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ヘンシェルQのベートーヴェン・チクルス割引今日まで! [弦楽四重奏]

ある方からのご指摘。慌ててアップします。湯島の方までインタビューに行かねばならぬのだが、あと数時間のネタなんで。

来る6月に、日本各地、特に西日本でお馴染みのヘンシェルQが、日本でのドイツの団体のベートーヴェン短期集中サイクルとしてはなんと20年ぶり2度目というベートーヴェン全曲演奏をやります。SQ好きならとっくにご存じだと思いますけど。

んで、そのチケットの早期割引が本日までだそうです。こちら。
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/chamber2012/index.html
ホームページからチケット購入というところに行き、メンバー登録をすると、今日までならシングルチケット5000円也が3000円になります。なんか、凄い割引だなぁ。チクルス全部買えば1万円引きになる、ってんだから。

韓国なんかだとこういう早期割引って凄く発達しているけど、日本ではここまでガッツリお安くなるのは珍しいんじゃないかしらね。この値段なら、ドイツやアメリカの田舎の楽友協会にヘンシェルQが来て弾くときと同じくらい、25ユーロから30ドル、ってところだもんね。あ、今のレートじゃもっとになっちゃうのか。物価の感じからすれば、3000円でワールドスタンダードだわね。無論、シュワルツェンベルクのシューベルティアーデみたいな富裕層リゾート型公的補助無し音楽祭なんかの場合は、日本円で8000円とかになっちゃうから、まあこれもある意味で日本とおんなじだけどさ。

もとい、で、どうも上に記したチケット販売システムですが、席を指定して買おうとするとブラウザーによっては引っかかって停まっちゃうみたい。だから、事故があったら、もう四の五の言わずに座席指定せずに買っちゃった方が早いですよ。なんせもう時間がないからね。

ところで、ヘンシェルQですけど、90年代初めの初来日から大阪国際コンクールで優勝(そのときの2等賞はエクで、今回は大阪ファイナリストのリユニオンのオクテットがありますね)、その後も大手マネージメントには属さずに独自の動きをして、関西圏にはゲリラ的にあちこちに出没、グラモフォンに録音したこともある団体とは思えぬ庶民的(?)な動きをしていた。んで、創設メンバーの第2ヴァイオリンのマルスクが、3年前に飛行機に乗れない病気になっちゃって、電車で行けるところはマルクスで、飛行機乗っていくところは交代メンバーでやってたんだけど、やっぱり直らないんで、昨シーズンでなくなく引退。1シーズン半をかけたながあああいオーディションで今年頭からメンバーが固定しました。新メンバーは、なんと、元ペーターセンQのダニエル・ベル氏であります。すげえええええ!

ええ、業界話になっちゃうけど、アルテミスQの一気に二人メンバー脱落あわや解散か騒動のとき、ヴィオラをペーターセンQから引き抜くというなかなか豪腕なやり方で乗り切り、その結果、ペーターセンQの方が解散に追い込まれてしまった。で、ペーターセンQの第2ヴァイオリンだったベル氏は会社がなくなっちゃったんで2シーズンをベルリンフィルの正規メンバーで過ごしたのだが、やっぱりオケなんてやってらんねぇ、クァルテットがやりてぇ、ということで、世界で一番給料の高い(のかな?)安定した会社勤めを捨てて、不安定な零細企業に出戻りしたわけであります。故郷スコットランドのBBC響からコンマスの話があったそうだけど、そっちも振って弦楽四重奏生活に戻ったというのだから…まあああねぇ、なんというか、「アホ」ですなぁ。愛すべきアホです。

弦楽四重奏という文献は一度とりつかれてしまうとそれほどにオソロシー、という証明みたいな話でありました。

てなわけで、新生ヘンシェルQ、既に「十字架上の7つの言葉」でヘンシェルQのためにスペインの作曲家がソプラノ入り版に編曲したものを先月に新メンバーで録音済みだそうな。乞うご期待。これが送りつけてきたジャケット写真。ヘンシェルQも年相応の写真になってきたなぁ。
CD Cover_DSC8734-07c Kopie.jpg

ちなみにマルクス・ヘンシェル君は、飛行機に乗れない、遠くのツアーに行けないという条件だとなかなか職探しも大変だったらしいけど、昨年暮に無事にニュルンベルク響に就職したそうです。オペラとオケの両方をやってる団体なんで、ツアーが殆どないらしい。40歳過ぎてオケに入るなんて、異例中の異例だそうな。なんにせよ音楽家としての生活が続けられて良かったですね。

さあ、今日までの割引、みんなかってけれ!

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山田耕筰をどう描くか [売文稼業]

昨日来、山田耕筰という人物についてある程度まとまった量の記述をせねばならず、いろいろと悩んでおりました。とはいえ、もう一週間も〆切破りをしてる作文、これがひっかかってると次々と目の前に積まれるその先の仕事が進まず、そんなこんなで結局のところ「今年は2月中に申告するぞ」と宣言した税金が、例年のごとく後ろへ後ろへとズルズル先送りになる。なんせ我らが中央区、今年はどういう訳か、明治期に近隣の築地小劇場、はたまた銀座川に面した歌舞伎座、大正期になると宮城前に聳える白亜の殿堂帝国劇場と並び、日本の演劇文化史を彩り藤原義江も初舞台を踏んだとされる新富座の跡地たる京橋税務署をクローズさせちゃってて、遙か八重洲堀の向こうの区を越えた財務省のデタッチメントまで納税申告書を持って行かねばならぬのさっ!

んで、まあ結論から言えば、「かつて日本と呼ばれた極東の放射性廃棄物まみれの列島に19世紀半ばから21世紀末頃まで存続した国の文化史を、西暦2300年の研究者が面白そうに眺める」というような感じの視点で行くしかないだろうなぁ、と腹をくくったでありますよ。あたしらがフランス革命思想のベートーヴェンへの影響とか言い立てたり、「フィガロの結婚」に秘められた猛烈に危険な革命性について気楽に述べたりするのと同じ姿勢、ってこと。

なんせ、一応は御上がらみのところから出てくる作文なんで、いかな著名入り原稿とは言え、「赤旗史観」やらではまずかろー。とはいえ、今時流行の片山先生や岡田先生、渡辺裕先生なんかに倣って、結果的になんとなくライトっぽい軽さでパンパンと軽快に評価を下してくのも気がひけるしなぁ。

というわけで、めんどーな作文作業故、この週末まで当電子壁新聞は閑古鳥となります。悪しからず。なお、幸いにして、出てくる作文は殆ど皆さんのお目にかかることはないでありましょう。実質内部資料みたいなものなんで。これまた、悪しからず。

さあああ、やるぞおおおおお。あ、夜はちゃんとシューマンQ、行きますから。

追記
この丘山万里子氏の論考は、「戦時中の山田耕筰って、なんであんなになっちゃったの?」という誰もが思うけど誰も真っ正面から答えてくれない素朴な疑問に、さりげなくどーどーと答えてらっしゃいます。
http://www.hansen-jp.com/210okayama.htm
なんか、真面目すぎる論考故にもの凄く皮肉っぽく見える、という興味深い論ですね。皆さん、是非ともお読み下さい。妙に納得しますよ。

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ぐぁんばれ日本芸術文化振興会 [音楽業界]

今、急にやらねばならなくなった原稿でいろいろ調べ物をしていて、ちょっと吃驚したので記します。

ええと、日本国には「日本芸術文化振興会」という、芸術文化支援のためのファンディングを専門に行う独立行政法人があります。こちら。
http://www.ntj.jac.go.jp/kikin.html
何を今更、って言われそうですけど、よーするに、今、ちょっと大阪方面で話題になってるナショナル・トラストをやろうとして、御上主導でやった結果、まるで御上の組織にしか見えなくなってる、皆様にはお馴染み過ぎるあの団体です。よーするに、御上が旗振って金を集めて、新旧国立劇場とかに落としていくところ。

そこが、311以降の震災復興を目的にした独自のファンディングをやってる。これがファンディングをお願いする作文。
http://www.ntj.jac.go.jp/fukkou/1332.html
んで、こっちが報告書。
http://www.ntj.jac.go.jp/fukkou/houkoku.html

さてもね、この報告書、殆どの方が、見た瞬間に「え、誤植じゃないの」と目を疑うでしょ。だって、天下の芸術文化振興会が昨年7月から始めて、80万円ってことはないじゃろーに…って思って当然だもん。

ところがどっこい、ホントにそーなんよ。

どうも、このページそのものは近々更新されるそうなので、いくらなんでももうちょっと額は増えると思うけど、へたすりゃ大口個人のひとり分くらいしか集まってないのは、いったいぜんたいなんなんねん?

てなわけで、こりゃなんなんだ、どーしてこんなことになっちゃってるのだ、ってのをいろいろご存じの方は、情報下さい。だって本来なら、日本赤十字なんかじゃなくてここが日本に於ける義援金取り纏めの窓口になったっておかしくない組織なんだからさ。

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3月8日静岡グランシップ Make Our Garden Grow [音楽業界]

緊急告知です。来る3月8日、静岡グランシップで、静岡交響楽団が仙台フィルメンバーを招いて、311メモリアルのチャリティ演奏会を開催します。指揮は、昨年5月にも静岡での同じ趣旨の演奏会を振った大植英次氏です。詳細はこちら。
http://www.granship.or.jp/audience/event.php?id=210

この演奏会、ここには「他」とありますが、えーちゃんファンには聴き逃せない曲が演奏されます。バーンスタインがオペレッタ「キャンディード」を大植えーちゃんのためにオーケストラ組曲に編曲した版から、大詰めの「Make Our Garden Grow」が最後に演奏される予定。ええ、この事実、静岡のプロデューサーさんはまだ秘密にしたいみたいなんだけど、えーちゃんご本人がオープンにして良いと仰ってるので、書いちゃいます。良いですか、秘密、吃驚のアンコールですからね。

311の後の1年をどのように振り返るにせよ、起きたことを全てよしとし、自分たちに出来ることをしていこう、と呼びかけるには最高の選曲でしょう。以下、ホントは著作権があるんだろうけど、勝手に歌詞を引用しておきます。ま、勝手に読んで、勝手にいろいろ感じてください。

CANDIDE
You've been a fool
And so have I,
But come and be my wife.
And let us try,
Before we die,
To make some sense of life.
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow...
And make our garden grow.

CUNEGONDE
I thought the world
Was sugar cake
For so our master said.
But, now I'll teach
My hands to bake
Our loaf of daily bread.

CANDIDE AND CUNEGONDE
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow...
And make our garden grow.

(ensemble enters in gardening gear and a cow walks on)

CANDIDE, CUNEGONDE, MAXIMILLIAN, PAQUETTE, OLD LADY, DR. PANGLOSS
Let dreamers dream
What worlds they please
Those Edens can't be found.
The sweetest flowers,
The fairest trees
Are grown in solid ground.

ENSEMBLE (a cappella)
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow.
And make our garden grow!

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フィリアホール指定管理へ [指定管理者制度]

久々のガチガチ指定管理者ネタです。

横浜、ってか、東急田園都市線の青葉台駅の南側に、フィリアホールというホールがあります。文化施設、ってよりも、もうガチで室内楽専用ホール。他にはなーんにも使えません。

1990年代の半ば、カザルスホール以降のバブル末裔500席規模室内楽専用ホール乱立期に出来ちゃって、デパートの上のあんな立派なホールどーするんじゃろ、と思ってたけど、その後に次々と民間ホールが討ち死にしていく中でしっかり生き残り、今や某銀座七丁目音楽事務所が東京首都圏手打ち公演はこことの共催でやるのが定番化しつつある、ぶっちゃけ、この規模のホールで唯一といってかまわぬ成功例だったわけですな。無論、東急という些か特殊な路線の付帯施設みたいな展開をしたのと、横浜市が各区にジャンジャンつくった区民会館としても運用するという極めて例外的なやり方があったから、というところもあるでしょ。

で、いかなる事情かぜーんぜん知らぬものの、これまで実質上区民会館としての運営を含めてこの施設を運営していた東急さんが、ここから手を引くことになったらしく、昨年からこんなことになってました。ほれ。
http://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/pdf/siryo/j2-20111213-bk-2.pdf
んで、この施設を2014年春シーズンから指定管理に出すという案が、先週末の市議会で通ったそうです。横浜市会のホームページを眺めても、どれかよく分からぬ。提案はこのときみたいなんだけど。
http://yokohama.your-party.jp/wp-content/uploads/2011/12/20111213常任委員会議題.pdf

上の方のPDFファイルをお読みいただければどういうことかは判る筈ですから、特に説明はしません。ただ、凄いなぁと思うのは、東急さん、施設を全部タダで市に貸してくれちゃう、ってとこですね。タダですよ、あなた!

まあ、横浜と言えば、現みなとみらいホールにしたところで、そもそもは某民間が建てちゃって中の運営まで決まっていて、でも最後の最後でこんなことはやれんと横浜市に放り投げられた、もとい、くれちゃった、という経緯があって、民間からタダで施設を貰うのには慣れてるのかもしれないけど、ううううん、どーなんじゃろーねぇ。例えば、今の東北の指定管理で大問題になってる「ホールのハードが壊れちゃった」ってときには、果たして誰がどうやって責任をとるんじゃろかね。壊れたら市が直して東急さんに返すのかしらね。よーわからぬ。

それはそれとして、音楽ファンの皆さんとすれば心配なのは、東急がスタッフを出して運営している今の形態から市が指定管理に出して、果たして質が維持出来るんじゃろかね、ってことでしょーねぇ。だって、500席でアルバン・ベルクQとかアルテミスQとかハーゲンQとか、もの凄くお高いお買い物をなさってた。市民や東急沿線の皆さんも、それが当たり前と思ってた。ま、東急さんがグループ全体で支えてるからバックステージのラニングコストも工面出来たんだろうけど、市がこのホールだけを独立の採算で運営するようになってやっていけるのかしら、って誰だって不安に思うでしょ。

東急が指定管理に手を挙げるなんて噂もあるみたいで、もしもそうだとすれば、それはそれで、「おいおいおい、東急さん、一体なんなんねん?」ってことだわなぁ。

小生の本音を言えば、ハードなんてどーでも良い。すばらしいホールなんていくらでもある。それよりも、それなりにきちんと裏のスタッフを育ててきた場所がなくなってしまうのは困る、ってことなんです。ま、今、裏で走り回ってるスタッフがこれを機会に例えば名古屋の某所に引き抜かれるとか、都内の別のホールにディレクター格で栄転するとか、そんなアメリカやヨーロッパ、日本以外のアジア地区の業界では当たり前の動きがあるのなら良いんだけど、残念ながらガラパゴス日本列島ではそーゆーことが皆無なもので…うううううん。

様子を眺めることにいたしましょ。市の動きのたれ込み、期待します。

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緊急開催決定:講演会「芸術教育プログラムは、なぜ必要か?」 [音楽業界]

このような催し物の案内がまわってきました。来週の木曜日、急な話ですけど、ご関心の向きはどうぞ。エク・サン・ブロヴァンス音楽祭の監督ならもっと別の話をしてくれぇ、と思うかもしれないけど、ダメです。

ま、正直、2行目の「…定着しているヨーロッパ」という体言止めで、もう突っ込みたくなるんだけどねぇ。えええええ、ヨーロッパほど教育プログラムが定着してないところはないんじゃないかぁ、って。

ま、こういう風に「定着している」と断言しちゃう(周囲にさせちゃう)ところが、「価値を作る」というテクニックに長けたヨーロッパらしいなぁ、と思うわけだが、ま、それはそれ。「中国四千年の歴史」なんて言われると、「嘘つけ、あんたがそれを歴史と思って認識するようになったのは明治維新よりも後からじゃないか」と理性は突っ込みたくなるけど、なんか気持ちは納得させられちゃうのと同じでんな。←悪意じゃないから怒らないでね、Sさん。おもしろがってるだけだから。

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「芸術教育プログラムは、なぜ必要か?」
芸術家、芸術団体による教育プログラムが定着しているヨーロッパ。
その成功・失敗からみえてきた教育プログラムの「本質」と「成果」とは。

日時: 2012年2月22日(木)19:00~20:30
会場: 上野学園 石橋メモリアルホール内「エオリアンホール」
講師: ベルナール・フォックルール氏(通訳有)


詳細、参加申し込み方法はこちら
http://www.ishibashimemorial.com/calendar/concert/201202/000557.html

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これ以上いろいろ言うのは余計なお世話なような気もするので、これでオシマイ。今、アークヒルズのスターバックスでお仕事の真っ最中。よく働く偉いあたしだ。ホント。なんでこんなに貧乏なのだ。不思議だ。

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サルビアホールにいこー! [音楽業界]

忙しいのでご案内のみ。

いよいよ来週、シューマンQがグラーツ凱旋公演で日本にやってきます!ええ、もう、凱旋公演でいいんです。たまたま、でも、実態としてそーなんだから、それでいいんじゃい。

さても、その凱旋公演が行われる会場ですけど、ひとつは今やスタジオ・ルンデの跡を継いで名古屋地区のクァルテットのメッカとなりつつある宗次ホール。それから、今更何をいわんや武蔵野市民文化会館小ホール。秋田の大曲にも行くそうだし(だいじょーぶか、雪は!)。それに、サルビアホールです。他にもまだあったらゴメン、マネージャーさん。

さて、で、このサルビアホールであります。当電子壁新聞を立ち読みなさってるすれっからしの皆さんは、もうとっくに一度や二度は足をお運びでありましょうぞ。昨年(だっけ?)、鶴見のJRと京浜急行の駅の間の細長い空間に出来た、駅前市民センタービルの中に設置された音楽専用ホールであります。ビルそのものは、1階はファーストフードや安飯屋、2階もそんなもの。そっから上が市のコミセンみたいなものになってる、という今時のよくあるもんです。ビルとしても味も素っ気もない、って、ビルとして認知できないような、駅に張り付いた、まあ現代版の民衆駅ですね。←完璧な死語だなぁ

このなんてことない場所にあるサルビアホールなる空間が、これまたとてつもなく良いんだわ。もー、良い、としか言いようがない。もうひとつ言葉を加えれば、贅沢、ですね。

贅沢、っても、関西系の民間クラシック音楽専用ホールが「まああ、ヨーロッパみたい」って感じでいろいろと美しく内装に凝ったりしているのとはまるっきり違う。内装は、まるででっかいピアノの反響板の中にでも入ったみたいというか、なんの飾りもないというか。でも、音は良過ぎる。良い、じゃない。良過ぎる、です。

正直、たった100席でこんなに条件の良い会場を公立で造られてしまうと、民間は太刀打ちが出来ない。ともかく音響の良いところでサロンコンサートをやりたいとか、特に古楽系、ヴァージナルのリサイタルをやりたいとか思ってる人には、世界でも有数の空間ですわ。

問題があるとすれば、その「良過ぎる」ってことですね。ここに慣れてしまうと、ぶっちゃけ、もうはるばる大曲やら晴海やら、築地市場裏やらまで行く気はなくなっちゃうでしょ。ましてや溜池のデカイ方とか、カーネギーのアイザック・スターン・オーディトリアムで室内楽やるなんていわれても、へーそーですかぁ、としか思えなくなる。危険きわまりない場所です。

嘘だと思ったら、来週の水曜日、鶴見までいらっしゃいませ。ま、もうひとつの問題は、なんせキャパが100席しかなく、ここで行われている日本一の目利きさんが選んだ弦楽四重奏のシリーズに出演する演奏家のギャラを出すだけでも、切符がそれなりのお値段になってしまうこと。でもね、一度この場所を体験すると、この値段はしょーがない、もっと高くても良いんじゃないのと思えるだろうこと必至であります。これホント。

詳しくはこちらを参照。では諸君、水曜日に会おうっ!
http://salvia-hall.jp/
サールくんには…ちょっとひくなぁ。ううううん…

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シューマンQ来週日本に凱旋! [弦楽四重奏]

現地時間の昨晩午後10時過ぎ、グラーツの「第8回シューベルト&現代音楽コンクール」の結果が発表になりました。以下、公式リリースをそのまま貼りつけます。

歌曲:Preistrager Lied 2012.pdf
ピアノ三重奏:Preistrager Trio 2012.pdf
弦楽四重奏:Preistrager Streichquartett 2012.pdf

てなわけです。弦楽四重奏に関しては、まあ、シュテファン審査委員長以下、審査員の皆さんがとても真面目だったと言うべきで、全う過ぎる、あまりに全う過ぎる、現地にいたら「おいおい、それだったらやる前から判ってるじゃん」って突っ込みたくなるだろう結果でありました。一応、記しておきますと、シューマンQが優勝、ジュモーQ2位、ヴァレーズQ3位、というもの。

昨日のストリーミング放送を、遙か東京湾岸厄天庵で本選の「死と乙女」の出来だけを聴く限り、うううん最高位は疑いないけど過去のミネッティQの例などと比べると審査員さんは優勝を出すかな、と思ったんだけど、1位にしてくれましたね。まあ、本選はどうしても演奏が荒れてきますからねぇ、こんなもんなのかしらね。シューマンQって、なぜか玄人筋に対するウケが良いんですよねぇ。エリック、今時の若者とは思えない素直でよい子で、でも単なるヤーザガーじゃなくて芯はガッツリしているからなんだろーなぁ。

敢えて言えば、ヴァレーズQが3位にまで来たか、ってことかな。1位、2位、3位無し、くらいかな、って思ってたもんで。なんにせよ、今やエベーヌQが君臨するフランス圏、プロカルテットと国立高等音楽院室内楽科、それに地方音楽院との様々に複雑な意地の張り合いの結果、次々と優秀な若手団体が生まれちゃって、今やアメリカ大陸と並んで若手ジャブジャブ状態ですので、さてもヴァレーズQ、どうやって自分らの方向性を明快にしていくか、なかなか会社としての商売は大変でしょうねぇ。これだけ潜在力のある団体が揃ってると、「自力」=「売れ筋」ではない、ってあまり若い人たちには(音楽ファンの皆さんもでしょうけど)見たくない現実もはっきり出て来ちゃうし。

シューマンQ、グラーツからデュッセルドフルに戻ったら、直ぐに荷物を詰めなおして飛行機乗って、シベリア越えてお母さんの国&祖国日本にやってまいります。残念ながら東京公演は毎度お馴染み武蔵野のみでいつものように今から買いたくても換えません。名古屋の宗次ホール、東京圏ではこのところ晴海に取って代わってすっかり弦楽四重奏の聖地化しつつある鶴見のサルビアホールがメイン会場ということになります。
http://munetsuguhall.com/concert/201202/20120219M.html
http://salvia-hall.jp/?p=4278
さあ、凱旋ツアーだ、みんな、押しかけろっ!

日本ツアーが終わったら、いよいよイースターの本丸、ロンドン大会だ。どうも北京優勝組のケレマン&ザイーデはパスのようなので、少しは楽かと思ったら、新大陸から強豪が大挙して押し寄せるウィグモアホールでの闘いになりそうだ。さあああ、どーなるシューマンQ。

蛇足ながら、やっぱり歌曲はドイツ語圏でしたねぇ。流石にオペラアリアとかじゃなくて「現代音楽」ということになると韓国勢中国勢は辛いかな。トリオは1位無しで2位が2団体、んで3位がなくて特別賞、という極めて興味深い結果。やっぱり前回のメルボルンといい、トリオはコンクールというのは難しいなぁ。

以上、2012冬のグラーツの闘いの結果でありました。

ちなみに、極寒のグラーツの丘でヨーロッパの若者が死闘を繰り広げている頃、海を渡った今や世界中で最も濃密に若い弦楽四重奏が犇めいているマンハッタンでは、室内楽業界に衝撃が走るこんな報道が成されています。
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2012/02/13/emerson-string-quartets-cellist-david-finckel-is-leaving/?ref=music
エマーソンQからチェロのフィンケルが抜けます。ま、最近は他のことが忙しかったですしねぇ。なお、この発表前に関係者の間には、別に喧嘩したわけじゃありません、って連絡がフィンケル先生から個人的に流されておりました。ご安心を。

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グラーツ大会いよいよファイナル [弦楽四重奏]

おはようございます。今日も寒うぅいグラーツからリリースが送られてきました。いよいよ14日、本日がファイナルです。日程は以下。全てストリーミングで放送されますので、皆さん、聴きましょうききましょー。
Tagesprogramm FINALE 14-02-12.pdf
音は全く問題なく流れてきます。映像は、どうにも繋がりません。今日の弦楽四重奏の開場は、凄く綺麗なんですけどねぇ。

時差は8時間ありますから、ヴァレーズQがデュティーユを弾き始めるのは日本時間午後7時。あたしゃ、世界一の現代音楽オーケストラSWR響聴きにサントリーに行ってるなぁ。シューマンQは深夜の1時前からだから、これは聴けそうだ。ま、結果は明日の朝に起きたら判るかどうかってとこでしょ。

それにしても、今回は現代物があまり面白くないですね。最後にラッヘンマンとかリームの6番とかやって審査員の度肝を抜くか、さもなきゃヘバヘバで白旗バンザイになる度胸のある奴らはおらんかったか。ちょっと残念。シュニトケって、没後にこんなに一気に人気が下がるとは思わなかった。いやはや、つくづく20世紀芸術の命は短い。

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グラーツのファイナリスト発表 [弦楽四重奏]

お仕事しながら京都から東京駅まで戻ってきて、ネットのストリーミングでシューマンQに間に合わずさっさと寝てしまい、朝起きてパソコン開けると、グラーツの「シューベルト&現代音楽コンクール」からファイナリストのリリースが来てました。弦楽四重奏部門は、ま、ぶっちゃけ、まるっきり堅い結果になってます。リリース貼り付けるよりも書いちゃった方が早いので、以下。

ヴェレヌスQ(スイス)
ジュモーQ(あちこち)
シューマンQ(独&日)
ヴァレーズQ(フランス)

なんだかなぁ、審査委員長のシュテファンには申し訳ない言いぐさになるんだけど、全く全うこの上ない結果で、これなら飛行機代出して寒い寒いグラーツに行かなくても正解だった、とまでは言わぬが、審査員さんまともなお仕事してますね、って結果でありますな。なんせ、ジュモーQ以下の3団体は既に来日公演やってる連中だもん、皆々様の中にも大阪や北九州やティアラ江東でお聴きになった方もいらっしゃることでありましょーし。

とはいえ、このグラーツの大会、最後の最後で優勝を出さないということが結構あるので、まだまだ目は離せません。小生が出かけたときも、これは優勝堅いだろうと思ったミネッティQが立派なノーノをやったけど、1位なし2位だったもんねぇ。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2006-02-21
ちなみにミネッティQはその後もなかなかコンクール的には結果が綺麗に出なかったんだけど、ヴィーンのカラヤン財団の若手支援団体に入ったりして、ちゃんとやってます。先月にハイデルベルクに行ったときも、街の音楽協会のポスターが貼ってあって、小生が訪れる前日に演奏会があったようでした。
017.JPG
日本でも下心と野心のあるプロモーターさんが本気になって仕掛ければ、自力はしっかりあるんだから、アマデオ・モディリアーニQよりも絶対売れるだろーけどなぁ。セカンドちゃんのお母さんが岩手だし。

もとい。んで、歌とトリオは面倒なんてリリースを貼り付けます。トリオは半年前のメルボルンで唯一のオリジナル地元団体として大いに受けていたオーストラリアの団体がファイナルまで残ってますね。
Ergebnis Lied 12-02-12.pdf
Ergebnis Trio 12-02-12.pdf
歌に関しては小生はなーんにもコメント出来ないので、アホな感想を漏らせば…流石に日本のピアニストさんは現代物とかテクニカルな難曲は強い、ってかな。

試合は本日はお休みみたい。本選に関しては、追ってお伝えしますです。以上、グラーツ・コンクール東京勝手連広報部やくぺん先生でありましたぁ。

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