ショスタコーヴィチ作曲弦楽四重奏第9番作品113日本初演? [弦楽四重奏]
只今9月24日午後4時過ぎ。晴海のモルゴーアQショスタコーヴィチ全曲演奏会はいよいよ9番までを終えて、これから内面の深みへと沈殿していこうとしております。
ところで、今から20分ほど前、晴海第一生命ホールで、とても珍しい音楽が演奏されました。
ショスタコーヴィチ作曲弦楽四重奏第9番作品113、です。ことによると日本初演かな。
この表記を見て「あれっ」と思った方はショスタコツウですな。
そーです。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏第9番、最近、第8番にも匹敵する人気を集めつつあるこの曲は、作品117じゃあないの、作品113は「バビ・ヤール」だろーに…ってね。
正にその通り。先程、クァルテット全曲チクルスの中で披露されたのは、なんとなんと、3年前に発見された未完成の断片なのであります。ステージ上の荒井さんの話に拠れば、「昨年にボロディンQによって世界初演されている。1961年頃の作品で、楽譜の表紙にはショスタコーヴィチの直筆で『弦楽四重奏第9番作品113』と記してある」そうな。なーるほど、前回の晴海でのチクルスのときには、まだ世に出ていなかった譜面なわけですなぁ。
モルゴーアQの演奏会は、毎回、アンコールが滅茶苦茶に面白いと評判なのは関東圏の室内楽ファンならご存じの通り。今回のチクルスでも、なんとなんと、昨日からずっとアンコールやってます。第1回は交響曲第5番第3楽章のクァルテット編曲版。第2回は「マクベス夫人のアリア」クァルテット版。で、先程第3回の7、8、9番という有名曲ばかりを集めた、でも演奏時間は案外短い会のアンコールとして、この幻の第9クァルテット断片が演奏されたのですね。
200小節を越える大きさがあり、充分に1楽章として成り立つ規模。中身は、完成された第9番の終楽章と似た素材を用いています。モルゴーアQはあくまでもショスタコ本人が書いた音符だけを弾くべく、格好が付くように補筆された部分は落として演奏しました。第2ヴァイオリン以下がユニゾンでロシア風の雄渾な旋律を歌う上に、第1ヴァイオリンが無窮動のように熱狂的な音符を並べていく頂点でぶち切れてます。
終演後、ロビーでは「あれはCDがあるのか」、「楽譜はシコルスキーから出てるのか」なんて会話が飛び交ってました。
なお、今回のチクルスは、「ぶらあぼ」のライブ配信サービスで録音されておりますので、この幻の第9番も配信されるはず。有料ウェブコンテンツです。以下を参照。http://bravissimo-blog.mde.co.jp/blog/c/10001092.html
というわけで、モルゴーアQのショスタコ全曲演奏会、まだあと2回あります。どんな隠し球が飛び出すか、お楽しみに。今からでも遅くない、晴海へ急げっ!
追記:24日深夜です。もうすぐショスタコーヴィチ100回目の誕生日です。さて、チクルス第4回目のアンコールは、なんとなんと、ヴァイオリン協奏曲第2番より第2楽章でありました。また、幻の第9クァルテットの楽譜についてですが、ロシア音楽研究者H女史の話の又聞きによれば、新全集に収められているそうです。ですから、今後はアンコールピースなどで盛んに演奏されることになるかもしれませんね。日本初演かどうかは相変わらず不明。
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