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ジョン・アダムス弦楽四重奏第2番についてなど [弦楽四重奏]

本日、今や関東地区に於ける弦楽四重奏の聖地となった横浜の東端、鶴見のサルビアホールにて、満員の聴衆を集め、ジョン・アダムスの弦楽四重奏曲第2番の日本初演が行われました。
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これが書かれたときのご報告。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2014-12-24
演奏したのは、言うまでも無く、アダムスとは関係の深いアタッカQでありまする。

数年前に発表されて、「ちょっと長いけど、それなりに良い曲じゃないか」と評価されている第1番に続くアダムス2曲目(といっても、弦楽四重奏のための舞曲集がありますが)の弦楽四重奏曲、その間に世界的なヒット作品となっていて、この先、常設弦楽四重奏団をオケの定期に招く際には定番になりそうな「弦楽四重奏と管弦楽のための《アブソリュート・ジェスト》」を挟んでの創作ということで
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2014-08-20
中身としてはどんなことになってるやら、楽しみであったわけでありまするが、ま、結果から言えば、直接は関係はない。とはいえ、内容的にはやっぱりがっつりとベートーヴェン繋がりでありました。アタッカQセカンドの徳永さんに拠れば「今、アダムス氏はベートーヴェン中毒なんです」とのこと。

2つの楽章から成る20分程の作品で、両楽章共にベートーヴェンのピアノ・ソナタ作品110のふたつのモチーフから始まり、変容していく、という音楽。第2楽章の終わりには《ディアベリ変奏曲》からの引用も聴こえるし、アタッカQの皆さんに拠れば、第九のモチーフじゃないかなぁ、なんて思える部分もある。
とはいえ、古典派、ロマン派的な意味での「変奏曲」ではありませんし、使われる引用箇所も誰でもそれと判るテーマそのものなどではありません。ですから、いくら待っても「♪てらら・とんとんとん・てららららぁ」なんてメロディは出て来ませんから、期待しないよーに。それっぽい音型が、ミニマムと言われても言い返しようのない繰り返しの中で、弦楽四重奏の響きにぐにゃぐにゃに歪んでいく、って音楽です。

なんせ楽譜が手元にあるわけでもない状態で練習を眺め、本番を聴いただけなので、果たして作品から来る印象なのか、アタッカの演奏がそういうものなのかなんとも判然としないところはあるのだけど、とても興味深かったのは「fやpで表記される音量の変化というより、強度の変化としか言いようが無い響きの変容」が極めて重要な要素になっていたこと。しばしば古典派のマスタークラスなどで、偉い先生が「ダイナミックスの質の違い」ということを盛んに仰ることがありますけど、ま、もの凄くモダンな意味だけど、同じような「音色感と一体となったダイナミックス」の多彩な変化がかなり本質的な部分になっているなあ、と思ったでありまする。

なお、昨年の初演以降、アタッカと並ぶアダムス作品の特別な解釈者と作曲者が認定しているセント・ローレンスQが演奏圏を独占していたそうですが、それが切れ、早速アタッカQも演奏を始め、今回は2回目だかの演奏だそうな。無論、アダムスからのレッスンというか、共同作業は行ったそうで、練習の時も、「この部分はもっともっと、って言ってたよねぇ」などという声がステージから漏れておりました。ちなみに、まだ楽譜は出版されておらず、セント・ローレンスQの初演からアタッカQの演奏の間でも随分と弄られた部分があrそうで、本日の日本初演はことによると将来的に出て来るであろう出版譜とはちょっと違う、改定途中の版だった可能性も高いです。その意味では、本日聴けた方は、貴重な経験をなさったかも。

この先、様々な団体が演奏するかどうか、ともかくリズムの把握がきちんとしていないとグズグズになるし、なんせ一度落ちると直すところが全くなさそうなむずかしー曲みたいなので、果たしてポピュラーになるやら。過激派アタッカじゃない演奏だとどんな風に聴こえるか、ちょっと想像がつかないなぁ。

[追記]

立ち話でのアダムスに関するネタをふたつ。

◆今、アダムス関連で最も話題の、秋にSFオペラで初演が予定されている新作《大西部の娘》ですが、既に無事に作曲は終わっているそうです。

◆アダムス現在鋭意作曲中なのは、なんと、いよいよピアノ協奏曲だそうな。「誰が初演するんだろーねぇ」というのが専らの話題でありました。

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