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ゲンダイオンガクの真冬 [現代音楽]

節分の頃って、関東平野が一年でいちばん寒くなる頃という気がしているのだけど、なんだか今日は風はあるものの妙にウラウラしているなぁ、と思う2月3日なのであった。

んで、今、都内某所で西村朗氏がエクとの弦楽四重奏第5番立ち会い練習があり、プレトークをするということもあり、見物させていただきました。ま、それがどんなもんだったかの前に、つらつら考えるに…今週になって聴いているものといえば所謂「ゲンダイオンガク」ばかりだなぁ。

まずは札幌から必至で戻って来た理由の、メシアン御大最後の大作《彼方の閃光》でありまする。この作品、まあ、もうFacebookではある方への書き込みという形で書いちゃったから言っちゃえば、これまで正直なところ「作者最晩年の創作力の衰えをハッキリ示してしまっている失敗作」だと思ってました。だってさ、誰が聴いたって判ることだけど、良くも悪くも「素材をゴロゴロ並べてあるだけ」と言われても否定のしようなない作品。そもそもメシアンってそうじゃないか、と酷いことを言えばばそれまでだが、やっぱり若くて創作力に溢れていた頃は強引に纏めるパワーが溢れていたわけですわな。譜面の勢いに任せて最後まで持って行けば光彩陸離たる神の光が見える、って。

ところがこの作品は、そーゆーもんじゃない。それを、それなりに納得いく風に聴かせて頂けたのだから、演奏する人を選ぶ作品なのであるなぁ、じゃあ「人を選ぶ」ってどういうことなのかしら…なーんていろいろ考えさせられた。ま、考えるだけで結論なんて出てないわけだが。カンブルラン先生、《アッシジの聖フランチェスコ》追いかけてマドリッド行ったりしたときに御世話になりましたっけ
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2011-07-05
あれ以来の本領発揮、ありがとう御座いましたです。

んでもって、昨日2月2日は久しぶりにでかけた日本現代音楽協会の「アンデパンダン展」でありました。
http://www.jscm.net/
このイベント、その題名からもお判りのように、年齢性別問わず協会に加盟する作曲家さんが基本譜面ノーチェックで作品を持ち込み、演奏する、というもの。無論、長さや会場、楽器の制約はあるものの、作曲コンクールなどとは違い、ホントに何が出て来るか判らない。正直、知り合いの作曲家さんや演奏家さんがいないとなかなか聴きに来る機会はないイベントなんだけど、今回は関西在住の近藤浩平氏の作品をライブで聴くべく参った次第。

作曲家さんがたには失礼極まりないとは思うのですが、このイベントのおおきな楽しみ(?)のひとつは、やっぱり「作曲家が書いているプログラムノートと、実際に聴こえてくる音の関係」にあるですよ。短いながら作曲家さんが書いていることが、「ああ、なるほどね」ともの凄く納得する作品もあれば、「何言ってるかぜんぜんわからんへん」というのもある。良し悪しじゃなくて、その違いがなかなか面白いであります。

ただ、やっぱり、手堅く作品として纏められるタイプの作曲家さんと、バッタンバッタンやってる感じの方がいるのはどんな「アート展示」とも同じ。その辺りのキャラの差も、これだけ並ぶといろいろあって興味深い。

近藤さんの作品は、決して「上手く纏めました」というもんではなく、笛という楽器の所謂譜面に書いてある音程じゃないところをどう音として拾っていくかがなかなか面白い音楽でありました。「笛だぞー」って吹いちゃうタイプの作品ではない、ってこと。作品数が多い方なのだけど、決して「かっちりまとめました」って感じにならないのは、創作者として信用出来るところでありまする。

んでもて本日、午前中から荒川放水路の畔辺りまでノコノコ出かけたエクと西村さんの練習。いやぁ、これはもうスゴく面白かったです。
027.jpg
これが初演の時の駄文
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2014-08-26
…と思ったら、本篇は「アッコルド」に書いてたんだなぁ。スイマセン、アクセス出来なくて。

なんせこの草津での世界初演のときに曲の録音はされているのだけど、まだ世に出ていないそうな。音として聴いたのはあれ以来まる2年半振り。初めて楽譜をちゃんと眺めながら聴かせていただいたのですが、超傑作第2番に比べると随分と大人しくなったかな、なんて印象とはまるで違いました。
確かに形はちょっと面倒くさく、特に最後が「盛り上がってどっかーん」と終わるわけじゃないので地味に聴こえるけど、真ん中にはホケトゥスの部分があって、所謂「西村節」の盛り上がりはきっちりあります。いちばん面白かったのは、最後の「不老不死の薬を飲んで妙な気持ちになってくる」ところ。音程が猛烈に微妙で、ちょっと聴くと「おおおおい、ぴっちわるいよぉ」とクァルテットの皆さんにいいたくなるようなとこなんだが、これははっきりと意図したものなんですわ。明後日の本番、近江楽堂の響き過ぎる空間でどーなんじゃろかと思ってたんだけど、この部分に限れば微妙な音程と微妙な倍音の絡みが、えもいえぬ気持ち悪さ(としか言いようがない)を醸し出してくれることでありましょう。

てなわけで、現代音楽週間、まだまだ続く。皆様、日曜日は近江楽堂へどうぞ。

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