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300席規模のホールが21世紀のスタンダードなのか [音楽業界]

数日前に書きかけてほーり投げていたもんをアップしますです。ネタは、ええと、去る火曜日の話です。

ひところ葛飾厄偏舎で練習をしていた、やくぺん先生的には文字通りの「レジデント・クァルテット」のクァルテット・セレシアが、お久しぶりにそれなりに大きな会場で演奏会を行うということで、これは聞かぬわけにはいくまいと、手土産にそろそろ季節もオシマイの苺大福など抱えて参上いたしましたです。場所は、「台東区生涯学習センターミレニアムホール」なる場所。

正直、台東区にあること以外はよーわからず、とにもかくにも最寄り駅という地下鉄日比谷線入谷駅の上野寄りの出口を出て、言問通りを真っ正面に聳える天樹方向に延々と歩く。思えばこの道、根津に庵を結んでいた頃にNJPが文化会館からすみだトリフォニーへと本拠地を移転し、それまでは藝大の間を抜けて上野公園口まで歩くだけで済んだのに、都バスで根津駅前から延々と寛永寺裏と谷中霊園の間を抜けてJR跨いで、浅草かすめ、天樹なんてもんが聳えるなんて思ってもいなかった鄙びた押上で曲がって錦糸町まで向かっていた途中。ってか、この辺りをふらつくなんて、あの頃以来じゃあないかしら。途中で不安になって、和菓子屋さんに入って苺大福買って、「ミレニアムホールって、こっちで良いんですよね?」と訊ねると、2つ先の信号を右に曲がってバーミヤンがあるからそこ、ってお応え。へ、バーミヤン、ですかぁ…

ったら、この区立総合文化施設、確かに目印としては「バーミヤン」の看板がいちばん判りやすい。というのも、河童橋食器問屋街の最北他となる通りに面した施設の2階にしっかりと格安中華屋さんが入っていて、一見するととてつもなく巨大で立派なバーミヤンにすら見えるわけであります。あ、外観の写真を撮らなかったなぁ。ま、こちらの建築事務所さんが落成直後に撮影したらしい最もカッコイイ外観の写真をご覧あれ。
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で、このステキな写真左側2階のガラス部分が「バーミヤン」になっていて、今は前にしっかり看板が出ております。んで、その奥が、ミレニアムホールなる300席の公共ホールになっている。施設全体の案内はこちら。
http://www.city.taito.lg.jp/index/kurashi/gakushu/syougaigakusyuucente/

昨今の公共文化施設、図書館から集会場からホールからなにからなにまで一緒にした巨大コミセンみたいなもんをドカンと作る、という傾向というか流行がある。去年、キチの街ヤマトに誕生した「大和シリウス」もそんなもんでありましたっけ。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
で、この台東区の会場、2002年に出来ていて、完成当時の永田音響さんのレポートはこちら。これで「音楽ホール」としてどんなところか、よーくお判りでしょ。
http://www.nagata.co.jp/news/news0201.htm

21世紀に入ってオープンした300席の音楽用ホールといえば、2003年のハクジュホールを誰でもが思い出すでしょうし、少し遅れて2006年に名古屋にオープンし現在も日本のクラシック音楽興行シーンの颱風の目のひとつとして君臨している300席ちょっとの宗次ホールがある。めんどーな議論は省略するけど、ぶっちゃけ、21世紀に入って規模が縮小の傾向が隠せない「クラシック音楽専用ホール」の成功例は、どうやら公共民間を問わずに300席ということになってるのかしら。先頃オープンして話題の新浦安も、この規模だしさ。札幌のふきのとうホールはもうちょっと小さいけど、街の規模からすればまあ、同じくらいということでしょ。

おっと、話が先に行ってしまった。要は、恥ずかしながらはじめて去る火曜日に足を踏み入れた台東ミレニアムホール、とっても良い空間なんですわ。300席の公共ホールとは思えない、所謂シューボックスで天上の高い、タップリした空間。昨今大流行の「コンサートスペース」というか、「マイクロホール」というか、個人が自分の敷地に建てちゃう100席以下のホールでは不可能な、空間の響きそのものをきっちり味わえる。同じ規模ながら、天上の低さが如何ともし難いサントリー・ブルーローズの関係者さんなど、「いやぁ、知らなかったけど、スゴく良いホールがありますねぇ」と感心なさってましたし、今や日本のクァルテットの聖地となった「良すぎる公共ホール」サルビアホールでシリーズを行うプロデューサー氏も、「ここ、良いじゃない」と仰ってました。

確かに、この空間、クァルテット・セレシアとすれば普段活動のベースとなってるサロンやコンサートスペースとは違って、タップリした容量の「ホール」での弾き方が要求されるという難しさがあったことは否めません。だけど、やっぱり最低限でもこの規模の空間でやってくれないと、正直、団体としてのキャラは判りにくいところがある。その意味で、とても有り難い経験をさせていただきましたであります。ほれ、綺麗なステージでしょ。
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なんでこのホールが使われないのか、自分が存在を知らなかったのか、関係者の皆さんが口を揃えて不思議がっておりましたが、ひとつの理由は、使用料金がもの凄く安くて会場稼働率が極めて高いことにあろそうな。公共ホールであることの良し悪し、というわけにもいかないけど、やっぱりそれなりの事情はあるわけでんな。

もうひとつ、ホールとして敢えて苦言を申せば、ロビーにも裏にも、やたらと殺風景な張り紙が出ていること。この調子。
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とか、こんなとか
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どうも、管理する方々が絵に描いたようなお役所仕事をなさっているようで、サービス業というよりも「公共施設の管理」に徹していらっしゃるのがありあり。実際、使い勝手など、極めて融通が利かない部分があるとの声も。ま、安いんだから仕方ない、といえばそれまでなんだけどねぇ。

是非とも聴いてみたいという方は、都響の副首席クラスを並べた弦楽四重奏団の演奏会がありますので、そちらをどうぞ。
https://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=3094&year=2017&month=5

「時代は小型化、コンパクト化、ミニチュア化」…なーんて広告代理店風の言い方をする気はないけどさぁ。

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