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NJP昼定期はディープな若隠居音楽ファンのためにあるのじゃ! [音楽業界]

本日、新日本フィルハーモニー交響楽団の来シーズン内容発表記者会見が行われましたです。内容は、こちらをご覧あれ。PDFファイルをピラっと開いて下さいませな。
https://www.njp.or.jp/archives/4567

ええ、ご覧になってお判りのように、まあぶっちゃけ、「人口30万から50万人くらいの、自前のオペラ劇場をもっているくらいのドイツ地方都市のオーケストラ定期公演」って感じの演目ですね。基本、小規模ながらもトンデモな演出が次々出るような劇場がちゃんとあるから、演奏会形式オペラとかのイロモノはやりません、あくまでもシンフォニー・コンサートに徹してますよ、うちは、って感じ。

音楽監督の上岡氏が何を喋っているかなんぞは、あちこちのFacebookなどで出席なさっていた同業者さんがいろいろ書いてますから、そっちをご覧あれ。
https://www.facebook.com/yamadaharuo1964?fref=nf&pnref=story
https://www.facebook.com/kyosuke.hasegawa?fref=pb&hc_location=friends_tab&pnref=friends.all
あれ、Facebookって、記事そのものにリンク出来ないのか。ま、スクロールしてみてくださいな。

って、めんどーなことは他人に任せて、敢えて引き籠もり老人やくぺん先生が勝手なことを言えば、来シーズンのNJP定期、とうとうやってくれたなぁ、感が漂いますね。

ええ、昨今、こういう音楽団体のシーズン記者会見などでは、必ず新聞系なんぞの記者さんから「若い聴衆の開拓はどうなっているのですか?」という質問が出ます。そりゃね、ある意味で「この団体の財政状況はどうなってますか?」と並ぶ、どんな新人記者でもやれる定番質問ネタだし、そこでなんか出て来れば良い記事と褒められるようなものが書けるから、ま、それはそれで結構でありましょう。

だけど、ホントは、この裏には、誰も敢えて訊ねない大きな質問がある。「高齢化した聴衆はどうするですか?」ってのがそれ。

今、コンサートに客が来なくなっている、客が高齢化しているからだ、という議論は、全く正しい。で、若い聴衆を集めなければ、という危機感になるわけです。だけど、高齢化して定期演奏会に来られなくなった人達は家で寝てろというのか。それはないでしょ。

てなわけで、21世紀になって、どの主催者も音楽団体も、「私たちは他に先駆けて平日昼のコンサートをやって、沢山の聴衆を集めています」などと誇らしげに仰るようになった。実際、昼間の演奏会は呆れる程増えているし、最近では週末の昼は演奏会が目白押しで重なりまくってたいへん、でも平日夜はこの東京首都圏でもオケやオペラの演奏会がない、なんてことは珍しくなくなっている。

どうしてそうなっているかといえば、話は簡単で、この東京首都圏という世界でも珍妙な、敢えて似たところを探せばソウル首都圏くらいしか似たものがない人々の生き方にある。「都心」と言われる場所が20キロ圏内くらいに分散して存在し(上野、北千住、錦糸町、門前仲町、浅草、銀座…どれも世界の普通の国ならばそれぞれが独自の空港を持つくらいのひとつのシティです)、東京そのものがひとつの都市ではない。そのそれぞれに50キロ圏くらいの居住地域が広がっていて、更にその外に鉄道会社が建設開発した郊外都市が広がっている。

結果として、都心と呼ばれる場所のコンサートホールで夜に演奏会が終わると、かなり多くの人が帰宅が深夜前になったりする可能性がある。これじゃあ、若い頃はともかく、ご隠居になったらとてもじゃないけど出ていくわけにいかない。てなわけで、聴衆高齢化と共に昼間の演奏会がガンガンに増えているわけです。ま、猿にだって判る理由。

ところが、興味深いことに、「昼間のコンサート」になった途端に、主催者の皆さんが「昼間なんだから名曲コンサート」とほぼ自動的に思ってしまう傾向にあるんですな。

夜の演奏会はブルックナーの6番をやるけど昼間の演奏会は同じオケが同じ指揮者でメンデルスゾーンの《スコットランド》をやる、とか、夜の演奏会はリゲティの協奏曲だけど同じソリストが昼間の演奏会ではパガニーニを弾く、とか。ま、なんとなくそんなもんだろう、だって昼間だもん、って思ってしまう。

だけどさぁ、ちっとも「だって昼間だもん」じゃないんねん。平日夜のコンサートに来ていた聴衆は、歳を取ったからといってブルックナーはもう聴きたくないと思ってるわけじゃない。「ああこの指揮者、夜はブルックナーやるのかぁ、昼間はブラームスなのは残念だなぁ」と思ってる、かつて朝比奈一般参賀に率先して加わっていたような爺様だって、いっぱいいるわけですよ。

NJPさんは、この「ルビー」なるどういう意味かよー判らぬ題名を付けた「金曜午後2時&土曜午後2時」というシリーズを、定期3本柱のひとつに立てた。で、その演目たるや、尾高さんがウォルトンの交響曲第1番、上岡監督がレーガーの《ベックリンの音詩》、ジェイムス・ジャッドがロッシーニの《スタバート・マーテル》、カムがしべ2の前にサリネンの序曲、んでもてファレッタねーさんがバーバーの交響曲やってカーニスやって、最後はヤングおばさまがブルックナーの4番で締める。ハイドンやメンデルスゾーン《宗教改革》なんて普通の演目があると思えば、なんと指揮者は鈴木雅明!これって、もう堂々たる「夜の勝負定期」の演目&出演者でんがな。

こららの演目を眺めれば、多摩市の奥地に引っ込んでしまった元ヘビー・コンサートゴーアーさんであれ、水上で畑弄りながら次々と出て来るアーベントロートの新譜をAmazonで購入してるご隠居さんであれ、「金曜の昼なら、錦糸町まで行ってみるか」と思うでしょ。つまりこのラインナップ、関東圏全域のオールドファンに、月に1度、金曜日に東京に出てみましょうよ、と誘ってるわけであります。流石にオケ自身はそうは言っていないものの、実体は誰がみてもそう。

さああ、この実験、どう出るか?オケがホールを本拠地にしている団体じゃないとやれないかもしれないけど、どんなことになるか、他の団体も結果を横目で眺めてるんじゃないかしらね。

さても、この週末には今シーズンのルビー定期がありまして、なんとメイン演目は、ヒナステラのバレエ曲全曲であります!
https://www.njp.or.jp/archives/1041
もちろん、爺初心者のあたくしめも参上させていただきまする。

関東各地に散らばるかつて毎晩上野に通っていた爺様どもよ、月に1度、錦糸町に結集せよっ!

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