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小さな会場で弾くということ [弦楽四重奏]

話としては、先週の京都のお寺でクァルテット、ってのの続きなんですけどねぇ…

ええ、昨晩、都内某所で弦楽四重奏を聴いたです。某所、って、別に隠すわけではなく、説明が面倒だからそう記しているだけで、九段の坂の上の靖国通りから1本入ったところの楽器屋さんです。所謂、通りに面した路面店、弦楽器屋さんですのでそれほど広くはない、普通の店舗。

そこに弦楽四重奏入れて、譜面台立てて、数十人の聴衆が取り巻く、というか、ギュウギュウになって座ります。40人くらいの聴衆はいたのかしら、なんせ座っちゃったらもう奥がどうなってるか判らないという状況。

演奏したのは昨年から活動しているサントリーの室内楽アカデミー卒業生らを中心としたクァルテット雅。なんかプロフィルがめっからないので、昨日も弾いた作品18の1の絵をアップしておきましょか。
https://www.youtube.com/watch?v=iTA0bQeM6BQ
なお、昨日はこの映像の「エク&ボロメーオ配置」ではなく、通常の音域が高い方から低い方へと下手から上手に並ぶ座り方をなさっておりました。

ベートーヴェン作品18の1と、メンデルスゾーンの作品44の1をお弾きになられたのですが、ま、この方々の個々人の演奏レベル、アンサンブルのレベルについては今更どうこういう必要もない「室内楽をやりたくて日本である程度以上本気で活動している20代終わりから30代の連中」であります。これくらいの世代に安定した力の、室内楽への関心が高い人達が揃っているのは、誠に以て心強い。先週の京都のお寺で聴いた連中よりはひとつ上の世代、ってところですな。

で、まあ、毎度ながら、いろいろ思うところがあったわけであります。以下は、ぶっちゃけ、昨日来、演奏した皆さんと個人的なやり取りで話したことだから、別に隠すようなことではなく、自分のメモの為に記しておくようなもの。ああそーですか、と思ってスルーして下さればいい、どーでもいい無責任な感想であります。

要は、「ああ、こういう小さい会場で弾くには、それなりの特別な配慮と、はっきりとポイントを決めた弾き方があるなぁ」ということ。あったりまえじゃん、と言われればそれまでですが。

先週のお寺で感じたことと同じと言えば同じなんだけど、中身は正反対だったのでありまする。先週は、「やたらと弱音とフレーズの収め方に関心を集中してて、ダイナミックスの上の方はどうするんねん」だったんだけど、昨晩は「メンデルスゾーンはこういう場所で弾くとミニ協奏曲やらミニ交響曲っぽく響いてそれはそれでありだけど、ベートーヴェンはやっぱりダイナミックスの意味を伝えるにはかなりの工夫が必要になるのでありますねぇ」というもの。

こういう小さな会場で、モダンな楽器で弾くと、当然のことながら、もう音が空間中に充満して、頭が痛くなるくらいになる。400席、700席の空間で弾く場合と、まるっきり違う。だけど、今の「室内楽セミナー」とか「クァルテット・プロフェッショナル・コース」というのは、基本、20世紀後半の「巨大なホールの隅々まで自分らの音楽が伝わってプロとしてなんぼ」という考えで教育が行われている。

そこで学んできたことは、もしかしたら、こういう小さな空間で弾くときには、ちょっと違うことになっちゃうのではあるまいか。

なんでこんなこと言うかといえば、21世紀に入って、やくぺん先生自身の環境を鑑みるに、明らかにクァルテットを聴く会場が小さくなっている。昨晩のようなサロンで聴くなんて、20世紀にはかなり珍しいことだったけど、今では思うに半分くらいはそうなんじゃないかしら。今の30代以下の演奏家の皆さんは、そういう中で自分らの音楽を作っていかねばならない。小さな、サロンのような空間で、〇〇ホールでの演奏会の準備ではなく、勝負の音楽をやらねばならない。

となれば、そりゃ、方法論もかわってくるわいね。あったりまえのこと。

…なーんて、判りきったことをあらためて思わされる弥生の晩でありました。それだけのこと。

若い人達よ、君たちの前にはやっぱり道はない。それでも歩いて行こうというなら、爺はまだ、眺めるとしましょうかい。

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