン厄偏庵から最も近くて、「じゃあ、宿の向かいのギリシャ料理店じゃなくて、ちょっと上がったところのオリーズで会いましょうかね、ラーメンでも喰いながら、別に旨くもなんともないけどさ…」って使い方をしてた店も無くなった。

さらには、2010年代に入って、アッパーウェストサイドがトランプビルなんぞのお陰で(なのか?)地価高騰家賃高騰し、音楽家達が住めなくなって遙かマンハッタンの北やら、クィーンズとかに逃げ始めた頃に、とうとう最後の牙城、いちばん便利に使っていたリンカーンセンター北のいちばん上手くいっていそうに思えた店もなくなりました。その隣の凄く長くやってた怪しい料理屋が無くなって、なんとお洒落なAppleストアになったりしたので、ううん、大丈夫かなぁ、と思ってたんですが。数日前にマーキンに行ったとき、まだ看板だけは出ていたので、まさか復活したのかと思ったらそーじゃなかったです。

もっとも、隣のタワーレコードがなくなり、向かいのバーンズ&ノーブルがなくなり、カルチャーコンプレックスとしてのリンカーンセンターの周辺施設が壊滅となったんで、「なんかいろいろあるど真ん中の唯一リーズナブルな飯屋」という機能はなくなりつつあったんだけどさ。

かくて、21世紀も10年代の半ばが過ぎた今、ブロードウェイの安中華の代表オリーズは、ほぼ壊滅。遺されるのは、89丁目を上がったところのテイクアウトに特化して、喰いたければそこで喰え、って感じの「Olies to go」と
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元祖大学正門前本店(なのか)のみになってしまった…

と思いきや、夏の終わりの爽やかな風に誘われハドソン河畔ノマドをしたあと、こっちは再開発になってから全然来ないよねぇ、とリンカーンセンターからハドソン河の方に行った辺り、カーネギーから厄偏庵に戻ってくるときに使うM57 のバスが通る方に行ってみる。と、トランプなにやら、という怪しい名前のビルの1階に、こんな店があるではあーりませんかあ。
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慌ててメニューを眺めると、なんだい、オリーズまんまじゃないか。どうやら、ブロードウェイからは逃げたけど、本店及びテイクアウトと、再開発地区での寿司ショップを前面に出した営業はやるということなんですな。まあ、確かにテイクアウト店に寿司、並んではいるもんなぁ、わざわざオリーズでは喰わんけどさ。

どうやら、これが今の状況みたい。公式webサイトをどうぞ。なんか洒落てるけど、こんなお洒落な店じゃありません。
http://ollieseats.com/ollies-noodle-shop-grille/

てなわけで、NYC滞在も最後の日、一度くらいここで喰わないとマンハッタンに来た気がしないとばかりに、テイクアウト店の店舗内で喰らって参りました。狭い店内、奥に向けてこんな感じ。
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この写真だけ見たら、香港かなんかだと思うでしょうねぇ。で、壁にはこんなもんが貼ってある。
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このオーケストラ、この前、マーキンでやった現代作曲家ばかりの初演5曲という日に、表でチラシ巻いてたなぁ。中国出身の女の子の作曲家がいたからだろうけど。

んで、基本はテイクアウトなんで、こういう風に出て来ます。
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麺と具材、スープは別です。お家や職場に持って帰って、スープをぶっかけると、こうなる。
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ちなみに、奥はお嫁ちゃんが取ったチキンと野菜の炒め物。これに、ご飯がゴッソリ詰まったパックが付いてくる。これ全体で$20札でおつりが来ますから、マンハッタンの昼飯とすれば滅茶苦茶安いでんな。テイクアウトして店の隅で勝手に喰ってる、という形になるので、チップいらないしさ。無論、店員さんらはサービスなんてする気は欠片もないけど。

てなわけで、オリーズ、派手な店舗展開は止めたけど、しっかりやってます。味も…何も変わらぬ、旨くもマズくも無い、あったりまえのアメリカン中華。お値段は、ぶっちゃけ、食い物がアホみたいに高いマンハッタンにあっては、お安いでありまするから、皆々様もこの島を訪れた際には是非どうぞ。

ただ、夏の麺はやっぱり、暑いなぁ。冷麺系はありません。

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今年の香港フェスティバルは《マクロプウロス事件》と… [音楽業界]

ふう、今、慌てて10月の香港の《松風》の切符を買ったです。26日10時売り出し、って、考えてみたらここNYCでは昨日25日の夜8時から売ってたわけで、昨晩さっさと買っておけば良かったなぁ、などと今更長柄に地球の丸さを時間する今日この頃であったとさ。

ま、幸いにして、当日券文化の香港らしくさほどチケットの出足は良くないようで、初日21日の文化中心2階正面真ん中、日本円で¥8000くらいの席ががっつり押さえられましたので、ともかく一安心。問題は、23日日曜日のアンサンブル・アンテルコンテンポランまでいるかどうかなんですよねぇ。なんせ、その頃の東京、21日と22日は鈴木秀美様が日本フィル振るし、23日には問題の玉川学園でのカサドのチェロ協奏曲日本初演というトンデモなイベントがある。うううんん、悩むなぁ。21日の香港終演後に深夜便で戻って来て…というのが最も合理的な判断なのだが、もうこの歳になって辛抱ない心配性の爺さんになってくると、「ああ、間に合うかなぁ」なんて心配しながら席に座ってるのはとてもじゃないが絶えられない。で、もうこれは秀美様は諦めるしか無いと判断した次第であります。

あ、これがマルチメディア芸術祭の日程。《松風》はオープニング公演で、残念ながらというべきか当然というべきか、日本のカンパニーの作品ではありません。なんであれ、お暇な方はどうぞ。なにやらLCCで日帰りするぞ、なんて勢いの若い方もいるみたいですし。
http://www.newvisionfestival.gov.hk/2016/html/en/opening_and_closing.html

さても、そんなこんなで、ともかく、初日の切符だけは押さえて、後はまた来月の末くらいになってから考えよー、ついでに来年の春節香港フェスティバルはどうなってるかな、と思ってページを開けたら、おお、流石に来年版に行進していた。で、メインの外来オペラ、来年はなんとまぁ、ブルノ国立劇場の《マクロプウロス事件》じゃあないの!
https://www.hk.artsfestival.org/en/programmes/national-theatre-brno-the-makropulos-case/
へえ、《イエヌーファ》や《カーチャ》ならともかく、これやるかぁ。思えば、ずーっと昔にマッケラス指揮でメトで眺めて以来だなぁ。久しぶりに見物にいこーかね、と思わせてくれるぞ。演出は、写真を眺める限り、限りなくまともでんな。そりゃそーだ。

弦楽四重奏枠はどうなってるのかな、と先をくぐっていったら、おおおおおおお、なんとなんと、来月、SFオペラで世界初演されるブライト・シェンの《紅楼夢》をやるじゃないのお!!!
https://www.hk.artsfestival.org/en/programmes/sfo-hkaf-dream-of-red-chamber/
こりゃ、もう、絶対に行かにゃならんでんがな。

てなわけで、来シーズンは10月細川、1月香港フィルの《ジークフリート》、そして3月は《紅楼夢》と、2ヶ月おきに香港にオペラ見物に行くことになりそーだぞ。その間に、ボロメーオQがメインゲストになる香港国際室内楽音楽祭もあるし、どうやら来シーズンは香港イヤーということになりそーだ。

LCCの回数券って、ないよなー…

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ハドソン河端ノマド [マンハッタン無宿]

つらつら鑑みるに、真夏のマンハッタン厄偏庵に1週間も逗留するのは、もしかしたら初めてかも。だって、カーネギーもメトも、リンカーンセンター室内楽協会もシーズンオフ。長逗留して何か纏まったイベントなりショーを見物する季節ってば、秋から冬と相場が決まっている。ある時期までは、年明けのアメリカ室内楽協会年次総会は定番の逗留時期になっていたわけで、NYCといえば体感気温が摂氏で零下10数度、華氏でも零度、大雪でケネディ空港クローズ、なんてのが当たり前。ホントにさぶくて死ぬかと思いながら駆け込んで、部屋をガンガンに暖かくして裸みたいになってわあああぃ、って場所。夏は殆ど来ないよねぇ…

さても、鱈岬からピーターパンバスでマンハッタンに到着して何日になろーか。このところ、もういい加減な歳なんだから無茶はせずにぼーっとして暮らしましょう、と決意を新たにしたばかりということもあり、連日ホントにボーッとして過ごしておりまする。とはいえ流石にもう9月の声を聞く頃になると、いろいろと作文仕事も入ってくるし、早々にやっつけなきゃならぬ作文もある。流石にお仕事せんとねー、とつらりつらりとマンハッタン厄天庵から北に向けて古いビル群を眺めるに、そうだ、ノマド作業に格好の空間があるだろーに。庵からの距離といい、ポジショニングといい、佃厄天庵から大川端の定番ノマド場にそっくりの場所。そー、ウェストエンド・アヴェニュとリヴァーサイド・ドライヴを跨ぎ、2ブロック歩いた大川ならぬハドソン河端、格好のノマド場じゃああるまいか。冬は寒くて、あんなとこに何時間も座ってるなんて罰ゲームだけど、今の季節なら最高じゃんけぇ。

かくて、作文仕事道具を背負子に負って、厄偏庵を出て、ブロードウェイやセントラルパーク側とは反対に向かいます。この数日、もの凄く爽やかな夏の終わりの晴天が続いていて、今日も暑いは暑いけど、みんな《サマータイム》歌って水浴びしちゃうような7月頃の灼熱地獄ではありません。

コロンバスサークルからセントラルパーク南端を走り、天下の5番街に突っ込み、遙かワシントン広場やNYUまで行けるM5のバスもやって来るリヴァーサイド・ドライヴを、てこてこと渡り
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エラリー・クィーンが次々と殺人事件を解決した前世紀の初頭頃からある川沿いの公園に入れば、もうそこもしっかりとノマド場じゃわい。
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せっかくだから、今世紀に入ってトランプ絡みなんぞで整備が進んだ川っぷちまでおりてみましょうぞ。北のワシントン橋を潜ってマンハッタンに入ってくる高速の下をくぐり
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まだまだ延々と降りていけば
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今世紀になって南の端っこまでハドソン川に沿って整備された細長い公園が延々と広がっている。ほれ
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トーキョーでもお馴染みのメトライフ飛行船がポッカリ浮かぶ対岸は、かつて永井荷風も夏の盛りに涼を求め遊んだ、ニューヨークの広大な埼玉、ニュージャージー!

どこからどこまで繋がってるか知らないけど、ともかく昨今は走ったり自転車を転がしたりするだけでマンハッタンの北から南まで行ける勢いの自転車&ランナー道を目の前にした木陰のベンチに座り込み、さあ、ノマド仕事でありまする。ルーターさえ連れてくれば世界のどことも繋がるし、ちょっと川を下ればちゃんとした公共トイレもあるし(日本の公園のトイレの多さは世界に誇るべきだと思うですっ!)、ランナーや自転車が鬱陶しくなったら少し上には別の広大な机付きピクニック用ベンチもあるしさ。

背中の側のハイウェイは騒々しいとはいえ、間に木立が茂ってる夏はそんなに気にならない。それよりもこのノマド場、問題は空でありまする。ハドソン河上空は、平日の朝9時から夜まで、天気の良い日は観光ヘリコプターが高度500メートルくらいでぐるんぐるん飛び回っている。どうやらマンハッタン南のヘリポートを飛び立ち、摩天楼を右手に眺めつつハドソン河を上ってくる。で、いちばんお安いお手軽コースは、やくぺん先生がノマドしてる頭の上で引き返してくみたい。
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もうちょっと豪華なコースになると、やくぺん先生の頭の上をつっきって島の北の先っぽ、いつも渋滞してるジョージ・ワシントン橋まで行って、グルッと旋回して戻ってくるようです。観光ヘリ会社複数入り乱れ、もう3分にひとつくらい、器械蜻蛉が頭の上でぐるぐるしてら。
http://www.veltra.com/jp/north_america/new_york/a/13233
そればかりか、対岸のお金持ちのビジネスジェット専用ティータボロ空港とマンハッタンやらを結んでるらしい、空のキャデラックみたいな高級器械蜻蛉が川を横切りウォール街傍のヘリポートへと急ぐ。
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その上には、ラガーディア空港に降りていく定期便が高度1000メートルくらいで10分に1本くらい河に沿って北上。おお、見よや、葛飾オフィス厄偏舎や佃の上空12000メートルを夕方4時過ぎに東へと向かう大韓航空「ナッツは袋」号が、遙々太平洋と大陸を越え大西洋岸はJFKへと悠然と降下していくではないかぁ!
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どうやらハドソン河はマンハッタン側が北行き、ニュージャージー側が南行きの巨大な空のハイウェイになってるらしく、観光ヘリや社長さんヘリ、NYPD
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はたまた民放各社の渋滞報道ヘリと、時に上空に1ダースもの機械鳥が舞ってる大混雑状況。
その間に、半世紀も前の味わい深いおんぼろセスナやら
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日本の空ではほぼ見られないV字尾翼の初期型ボナンザやら
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無論、どこにでもいるチェロキーやらセスナ170やら、あれこれいろんなちっちゃな民間自家用機械鳥たちが、ふらりふらり。
ハドソン河は水上機は降りてはいけないようで(ここにエアバスを安全に降ろしたら奇跡なわけです)、イーストリバー側では見られる派手な水上機の着水がないのがちょっと残念…って、あんた、仕事してるんだろーに。

そして、その間を、さりげなくすり抜けていく猛禽類!葛飾厄偏舎上空でお馴染みのこんなんとか
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なんでやねん、と言いたくなるようなこんな方まで。
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空母所属じゃなくて、ノーフォークの教育部隊の奴みたい。それにしてもどうしてここまで出張ってるんねん?60マイルだか遡れば、天下のウエストポイント士官学校があるわけで、世界最強ヤンキー陸軍チヌークやら黒鷹君がのし歩くのは判るにしてもさ。

おっと、川の上じゃ、消防さんが楽しげに練習なさってるぞ。
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鳥さんたちと言えば、あの「ハドソンの奇跡」の原因となっちゃったカナダ雁さんの群れは反省も無くノンビリしているし
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鳩さん、イエスズメたち、それに日本なら珍鳥ホシムクドリくらいしかおらんけど、機械鳥の乱舞に時間を忘れ、川を渡る爽やかな風にノマド仕事もはかどり、昼には戻ると言ったのを忘れてると、いつまで戻ってこないのか心配になったお嫁ちゃんもチョコチョコやってきて、あらまぁ気持ちいいと、ちょっと離れたところに座り込んでお仕事の書類などを読んでら。
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と、おやぁ、なにやら小さな方々がやって来る。「くれないの、くれないの」と迫られてるぞ。
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はい、あげますよあげますよ、順番に待っててくださいね。
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かくてマンハッタンのノマド、午後の太陽が正面から照りつけるようになってきた。栗鼠らの神様となったところで、そろそろひきあげましょか。

全て世は事も無しの、やくぺん先生生誕記念日也。

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祝アタッカQ定職Get! [弦楽四重奏]

なにやら妙に爽やかな夏の終わりのNYC、そんな過ごしやすい日々をもっと嬉しくしてくれるニュースが飛び込んできました。

2011年、大震災の後の国際的大規模イベントとしては最初に開催されたもののひとつ、大阪国際室内楽コンクール&フェスタの弦楽四重奏部門で見事優勝したニューヨークのアタッカQ。その後、目出度くもパシフィカQの後を受けて本拠地NYのメトロポリタン美術館のレジデンシィを1シーズンつとめたり、コンクール前からずーっとマンハッタンの教会でやってきたハイドンの全曲を完奏し終えたり、ジョン・アダムスの指揮で《アブソリュート・ジェスト》のスペイン初演をしたり、まあ、若い団体としてそれなりに頑張って活動を続けているわけであります。勿論、ヴィオラのルーク君が「マンハッタン・チェンバー・アンサンブル」(だっけ)なる団体を起ち上げるので脱退したりとか、いろんなことがあるのもこの世代なら当然でありましょうぞ。

そんなアタッカQにとって、最も欲しかったのがレジデンシィであります。レジデンシィとは何か、説明し出すと面倒だし、今、商売原稿に書かなきゃならんので、ここではしません。ともかく、世界中の若手中堅団体が何より欲しい大学レジデンシィのポジションを、どうやらゲット出来そうとのことでありまする。こちらが速報。
https://www.facebook.com/attaccaquartet/?fref=nf&pnref=story
必要な部分だけを貼り付けると、以下。

FOR IMMEDIATE RELEASE August 18, 2016
Texas State University School of Music welcomes String Quartet in Residence the Texas State University School of Music welcomes the Attacca Quartet as its inaugural Ensemble-in-Residence for the 2016-2017 season. The quartet will give performances, collaborate with our world-class music faculty and provide a unique opportunity for students to work closely with an internationally touring ensemble.

徳永さんに拠れば、まずはパートタイム・レジデンシィの形でこの秋からのシーズンは「テキサスにちょっと滞在する」という形でのテストランがあり、その先に本格的な移住もあるのかなぁ、ということのようです。

この大学と、ミロQがいるオースティンがどういう関係なのかとか、やくぺん先生には全然わからぬですが(ウィル君に尋ねれば一発でわかるんだろうけどさ)、ま、いずれにせよ今やアメリカ合衆国では北東部を抜いてすっかり経済の中心地になりつつあるところで、新たにハイカルチャーを広めるミッションを背負うわけですから、「とんがりアタッカ」とすれば願ったり叶ったりの場所なのかもしれませんねぇ。

若手超激戦区のアメリカ合衆国弦楽四重奏界、とんがりキャラに磨きをかけて、頑張って生きぬいていいただきたいものでありまする。ぐぁんばれ、アタッカ!

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鱈岬の動物たち [たびの空]

アメリカ合衆国東海岸の湘南、ってか、軽井沢ってか、まあともかくステキな夏の高級保養地ケープ・コッドの滞在も本日まで。この数日、ぼーっとしてるあたしらの周りで動き回ってくれていた方々をノンビリご紹介しましょうぞ。

ケープ・コッドは、マサチューセッツ州南東端からポパイみたいに腕をぐっと突き上げた細長い半島です。
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音楽好きなら、武満徹《海へ》の終曲で有名ですね。以下、ここをポチョして、同曲を聴きながら読むよーに。
砂浜と松林、高い緯度らしい樺、それにいろんな広葉樹、針葉樹が茂ってる。潮水やら真水やらの湿地も複雑に入り組んでいて、いろんな生き物さんがいらっしゃいます。クァルテットで有名な(?)オーデュボン協会(ナショナル・トラスのアメリカ版でんな)が広大な土地をがっつり確保して、しっかり自然を守ってる。この街に住んで世界各地に出かけピアノ三重奏を弾いていたバーナード・グリーンハウス翁に言わせれば、「鳥を観るなら世界最高の土地だよ」とのこと。そんな翁が没してはや5年、久しぶりに出かけてきた場所にノンビリ座ってると、周囲の藪から盛んにチチチという鋭い声が聞こえるぞ。そー、この方達でありまする。
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数ある栗鼠さんの仲間達にあって、もう別格の可愛さで大人気のチップマンクさんでありまする。基本は「めっかったらいないふり、相手が向こう向いたら必死にトンズラ」という気の小さい方々(そのくせ、お友達を呼ぶ声は妙にデカくて、どこにいるか藪の中でも直ぐに判る)。ま、それも当然で、同じ栗鼠仲間とはいえ、もちょっとでっかいこんな方とか
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はたまた、どこの公園でものそののご飯探してるうんとでっかい方とか
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が周囲にはいるわけで。それにしても、こいつ、自分のために用意されたご飯じゃないと思うんだけどぉ。

なにしろ広い空には、原っぱにノンビリするいは余りにコワいこんな方が舞ってるしさ。翼曲げて轟音立てて垂直離陸はしないけどね。
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ぼーっとしてればオスプレイさんのご飯になっちゃいそうな連中は他にもいっぱいいて、陸にはもうひとつ、こちら。
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チップマンクさんたちに比べると、身体がそれなりに大きいからか、こちら様は案外とノンビリしてます。藪の横に出て来て、ノンビリ座ってて、近寄っていくと、なんだい来るのかい、って感じでよっこらしょとお尻をあげて、のたのたと暗がりに入っていく。

ちいちゃな飛ぶ方々とすれば、こんなハデハデさんやら(絶対に「ゴシキヒワ」には思えな黄色なのだが、これがアメリカン・ゴールドフィンチなのでありまする。)
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こんな真っ赤な方やら
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勿論、お馴染みのカラ類も群れになって動いてる。ほれ。
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お腹黄色いシジュウカラさんよりも、ベストも着てないしネクタイもしてないハシブトガラだかヒガラさんだかの方がいっぱいいらっしゃるのは、いかにも夏の避暑地でありまする。
北米のカラ類の中でも可愛さピカイチ、マンハッタンはセントラルパークのスターたるこちらの方も。
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おや、あなたはどなた、と思えば
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明らかにゴジュウカラさんだけど、目の周りの隈取りがありません。へえ、なんか、ヨーロッパのアイラインなしセキレイさんみたい、ちょっと間抜けっぽい感じになるなぁ。しっかりメイクなさった北海道なんぞにいらっしゃるのと同じお顔の方もいらっしゃる。ゴメン、ピント合ってませんです。
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地面でいろいろつついている方ってば、勿論、アメリカ人が意地でも「ロビン」と言い張るつぐみん系のお腹が赤い方はどこにでもいる。
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あれ、尻尾をつぐみさんたちっぽく立ててる、存じ上げない方がいらっしゃる。
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全然ヒトを気にしない、剛胆なお方でありまする。グレイ・キャットバード、と仰るそうな。へえええ、何が猫なんじゃろかい。その辺りでご飯を口いっぱいに集めては、藪の中に飛んで戻ってました。

アメリカ合衆国といえば、食い物もバスも宿のお部屋も、なんでもでっかい国。その辺をノソノソ歩いている方も、こんなにでっかいぞ。
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ワイルド・ターキーさん、この直後に砂場で砂風呂に入り始め、もの凄い煙を立ててました。その正反対の、こんなちっちゃい方もおりまするぅ。
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鳥さんが飛んでる感じが全くしない、ホントに不思議なミニミニ鳥さんだなぁ。

かくて長い夏の終わりの日も暮れる。ピルグリム・ファーザーズが上陸した辺りに日が落ち、その上を鴎たちが影を落としていく、鱈岬の夕暮れ。
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