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寿 [弦楽四重奏]

カテゴリーに困る話だけど、敢えて「弦楽四重奏」にしましょう。

本日、都内某所で、葛飾オフィス管理人だったもぐらくんの結婚式&披露宴が目出度くも賑々しくも開催され、無事に終了しました。関係者の皆様、ここに至るまで、いろんなことがあったわけだけど、これからももぐらくんとそのパートナーをヨロシクお願いします。特に関西の皆様、ホントに、ヨロシクです。

んで、そのお祝いの席で披露されたお祝いの調べを、公開しちゃいましょう。弾いているのは誰か、敢えて言いません。当電子壁新聞を立ち読みなさってるような方の多くには、ああああああ、と思えるでありましょう方々でありまする。

初見でこれがやれるような人達をしっかり支えて来たもぐらくん、これからもますます頑張って下さいませ。パートナーさまも、宜しく御願いします。

なお、この映像、あくまでもひっそりと公開ですので、あまり宣伝しないよーに。

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カザルスQのベートーヴェン全曲演奏会初回キャンセル! [弦楽四重奏]

バルセロナのオーディトリアムから500メートル程の短期滞在アパートにおります。

既にご存知の通り、昨日日曜日にカタロニア独立を問う投票が州内で行われ、全国じゃなく州内なんだから当然のように9割が独立賛成という結果が出た。
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マドリッドの総理大臣さんは即座に「法的には何の根拠もない」と宣言するも、投票を巡って州外から動員された警官隊と市民の間で小競り合いがあり、四百数十人とも七百数十人とも言われる負傷者が出て、その映像が世界中に配信されて警官隊に対する非難の声が挙がり、かくて明日はカタロニア全土で独立派組合が主導するゼネストが敢行されることになりましたです。

昨日のブリュッセルのトランジット宿でeuronewsの生中継で開票を見物、今日は拍子抜けなほど何事もなくブリュッセルからバルセロナに到着し、観光客満載の空港バスの車窓からはまだ出しっ放しの独立を煽るあれやこれやを眺め
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遙か向こうにサクラ・ダ・ファミリア教会が工事中の宿に到着し
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受付のオッサンに鍵を貰ったりしながら、ゼネスト情報を得る。

おいおい、当然、オーディトリアムのスタッフだってゼネストに参加するだろうから、明日は演奏会、やれるのかしら、と思いながら近くのスーパーに買い出しに行って戻って来たら、案の定、ベルリンのマネージャーから「明日の演奏会はどういう事情か判らないが、ともかく延期になりました」という連絡が入っておりましたとさ。

その後、オーディトリアムまで様子を眺めにいって、幻となった演奏会の告知を
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半分涙目で拝んだものの、音楽学校も併設されているのであちこちに独立に向けた大看板などが出ているけど
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明日がゼネストという空気はあまり感じられず、演奏会がない月曜の夜、というノンビリ加減にこれまた拍子抜け。明日については、特に張り紙もありません。昨日に関する張り紙はベタベタありましたけど…大野さんのバルセロナ響演奏会、やったのかしら。

その後、部屋に戻り飯を作って喰らい、洗濯をしながら連絡を待ってるのですが、午後11時をまわった段階で、マネージャーからもカザルスQからも連絡はありません。もう寝ようかと思ってます。

以上、このままではやくぺん先生、バルセロナにゼネスト見物に来たことになりそう。市内交通48時間チケットを買ったのだが、明日は地下鉄バスは朝晩のゼネスト要員が職場に来る時間以外は走らないそうな。いやはや…

Homage to Catalonia!

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トロンハイム大会結果 [弦楽四重奏]

先程、今年は4年に1度の弦楽四重奏部門で争われたトロンハイム国際室内楽コンクールの結果が出ました。4年前は大阪の後にメンバーが交代したファン・カイックQが優勝、そのままロンドンに向けて勢いを付けることになった大会です。今回はキャンセルも多く、7団体が参加、結果は以下。

優勝&聴衆賞:マックスウェルQ
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2位:オマールQ
3位:エスメQ及びシンプリーQ

なお、もう結果も出たので記しますと、セミファイナルでオマールQが演奏したドビュッシーが課題曲に入っていなかったことが本選進出団体発表後に発覚。昨日は関係者、参加団体含めた討議が繰り返され、本選に4団体進出ということになりました。オマールQの扱いが注目されましたが、上述のような結果となった次第。結果から除外、という判断は下されませんでした。

昨日の段階で「本選参加団体は当初アナウンスがあった3団体にエスメQを加える」と聞いたとき、「ああ、オマールQはせっかくここまで来たのだから本選では弾いて貰うけど、流石に賞は付けるわけにいかないだろう、そのため他に3団体が必要になったのかぁ」と思ったです。どーもそういう訳ではなかったんですねぇ。へえええ…

正直、オマールQとすれば、本選では圧倒してぶっちぎるしかないと思ったか、これまでボルドー、バンフ、レッジョと聴いてきた彼らの音楽とはちょっと違った、かなりアグレッシヴな本選での演奏でした。まあ、これはこれでひとつのまだこれからの団体が危機的な局面にどう対処するかを見ることが出来たので、やくぺん先生的にはとても興味深いことでしたけど…本人らとすれば、なんというかなぁ、いろいろと難しかったでしょうねぇ。

マックスウェルQはある意味で逆に肩の力が抜けたか、本選でのハイドン作品74の2がとっても楽しい音楽で、長ぁい本選の一服の清涼剤でした。ですから、今日の演奏だけを考えれば、この結果はあり、でしょ。ま、なんにせよ、オマールとマックスウェルの戦い、イースター前のロンドンまで引っ張りそう。ふうう…

今回のトロンハイム大会、なんといっても「アジア勢の大量参加」という大きな特徴があり、このクラスの大会でこれだけのアジア勢参加があると、この先2年くらい、あちこちでそういう傾向が出て来るのかなぁ、なーんて思ったりもするわけですが、ま、その辺りを含めた「音楽祭の中でのフェスティバル」という位置付けについては、来年春の「奏」に書きますので、半年くらいお待ちあれ。忘れちゃいそーだけどさ。

てなわけで、北緯65度の街を去り、明日は移動日で、バルセロナに向かいます。秋から、また夏の終わりに逆戻り。

皆様、お疲れ様でした。御世話になりましたです。

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訃報:スザンヌ・フランク [弦楽四重奏]

カルミナQの第2ヴァイオリン奏者、スザンヌ・フランク氏が、本日、スイスでお亡くなりになりました。

前回の来日公演でモーツァルトの《レクイエム》を演奏なさったときも、実はかなり体調は悪かったそうです。その後、昨年夏にチェロのゲルナー氏が倒れるのと前後するように、演奏活動も難し状況になっていたとのことです。

多くは語りません。ここまで書いただけで、余りに美しい秋の空の下に広がるノルウェーの海岸をかすめる電車の中で泣きそうになってしまってる。スイマセン、これまで。

正直いえば、親が死んでも泣かなかった。訃報で泣いたって、ホントに久しぶりだ…

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トロンハイム2次予選タイムライン [弦楽四重奏]

トロンハイム室内楽フェスティバルの一部として開催されている国際室内楽コンクール、今年は科目が弦楽四重奏で、昨日、2次予選進出団体が発表されました。

なんせ、「フェスティバル」なもんで、河と海に囲まれた直径2キロくらいのトロンハイム市街とその周辺の彼方此方で朝から晩まで演奏会があり、事務局様のご厚意でその全てを眺める流れになってしまい、昨日は朝の10時から深夜11時半まで、がっつりコンサート。途中、コンクールでひとつキャンセルがあったので、お昼休みが2時間出来たのが救いでありました。当然、当電子壁新聞も事実関係を伝えるのが精一杯。スマンです。

さて、今大会、なんのかんので参加団体が7つになってしまい、昨日、本日午前9時半からの演奏順と参加団体が来ましたです。演目は、委嘱新作とロマン派のブラームス、シューマン、メンデルスゾーンなどですから、各団体の持ち時間は新作次第、まあ、45分弱くらいでしょう。以下、演奏順。

◆エスメQ(ケルン音大で学んでる韓国の今風のお嬢さん4人組。ミューラー弟子で、おおお来た来たABQスタイル、って連中で、そこそこちゃんとしてる。):メンデルスゾーン作品44の2

◆アーテムQ(どうやらオスロの人らしい地元女性4人組。なんだかもう出来上がった感じのローカル団体。無論、大人気。):ブラームス第2番

◆オマールQ(言わずと知れた、この前のレッジョでエク以来の1位なし2位を獲得した大本命。大阪は先生のカッツ氏が審査員だったので参加を諦めてました。ある意味、別次元。):ドビュッシー

◆マックスウェルQ(この前の大阪にも来ていたので、ご記憶の方も多いでしょう。ここで勝って勢いを付け、来年のロンドンに紀子みたいガチの対抗。):ブラームス第1番

◆シンプリーQ(2012年の北京大会で地元特別賞を得てヴィーンに留学、マイスルのところで学び、例の「ハイドン・トータル」にも参加してます。北京にいたのは第1ヴァイオリンとヴィオラだけで、セカンドはヴィーンで加わった同郷のお嬢さんで、チェロはノルウェーの男の子。おお、大先輩の上海Qと同じフォーメーションではないかぁ!):シューマン第3番

以上です。時差7時間ですので、日本時間午後4時半から、trondheim chamber music festivalのFacebookからストリーミングに行けます。お暇な方がどうぞ。

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タレイアQの戦い開始 [弦楽四重奏]

トロンハイムの朝です。
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今から直ぐにディレクターさんに会いに来いと命令があったので、ともかく、ひとことだけ。あとは追記。

あと1時間ちょっとで、タレイアQがコンクールのトップバッターとして弾きます。朝ご飯の最中。ゴメン、お嬢さん達、あとでちゃんとした写真、撮りますから。
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どうやらストリーミングとかはないみたいなんだけど、一応、急ぎの情報として、日本時間の26日17時から、大阪国際室内が君コンクール第1部門にも参加したタレイアQがザルツブルク以来の海外コンクールでの演奏をしますので、お暇な方はトロンハイムまでどーぞ。
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到着翌日の朝一、それもあの妙に響くホールの特殊な音響と、なかなか厳しい条件でしたが、ま、やるなりのことはやったでしょう。ここからストリーミングが見られる筈なんだけど、どうなってるのかな。とにもかくにも、お疲れ様でした。
https://www.facebook.com/trondheimticc/?fref=ts

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ベートーヴェン作品9全曲演奏を聴いて [弦楽四重奏]

敢えて「弦楽四重奏」カテゴリーです。

今、宝塚ベガホールでのロータスQ一人欠けに拠るベートーヴェン弦楽三重奏曲作品9全曲一挙演奏を聴き終え、伊丹空港経由最終便で羽田に到着。モノレールで浜松町に向かってます。ベガホールから伊丹空港まで阪急とモノレールで正味30分、7時の便にしたかったのだが満員でダメでした。明日の11時前には成田発のシベリア越えなんで、ちょっとでも早く湾岸に戻りたかったんだけど。

さても、ま、それはそれとして、殆どやられることのない作品9全曲演奏の感想でありまする。
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まずなによりも、ロータスQの皆様にはありがとう御座いました、ホントにお疲れ様でした、と言わねばなりません。いずみホールでのブッフビンダーとの指揮者無しコンチェルトのオケ参加のため招聘された故の3人編成とのことですが、まあ、こういうことでもないとなかなかやれないチクルスを主催して下さったマネージャーさん、ベガホールさんともども、頭が下がりっぱなしでありまする。無茶な日程でも来た意義は大いにありましたです。

こんな地味な企画なのに、開演前からベガホールの前に聴取が溢れ
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最終的に440席だか(追記訂正:地元住民方からご指摘があり、固定席は372だそうです。ご指摘ありがとうございます)のうち300くらいは埋まったわけで、ハクジュとかだったら満員ということでありますな。いやぁ、関西の聴衆、スゴい、偉いっ!弦楽器を持った人が多かったのはどうしてなのかしら。音楽関係者の顔も結構あるのは心強いぞっ、関西音楽界!

で、中身でありますが、まあ、若きベートーヴェンさん、大変な曲を書いちゃったなぁ、と今更ながらに思わされたです。ともかく、最初から最後まで、音楽の構造にしても、アンサンブルにしても、一切の逃げ場がない。もの凄く厳しい音楽。否定的に言えば、遊びが一切無い楽譜。弾く側にすれば、気楽に流せば格好が付く、というようなところは皆無だし。

お仕事しながらディスクをノンビリ聞き流すなんて状況ではなく、そこで弾いているロータスQの一挙手一投足を眺めながらきっちり座って拝聴するとなると、この3曲のガチガチの造りがイヤでも目の前に迫ってくる。3曲どれもが、第1楽章はアレグロのソナタ(序奏付きの曲もあるとはいえ、ガラリと世界が変わるよーなもんじゃない)、第2楽章はアンダンテなんぞの歌、第3楽章はスケルツォ風の3部形式で、終楽章はアレグロっぽいロンドだったりソナタだったりのフィナーレ。もう、作品18なんぞとまるっきり同じ、これぞ古典中の古典、という堂々たる姿が並ぶ。歌の楽章だって、アンコールでやられたシューベルトの弦楽三重奏みたいな「ま、いろいろやってるけど、よーはちょっと手が込んだソプラノと伴奏だわな、こりゃ」ってなもんじゃない。大真面目な線の音楽。終楽章だって、モーツァルトみたいにとんでもないところに寄り道しそうになって大爆笑、なんてこと一切無い。スケルツォ楽章も後の「世界一のスケルツォ作家」の面目躍如で、特に作品9の3の第3楽章なんぞときたら、作品18の5のウルトラトリッキーなリズムまでもう一歩、ってな無慈悲さ。いやぁ、これは大変だ。

ま、そんなことは楽譜を見れば誰にだって判ることなんでしょうから、今更どうこう言うことでは無い。それを判った上で演奏しようというのだから、文句は言えない。やってやろーじゃないの、ってね。

でもでも、あらためて実際にステージで全曲を続けて(作品9の1から順番に始め、最後のハ短調作品9の3の前で15分の休憩は入りましたが)経験すると、ああああなるほどぉだからやられんのね、ということもあれこれ実感出来ます。本日の演奏、この3曲の中では最も有名で、比較的弾かれる機会も多い作品9の3がトリに来たわけですけど、この曲ねぇ、確かに充実しているし、無茶苦茶演奏は大変だし(今世紀の初め頃、天下の某Wフィルの名コンマスK氏が都内某ホールでこの曲をやったときの壮絶なボロボロぶりは、未だに悪夢のような…)、なんせ「ベートーヴェンのハ短調」ですから人々がこの作曲家に期待するような瞬間もないではないし…とはいえ、いかんせん、終わりが余りに盛り上がらないんねん!《運命》の永遠に和音を打っ叩いてこれでもかこれでもかぁ、まだまだだぁ、ってんではない。同じハ短調でかっつり古典的とはいえ、作品18の4みたいな「まあ、それはそれとして、ちょっとはベートーヴェンっぽいかな」とみんなが納得するような終わり方をしてくれるわけですらない。かといって、モーツァルトやハイドンのはぐらかし系終楽章みたいなロココっぽい趣味の良さとか、ニヤリ感とかでもない。

ここまでの再現をしっかりやってくれたロータスQが悪いのではない。じゃあ、ハ短調を真ん中に挟んで、ニ長調を最後に持ってくるか…といっても、それはそれでなんとも演奏会としては座りが悪い。うううん…

なるほど、これは確かに演奏会では3曲順番にやりにくいなぁ、と思わせてくれた貴重な体験でありました。アンコールにシューベルトをちょっと弾いてくれて、やっと「うん、これで終わり」という感じになれたのでありまする。

とにもかくにも、お疲れ様でした。しっかりとモダンの音で聴かせていただいたので、次にチャンスがあれば、古楽系の団体でベートーヴェンの弦楽三重奏曲作品9全曲演奏、やって貰いたいなぁ。音色や和声、倍音を使ってるんじゃないかと思える響きの膨らませ方など、もっと露骨に「古楽」っぽい音が有効なんじゃないかしら。ビルスマとかクイケンとか…もうその世代じゃないか。やっぱり、秀美さんに期待、かな。

[追記]

新しい情報じゃなく、つらつら考えるに、という追記なんだけど…

やっぱりこの作品、ベートーヴェンが耳がちゃんと聴こえる頃に書いた、というのは案外大事なんじゃないかしら。ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏って、明らかに実音を聴いていたらおかしいと避けるんじゃないかと思うような和声、というよりも、響きの箇所があるのは皆様ご存知の通り。頭の中で理屈で鳴ってる音と、実際の響きの違いを気にしてない、というか、意識できないというか。

それに比べて、作品9って、楽譜に書いてないけれど実は鳴ることが前提になっている倍音の響きとかをもの凄く大事にしているというか、それを前提に3つの楽器の鳴り方をギリギリまで切り詰めている、というか。

まあ、妄想なんだろうけど、やっぱり所謂「古楽」で、近江楽堂みたいな無茶苦茶響くところで聴くとどう感じるだろうか。誰か、やって下さい。特にニ長調作品。

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もうひとつのベートーヴェン全曲演奏会 [弦楽四重奏]

「弦楽四重奏」カテゴリーだけど、ウソ。弦楽三重奏の話ですぅ。ま、演奏するのがロータスQだから、一応、ギリギリでOKかな。

世の中、何だか知らないけど「全曲演奏会」ばやりとはいえ、散々にやられる「全曲演奏」もあれば、どういうわけか殆どやられない「全曲演奏」もある。前者の典型例は、なんといってもベートーヴェンの交響曲、そして弦楽四重奏。そこそこあるのは、同じくベートーヴェンのピアノ協奏曲とか、ピアノ・ソナタとかの全曲。ブラームスもやたらと「全曲演奏」がやられる作曲家さんで、交響曲の全曲演奏はドイツ系オーケストラの定番演目だし、最近では案外と頻繁にやられるのが一晩の丁度良いプログラムとしてのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏。時代を遡れば大バッハの管弦楽組曲とかブランデンブルク協奏曲は来日古楽オケの定番演目だし、言わずと知れた無伴奏チェロ組曲も全曲演奏の王道演目でんな。

こんな風に記し始めると、案外、キリがないぞ。時間を長く取って良ければ、マーラー交響曲全曲とか、ショスタコの交響曲や弦楽四重奏全曲とか…

その一方で、殆ど「全曲演奏」に縁が無い、ってか、「全曲演奏」は何か特別に力の入った、明らかに普通じゃないイベントになってしまう作曲家もいる。モーツァルトなんて、案外、どのジャンルであれ全曲演奏がありそうでないし、シューベルトやドヴォルザークなんかは「全曲」じゃなくて「名曲選集」になってしまう。どうしてなのかは、また別の話。

と、いうものの、「全曲演奏」の不滅の王者たるベートーヴェンでも、全曲演奏会とは無縁なジャンルがあります。この作曲家の、というか、ジャンル全体の作品目録の中でも極めて重要なレパートリーなのに殆どやられない、そんな筆頭が、「弦楽三重奏全曲演奏会」でありましょーぞ。ピアノ三重奏もその傾向があるけど、それはまたいつか。

なんせ、世に無条件で大作曲家と認識されている方で、複数の、「全曲演奏会」をせねばならぬ程の数の弦楽三重奏を書いた奴は、恐らくは我らがベートーヴェン先生しかおらぬ。シューベルトは複数あるも、それ以降は(レーガーやヒンデミットらの例外はあれど)どの作曲家さんも力が入った1曲を書くのがやっと、というちょっと不思議なジャンル。全曲演奏会をやりたくてもネタが無い、というのが現実かな。

それならばそれならば、ベートーヴェンの弦楽三重奏全曲演奏こそはジャンジャンやられても不思議ではなかろーに…とお思いじゃろがぁ、それが、そうでもないんだなぁ。

作品としては、ボンから出てきた若きベートーヴェンが、流行している弦楽四重奏を作曲する誘いを散々断りながら、番外編の《セレナード》含め総計4曲の弦楽三重奏をまず仕上げる。んで、なるほど、このジャンルの可能性も限界も俺は見切ったぞ、とばかりに、えいやっと作品18の弦楽四重奏に手を付けることになる。

んで、以降はまるっきり手を付けなかった。

ほーら、これはベートーヴェンの創作を知る上で、特に作品18とはどういう試行錯誤の挙げ句に生まれた音楽なのか知るためには不可欠の作品集ではないか、と思うでしょ。実際、その通りでありまする。

だけどだけど、そこまで判っていながら、なかなか演奏されない。楽譜が揃ってないなんてこともなく、長すぎたり短すぎたりして演奏会のバランスが悪くなるわけでもない。世の中には「誰もやらないには訳がある」という余りに有名な格言があるけれど、このベートーヴェンさんの曲集の場合はどういう訳があるのよ?

そんな大きな謎の解答に少しでも近付きたいなら、来る日曜日の午後4時、兵庫は伊丹空港から阪急電車でちょっと奥に入った、宝塚ベガホールにいらっしゃいませ。ほーれ。
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http://www.kojimacm.com/digest/170924/170924.html
おっと、今の今まで、フルートと弦の三重奏がオリジナルの《セレナード》も含めた4曲なのかと思ってたけど、作品9の弦楽器オリジナル三重奏3曲の全部、ってことなのね。なんせ翌月曜日午前中には成田からノルウェーはトロンハイムに向けて出発せねばならないので、伊丹発羽田行き最終便に乗れないと厳しいなぁ、と思ってたけど、これならぜーんぜんもーまんたぁい!

結論らしきことを先走って言ってしまえば、弦楽三重奏というジャンル、実は弦楽四重奏ほどの面倒なバランスやらアンサンブルの問題があり、ホントはプロの弦楽三重奏団なんてものがあっても不思議はないくらい練習が大変。だけど、流石に余りにもレパートリーが限られていて、常設の弦楽三重奏団の維持はとても無理(常設のピアノ四重奏団がレパートリーにする可能性はあるが、常設のピアノ四重奏団そのものが殆どないし)。歴史的にも、シモン・ゴールドベルク&ヒンデミット&フォイヤマン、なんて団体くらいしか「歴史的な著名弦楽三重奏団」というものは存在していない。で、最も合理的なのは常設弦楽四重奏でヴァイオリンをひとり休んで貰う、といことになるわけだけど、それもいろんな事情でそう簡単ではなく…

つまり、今回のこのロータスQの全曲演奏は、どー考えても極めて例外的な、理想的なイベントなのであります。そーでもなければ、流石のアホのやくぺん先生とはいえ、こんなバタバタした日程で強引に関西滞在6時間という日帰りまでせんわいな。

さて皆様、日曜日にベガホールでお遇いしましょう。東京首都圏からの日帰り、まるっきりOKでんがな!

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「青べか物語」の街で [弦楽四重奏]

今、浦安市役所10階の食堂に座って、南に向いた東京湾方向を眺めています。
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目の前には成田空港に向かう際にお馴染みの湾岸道路が走り、その向こうには京葉線、新浦安駅、新しく出来た駅前音楽ホール、そして311地震で液状化騒動が起きた新興住宅街が広がり、やっとその先に秋の曇り空の下の東京湾がちょっと覗けます。右に頭を振れば言わずと知れたとーきょー・でぃずにーらんど、左には千葉の港が霞み、目を上げればANAさんの米子往き787が大きく左に旋回し、このまま葛飾オフィス上空を抜け本州を横切らんと、橫田米軍占有空域の上に向けて必死に高度を取っています。そして、東京湾に向けて真っ直ぐ貫く運河には、いくつもの橋が架けられ、小さな漁船が浮いている。

嗚呼、汐干狩の海は遙か埋め立て地の向こうなれど、ここはやっぱり「青ベか物語」の世界。東京湾岸佃の堀よりも遙かに規模の大きい漁師町。あ、運河を鵜が離陸していった。

まだランチタイムも始まっていないような朝もはよから、浦安くんだりまで出張って何をやってるかってば、これでありまする。右側じゃないよ。
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我らがクァルテット・エクセルシオ、昨日は賑々しくも有り難くも、メイジャー中のメイジャーたる溜池室内楽お庭秋のフェスティバルに参加させていただき、昼間っから1時間ほど弦楽四重奏名曲選を弾いたのだけど、一夜明けた本日は無料ロビコンという地味なお仕事でありまする。あたしゃ、NPOエクの雑用係として記録写真撮影係。よーは、毎度ながらの雑用じゃわい。

昨年暮くらいから、どうやらエクは「浦安音楽ホール・レジデンシャル・アーティスト」だそうで、先頃はディズニーランドのホテルでロビコンやったりもしたそーな。このタイトル、一体何なのか、どんな仕事をするのか、などなど、現状で発表されているのはこんなこと。ワークショップ、というのが売りなのかな、この主催者さんとすれば。
http://www.urayasu-concerthall.jp/news/66%E3%80%81622%E3%81%AF%E3%82%AF%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%81%8C%E7%99%BB%E5%A0%B4/

ま、今はともかく、もうすぐ始まりますよ、という遅すぎる宣伝。

あ、ニューヨークはJFK往きのANAさんが、目の前で大きく左に旋回、北米大圏航路に入るべく高度を上げてます。今も昔も、ここ浦安は海の彼方に向けて開けた街。

※※※

てなわけで、浦安から環七北上して葛飾オフィスに戻る途中、浦安市の隣は葛西臨海公園の先っぽに寄り道し、頭の上を羽田に着陸するヴェトナム航空のA-321が足を出し始める真下で、警視庁の18号機イロコイが警邏飛行を終えて塒の東京ヘリポートに戻ってくるのを眺めてます。
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そう、丁度大阪城公園で伊丹に降りていくいろんな機械鳥たちを眺めるくらいの感じかな。
公園にはシジュウカラばかりの群れが動いているくらいで、あとはムクと湾岸お馴染みの鵜やら鴎やら、何を狙うかトンビくらい。カメラマンさんに拠れば、キビタキさんがいたそうな。へえ、そろそろ街場をいろんな方々が通り過ぎる季節なんだなぁ。

エクの市役所演奏会、100名近い聴衆を集め、先程、無事に終了しました。前回にディズニーランド横のホテルにアウトリーチしたときには淋しい程の聴衆だったというの話を耳にし、それはマズかろうと参ったものの、そんな心配は無用。残念ながら市長は来られなかったそうだが、市関係者も沢山いらしていて、それなりに「我が街のレジデント」という盛り上がりはあった…のでしょう。
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今シーズンのMCを勤める大友氏曰く、「日本でこのような(レジデント・アーティストという)形でやらせていただけるのは、ここ浦安だけです。皆さん、誇らしく思って下さい,浦安日本一です。」居並ぶ浦安市民善男善女の皆様、はたまた市役所関係者の皆様、なんせ日本で弦楽四重奏アウトリーチの先駆者エク、今世紀の初め頃に恐らく日本初の地域レジデンシィの実験を入善でスタートし、東京湾岸に立ち上がったNPOトリトン・アーツ・ネットワークでアウトリーチを重ね(その仕事は、今は溜池でのエクの弟子らだった若い演奏家達が引き継いでいる)、そして再びここ浦安で市唯一のレジデント・アーティストのタイトルを背負い活動することになる。毎度ながら、エクの前に道はなく、エクの後に道があるのかよー判らん、という状況であれど、浦安市民の皆様は大いに誇りに思っていただきたいところであーる、うん。

ま、これが「エク」という団体が選んだやり方なのだから、もうこれを貫くしかない。

「浦安音楽ホールのレジデント・アーティスト」としてのエクの活動、12月にはホールでアマチュア演奏家の皆さんとの合同演奏に始まる本格的な演奏会も待ってます。当面は、そこに向けて、もうひとつの湾岸の街に、4艘のべか船エク丸はこぎ出しました。果たしてどこへと向かうやら。

浦安の対岸はハワイなんだけどねぇ。あれ、手を振ってる2人組がいるぞ。

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ローカルなクァルテットという在り方 [弦楽四重奏]

20世紀の半ばくらいまで、ヨーロッパで弦楽四重奏団を安定して運営する唯一の方法は、都市ベースのオーケストラのメンバー(若しくはオーケストラを運営する楽友協会が抱えるメンバー)に拠ることでありました。シュパンツィックもパガニーニも、はたまたヨアヒムもカール・クリングラーも違うじゃないか、と突っ込まれる方もいらっしゃるでありましょうが、そいつらは特別だから名前が残り、今はそっちしか知られていない、ということでありまする。

弦楽四重奏団の歴史が始まって1世紀程(これを長いと思うか短いと思うかは、ま、人様々でしょう)の遙か極東の島国ニッポン国でも、草創期は上野の音楽学校の先生たちだったとはいえ、それ以降は基本、弦楽四重奏をやるためにはまずオケに入って経済的にも安定した環境を整えた上で、趣味的に、というか、求道的に弦楽四重奏を極める、という形が基本になっている。戦後だって、シュタフォンハーゲンQも、プロムジカQも、今時ならモルゴーアQやらウェールズQに至るまで、そうだった。そうじゃない団体は、鈴木Qに始まり巌本真理Q、今はエクなどに至るまで、例外だから今に名前が残っている、という状況も、ヨーロッパと同じでんな。

以上、前置き。さても、日本列島にもオーケストラが多数生息する首都圏・関西圏以外でも活動している弦楽四重奏団があります。言葉の最良の意味で「ローカル」な団体。かつては、巌本真理Q解散からバブル時代の若手弦楽四重奏輩出期までを福岡拠点で繋いでくれた福岡モーツァルト・アンサンブルが、ローカルな弦楽四重奏団の代表格でした。今は、その二大巨頭が、東の横綱たる山形弦楽四重奏団。以前、当電子壁新聞でも紹介させていただいたことがあります。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
そしてもうひとつが、西の横綱マイ・ハート弦楽四重奏団でありましょうぞ。九響に新しく入った若いチェロ奏者さんが中心に動きが始まっているという話があるものの、福岡ハイドンQが実質的に活動を終焉したとのことなので(追記:…と記したら、福岡ハイドンQ関係者の方から連絡があり、「いろいろありましたが、2年後の月一定期400回までは続ける予定」とのこと。頑張って下さいませ)、やっぱり広島のマイ・ハートQの22年という活動実績は西日本では圧倒的であります。

てなわけで、本日は溜池室内楽お庭初日、賑々しくも旧東京Qがほぼ再結集してなんのかんの、という派手なイベントもあるのを百も承知で、そっちじゃなくて大川向こうのティアラ江東小ホールにマイ・ハートQの東京公演を見物に参った次第でありました。
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この団体、どういうわけか萩さんと親交があったらしく、大昔はカザルスホールでやったり、最近はルーテル市ヶ谷センターとか、こことか、ま、「東京在住の広島の方」をメインの聴衆ターゲットとするのに丁度良い規模の場所を選んで数年に一度、東京まで出張って下さっている。やくぺん先生ったら、どういうわけかタイミングが合わず、これまでまるでライブで接したことがありませんでした。後述のさる理由でとても興味はあったんだけど、ま、こういうもんでしょ、出会いってのは。

マイ・ハートQといえば、なんといっても「配置」です、昔は普通だったみたいだけど、いつからか、極めて特殊な座り方で演奏することで一部で知られるようになりました。本日も、下手側から舞台を眺めると、こんな感じ。
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お判りになりますかね。これ、開演前で椅子が妙な風に並んでるんじゃあありません。本番の配置。

どう表現したら良いのかなぁ、実際に音が出る感じから言えば、「オーケストラの第1ヴァイオリンの一番前2プルトだけを、舞台の真ん中に持ってきた」というのが最も実感に近いかしら。2人、2人の2列、が舞台袖に35度くらい傾いて座っる、前列客席側が第1ヴァイオリン、隣がヴィオラ。2列目の客席側が第2ヴァイオリンで、奥がチェロです。実質上のリーダーの沖田氏のブログにアップなさってる舞台写真が、いちばん判りやすいでしょう。こちら。
http://blog.livedoor.jp/my_heart4444/archives/52090424.html
YouTubeに《狩》の映像もアップされてます。これ。ちょっと吃驚でしょ。

映像を観た瞬間に「誰もやらないことには訳がある」という有名な格言が思わず頭に浮かんでしまう配置ですけど、無論、御本人らは自分らのやってることは百も承知。どんなに頑張ってもヴィオラにはチェロは音しか聴こえないし、第1ヴァイオリンさんにはセカンドさんがまるで見えない。普通の意味でのアイコンタクトを自ら拒否している配置で、実際、譜面ガン見、って感じになる。結果として、極めて特殊なアンサンブルになるわけで、なんというかなぁ、存在していない指揮者さんがまるで前にいるかのような…とでも申しましょうか。譜面を見ずに全て暗譜で演奏する古典Qなんぞの対極の考え方から来る配置、なのでしょうねぇ。

実際にどういう音がするか、ネガティヴなことは山のようにあるでしょう(正に、「誰もやらないには訳がある」ですな)。いくつも録音は出ていますが、ライブで耳にしないとなんとも判断のしようはない。ポジティヴなことを言えば――勝手に推察すれば恐らくはそれが目的なのでしょうけど――どの楽器も生音が真っ直ぐ客席に飛んで来ますので、声部がくっきり聴こえる。とりわけヴィオラが正面前に坐ってるので、猛烈に良く聴こえます。いろんな意味で、チェロさんの頑張り次第、って配置じゃないかしらねぇ。

ご興味のある方は、一度、ライブで接してご覧なさいな。問題は、起きている音楽やアンサンブルの全てがこの特殊な配置故なのかなぁ、と思えちゃうこと。その意味で、案外、論じるのが難しい団体ですね。

で、もうひとつのポイント、やくぺん先生が関心があった理由とは、チェロの雨田氏がお使いの楽器です。

この楽器、ヴィヨームという話はどこかから耳にしていました。更に雨田さんが京都出身で黑沼氏のお弟子さんでもあることから、一頃まで河野先生が使っていた、「黑沼さんが日本人初参加でマールボロ音楽祭に行った帰りに、グァルネリQのソイヤー氏のアパートに転がり込んで物色、日本に持ち帰った、かつて巌本真理Qの低音を支えたヴィヨーム」の現在の使用者なのではないか、と勝手に思い込んでいた。

で、久しぶりにあの低音が弦楽四重奏で鳴るのかぁ、と出かけていったのでありました。

終演後に雨田氏とちょっとだけ立ち話させていただき、事情が判明しました。雨田氏に拠れば、「これは叔父(かの、黑沼さんと一緒に日本フィル起ち上げから首席チェロを弾いていらした、現在は「猫画伯」で世に名高い雨田さん)が使ってたヴィヨームです。黑沼先生の楽器は、今は九州の方の、やっぱり黑沼先生のお弟子さん筋の方にお売りになった、という話です」とのことでありました。

なるほど、黑沼先生のヴィヨームじゃなかったけど、なんだか微妙に縁がある方が弾いていたものだったわけですな。

マイ・ハートQ、今度はやっぱり広島のどこかで聴いてみたいなぁ。こちらが公式Facebookなのかな。
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