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ソウル弦楽四重奏三題 [弦楽四重奏]

思っていたよりはしばれていないソウルの夜です。今、車は大河のように流れているのに人通りがまるでない、まるで近未来映画での「人間らしさを失った寂しさ」を表現する典型みたいな場所にあるイルシン・ホールから戻って参りました。梨泰院から直ぐなのに、あの寂しさはなんなんだ。

さても、先月下旬に深夜の羽田を発って始まった3週間にも満たないたびの空、マンハイム→ベルリン→デュッセルドルフ→ヴィーン→フランクフルト→新潟→名古屋→大阪→ソウルと、交通機関もバス鉄道モノレール飛行機(おお、船がない!)と様々な、相当に無茶苦茶な道中、なんとか無事に終えられそうです。明日、LCC乗り継ぎで夜遅くに成田に着いたら、4ヶ月も遅れてる単行本仕事の最後の追い込みであります。ふうう、なんとか年を越すことはなさそうだ。

そう、こんな哀れなやくぺん先生をご家族にもつ不幸をかこってる皆様はアレっとお思いでしょうか、この週末のソウル再訪、なくなりました。まずはその顛末から。


このようなイベントが予定されておりました。こちらをご覧あれ。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2015-10-17
なんせライブで演奏すると6時間かかる、《神々の黄昏》よりも長い弦楽四重奏曲でありまする。人生で一度は経験しておかないとマズいでしょ。ソウルなんて東京湾岸から2時間ちょいでいける場所でやってるくださるといならば、これはいかないわけいかぬ。で、当然、来るつもりでした。場合によっては宿の滞在を延ばし、また変更代7000円也を払って飛行機の便を代え、そのままソウルに逗留していても良いかなぁ、この部屋、洗濯機もついてるし、仕事出来るし…なんて思ってた。

だけど、どこでやるのか、何時からなのか、FLUX Quartetからの連絡がない。しょうがないから、これはもう現地に行ってしまえと、予定されていたDDTならぬDDPなる会場にノコノコ行って参ったでありますよ。ここ。
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なんか、とんでもないとこでしょ。場所は東大門の直ぐ南。このアホみたいな、スタートレックかエイリアンの宇宙船か、ってもんがどかんと古いソウル市街の真ん中に舞い降りちゃって居座っちゃったみたいな空間、話題の新国立競技場はこういう感じの空気を醸し出したんでしょうねぇ。

もとい、この、写真の奥にでかいホールが2面とられた建物がある。そこで来る土曜日にフェルドマンの弦楽四重奏が予定されているというのが唯一の情報。まあ、いかにも、です。確か「現代ソウルのハイテクをアートや文化に展開する総合コンプレックス」でやりそうな企画ですよねぇ。途中で抜け出して飯食いに行く場所もいっぱいある、大繁華街観光地になってるし。高校生だらけ。

さても、月曜日で常設メディアアート展示会場などは閉まっているが、施設のインフォメーションカウンターは開いている。んで、そこのおねーちゃんたちに「今度の土曜日の…」って訊ねたら、キョトンとしている。いや、まず訊ねるまでが一苦労、英語で話すと、どうにも心許ない。無論、ドイツ語なんてダメ。他に何か言葉は、というので、日本語どうねん、というと、ひとりのねーちゃんが「日本語大丈夫です」と仰る。どうも最近のソウルって、接客業に限れば、英語よりも日本語の方が通じるような(最近の、ってのは、70年前までの35年間を除き、ってことです)。短期アパートのオーナー親父も、英語よりも日本語だったもんなぁ。

もとい、で、事情を了解したお嬢さんがた、ちょっとお待ちを、と一生懸命調べます。と、「ああ、その日は、えっくすかるてっと、という公演が入ってましたが、キャンセルになってますね」とのことであります。嗚呼…

なーるほど、正直、キャンセルはあり得るイベントだよねぇ中身が判ったら、と妙に納得した次第。てなわけで、この週末のソウル再訪はなくなった、という訳でありました。ちゃんちゃん。


さても、途中はふっとばして、夕方となりました。前述の如く、イルシン・ホールにエッシャーQを聴きに行って参りましたです。ちなみに本日、このウー・ハン&フィンケルのミニ音楽祭に協賛しているLGは、自前のホールでなんとパヴェル・ハースQをやってます。この弦楽四重奏聴衆分母の小さな街でなんたるアホか、と思うでしょうが、LG.さんだって泣く泣くなんでしょうねぇ。要は、例の6月のMARS騒動でキャンセルになった公演の交代公演です。あたしも切符持ってたわい。無論、最初はそっちに行くつもりだったのだけど、大いに悩んで、実質、未知の団体の条件の良い演奏会を選んだ。蛇足ながら、アーツ・センターの室内楽ホールでは、本日は地元の弦楽四重奏団の公演が入ってました。なんと、今日のソウルは弦楽四重奏が3つ重なってたんじゃわい!まるで東京じゃないかぁ!

んで、エッシャーQですけど、なんせ日本ではCDマニアさんが「ナクソスにツェムリンスキーの全曲入れてる奴らでしょ」と思うくらいでしょうねぇ。世代的にはミロQなんぞの下くらい、ホントの意味の若手とはちょっと違う。年齢的になのでしょうねぇ、コンクール経歴が一切ない団体で、その意味ではグァルネリQみたいだなぁ。今、リンカーンセンター・チェンバーミュージック・ソサエティの若手団体に入っていて、いろんな事情でニューヨークのメイジャーから敬遠されてるアタッカQ(御免、アタッカの皆さん、でも事実なんだからしかたないわねぇ)に換わって、というと生臭すぎるけど、マンハッタンメイジャー系の室内楽イベントにやたらと登場してきている連中なんですねん。

去る1月に香港国際室内楽音楽祭でやっと聴けたのだが、なんせ会場の条件が悪すぎて、エッシャーQがどんな団体なのか殆ど何も判らなかった。で、本日、リベンジが成ったという次第。はい、お疲れ様。
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中身はまたいずれ、なんだけど、一言で言えば、「おおおお、久々のアメリカンな室内楽じゃ!」って感じ。若い元気の良い牛さんの血肉したたるステーキ、って感じの音楽を久々に聴いたですね。考えてみれば、ボロメーオやブレンターノはハッキリと「古き良きヨーロッパ系」だし、今や実質的にジュリアードの後続的な位置づけで全米を席巻する勢いのパシフィカとも、はたまたミロとも違う。グァルネリ後続ど真ん中、って感じの音楽です。ぶっちゃけこのタイプ、日本じゃ人気が出るかどうか、なんともなぁ、って思っちゃうけど。

そういことがかっちり判るために、ソウルまで来て良かったとつくづく思う晩でありましたとさ。セカンドがまた変わったパヴェル・ハースも凄く気になるんだけどねぇ。ちゃんちゃん。


最後に、これを見よ!
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おおおお、我らがノブースQじゃんけぇ!

韓国の「ストラッド」というか「ストリング」というか、クラシック音楽専門雑誌比較的弦楽器系、の表紙を飾るイケメン4人組、なんでこういうことになってるか、面倒なんで説明を全部ふっとばしますけど、要は来る12月21日にソウル・アーツセンターの大ホール(!)で、《死と乙女》なんぞ弾きます!あなた、大ホールでっせ、大ホール。結成数年目の若手弦楽四重奏が東京文化会館とかサントリーホール大でリサイタルをやる、っておんですわ(ソウルって、意外にそういうことやる場所とはいえねぇ)。これはもう、来ないわけにはいかないでしょーに。

結果として、やくぺん先生の2015年最後のたびの空、当初予定のソウル→那覇という日程は、1日延長になりました。ああ、また飛行機の切符変更で7000円也が飛んでいく…

以上、ソウル弦楽四重奏団三題噺でありましたとさ。ちゃんちゃん。

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