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日本フィル&ヤマカズⅡ版《遭遇Ⅱ》の演奏について [現代音楽]

今、都内某所で、明日明後日にサントリーホールで演奏される日本フィル&ヤマカズⅡによる《遭遇Ⅱ》のGPを拝見させていただきました。なんせ、明日の午後に台北に向かってしまうので、本番を見物出来ない。それで、事務局に無茶をいって覗かせていただいた次第。公開GPだったんで、ちょっと気が楽だった。

ええ、この作品、どういうもんか、知りたければ、御本人の公式ページ上にこういう解説があるし
http://ishii.de/maki/ja/works/1971-sogu-2/
音も旧日本フィル&小澤でCDになってて、手に入れようと思えば簡単に手に入る。残念ながら、今時珍しく、youtube上には見当たりませんけど。

今回、何の因果か曲解をかかせていただくこともあって、なかなか手に入れるなど難しい総譜のコピーなどを拝見させていただくことも出来たのですが…これがまあ、大変な代物であります。ぶっちゃけ、まるで違う作品の楽譜がふたつあるだけなんですわ。ひとつは、老人にはとても細かすぎて見えない手書きのオーケストラ譜。もの凄く綺麗なんだけど、なにしろちっちゃくて、細かくて、A3くらいでプリントアウトしてもやっと追えるかどうかというものをB5で出しちゃったので、「絵ずら」にしか見えません。
で、もうひとつは10数ページの邦楽の譜面。とはいえ一応、西洋の譜面になってます。
001.jpg
上の写真で(手の影が写ってるのはご愛敬)、下にあるのがオケ曲で、上にあるのが雅楽の曲。この両方を一緒に演奏する状態を、《遭遇Ⅱ》と呼ぶ。はい。つまり、「曲の名前」というよりも、「ふたつの曲が演奏されている状況の名前」でんな。

で、困ったことに、「オケ曲のこの部分で邦楽曲が入りなさい」「この部分で出なさい」という指示は、なんとまあ、一切、ない。どこをどう重ねていくかは、まるっきり指揮者さん次第となるわけですわ。

本日のGPでも、ともかくオケ曲の練習番号での指示でそっちの楽譜を開き、そこに邦楽がどう入ってくるかをぼーっと待っているしかありませんでした。あ、今、入ってきたぁ、どこだああ、って邦楽の譜面をぺらぺら。音程では判らないから、打楽器系がどう出て来るか、どの楽器に受け渡されているか、必死に目で追いかけるしかない。

ふううう…

で、そんな風にバタバタした状況で実質1回通すのを聴いただけの極めて心許ない状況で感じたことを申せば…この曲、西洋オケと雅楽オケの対立共存じゃなく、西洋オケと邦楽のいろんな楽器の対立共存であるなぁ、ってこと。

去る月曜日、サントリーの小ホールで雅楽オケ大会があって、非常に面白かったです。で、そこで、特に黛作品で感じた「クラスターの組織体としての邦楽オケ」という在り方と、石井氏がこの《遭遇Ⅱ》で用いる邦楽アンサンブルとは、まるっきり違う。石井作品、一言でいえば、邦楽オケじゃなく邦楽器の集合体です。楽譜にも、「笙」とかまとまったパートではなく、3つの笙などの音の動きが別に書いてある。つまり、合奏、ではなく、同じ楽器の違う声部の集まり、なんですね(西洋音楽的に言えば、「オーケストラ」ではなく「室内楽」でんな)。つまり、和声的な歪みとか、響きの濁りとかうねりとか、クラスター的な響きへの関心は、直接には出てこない。ってか、そういうもんを求めてはいない。

へえええ、作曲家さんによって、全然扱いが違うのだなぁ、とビックリでありまする。

ちなみに、日本フィル関係者に拠れば、オケと邦楽合奏の入り方を金曜日と土曜日の公演で違えてみようとマエストロは仰ってるそうな。つまり、2日通えば、まるっきり違うもんが聴ける可能性がある、ってこと。言うまでも無く、現在唯一手に入る旧日本フィルの演奏とも、まるで違ってますし。

そんなこんな、この先、いつ聴けるかわからない作品です、お暇な方は是非、金曜夜と土曜昼、溜池へどうぞ。

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