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2017年08月| 2017年09月 |- ブログトップ
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トロンハイム遙かなり [たびの空]

久しぶり、という感じの成田のラウンジです。最近は午前のシカゴ便とかパリ便とか、そんなメイジャー路線までゴッソリ羽田に移ってしまい、羽田国際線ラウンジは朝から深夜まで大混乱一歩手前状態なんだけど、ここ成田はすっかり暇になってしまい…と言いたいところだが、意外にもそーじゃない。混雑してます。

どうやら、月曜午前ということで、羽田からは出ていない中国の北京上海以外の各都市、ヤンゴンとかプノンペンとか、東南アジアのいろんな都市に出かけるサラリーマンの皆さんがどおおおっと利用する時間のようです。出国後の両替屋さんも、並んでるのは明らかにサラリーマンさんで、動いているのは真っ赤なマオ首席のお札ばかり。へえ、そういうもんなんだ。

ラウンジ名物饂飩蕎麦屋さんも、何故か知らないが並ぶオジサンほぼ全員が「〇〇蕎麦(若しくは饂飩)と、カレー」と頼んでます。うううん、ここで喰っておかないと夕方仕事が終わるまでまともに喰えぬぞ、と駅で「蕎麦&カレーセット」を書き込んでるニッポンの働くオッサンの姿ばかり。誰もミサイルなんかを怖がってる暇はないぞぉ、ってかい。

さても、やくぺん先生ったら、佃縦長屋を朝の7時前に出て、箱崎のTCATから縦長屋眺め、天樹眺め、ディズニーランド眺め、延々と成田に至り、向かう先はこんなところ。
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まずはシベリア越えてブリュッセル。んで、3時間の乗り継ぎでオスロ。どうやらそこまでは荷物は行ってくれるそうだが、一生懸命頑張ってくれたANAのおねーさんによれば、オスロ空港で一度引き取って国内線に積み替えるお仕事を自分でやらねばならぬそうな。ま、今は「判りました」としか言いようが無い。どうなることやら。1時間を切る乗り継ぎ時間なんだけど、SASさんがやれると言ってるのだから大丈夫なんでしょう。

で、目的地のトロンハイム空港(なんとNATOの米海兵隊駐屯地があるそうで…まさかミサゴ君が並んでたりしないだろーねぇ)に到着するのは午後10時40分。市内に向かう鉄道の最終便が10時55分で、右も左も判らぬやくぺん先生にはとても間に合う自信が無いぞぉ、とコンクール事務局に泣きついたら、じゃあ車を出してやろう、という有り難いお言葉。

となれば、流石に手ぶらというわけにも行くまい。ちょっと早めに成田に到着し、いろいろ悩んだのだけど、ま、「なんじゃこれ」と思われてもしょーがないので、穏当なカステラ、ということにいたしましょうぞ。
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迎えに来てくれる運転手さんのために、「一口ミニカステラ」なるものも買い込み、こっちは預け荷物には言わずに機内持ち込み背負子に詰め込む。

おおし、これで完了。さあ、シベリア越えて、今や世界最強のマリンコーが陣取るかつてのUボート秘密基地の街に向け、出発だぁ。
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恐らく、次の書き込みあるとすれば、北緯65度の北の街駅前ホテルから、かしら。明日の朝10時には、トロンハイム国際弦楽四重奏コンクール1次予選のトップバッター、タレイアQが登場です。そこまでに頭がまともになってると良いんだけどなぁ。

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ベートーヴェン作品9全曲演奏を聴いて [弦楽四重奏]

敢えて「弦楽四重奏」カテゴリーです。

今、宝塚ベガホールでのロータスQ一人欠けに拠るベートーヴェン弦楽三重奏曲作品9全曲一挙演奏を聴き終え、伊丹空港経由最終便で羽田に到着。モノレールで浜松町に向かってます。ベガホールから伊丹空港まで阪急とモノレールで正味30分、7時の便にしたかったのだが満員でダメでした。明日の11時前には成田発のシベリア越えなんで、ちょっとでも早く湾岸に戻りたかったんだけど。

さても、ま、それはそれとして、殆どやられることのない作品9全曲演奏の感想でありまする。
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まずなによりも、ロータスQの皆様にはありがとう御座いました、ホントにお疲れ様でした、と言わねばなりません。いずみホールでのブッフビンダーとの指揮者無しコンチェルトのオケ参加のため招聘された故の3人編成とのことですが、まあ、こういうことでもないとなかなかやれないチクルスを主催して下さったマネージャーさん、ベガホールさんともども、頭が下がりっぱなしでありまする。無茶な日程でも来た意義は大いにありましたです。

こんな地味な企画なのに、開演前からベガホールの前に聴取が溢れ
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最終的に440席だか(追記訂正:地元住民方からご指摘があり、固定席は372だそうです。ご指摘ありがとうございます)のうち300くらいは埋まったわけで、ハクジュとかだったら満員ということでありますな。いやぁ、関西の聴衆、スゴい、偉いっ!弦楽器を持った人が多かったのはどうしてなのかしら。音楽関係者の顔も結構あるのは心強いぞっ、関西音楽界!

で、中身でありますが、まあ、若きベートーヴェンさん、大変な曲を書いちゃったなぁ、と今更ながらに思わされたです。ともかく、最初から最後まで、音楽の構造にしても、アンサンブルにしても、一切の逃げ場がない。もの凄く厳しい音楽。否定的に言えば、遊びが一切無い楽譜。弾く側にすれば、気楽に流せば格好が付く、というようなところは皆無だし。

お仕事しながらディスクをノンビリ聞き流すなんて状況ではなく、そこで弾いているロータスQの一挙手一投足を眺めながらきっちり座って拝聴するとなると、この3曲のガチガチの造りがイヤでも目の前に迫ってくる。3曲どれもが、第1楽章はアレグロのソナタ(序奏付きの曲もあるとはいえ、ガラリと世界が変わるよーなもんじゃない)、第2楽章はアンダンテなんぞの歌、第3楽章はスケルツォ風の3部形式で、終楽章はアレグロっぽいロンドだったりソナタだったりのフィナーレ。もう、作品18なんぞとまるっきり同じ、これぞ古典中の古典、という堂々たる姿が並ぶ。歌の楽章だって、アンコールでやられたシューベルトの弦楽三重奏みたいな「ま、いろいろやってるけど、よーはちょっと手が込んだソプラノと伴奏だわな、こりゃ」ってなもんじゃない。大真面目な線の音楽。終楽章だって、モーツァルトみたいにとんでもないところに寄り道しそうになって大爆笑、なんてこと一切無い。スケルツォ楽章も後の「世界一のスケルツォ作家」の面目躍如で、特に作品9の3の第3楽章なんぞときたら、作品18の5のウルトラトリッキーなリズムまでもう一歩、ってな無慈悲さ。いやぁ、これは大変だ。

ま、そんなことは楽譜を見れば誰にだって判ることなんでしょうから、今更どうこう言うことでは無い。それを判った上で演奏しようというのだから、文句は言えない。やってやろーじゃないの、ってね。

でもでも、あらためて実際にステージで全曲を続けて(作品9の1から順番に始め、最後のハ短調作品9の3の前で15分の休憩は入りましたが)経験すると、ああああなるほどぉだからやられんのね、ということもあれこれ実感出来ます。本日の演奏、この3曲の中では最も有名で、比較的弾かれる機会も多い作品9の3がトリに来たわけですけど、この曲ねぇ、確かに充実しているし、無茶苦茶演奏は大変だし(今世紀の初め頃、天下の某Wフィルの名コンマスK氏が都内某ホールでこの曲をやったときの壮絶なボロボロぶりは、未だに悪夢のような…)、なんせ「ベートーヴェンのハ短調」ですから人々がこの作曲家に期待するような瞬間もないではないし…とはいえ、いかんせん、終わりが余りに盛り上がらないんねん!《運命》の永遠に和音を打っ叩いてこれでもかこれでもかぁ、まだまだだぁ、ってんではない。同じハ短調でかっつり古典的とはいえ、作品18の4みたいな「まあ、それはそれとして、ちょっとはベートーヴェンっぽいかな」とみんなが納得するような終わり方をしてくれるわけですらない。かといって、モーツァルトやハイドンのはぐらかし系終楽章みたいなロココっぽい趣味の良さとか、ニヤリ感とかでもない。

ここまでの再現をしっかりやってくれたロータスQが悪いのではない。じゃあ、ハ短調を真ん中に挟んで、ニ長調を最後に持ってくるか…といっても、それはそれでなんとも演奏会としては座りが悪い。うううん…

なるほど、これは確かに演奏会では3曲順番にやりにくいなぁ、と思わせてくれた貴重な体験でありました。アンコールにシューベルトをちょっと弾いてくれて、やっと「うん、これで終わり」という感じになれたのでありまする。

とにもかくにも、お疲れ様でした。しっかりとモダンの音で聴かせていただいたので、次にチャンスがあれば、古楽系の団体でベートーヴェンの弦楽三重奏曲作品9全曲演奏、やって貰いたいなぁ。音色や和声、倍音を使ってるんじゃないかと思える響きの膨らませ方など、もっと露骨に「古楽」っぽい音が有効なんじゃないかしら。ビルスマとかクイケンとか…もうその世代じゃないか。やっぱり、秀美さんに期待、かな。

[追記]

新しい情報じゃなく、つらつら考えるに、という追記なんだけど…

やっぱりこの作品、ベートーヴェンが耳がちゃんと聴こえる頃に書いた、というのは案外大事なんじゃないかしら。ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏って、明らかに実音を聴いていたらおかしいと避けるんじゃないかと思うような和声、というよりも、響きの箇所があるのは皆様ご存知の通り。頭の中で理屈で鳴ってる音と、実際の響きの違いを気にしてない、というか、意識できないというか。

それに比べて、作品9って、楽譜に書いてないけれど実は鳴ることが前提になっている倍音の響きとかをもの凄く大事にしているというか、それを前提に3つの楽器の鳴り方をギリギリまで切り詰めている、というか。

まあ、妄想なんだろうけど、やっぱり所謂「古楽」で、近江楽堂みたいな無茶苦茶響くところで聴くとどう感じるだろうか。誰か、やって下さい。特にニ長調作品。

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もうひとつのベートーヴェン全曲演奏会 [弦楽四重奏]

「弦楽四重奏」カテゴリーだけど、ウソ。弦楽三重奏の話ですぅ。ま、演奏するのがロータスQだから、一応、ギリギリでOKかな。

世の中、何だか知らないけど「全曲演奏会」ばやりとはいえ、散々にやられる「全曲演奏」もあれば、どういうわけか殆どやられない「全曲演奏」もある。前者の典型例は、なんといってもベートーヴェンの交響曲、そして弦楽四重奏。そこそこあるのは、同じくベートーヴェンのピアノ協奏曲とか、ピアノ・ソナタとかの全曲。ブラームスもやたらと「全曲演奏」がやられる作曲家さんで、交響曲の全曲演奏はドイツ系オーケストラの定番演目だし、最近では案外と頻繁にやられるのが一晩の丁度良いプログラムとしてのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏。時代を遡れば大バッハの管弦楽組曲とかブランデンブルク協奏曲は来日古楽オケの定番演目だし、言わずと知れた無伴奏チェロ組曲も全曲演奏の王道演目でんな。

こんな風に記し始めると、案外、キリがないぞ。時間を長く取って良ければ、マーラー交響曲全曲とか、ショスタコの交響曲や弦楽四重奏全曲とか…

その一方で、殆ど「全曲演奏」に縁が無い、ってか、「全曲演奏」は何か特別に力の入った、明らかに普通じゃないイベントになってしまう作曲家もいる。モーツァルトなんて、案外、どのジャンルであれ全曲演奏がありそうでないし、シューベルトやドヴォルザークなんかは「全曲」じゃなくて「名曲選集」になってしまう。どうしてなのかは、また別の話。

と、いうものの、「全曲演奏」の不滅の王者たるベートーヴェンでも、全曲演奏会とは無縁なジャンルがあります。この作曲家の、というか、ジャンル全体の作品目録の中でも極めて重要なレパートリーなのに殆どやられない、そんな筆頭が、「弦楽三重奏全曲演奏会」でありましょーぞ。ピアノ三重奏もその傾向があるけど、それはまたいつか。

なんせ、世に無条件で大作曲家と認識されている方で、複数の、「全曲演奏会」をせねばならぬ程の数の弦楽三重奏を書いた奴は、恐らくは我らがベートーヴェン先生しかおらぬ。シューベルトは複数あるも、それ以降は(レーガーやヒンデミットらの例外はあれど)どの作曲家さんも力が入った1曲を書くのがやっと、というちょっと不思議なジャンル。全曲演奏会をやりたくてもネタが無い、というのが現実かな。

それならばそれならば、ベートーヴェンの弦楽三重奏全曲演奏こそはジャンジャンやられても不思議ではなかろーに…とお思いじゃろがぁ、それが、そうでもないんだなぁ。

作品としては、ボンから出てきた若きベートーヴェンが、流行している弦楽四重奏を作曲する誘いを散々断りながら、番外編の《セレナード》含め総計4曲の弦楽三重奏をまず仕上げる。んで、なるほど、このジャンルの可能性も限界も俺は見切ったぞ、とばかりに、えいやっと作品18の弦楽四重奏に手を付けることになる。

んで、以降はまるっきり手を付けなかった。

ほーら、これはベートーヴェンの創作を知る上で、特に作品18とはどういう試行錯誤の挙げ句に生まれた音楽なのか知るためには不可欠の作品集ではないか、と思うでしょ。実際、その通りでありまする。

だけどだけど、そこまで判っていながら、なかなか演奏されない。楽譜が揃ってないなんてこともなく、長すぎたり短すぎたりして演奏会のバランスが悪くなるわけでもない。世の中には「誰もやらないには訳がある」という余りに有名な格言があるけれど、このベートーヴェンさんの曲集の場合はどういう訳があるのよ?

そんな大きな謎の解答に少しでも近付きたいなら、来る日曜日の午後4時、兵庫は伊丹空港から阪急電車でちょっと奥に入った、宝塚ベガホールにいらっしゃいませ。ほーれ。
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http://www.kojimacm.com/digest/170924/170924.html
おっと、今の今まで、フルートと弦の三重奏がオリジナルの《セレナード》も含めた4曲なのかと思ってたけど、作品9の弦楽器オリジナル三重奏3曲の全部、ってことなのね。なんせ翌月曜日午前中には成田からノルウェーはトロンハイムに向けて出発せねばならないので、伊丹発羽田行き最終便に乗れないと厳しいなぁ、と思ってたけど、これならぜーんぜんもーまんたぁい!

結論らしきことを先走って言ってしまえば、弦楽三重奏というジャンル、実は弦楽四重奏ほどの面倒なバランスやらアンサンブルの問題があり、ホントはプロの弦楽三重奏団なんてものがあっても不思議はないくらい練習が大変。だけど、流石に余りにもレパートリーが限られていて、常設の弦楽三重奏団の維持はとても無理(常設のピアノ四重奏団がレパートリーにする可能性はあるが、常設のピアノ四重奏団そのものが殆どないし)。歴史的にも、シモン・ゴールドベルク&ヒンデミット&フォイヤマン、なんて団体くらいしか「歴史的な著名弦楽三重奏団」というものは存在していない。で、最も合理的なのは常設弦楽四重奏でヴァイオリンをひとり休んで貰う、といことになるわけだけど、それもいろんな事情でそう簡単ではなく…

つまり、今回のこのロータスQの全曲演奏は、どー考えても極めて例外的な、理想的なイベントなのであります。そーでもなければ、流石のアホのやくぺん先生とはいえ、こんなバタバタした日程で強引に関西滞在6時間という日帰りまでせんわいな。

さて皆様、日曜日にベガホールでお遇いしましょう。東京首都圏からの日帰り、まるっきりOKでんがな!

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カタロニアが燃えている [売文稼業]

「たびの空」カテゴリー半分だけど、もろ取材のことなんでねぇ。

スペイン、というか、カタロニアの首都のバルセロナが、ちょっと大変なことになってます。
https://www.ft.com/content/6a08cbb0-996b-11e7-b83c-9588e51488a0
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/12-14.php
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51096
ミサイル選挙ばかりがメディアのスペースをジャックする日本国ではどの程度報道されている知らぬが、ともかく、昨日くらいまでの情勢ではカタロニア州政府は10月1日に独立可否投票を行う勢いで、それに対しスペイン中央政府が投票を物理的に不可能にする武力行動に打って出でる勢い、というところまで事態は緊迫化しつつあった。言葉ばかりが勇ましいけど実体的にはなーんの効力も無い日本の憲法改正議論(なんせ日本国憲法はどんなに違犯しようが罰則規定のない理念法ですから…そうじゃなきゃ今の日本、違憲疑惑濃厚な法律作った官僚も成立させた国会議員も、みんな逮捕監禁されてる筈)とは違って、ホントに国や社会を割って暴力沙汰が吹き荒れる可能性がある話。

んで、ことがどうなるかまだ判らぬが、10月1日にはバルセロナのカザルスホールでは、大野和士氏が自分のオケを指揮をして定期演奏会を開いており、日本から録音チームも乗り込む予定だそうな。で、やくぺん先生とすれば、翌日2日月曜日(ホントに投票すれば、集計結果発表日?)午後にバルセロナ空港に到着し、翌3日はやっと発表可能になった来年のサントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデンでベートーヴェン・サイクルを行うカザルスQの、バルセロナはカザルス小ホールでのサイクル初日を取材することになっておりましたです。こちら。
https://cuartetocasals.com/en/concerts
ちなみに、このカザルスQのページ、コンサート予定をドンドン繰っていくと、溜池の日程ばかりか曲順までガッツリ出ています。流石にここに記すわけには行かぬが、ご関心のある方はどーぞ。なんと、パシフィカQ以来の…でんなぁ。

さても、やくぺん先生、無事に燃えるカタロニア首都に飛び込めるのか?はたまたちゃんと取材になるのか?5日夜のオペラシティの上海フィルに間に合うのか?波乱含みのたびの空売文家業、果たしてどーなることやらっ!

ふうううう…その前に、ひとつ原稿入れていかねばならぬ。まだテープ起こし真っ最中の帝都トウキョー秋の空。

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「青べか物語」の街で [弦楽四重奏]

今、浦安市役所10階の食堂に座って、南に向いた東京湾方向を眺めています。
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目の前には成田空港に向かう際にお馴染みの湾岸道路が走り、その向こうには京葉線、新浦安駅、新しく出来た駅前音楽ホール、そして311地震で液状化騒動が起きた新興住宅街が広がり、やっとその先に秋の曇り空の下の東京湾がちょっと覗けます。右に頭を振れば言わずと知れたとーきょー・でぃずにーらんど、左には千葉の港が霞み、目を上げればANAさんの米子往き787が大きく左に旋回し、このまま葛飾オフィス上空を抜け本州を横切らんと、橫田米軍占有空域の上に向けて必死に高度を取っています。そして、東京湾に向けて真っ直ぐ貫く運河には、いくつもの橋が架けられ、小さな漁船が浮いている。

嗚呼、汐干狩の海は遙か埋め立て地の向こうなれど、ここはやっぱり「青ベか物語」の世界。東京湾岸佃の堀よりも遙かに規模の大きい漁師町。あ、運河を鵜が離陸していった。

まだランチタイムも始まっていないような朝もはよから、浦安くんだりまで出張って何をやってるかってば、これでありまする。右側じゃないよ。
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我らがクァルテット・エクセルシオ、昨日は賑々しくも有り難くも、メイジャー中のメイジャーたる溜池室内楽お庭秋のフェスティバルに参加させていただき、昼間っから1時間ほど弦楽四重奏名曲選を弾いたのだけど、一夜明けた本日は無料ロビコンという地味なお仕事でありまする。あたしゃ、NPOエクの雑用係として記録写真撮影係。よーは、毎度ながらの雑用じゃわい。

昨年暮くらいから、どうやらエクは「浦安音楽ホール・レジデンシャル・アーティスト」だそうで、先頃はディズニーランドのホテルでロビコンやったりもしたそーな。このタイトル、一体何なのか、どんな仕事をするのか、などなど、現状で発表されているのはこんなこと。ワークショップ、というのが売りなのかな、この主催者さんとすれば。
http://www.urayasu-concerthall.jp/news/66%E3%80%81622%E3%81%AF%E3%82%AF%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%81%8C%E7%99%BB%E5%A0%B4/

ま、今はともかく、もうすぐ始まりますよ、という遅すぎる宣伝。

あ、ニューヨークはJFK往きのANAさんが、目の前で大きく左に旋回、北米大圏航路に入るべく高度を上げてます。今も昔も、ここ浦安は海の彼方に向けて開けた街。

※※※

てなわけで、浦安から環七北上して葛飾オフィスに戻る途中、浦安市の隣は葛西臨海公園の先っぽに寄り道し、頭の上を羽田に着陸するヴェトナム航空のA-321が足を出し始める真下で、警視庁の18号機イロコイが警邏飛行を終えて塒の東京ヘリポートに戻ってくるのを眺めてます。
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そう、丁度大阪城公園で伊丹に降りていくいろんな機械鳥たちを眺めるくらいの感じかな。
公園にはシジュウカラばかりの群れが動いているくらいで、あとはムクと湾岸お馴染みの鵜やら鴎やら、何を狙うかトンビくらい。カメラマンさんに拠れば、キビタキさんがいたそうな。へえ、そろそろ街場をいろんな方々が通り過ぎる季節なんだなぁ。

エクの市役所演奏会、100名近い聴衆を集め、先程、無事に終了しました。前回にディズニーランド横のホテルにアウトリーチしたときには淋しい程の聴衆だったというの話を耳にし、それはマズかろうと参ったものの、そんな心配は無用。残念ながら市長は来られなかったそうだが、市関係者も沢山いらしていて、それなりに「我が街のレジデント」という盛り上がりはあった…のでしょう。
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今シーズンのMCを勤める大友氏曰く、「日本でこのような(レジデント・アーティストという)形でやらせていただけるのは、ここ浦安だけです。皆さん、誇らしく思って下さい,浦安日本一です。」居並ぶ浦安市民善男善女の皆様、はたまた市役所関係者の皆様、なんせ日本で弦楽四重奏アウトリーチの先駆者エク、今世紀の初め頃に恐らく日本初の地域レジデンシィの実験を入善でスタートし、東京湾岸に立ち上がったNPOトリトン・アーツ・ネットワークでアウトリーチを重ね(その仕事は、今は溜池でのエクの弟子らだった若い演奏家達が引き継いでいる)、そして再びここ浦安で市唯一のレジデント・アーティストのタイトルを背負い活動することになる。毎度ながら、エクの前に道はなく、エクの後に道があるのかよー判らん、という状況であれど、浦安市民の皆様は大いに誇りに思っていただきたいところであーる、うん。

ま、これが「エク」という団体が選んだやり方なのだから、もうこれを貫くしかない。

「浦安音楽ホールのレジデント・アーティスト」としてのエクの活動、12月にはホールでアマチュア演奏家の皆さんとの合同演奏に始まる本格的な演奏会も待ってます。当面は、そこに向けて、もうひとつの湾岸の街に、4艘のべか船エク丸はこぎ出しました。果たしてどこへと向かうやら。

浦安の対岸はハワイなんだけどねぇ。あれ、手を振ってる2人組がいるぞ。

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黑沼ヴィヨームについて [演奏家]

数日前にマイ・ハートQのことを記し、その中で福岡ハイドンQのことについて触れたことから、福岡の方といろいろ連絡をとりあうことになりました。お久しぶりで、いろいろ興味深い情報を提供いただけ、有り難かったです。

その全てをこんな無責任電子壁新聞に気楽に書くわけにもいかないのだけど、とても重要な、でもなんかちょっと嬉しい、というか、安心した話がありましたので、事実関係だけをサラッと記しておきます。

ルドルフ・ゼルキンの招きで日本人として初めてマールボロ音楽祭に参加した黑沼俊夫氏が、帰国時にソイヤー氏にいろいろ話を繋いで貰ったりして(なんせ、カザルスのチェロを実質上預かっていたのがソイヤー氏だったわけですから、楽器店へのラインはいろいろあったのでしょう)マンハッタンで購入して日本に持ち帰り、その後の巌本真理Q時代からニューアーツQに至るまでずっと使っていらしたヴィヨームは、2017年の今、どこにあるのか、判りました。ってか、ご存知の方はご存知だったわけだが、今更ながらにやくぺん先生の知るところになった、というだけのことなんだけどさ。

黑沼先生没後、河野文昭氏に渡ってゆふいん音楽祭のステージでも盛んに鳴り響き、前世紀の終わり頃に河野先生が楽器を買い換えて黑沼夫人に戻されたあと、いろんな噂は聞いたのだけど、なんだかよくわからなかった。で、マイ・ハートQの雨田氏が使ってるんだ、となんとなく思ってたけど、そうではないと言われたのが去る金曜日のことでありました。

んで、本日、元福岡ハイドンQのメンバーの方に所在を教えていただきましたです。あのヴィヨーム、現在は九州交響楽団の首席チェロ奏者に就任なさった長谷川彰子さんがお使いだそうな!
へえ、それはそれで良いところに行ったなぁ。

なにしろとても室内楽に関心がある方だそうで、直方の室内楽シリーズにもレギュラーで登場
https://www.facebook.com/kanmusi/videos/915930011843798/
弦楽四重奏にも積極的で、九響団員による弦楽四重奏を本格的に始める意向を持っているという話を聞いたことも。

そういう方のところに、あの巌本真理Qの低音を支えたチェロが渡って、元気に鳴っているなんて、ホントに楽器としても嬉しいだろうし、あたしらのような周囲で眺めている者としても、すごく嬉しいことであります。

これはなんとしても聴きにいかねば。LCC様、またまた御世話にならせていただきますぞ。

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イサン・ユン生誕100年記念日 [現代音楽]

本日2017年9月17日は、作曲家イサン・ユンの生誕100年のお誕生日でありました。

てなわけで、世界中でさぞや盛り上がったろう、とお思いになるでしょうが…どうも、なぜかそう話は簡単ではなかったようです。ソウルでは特になにかあった感じはなく、前日に個人でピアニストさんが曲を弾いてお祝いしたりしたくらいみたい。

東京では、当電子壁新聞でも紹介させていただきましたフルート奏者吉岡次郎さんの協奏曲リサイタルが雨脚が強くなる中に開催され
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http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22
なるほど、やっぱりこの作曲家さんの音楽のパワーはライブで聴かないとねぇ、とあらためて関させていただきました。吉岡氏の独奏も、大井氏の指揮も、所謂粘りねっとりのイサン・ユン節とはまたちょっと違った、透明さに傾いた音楽でありつつ、パワー炸裂はしっかり、というバランスの取れたものだったのも、ちょっと新鮮でしたです。

夕方過ぎ、この演奏会のことを生誕地統営の音楽ホールのディレクターさんに連絡したところ、東京でもあったとは知らなかった、うちでは今日はこういうのをやっていたんだよ、と返事をいただきました。ほれ。
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このポスター、この下にまだつづきがいっぱいあるんですけど、全部ハングル文字で、曲も、出演者も、なーんんも判りません。午後3時開演だったことと、チケットが五万₩だった、とかくらいしか判らない。スイマセン、余りにも情けない情報提供で。でも、台風が迫る対馬海峡の向こうでも、ちゃんとお祝いがやられていたことだけは知れて有り難かったです。

なお、統営のホールでは、来る金曜日に春のフェスティバルに登場する統営音楽祭フェステイバル管弦楽団が、イサン・ユンのオーケストラ曲を演奏、大いに祝うことになっています。
http://timf.org/ticket/concertView.do?board_id=53&category=&article_id=5507&date_id=1&pageInfo.page=&search_cond=&onair=y
んで、このオケ、そのまま25日から10月2日まで、ヨーロッパ・ツアーをすることになっておりまする。

よっぽど25日のエルプ・フィルハーモニーの演奏会に行こうかと考えたのですが、なんせ翌日朝の9時からトロンハイムのコンクール1次予選が始まるので、流石にちょっと無茶は出来ないなぁ、と諦めました。残念。

てなわけで、イサン・ユン生誕100年、地味ながらそれなりに盛り上がってます…と敢えて言おう。うん。

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ローカルなクァルテットという在り方 [弦楽四重奏]

20世紀の半ばくらいまで、ヨーロッパで弦楽四重奏団を安定して運営する唯一の方法は、都市ベースのオーケストラのメンバー(若しくはオーケストラを運営する楽友協会が抱えるメンバー)に拠ることでありました。シュパンツィックもパガニーニも、はたまたヨアヒムもカール・クリングラーも違うじゃないか、と突っ込まれる方もいらっしゃるでありましょうが、そいつらは特別だから名前が残り、今はそっちしか知られていない、ということでありまする。

弦楽四重奏団の歴史が始まって1世紀程(これを長いと思うか短いと思うかは、ま、人様々でしょう)の遙か極東の島国ニッポン国でも、草創期は上野の音楽学校の先生たちだったとはいえ、それ以降は基本、弦楽四重奏をやるためにはまずオケに入って経済的にも安定した環境を整えた上で、趣味的に、というか、求道的に弦楽四重奏を極める、という形が基本になっている。戦後だって、シュタフォンハーゲンQも、プロムジカQも、今時ならモルゴーアQやらウェールズQに至るまで、そうだった。そうじゃない団体は、鈴木Qに始まり巌本真理Q、今はエクなどに至るまで、例外だから今に名前が残っている、という状況も、ヨーロッパと同じでんな。

以上、前置き。さても、日本列島にもオーケストラが多数生息する首都圏・関西圏以外でも活動している弦楽四重奏団があります。言葉の最良の意味で「ローカル」な団体。かつては、巌本真理Q解散からバブル時代の若手弦楽四重奏輩出期までを福岡拠点で繋いでくれた福岡モーツァルト・アンサンブルが、ローカルな弦楽四重奏団の代表格でした。今は、その二大巨頭が、東の横綱たる山形弦楽四重奏団。以前、当電子壁新聞でも紹介させていただいたことがあります。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
そしてもうひとつが、西の横綱マイ・ハート弦楽四重奏団でありましょうぞ。九響に新しく入った若いチェロ奏者さんが中心に動きが始まっているという話があるものの、福岡ハイドンQが実質的に活動を終焉したとのことなので(追記:…と記したら、福岡ハイドンQ関係者の方から連絡があり、「いろいろありましたが、2年後の月一定期400回までは続ける予定」とのこと。頑張って下さいませ)、やっぱり広島のマイ・ハートQの22年という活動実績は西日本では圧倒的であります。

てなわけで、本日は溜池室内楽お庭初日、賑々しくも旧東京Qがほぼ再結集してなんのかんの、という派手なイベントもあるのを百も承知で、そっちじゃなくて大川向こうのティアラ江東小ホールにマイ・ハートQの東京公演を見物に参った次第でありました。
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この団体、どういうわけか萩さんと親交があったらしく、大昔はカザルスホールでやったり、最近はルーテル市ヶ谷センターとか、こことか、ま、「東京在住の広島の方」をメインの聴衆ターゲットとするのに丁度良い規模の場所を選んで数年に一度、東京まで出張って下さっている。やくぺん先生ったら、どういうわけかタイミングが合わず、これまでまるでライブで接したことがありませんでした。後述のさる理由でとても興味はあったんだけど、ま、こういうもんでしょ、出会いってのは。

マイ・ハートQといえば、なんといっても「配置」です、昔は普通だったみたいだけど、いつからか、極めて特殊な座り方で演奏することで一部で知られるようになりました。本日も、下手側から舞台を眺めると、こんな感じ。
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お判りになりますかね。これ、開演前で椅子が妙な風に並んでるんじゃあありません。本番の配置。

どう表現したら良いのかなぁ、実際に音が出る感じから言えば、「オーケストラの第1ヴァイオリンの一番前2プルトだけを、舞台の真ん中に持ってきた」というのが最も実感に近いかしら。2人、2人の2列、が舞台袖に35度くらい傾いて座っる、前列客席側が第1ヴァイオリン、隣がヴィオラ。2列目の客席側が第2ヴァイオリンで、奥がチェロです。実質上のリーダーの沖田氏のブログにアップなさってる舞台写真が、いちばん判りやすいでしょう。こちら。
http://blog.livedoor.jp/my_heart4444/archives/52090424.html
YouTubeに《狩》の映像もアップされてます。これ。ちょっと吃驚でしょ。

映像を観た瞬間に「誰もやらないことには訳がある」という有名な格言が思わず頭に浮かんでしまう配置ですけど、無論、御本人らは自分らのやってることは百も承知。どんなに頑張ってもヴィオラにはチェロは音しか聴こえないし、第1ヴァイオリンさんにはセカンドさんがまるで見えない。普通の意味でのアイコンタクトを自ら拒否している配置で、実際、譜面ガン見、って感じになる。結果として、極めて特殊なアンサンブルになるわけで、なんというかなぁ、存在していない指揮者さんがまるで前にいるかのような…とでも申しましょうか。譜面を見ずに全て暗譜で演奏する古典Qなんぞの対極の考え方から来る配置、なのでしょうねぇ。

実際にどういう音がするか、ネガティヴなことは山のようにあるでしょう(正に、「誰もやらないには訳がある」ですな)。いくつも録音は出ていますが、ライブで耳にしないとなんとも判断のしようはない。ポジティヴなことを言えば――勝手に推察すれば恐らくはそれが目的なのでしょうけど――どの楽器も生音が真っ直ぐ客席に飛んで来ますので、声部がくっきり聴こえる。とりわけヴィオラが正面前に坐ってるので、猛烈に良く聴こえます。いろんな意味で、チェロさんの頑張り次第、って配置じゃないかしらねぇ。

ご興味のある方は、一度、ライブで接してご覧なさいな。問題は、起きている音楽やアンサンブルの全てがこの特殊な配置故なのかなぁ、と思えちゃうこと。その意味で、案外、論じるのが難しい団体ですね。

で、もうひとつのポイント、やくぺん先生が関心があった理由とは、チェロの雨田氏がお使いの楽器です。

この楽器、ヴィヨームという話はどこかから耳にしていました。更に雨田さんが京都出身で黑沼氏のお弟子さんでもあることから、一頃まで河野先生が使っていた、「黑沼さんが日本人初参加でマールボロ音楽祭に行った帰りに、グァルネリQのソイヤー氏のアパートに転がり込んで物色、日本に持ち帰った、かつて巌本真理Qの低音を支えたヴィヨーム」の現在の使用者なのではないか、と勝手に思い込んでいた。

で、久しぶりにあの低音が弦楽四重奏で鳴るのかぁ、と出かけていったのでありました。

終演後に雨田氏とちょっとだけ立ち話させていただき、事情が判明しました。雨田氏に拠れば、「これは叔父(かの、黑沼さんと一緒に日本フィル起ち上げから首席チェロを弾いていらした、現在は「猫画伯」で世に名高い雨田さん)が使ってたヴィヨームです。黑沼先生の楽器は、今は九州の方の、やっぱり黑沼先生のお弟子さん筋の方にお売りになった、という話です」とのことでありました。

なるほど、黑沼先生のヴィヨームじゃなかったけど、なんだか微妙に縁がある方が弾いていたものだったわけですな。

マイ・ハートQ、今度はやっぱり広島のどこかで聴いてみたいなぁ。こちらが公式Facebookなのかな。
https://www.facebook.com/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%88%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3-428641160560674/

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NYPシーズンオープニングに行ってトレーディング・カードを貰おう! [音楽業界]

北半球の諸都市で2017-18新シーズンが次々と開幕しようとしている今日この頃、皆様はいかがお過ごしでありましょうか。

ボストン響からは「オープニングは全バーンスタイン!」などというリリースが来たし、新たにヤープを音楽監督に迎えるNYPも、いよいよ来週に新監督による新シーズンが始まり、公報さんからなんのかんの連絡が送りつけられました。ま、ヤープ氏に関していえば、あたしゃ、NYでの最初の打揚花火が終わったら、10月に北京で《ヴァルキューレ》で遠くからご尊顔を拝見する予定ですので、マンハッタンの広報ぐぁんばれ、と気楽に笑っているわけでありまする。とはいえ、今朝方送られてきた案内には、流石にちょっとばかし仰天しましたです。

必要なところをコピペしちゃうと…
Next week, the New York Philharmonic celebrates the 106 All-Stars of New York’s Orchestra. With power, virtuosity, and passion, they will ring in a new season in an unforgettable performance of Mahler’s Fifth Symphony.
Experience the extraordinary musicianship of the Orchestra in this work full of yearning, tenderness, and joy, conducted by Music Director Designate Jaap van Zweden.
Every attendee will receive a pack of New York Philharmonic Musician trading cards. Get a sneak peek of the cards on our facebook page.
https://www.facebook.com/pg/nyphilharmonic/photos/?tab=album&album_id=10156589414457293

うぇおおお、「トレーディング・カード」ですかぁ!オープニング・ガラに来れば、ニューヨーク・フィルハーモニックのメンバー全員のカードをくれる、ってさ。

こーゆーのって、これまでにあったのかしら?考えてみれば、日本ではベルリンフィルやらヴィーンフィルなんて、団員それぞれのゴシップまで知ってるようなマニアさんがいるわけだから、スターであるエリートオケならばメイジャーリーグ球団やらフットボールチームみたいなトレーディング・カードがあっても不思議ではないと言えば、不思議でではない。

やくぺん先生が知らないだけでそんなの普通にあったのだ、なんてことだったらそれはそれでまたスゴい話だけど…NYPのグッヅ売り場でも過去に見たことないぞぉ。ボストン響のショップにいけばレジの横にカードがある、なんて状況はないし。

なんにせよ、ネット広報万能時代に、猛烈アナログなグッヅ系プロモーション戦略、果たして上手くいくのやら。マーラーの演奏そのものよりも興味深いなぁ。

これが上手くいったら、山響とか日本センチュリーとかも…

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台湾の音楽・芸術雑誌 [音楽業界]

無事に台北から東京湾岸に戻って参りましたです。んで、どーでも良い暇潰し話。

台北の市内に、松山空港という相当無茶な飛行場があります。東京だったら、そーですねぇ、それこそ東京駅から考えたら豊洲辺りに3000メートル弱のちゃんとした滑走路がある空港がドカンとある、という感じ。この空港、それなりに面白いのだが、ま、それはそれ。

いかな紙媒体絶滅状態一歩手前の21世紀とはいえ、空港のラウンジには、新聞やら雑誌やらもそれなりに置いてあります。日本のラウンジだと、主要日刊紙とスポーツ新聞、それに週刊文春とかの週刊誌、くらいかな。もの凄く充実している国とか、そんなものまるでない国とか、いろいろ。

で、ここ圧山空港は、そこそこ雑誌などもならんでおりまして、こんな感じ。
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おっと、気が付きましたか。そー、なにやら見慣れた顔がありますねぇ。楽聖ベートーヴェン様のご尊顔。なんとまぁ、驚くなかれ、クラシック音楽雑誌らしきものが並んでるんですよ。これ、ちょっとスゴくないかい。ヒースロー空港に「ストラッド」が並んでるかって、並んでないでしょ。

早速、中身を開いて見ると、まともな音楽雑誌です。何の理由か知らないが、特集はベートーヴェンのピアノ・ソナタその1、だそうで、各曲の解説や、楽譜を出しての「ここを気をつけろ」みたいな弾き方の解説、さらには「これが推薦の1枚」も。要は、音友とムジカノーヴァとレコ芸を一緒にして高級な体裁にしたようなもの。

そんな特集が半分くらいを占め、残りは、例えばこんな記事
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「メンゲルベルクの芸術を語る」でんがな。へえええ。それから、こんなページ。
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言うまでも無く、来月半ばの台中で上演される《ヴァルキューレ》の前パブ盛りあげ記事でんな。他にも、細かい演奏会紹介など、音友的なページがある。で、広告ページで吃驚は、これ。
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「君の名は。」の音楽ピアノ譜の広告であります。へえええ、これは日本の音楽雑誌だったら、どれに対応するかなぁ。今は亡き「レッスンの友」に、こんな広告って、あったっけか。

実は、個人的には「どんな人が記事を書いているのか」が最大の関心なんだが…うーん、よーわからんでした。「音楽評論家」という存在があり得ている文化圏なのか、知りたいところなんだが。

もうひとつ、隣に国家藝術院が出しているらしいパーフォーマンス・アーツ関連の雑誌もあったぞ。
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これ、演劇もいろいろ取り上げられているのだが、半分くらいが音楽で、実質上の音楽雑誌であります。驚くなかれ、webの英語版もあるようです。
http://par.npac-ntch.org/front/

興味深かったのは「海外の動向」みたいなコーナーで、ベルリンの親シーズンの紹介でペトちゃんもちゃんと出てるし
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おお、なぜか細川オペラも紹介されているぞ。で、次のページは「香港、マカオ、中国」の籟シーズン紹介。無論、台湾全土の紹介もある。だけどぉ、なんとまあ、日本の公演紹介はありませんでした。

これ、マズくないか、日本の業界関係者諸氏っ!

てなわけで、台湾の音楽雑誌おおざっぱすぎる紹介でありましたとさ。

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