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2017年07月| 2017年08月 |- ブログトップ
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秋の気配 in トーキョー [葛飾慕情]

戻り梅雨のような湿っぽい日々がやっと終わったかと思ったら、太平洋高気圧がぐぁあああっと張り出すでもなく、なんとなくただひたすら湿っぽい、まるでここは北回帰線下の香港か、はたまた台北か、というような日々が続く今日この頃、皆々様はいかがお過ごしでありましょうか。やくぺん先生は…もー駄目かも、って感じでありまする。

なんせもう新暦の葉月も終わろうとするとなれば、いかな湿っぽい大気がドップリのっぺり覆おうが、しっかりと秋は近付いている。昨年は不作だった葛飾オフィスのランドマークたる巨大柿の木、このところ連日のシンガポールのスコールみたいな豪雨が川向こう新開地を襲えば、まだ赤くなりかけもしない堅い緑の柿の実が、道だろうが、植え込みの中だろうが、雨樋だろうが、はたまた物干し台だろうが、ぼてんぼてんと落っこちる。どうも、放っておくと、なんのかんので1日に半ダースくらいは落ちているような。
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いつもの夏なら、お隣の奥様が呆れて朝のお掃除で拾っていてくださったのだけど、なんと数週間前から建て替えでいらっしゃらない。で、放っておくと、堅いだけの柿の実がボタボタ十字路に落ち、向かいの町工場に頻繁にやってくるトラックが踏み潰し、天下の公道が柿の実大虐殺の凄まじい惨状を呈することになるのでありまする。管理人だったもぐら君が結婚して関西に行ってしまい(「うちも柿が落ちますけど、下が土なんで大丈夫」などと羨ましいことを仰るのじゃ)、放置するわけにもいかず、2日と空けず佃から葛飾まで通わねばならぬ。せっせと落ちた柿集めて、燃えるゴミの日に出すわけでありまする。
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っても、シカゴの敵を討つべく、週末からなんのかんの国内を動き回ることになってしまい、さあああどーするどーする、お柿様ぁ…

ああ、今日も暑さに負けて葛飾まで行かなかったなぁ、と遙か天樹の彼方
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うっすら夏の大気に浮かぶ筑波の反対側、天樹右下に連なるビル群の向こうの川向こうの新開地葛飾を思いつつ、暮れなずむトーキョーを佃縦長屋上空100メートルちょっと、丁度シン・ゴジラの視線くらいの高さで眺めるのであった。

すっかり日も短くなった。もう、釣瓶落しカウントダウン。

柿の実の 転がる先に また青葉

[追記]

24日木曜日の昼前、丸2日ぶりに葛飾オフィスに来てみたら、なんと、総計12個の柿の実が新たに落ちておりました。今日から彼方此方国内移動、次に葛飾オフィスに来られるのは日曜日の夜になるのだが、なんとか月曜朝に向かいの町工場が動き出す前にその間に落ちた柿の実拾いを完了しておかないと。ふううう…

柿に振り回される秋になりそうじゃ。

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インキネンがメルボルンで《マイスタージンガー》 [演奏家]

意外にも結構忙しいことになってしまっているので、ともかく、情報のみ。今、オペラ・オーストラリアから2018年シーズンの案内が来ました。なんせ、季節が北半球とはひっくり返っているので、北半球ならば1月の終わりから2月にアナウンスされる次のシーズンのプログラミングも、丁度半年ひっくり返るわけですな。

んで、毎度ながらの「大観光地オペラハウスを覗きに来た観光客に切符も売ってしまおう」路線のシドニーと、「ピットもデカイのできっちりがっつりやりますよ」のメルボルンとのふたつのシーズンがあって、前者はぶっちゃけ名曲路線。ただ、ショスタコーヴィチの《鼻》は面白そうですねぇ。オペラハウス観光がてら、眺めていってはいかがかな。
https://opera.org.au/2018/season-guide?source=44361&promo=44361&utm_source=mail2&utm_campaign=2018-subs-pros-170822&cmp=1&utm_medium=email

そんな中で、メルボルンの、ってか来シーズン全体を通しても、目玉はこれでしょう。
die-meistersinger-1280x320.png

https://opera.org.au/whatson/events/die-meistersinger-von-nurnberg-melbourne
いぇい、我らがインキネン様、あの21世紀を感じさせる《リング》サイクルの後を受け、なんと、《マイスタージンガー》でありまするっ!カスパー・ホルテンって、この前、コヴェントガーデンでやった《ロジェ王》をシドニーに持ってきた演出家さんで、オーストラリアとしてはオーセンティック中のオーセンティックな選択なんだろーなぁ。共同制作なのかしら、ま、詳しい方はいくらでもいらっしゃるでしょう。教えてちょ。

2018年の11月、初夏のメルボルンは季節も良いですし、ペンギン見物もできるし。ただ、まだワライカワセミは街場には下りてきてない時期なのが残念だけど。

…って、行くなんてひとことも言ってないぞぉ。

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NHKが弦楽四重奏特集からロマン派追放! [弦楽四重奏]

NHK地上波をオンタイムで観るなんて極めて珍しく、そのためにわざわざ某所まで出向かねばならぬのであるが、ともかく、今、目の前のテレビ画面でアーヴィンたちが細川の《沈黙の花》を弾いてます。ぐるんとまあるく陣取り、まるであんたらはヨアヒムQか、はたまたカール・クリングラーQか、って座り方でんなぁ。福岡モーツァルト・アンサンブルがこういう座り方で定期をやってなかったっけ?

さても、どんなに視聴率が低くかろうが、この列島上の10万単位の善男善女がアルディッティQが奏でる細川作品を聴いているというもの凄い瞬間、どうしてまあ、NHKさんはこんな番組を作ったのか、プロデューサーさんはなんでこんな特集をお考えになったのか、お尋ねしたい気持ちでいっぱいだけど、ともかく、こういう番組を地上波で放映しておりまする。
http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2017-08-20&ch=31&eid=10535&f=2506

おお、アーヴィンたちの1時間ほどの持ち時間が終わり、次に登場したのは、クロノスQでありまする。あれ、チェロが韓国系の女性じゃなかったっけ、今は。いつの映像だ…と思ったら、おおおお、あらいさんあらいさんっ!みんなショッカーがマスクしてないみたいな格好でプログレ弾いてますう!

ふうう…なんなんねん。なんせこの番組、演奏予定表を見ると、凄まじいことになってる。ほれ。

「弦楽四重奏曲第3番」 バルトーク:作曲 (演奏)アルディッティ弦楽四重奏団

「弦楽四重奏曲第2番」 リゲティ:作曲 (演奏)アルディッティ弦楽四重奏団

「沈黙の花」 細川俊夫:作曲 (演奏)アルディッティ弦楽四重奏団

「“レクエイム・フォー・ドリーム”から」 クリント・マンセル:作曲 (演奏)クロノス・クァルテット

「“21世紀のスキッツォイドマン”から」 キング・クリムゾン:作曲 荒井英治:編曲 (演奏)モルゴーア・クァルテット

「弦楽四重奏曲第15番 イ短調 第4楽章から」 ベートーヴェン:作曲 (演奏)アルバン・ベルク弦楽四重奏団

「弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品95“厳粛”」 ベートーヴェン:作曲 (演奏)エマーソン弦楽四重奏団

「弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K.421」 モーツァルト:作曲 (演奏)エマーソン弦楽四重奏団

以上です。そー、以上。後半は、ご覧のように古典派のみ。つまり、NHKさん、この2時間の番組で、ものの見事な「真ん中抜き」をやってくれたんですな。どロマン派すっぽり抜け、です。まあ、モーツァルトでも最もロマン派っぽい味わいの曲を出してきて、その辺りはカバーしているということか。ベートーヴェンも、恐らくは長さの都合でしょうけど、いちばんへんてこりんとも言える《セリオーソ》だもんなぁ。

ま、なんであれ、こういう時代になったのかなぁ、と思うことしきりでありまする。…それとも「弦楽四重奏って、いちばんいいのはこの辺りなんだよねぇ」と、結構言いにくい本音を仰ってるのかしら。

それにしても、この後にはバイロイトのニュルンベルク裁判が歌合戦の舞台なるらしい《マイスタージンガー》を延々朝までやるというのだから、今日の我らが公共放送、どっか壊れたんじゃないかぁ。

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木曽はレア曲ばかり [音楽業界]

ラヴィニアの弦楽四重奏演奏会大虐殺事件の衝撃も覚めぬまま、呆然となって作文仕事も手に付かぬ精神のリハビリを兼ね、この極東の列島に滞在することになった期間中の日程調整を昨日来行っておりまする。まあ、ショックから立ち直るためにちょっと出かけるか、と、お仕事とはまるで関係ない夫婦水入らず、もとい、夫婦鳥いらず(なんせ、佃の縦長屋では夫婦が寄り添おうとすると「俺も混ぜろ」とぶんちょうくんが間に入ってくるのであーる)の1泊近場旅行を入れたぞ。うん。

とはいえ、まさかこんな歴史に残る壮大なキャンセル騒動が起きるとは想像だにしていなかったので、この期間中に御招待いただいていた松本以下、あちこちの皆様へは早々と「スイマセン、この頃、いません」という連絡をしてしまい、いまさら「ゴメン、いるよぉ」とは言えぬし…ふうううう…。ま、ともかくこのままでは頭最低人状態でダラダラ時間ばかりが推移してしまうのであーる。ぐぁんばって日程表を眺めようではないか。

てなわけで調べ始めると、どうせ「楽しい夏のコンサート」みたいな名曲コンサートばかりだろうと思ったらとんでもない、案外といろいろある時期なのですね。なんせ、松本、草津、木曽福島、それに夏の終わりのサントリーホールの財団ゲンダイオンガク系フェスティバル、と、それなりの規模の「音楽祭」をいっぱいやっている季節。そこに、里帰り中でそろそろ秋のシーズン始めを控え仕事先に帰る演奏家さんが小さなリサイタル系のコンサートをするタイミングでもある。これとか。
http://maviolin.exblog.jp/iv/detail/?s=28037989&i=201708%2F11%2F27%2Ff0235427_08481409.jpg

特に困るのは8月26、27日の週末で、草津でエク(このPDFまんま張り付けは、なんとかして欲しいけど)
http://kusa2.jp/wp-content/uploads/2017/05/38leafletpdf.pdf
同じ日に山いくつも越えた彼方の松本では、同じ時間にヴェリタスQ
http://www.ozawa-festival.com/programs/chamber-02.html
いやぁ、これは困る。と思ったら、もうひとつ、更に山を越えた木曽福島では
http://www.town-kiso.com/manabu/event/100210/100676/

なんだこりゃ。どうしてこなことになるんねん!

中でもとんでもないのは、やっぱり木曽でんなぁ。ご覧のように、現時点で発表されているプログラムだけでも、オンスローのチェロが入る弦楽五重奏曲、チェルニーのノネット、ラハナーのオクテット、そして最後はガーデの弦楽八重奏!なんじゃあああああ…ってラインナップでんねん。

音楽監督が管楽器で、そこになんでも行けちゃう弦楽器奏者がこれだけてんこ盛りになってるのだから、これくらいのことは出来るだろーとは思うものの、このプログラムに「はいどうぞ」とOKを出した主催者側の太っ腹さというか、実は何も考えてないだろー感というか…いやはや。

どんな聴衆が座ってるのだろうか、という興味だけでも覗いてみたいなぁ。うううん、どーするかなぁ。

ちなみに、この週末に東京圏を動けないけど、頭がパーになりそうなサウンドに身を晒したい方には、こんなとんでもない音響もあります。
http://angklung3.org/
お安いですし、どうでっか。ゲンダイオンガクと思えばそれまでですよぉ。

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ラヴィニア音楽祭の6公演キャンセルについての考察 [音楽業界]

一昨日から始まったラヴィニア音楽祭のレイバーデー週末弦楽四重奏関連公演全てキャンセル騒動、まさかこんなことが起きるとは常識的には考えられないので、宿は全部FIX変更不可の最安値で予約していたやくぺん先生、結婚30年記念旅行も兼ね、ケチりながらもそれなりにちゃんとしたところを準備してほくそ笑んでいたために、結果としてなんのかんので20万円に迫る大損失となることが確定しました。この出費を少しでも意味のある出費とすべく、「20万円弱払ってお勉強した、良い経験をさせて貰った」とちょっとでも思えるように、事態を考察してみようではないか。うん、…猛烈な強がりだなぁ…

さても、今回の事態の事実関係を整理すると、以下。

1:レイバーデーの休みが始まる金曜日から日曜日まで、パシフィカQは5回のフルコンサートでベートーヴェンの弦楽四重奏全曲を奏破する「トーキョー・スタイル」のサイクルを行うことになっていた。ところが、メンバーのひとりの近親者が重篤だそうで、とてもじゃないが演奏会を開けるような状況ではない(恐らくは、開いてもいつキャンセルになるか判らないような状況、ということでしょう)。で、サイクル全体がキャンセルとなった。交代の演奏会は用意されない。

2:パシフィカQがサイクルを終えて、第1次黄金時代のメンバーでの最後の演奏が終了した翌日、レイバーデーの休日の9月4日、言わずとしれたベネズエラのエルシステマ、シモン・ボリバル管首席奏者から成るシモン・ボリバルQの演奏会が予定されていた。ところが、既に以前から報じられているような祖国ベネズエラの政情不安、実質上の内戦状態への突入を受け、この演奏会を含むクァルテットの北米ツアーがキャンセルとなった。代役出演などはなされず、コンサートそのものが中止となった。

結果として、4日間でクァルテットのフルコンサートが6つ用意されていたものが全てなくなり、ラヴィニア音楽祭では交代の演奏会も全く用意されない事態となった。この間、他のポピュラー系のコンサートは予定通りに開催されているようである。

さても、以上のような状況について、「室内楽のコンサートを制作する(含むパシフィカQの「トーキョー・スタイル」ベートーヴェン・サイクル)」という現場仕事から隠居し学校の先生になったうちのお嫁ちゃんとぐだらぐだらと話したわけでありまする。反省会、というわけじゃないけどさ。んで、いくつかのクリティカルポイントがあり、いくつかの重要な決断があって、この事態に至っているわけで、それを「主催者」視点で眺めていくと、納得いかないとまでは言わぬものの、どうしてそういう判断をしたのか理由を知りたい、と思わざるを得ないところがいくつかある。

さあ、全国世界津々浦々のアートマネージメントを学ぶ皆様、ラヴィニア音楽祭の「夏の終わりの週末に予定された演奏会6つ全てキャンセル」という決定、何が問題なのでありましょうか?はい、休み明けまでに原稿用紙4枚で提出しなさいっ!ちゃんちゃん

※※※

…って、終わりにしてしまえば話は楽なんだが、いかな無責任私設電子壁新聞といえど、まさかそういうわけにもいかんじゃろーなぁ。明日からの新潟での学部生対象のアートマセミナーで嫁ちゃんが発表します、ってのも無責任にも程があるし。

以下はお嫁ちゃんの意見というよりも、なんのかんの話しをして、やくぺん先生なりに纏めたものとしてお読みあれ(まだこんなもの読んでる方がいらっしゃれば、だけどさ)。

ええ、結論から言えば、この主催者側の決断のポイントは、「レイバーデー休暇のクラシックイベントを皆無にした」という点にあると言えましょう。一応は世間で言うところの「クラシック音楽」のハンドリングをしてきたうちの嫁ちゃんとすれば、そこがいちばんショックというか、ビックリというか、どういう事情があったか知らぬがこんな決断よくやったなぁ、と思うところのようでありまする。やくぺん先生も同意見であります。

パシフィカQやシモン・ボリバルQ側が(本人らかマネージャー経由かはともかく)「キャンセルしたい」と言ってきた事情は、それはそれで共に仕方ないといえばそれまで。「それじゃ困る、なんとかしてやってくれ」とラヴィニア音楽祭側が言ったのかどうか、現時点では不明(いずれ、誰かから聞き出そうとは思ってます)。ただ、これはダメだ、という判断に傾きかけた瞬間に、普通のクラシック音楽主催者ならば、「さあ、代演はどうしよう?」と考え始めている筈です。

ポピュラー系の極一握りのビッグ・スターのような「アーティストがそこにライブで存在していること」が何よりも大事なイベントとしてのコンサートなら、そのスターが出ないとなった瞬間に全てオシマイ。代役もなにもありません。エグザイルのコンサート、嵐のコンサートは、エクザイルや嵐が出て来るからアリーナに数万の席を用意し、膨大な量のグッヅを並べ、飛行機に乗ってやってくる聴衆を相手にすることになる。エクザイルの代わりにポール・マッカートニーが出てきても、嵐の代わりに奇跡のSMAP再結成があっても、数万の観客のうちの9割以上が不満を漏らし、暴動が起きるだけでしょう。それ自身が価値を生み出す「スター」は、交代が効く存在ではないのでありまする。

翻って、クラシックコンサートの場合はどうであろーかっ。もの凄く単純な二者択一にしちゃえば、「レイバーデーの休日の3日間、シカゴ郊外のラヴィニアに集まるつもりだった数百人の聴衆は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲を聴きたいのか?それとも、パシフィカQが聴きたいのか?」ということ。
もっと具体的に言えば、「ミロQやらボロメーオQやら、ベートーヴェン全曲短期集中演奏をレパートリーにしているパシフィカQと同クラス若しくはそれ以上(あくまでもギャラの観点)の団体をなんとか呼んできて、やってもらうわけにはいかぬのか?」ということです。

こここそが、音楽祭のプロデューサーなりディレクターなりの腕の見せ所になるわけですよ。

そこで思い出すのが、数年前の松本、セイジオザワ音楽祭に生まれ変わった最初の音楽祭での決断です。殆どレパートリーに持っている指揮者がいない、でも小澤氏としては積年の宿望だった《ベアトリーチェとベネディクトゥス》の本番に向けた練習開始を前に、小澤氏が風呂場で倒れてドクターストップになった。ここで、「小澤さんがダメならしょうがないよねぇ」と中止にするという考えもあるでしょう。まあ、お客さんは文句を言うだろうが、払い戻しをすれば済むことだしさ。だけど、プロデューサーの森安さんは、中止にするつもりはなかったという。この曲を振れる、この時期に身体が空いている、この猛烈に厳しい条件をクリアー出来る指揮者をともかく探して、公演は中止せずにやった。結果に関しては、プロデューサーが責任を負う。

ま、その結果、どういう理由かは知らぬが、この音楽祭では新たな大規模なオペラのプロダクションはもう行わないという判断になり、事実として今、サイトウキネン第1回目の伝説の《オイディプス王》からずっと松本のオペラ制作を続けた森安プロデューサーは松本を去りました。直接の因果関係があるかは知らぬものの、業界の常識として見れば、それがプロデューサーという仕事の在り方であることは確かであります。

セイジオザワ音楽祭でのメイン演目たるオペラ新制作と、シカゴ響を中心に据えクラシックからポピュラーまで幅広く夏のシカゴ郊外で開かれる巨大なラヴィニア音楽祭でのブルーミントンの室内楽グループのベートーヴェン全曲演奏とが、音楽祭にとって同じ比重があるイベントではないことは百も承知です。とはいえ、音楽を聴きたいという聴衆とすれば、きちんとした大規模なオペラ上演と弦楽四重奏の演奏とに、違いはありません。
それは違うだろう、と言った瞬間、その人はイベント・プロデューサーではあるかもしれないが、少なくとも室内楽のプロデューサーではない。

確かに条件は厳しいでしょう。なんせ、こんなサイクルをいきなりやれと言われてやれる奴ら、世界に片手の指ほども居る筈が無い。パシフィカQにしたところで、今も忘れない、ニューヨークでの彼らの演奏会のあとに飲んでるところで、お嫁ちゃんが恐る恐る「数日間で5つのコンサートでベートーヴェン全曲、やれる?」と切り出したら、ブランドン御大、「そんなの無理」と瞬殺だった。その後、いろいろ話を重ねて、よおおおし、今しかやれない無茶な企画、やってやろーじゃないかぁ、ということで、溜池室内楽お庭の名物となった現役バリバリ演奏団体に拠るベートーヴェン短期集中全曲チクルスという無茶な企画が始まったわけです。今回、ラヴィニアまで日程の無理を押して出かけるつもりだったのも、パシフィカQ黄金時代の最後となるチクルスを見とどける責任があるだろー、ということだった。

もとい。ラヴィニア音楽祭だってなにもしなかった筈はないだろー。誰か出来そうな奴らはいないか、あちこち連絡したのでしょう(←常識からの想像!)。どの団体も休みになっちゃっててダメと判ったら、せめて全部は無理でも毎日ひとつくらいの演奏会は作れないか、パシフィカQに弟子筋を紹介させたり、シカゴ近辺の若い連中に声をかけたりしたのでしょうねぇ(←繰り返しますが、あくまでも常識からの想像ですう!)。例えばヴェローナQなんぞがひとつの演奏会だけでも弾くというなら、ぶっちゃけやくぺん先生とお嫁ちゃんはシカゴまで行ったでしょう。本音、大喜びで!

ところが、同じグレードの若手団体の緊急招聘はパシフィカQよりも遙かに楽だと思えるシモン・ボリバルQを含め、ラヴィニア音楽祭は代演のコンサートを行わなかった。

どーしてなんだろうか?

例えばこれがソニア・ジメナウアー事務所の仕切りだったら、ソニアおばさまはまず確実に代演を用意したでしょう。多少の無理を言おうが、日程のずらしがあろうが、カザルスQを引っ張ってくるとか(最も現実的な案)、シューマンQに「これはリスクも大きいがチャンスだと思え」と説教するとか、なにかしらの動きをするであろうことは容易に想像できます。それが室内楽のプロデューサーというもの。

だってさ、みんなが聴きたいのは、ベートーヴェンなんだもん。パシフィカQはあくまでも、間に介在し、楽譜を音に再現し、伝えるための存在に過ぎない筈だもんさ。

腹が減ってきて頭が動かなくなってきたので、もうこれでオシマイ。ともかく、このラヴィニア音楽祭の決断、いろいろと考え始めると奥が深い、日本円20万円なりくらいの価値は充分にある大きな問題を「経験」させて下さったわけでありまする。

…とはいえなぁ…うううん、今年はもう、超緊縮財政だなぁ。ふううう…

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来年の香港はパウントニーの《ペレアス》 [音楽業界]

昨日発覚したラヴィニア音楽祭の弦楽四重奏全キャンセルというとんでもない事態を前に、未だに立ち直れず(なにしろシカゴの宿はずっとキャンセル変更不可の一番安い予約だったもので、まるまる10万円也近くがパーです…えええええん)、ぼーっとして作業をこなすのが精一杯の一夜が明け、なんのかんのバタバタと周囲で動いても会社系の方々がお休みでその動きを先に持って行くことが出来ず中途半端な状態の梅雨前線張り付き状態みたいな帝都の空、皆々様、いかがお過ごしでありましょうか。

ともかく、全てのお仕事関係の日程の立て直しにかからねばならず、その勢いで秋以降の様々な日程も決めてしまえ、というところまでパワーが恢復するか判らぬままに、今日もなんとか元気に生きていこうではありませぬか。はい…

で、昨日来いろいろと動き始めたアジア圏のこの秋以降の日程決めで、遅まきながら出て来た情報。ええ、どうやらデュダメル&シモン・ボリバル管ツアーが完全にダメになったのではないかという憶測も大河の如く流れる大陸中国、やっと来年春節の香港フェスティバルのメインプロが出ました。ほれ。
https://www.hk.artsfestival.org/en/
どうやら、最大の目玉のオペラ公演は、ウェールズ国立オペラの《ペレアスとメリザンド》のようでありまする。恐らくはこのプロダクションを持ってくるのでしょう。
https://www.wno.org.uk/event/pell%C3%A9as-and-m%C3%A9lisande
なるほど、パウントニーの演出ねぇ。まあ、LCCでちょろっと見物に行くには丁度良いかな、って感じかしら。なんせ、帝都の国立劇場でこの作品を正規なプロダクションで上演したことない国の住民としてはねぇ。

残念ながら、というか、毎度ながら、というか、室内楽は全プログラムの発表まで判りません。「香港いくぞぉ」という話は、まだどの団体からも流れてきていないし。

とにもかくにも、事実関係のお知らせでありました。さあ、今日も元気に働こう…ふうう、出発までにテープ起こしの必要な原稿3本、という元気の良い目標がいきなり消滅してしまったような気分で(別になくなったわけじゃないのだけどさ)、力が入らぬなぁ…

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パシフィカ&シモン・ボリバルQダブルキャンセル! [弦楽四重奏]

月末の北米ツアーに向けてお盆休み関係なく地獄の作文労働真っ最中に、とんでもないニュースが飛び込んだあああ。

ラヴィニア音楽祭のパシフィカQのベートーヴェン「トーキョー・スタイル」サイクルと、シモン・ボリバルQの演奏会が、全てキャンセルになりましたああああああああ!
パシフィカは、演奏者の家族の事情。シモン・ボリバルは、ベネズエラが内戦状態になっていることが理由と発表されております。

The September 4 Ravinia concert by the Simón Bolívar String Quartet has been canceled, along with the rest of its tour, due to travel complications caused by the conflict in the group’s native Venezuela. “Artistically this tour was very important for the quartet,” said violinist Alejandro Carreño. “We want to let the presenters know how sorry we are about this situation that is out of our control, and we are hoping we can reschedule our dates in these important places.”

ううううううううううううん…

往復の飛行機はキャンセル料はかかるが、まあキャンセル出来る切符にしておいたからいいけど、ニューヨークとDCとシカゴの宿はキャンセル不可の一番安い奴にしちゃっていて、それでもトータルで夫婦で10万を超える額がふっとんだあぁあああああああああああ!

今、冷静にものを考えられないので、ともかく、事実関係のみ。…って、当電子壁新聞を立ち読みなさっている方々で実害のある方はいないであろーなー…ふううう

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北京東西ヴァーグナー合戦 [音楽業界]

月末の北米行きに向けて地獄の原稿量産作業中。電子壁新聞放り投げ状態、多謝。

んでも、自分の為のメモ。北京の方からの情報をまとめてアップしておきます。

ええ、この夏の終わりから秋にかけ、北京で立て続けにヴァーグナーが舞台上演されます。今やあれやこれやとオペラの舞台上演が盛んに行われている北京ですが、これだけの大物が続く、それも金積んで連れてくるだけの「外来引っ越し」じゃなく、現地スタッフが制作する本格的なプロダクションが続くって、いよいよ北京の状況も次のステージに突入かなぁ、という感じですねぇ。

まずは、こちら。
http://theatrebeijing.com/whats_on/NCPA/2017/opera_tristan_und_isolde.html
お馴染みの人民大会堂隣に舞い降りた巨大お椀型UFO、国家大劇院のプロダクションで、《トリスタンとイゾルデ》でありまする。昨年だか、ラトルの指揮でメトで出たプロダクションの共同制作、残念ながら指揮はラトルではないし、オケはメトオケじゃなくて国家大劇院オープンのときに設立された座付きオケですが、逆に言えば、しっかりした北京オリジナルプロダクション、ってこと。歌手はインターナショナル、という、初台とおんなじやり方ですな。

もうひとつはこちら。
http://www.bmf.org.cn/
なんとまぁ、台北がバレンシアの舞台を再現してくれる数週間後、初台で神々が黄昏れるのを挟んで上演されるのは、かのギュンター・シュナイダー・ジームセンの舞台を再現した《ヴァルキューレ》でありまする。日本でもNHKBSでティーレマンが指揮した舞台が放送されているものを持ってくる。

こちらは会場は天安門から東に外環道路を越えたところ、首都空港からの高速鉄道駅からほど近い、ポリー・シアターです。そう、劇場からも判るように、ロン・ユー御大のフェスティバルでんな。最大のポイントは、3年前から香港で《リング》チクルスを重ねている香港フィル&ヤープがとうとう満を侍してピットに入ること。これ、関心あるなぁ。

てなわけで、東西(ってか、ホントは真ん中&東、だけど)ヴァーグナー対決苛烈に開幕、というお話でありました。

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表参道で5時間半 [弦楽四重奏]

実質夏休みは終わって、月末にシカゴに向かうまでの間に処理せねばならぬ作文がそれなりにあり、バタバタしていて当電子壁新聞もやっつけ仕事になってます。なんか、この夏、仕事の流れがちょっと妙だなぁ。

とはいうものの、これだけは記しておかないと後で忘れちゃうので記しておきましょうぞ。去る火曜日の午後から夜にかけて、東京は表参道のルイヴィトン上層階に設置されたギャラリーで行われたフラックスQによるモートン・フェルドマン弦楽四重奏第2番全曲演奏について。恐らくは、全曲演奏としては日本では2回目になるのかしら。セゾン美術館なんかでやってるかもしれないなぁ。

とにもかくにも、ホントに6時間近くも座ってられるかなぁ…と己の根性を疑いつつ、炎天下の午後2時半頃に地下鉄駅からルイヴィトンに向かいます(ギリギリまで銀座のシャネルだと思い込んでいて、危ないところだった…)。上層階のギャラリーに向かうエレベーターでチェロのフェリックス君と遭って、立ち話。曰く…今回はこれだけのために来てるよ、今日の終演は8時半くらいかなぁ、え、練習は勿論全部一気にやることはなくて(笑)10ページくらいづつやる、ソウルのキャンセルの話は覚えてないなぁ、等々…
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2015-12-07
もう2年も前のことだったんだっけ、このソウル東大門の会場まで行ったらFlux Qはキャンセルでした、ってギャグにもならん話は。いやはや…

じゃあともかくぐぁんばってください、ってわけで、フェリックス君は楽屋に向かい、やくぺん先生は狭い廊下にズラリと並んだ列の後ろに向かいます。この段階で20人くらいかしら。スタッフに「席はあるんですか?」と訊ねると、少しだけ、とのお応え。なるほど、これは基本的には立ち席イベントだな。

開場すると、そこはビル上層階の敷地全部をスポンと空いた空間にしたギャラリーで、真っ白な2つの壁面には蛍光灯のオブジェが貼り付けられてる。フェルドマンと同じくらいの時代に活動したDan Flavinというアーティストさんの作品らしいです。で、真ん中に譜面台と椅子。それに、足下にボトルの水。
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原則写真撮影は禁止な会場なので、わざとぼけぼけの写真で状況をご想像あれ。この写真の撮影している側がガラス壁で、眼下には表参道が眺められます。席は20くらいが弦楽四重奏の正面に置かれているけど、半分が招待席。もうあたくしめには席がありません。これはまいったな、と思ったら、ガラス壁の前にまあるい座布団が10ほども並べられてら。なるほど、あそこに座っても宜しい、ってことでんな。

ぶっちゃけ、この演奏会を「イベント」として考えると、演奏する側やら仕込む側にもいろいろと大変なことはあろうが、聴衆とすれば「6時間にすら及ぶ可能性がある長丁場をどうやって大過なく過ごすか」が最大の課題。まず、事前に水物は控えましょう。トイレに行って戻れるような状況なのかは判らないですから。理想はごろんと寝転んでしまうことだろうが、流石にそういうわけにはいかぬだろうから、6時間を前提に座り方を考えねばならぬ。ニューヨークからパリまでの大西洋線東向き横断、東京からだとシンガポールやらヤンゴンまで行けるくらいの時間を、基本的にはずーっと同じ姿勢を保っていなければならないのであーる。

その意味では、「気を紛らしたかったら首を傾けて、表参道の人の流れや、はたまた青山方面のビルや空を眺められる」という場所は理想的です。それに、丸い座布団みたいなものに座って足を自由に投げ出したり出来るのは、椅子に座っているより余程寝ている状況に近い。これならなんとか乗り切れるかもしれないぞ。

目の前にはCanonの一眼レフ8台くらいがズラリ、デッカい予備バッテリーも付けられ、6時間に迫る長丁場の映像収録をしようと取り囲んでます。かくて開演となる午後3時が至り、100名弱の聴衆&スタッフ関係者の前に、フラックスQの面々が登場。おおお、第1ヴァイオリンのトムが丸刈りになって、まるでタイのお坊さんみたいだぁ!ルックス的には、この曲にドンピシャかも。

あとは延々と、フェリックス君が仰るとおり午後8時26分までかかったフェルドマン第2番の演奏が続くだけ。なんせ、「提示部第2主題●●小節目のピアニッシモは…」とか言える類いの「作品」ではないので、語れるのは「5時間半を体験しての感想」でしかないのだけど…まあ、ひとことで言えば、この作品、ここまで長いと普通の意味での「時間芸術としての作品」ではなくなってくる。時間と空間が溶け合っちゃう、というか、この音が鳴っている空間そのものがひとつのアートであり、オブジェになる。今回のようなオープンで外の光や風景も含み込んだ会場の場合、意図したかどうかはともかく、時間の流れが光の変化としてイヤでも感じられ、そこに光のオブジェが展示されているものだから、光の変化は確実にひとつの方向性を有した微妙な動きとして感じられる。要は、フェルドマンが鳴っている空間全体がひとつのインスタレーション作品です、ってこと。

音楽そのものは…そうですねぇ、まあ、これはもう、一種、「ART」を鑑賞するのではなく、「Nature」を眺めるに近いなぁ、と思ったです。人間の意志が音の法則性に対してどうこうしているのではない。もう自然にある音を、座ってじーっと耳を澄ませているようなもの。湖の上の波紋をずーっと眺めている、風で波が立ち、そこに葉っぱが落ちてきて揺れ、あっちからカイツブリが走ってきて波紋を広げ…ってのをひたすらみているようなものです。

そう、それはそれで、あり。一応、「繋ぎの部分」と「意志的な動きの部分」がはっきり分けて作られているとか、2度の動きが演奏者の疲労度や時間経過によって微妙に異なってくるとか、いろんな仕掛けはあるんでしょうけど、まあいいよそんなこと、って気分になってくる。

4時間20分くらいから4時間40分くらいに最後の大きなクライマックス(といっても、別に凄く違ったことが起きるわけじゃないですけど)を迎え、一息付いて淡々と繰り返される時間が戻って来た辺りで、明治神宮の杜から華火が上がり、破裂音も聞こえてくる。まるでこれも、この空間に仕込まれたみたい。

フェルドマンの弦楽四重奏第2番、もしもチャンスがあったら、人生で一度は経験しても良い…かなぁ。ま、皆さんにお勧めします、とは言いません。今回も、最終的に最初から最後まで付き合った聴衆は、うううん、どうなんだろうなぁ、30人くらいいたかな、という感じ。殆どの方は数十分、長くても2時間くらいが殆どでした。実際、やくぺん先生の隣は3人入れ替わり、反対も途中で入れ替わりましたし。

なんであれ、フラックスQの皆様、お疲れ様でした。

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ヴァルター・レヴィン翁没 [弦楽四重奏]

当電子壁新聞では、基本的には訃報は扱わないのだけど(キリがない、というのがホントのところ)、流石にこれは記しておきます。

元ラサールQの第1ヴァイオリン、この四半世紀は、プロカルテットの中心講師としてヨーロッパにはごく一部の音楽学校でしか成されていなかった弦楽四重奏教育を広く有能な若者たちに広め、現在の弦楽四重奏黄金時代の礎となった大教育者、ヴァルター・レヴィン翁がお亡くなりになったそうです。
http://chicago.suntimes.com/news/renowned-violinist-music-teacher-walter-levin-dead-at-92/
http://www.badische-zeitung.de/klassik-2/walter-levin-ist-tot-grosser-geiger-und-teamspieler--140294834.html
やくぺん先生は、フォンテーヌブローのプロカルテット・セミナーで、横にザイゼル氏が苦虫をかみ潰しているところで5分くらいの立ち話インタビューをしたことがあるだけで、他はステージ上とレッスンを眺めるだけのお付き合い、ホントに偉い人だったわけだけど、今の現役中堅クラスの団体にすれば、偉大なる師匠の訃報ということになる。いくら2000年代後半からはシカゴでご隠居生活でヨーロッパからは引退していたとはいえ、大きなニュースであることに違いは無い。

個人的には、何故か知らないけど最後の、かな、さもなければ最後からひとつ前くらいの来日で、ひとつのメインプロがノーノの《ディオティマへ》で、もうひとつがツェムリンスキーの最後がドッペルフーガが途中でひっくり返る奴、ええと、4番かな、をメインにした演奏会。なぜかツェムリンスキーばかりがやたらと印象に残ってるなぁ。…って、今思えば、この演目って、「最近、グラモフォンからレコード出ましたんで宜しく」って、文字通り20世紀の「著名演奏家来日公演」のやり方を絵に描いたようなもんですねぇ。その意味でも、懐かしいなぁ。

引退後は、やはりなんと言っても2000年のロンドン大会で、ブレイニン御大と審査委員長を分けたときの印象が強烈。なんせ、レヴィン御大とブレイニン翁という正反対の考えの巨匠を並べたら話がつくわけないのは誰が考えても判ることで、案の定大紛糾、シマノフスキQとかディオティマQとか完成された団体が全部セミファイナルで落とされ、ファイナルは若手選手権状態になり、カザルスQが優勝でアルモニコが2位というビックリするような結果になった(その数ヶ月後、レッジョではエクが1位無し2位になりカザルスQが3位で、考えてみれば沖縄ムーンビーチに始まり、カザルスホールとアマデウス・コースで盛り上がったバブル期以降の日本の若者達の弦楽四重奏熱の頂点がこの頃だったわけですなぁ。←遠い眼…)。あれがいちばん「レヴィン翁らしい」と言ったら、叱られるかしら。

ひとつの時代が終わる。そういえば、マン御大も90歳を越えてらっしゃる筈だなぁ。

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