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裏方はどこでも裏方 [マンハッタン無宿]

雪ならぬ冷たい雨がマンハンタンの湾曲した舗装を激しく打つ連休中日の日曜午後、カーネギーホールで恒例のヴィーンフィルNY定期最終公演がありました。

今回、マンハッタン厄偏庵には、佃厄偏庵に寝間着一式を置きっぱなしにしてる半居候状態の某都内ホール在勤の裏方モグラ君が転がり込んでおります。いや、ちゃんと部屋代をシェアなさってるんで、立派なお客さんでありまする。ちなみに臨職さんにつっこまれる前に記しておきますと、その某ホールが金を出してくれた海外派遣ではなく、自腹切り、溜まりにたまった代休使って、CMAコンファランスに勉強に来てる。
この業界、裏方というのはどんなに組織に雇われていても最終的には「職能フリーランスが会社と個人契約している」という意識がある方も多い。ですから、こんな動きも不思議ではありません。若くて貧乏なのに偉いぞ、って褒めてあげたい。

さても、日本でのヴィーンフィルの受け入れ先でもある某ホールの裏方とあって、この秋の来日時に団員の誰それにお使いを申し使っており、その品物を渡す用事があるという。で、マチネー終演後、カーネギーの楽屋口にまわって相手を待ち受けるとするべーか。どっかで連絡して事前に渡しておけよ、と思うでしょうけど、なんせコンファランスが滅茶苦茶忙しく、そんなことやってられなかったみたい。ともかく、確実に会えるところで会ってしまえ、ってわけ。

終演後でごった返す57丁目側の正面を出て、7番街に曲がれば、おお、今日はマチネをやっていなかったザンケルホールのロビーには、溜池地下で見慣れたヴィーンフィルの楽器ケースが山積みになってら。
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なんせ今回の渡米はこの3公演のみ。それも、初日のシェーンベルクのヴァリエーションと「田園」はヴィーンの定期でバレンボイムとやってきたそうだが、やくぺん先生が天井桟敷から見下ろした昨日と今日、シェーンベルク、ベルク、はたまたブーレーズの「ノタシオン」、なんてプログラムは、それぞれ1回のみの公演。いかな天下のヴィーンフィルといえ、どこで練習するのやら、って演目ばかり。実際、ブーレーズ指揮の昨日はそれなりにそれなりだったけど、本日のバレンボイムとのブーレーズ作品など…うううん、生涯トラウマになりかねんハラホロヒレハレでありました。

当電子壁新聞には、演奏の感想など書き綴る気などありません。中身についてはこれでオシマイ。悪しからず。それにしても、東京であれだったら、ネットの海にどんな発言が踊ることやら。ふううう。

で、不必要なまでに膨大な楽器を必要とするブーレーズ作品などのための楽器ケースを眺めつつ、グルリと56丁目の楽屋に行くと、楽器を抱え、荷物を引きずった楽人達が次々と出て来るぞ。おやおやこんなところで、と話しかけてくるのは、いつもヴィーンフィル演奏旅行に同行する専属お医者さん。裏方さんどおしのご挨拶。
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で、やがて出て来た目的のチェロ君との用事も無事に済んだのだけど、なにやらチェロ君、「あ、用事があった、もってて」と言い残し、溜池の裏方もぐら君に楽器を預け、ホールに戻っちまったぞ。おいおいおい、預けるなら裏方が違うだろーにっ!
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苦笑しつつも、演奏家に頼まれるとイヤでも騒いでしまう裏方の血。雨の中をしっかり楽器をガードいたします。ちなみに、ヴィーンフィル人事マニアの方なら知りたくてうずうずしちゃう類の事情があって、このチェロは幸いにもオーストリア政府所有の楽器ではありません。その分だけちょっと気が楽…でもなかろーがね。

かくて7番街に3台も無茶な駐車をしっぱなしだったバスに楽人らが次々と乗り込むと、終演後30分もしないうちにオケマンらはJFKへと出発。数時間後には大西洋を越え、明日の朝にはもう極寒の帝都でんがな。あうふぃう゛ぃーだぜーん、とバスから手を振る先にいるのが、何故かNYならぬ見慣れたTOKIOスタッフなのが滑稽だけど、誰もそんなこと不思議にゃ思ってない。
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これが音楽家の生活。そして、そこが世界のどこであれ、マレビトからサヨナラの手を振られるのが裏方の生活さ。

まだまだお仕事中だったろうカーネギーの裏方さん、あの膨大な楽器の転換、お疲れ様でした。

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コメント 1

感動しました臨職

先生
サントリーホールの若く有能なスタッフ・裏方様
それに先生の奥様(でよろしいでしょうか。
間違いありましたら素直に謝ります)

おはようございます。

雪にまみれた臨職
とても感動しました。

先生から
呼ばれたわけではないのですが
臨職さんという
先生一流のリサーチとご期待に答え

早朝出勤前にお便りしている次第です。
皮肉もなにもなし。
みなさん有能な上
志が高い。
信頼のネットワークがいい。
カッコいい。

誉め殺しとかいうアレではないです。

私的な研修留学のあいまをぬって
天下のウィーンフィルのお医者さんとニューヨークであいさつし
お知り合いのメンバーさんから
ひょいとチェロケースを預かる。

それを見守る先生方。

アーツ、の現場です。
早朝にスイッチを入れると聞こえてくるNHK基礎英語の先生みたいに

明るく楽しく希望が持てます。

語尾に沢山の
ねっを付けて盛り上りたい気分です。
今日も楽しく勉強出来ましたねっ
の明るい気分。ずつと冷えてるけど。

先生
先生にあれこれ伺ったようなことは
当然お店やそこのご主人、シェフ
世間さまには
問いかけません。

先生の電子壁新聞だから、です。

んにしても伺いたかったのはですね

フリーのライター先生に
お金も何も全~部お任せ、やっといておくんなませ
でお願いしよって

先生にギャラやいくばくかの経費は払うだろけど

どーもフリーライド同然で記事をつくるように見えちゃいます
専門音楽メディア?のシステムがですね

しっこいヤツの田舎臨職にはへぇ~なのであります。

ああ行かなきゃ。今日も駅まで安全運転で行ってきまあす。
先生週末にでもまた来ます。
by 感動しました臨職 (2010-01-19 07:47) 

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