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2020ベートーヴェン年欧州を制するのは… [弦楽四重奏]

先程、パリのクァルテット・ビエンナーレでエベーヌQの演奏会があり、その場で配られた当日プロで発表され、その後に楽屋で演奏家本人からオープンになったと確認を取りましたので、記します。

2020年はこの地球上、恐らくは万博騒ぎのドバイと世界運動会騒動の極東の列島を除けば、ベートーヴェンの生誕250年で大騒ぎとなることが決まっているのでありますぞ、皆の衆!

そんな2020年もあと2年と迫り、様々な企画が見え始めています。んで、その中でもメインイベント中のメインイベント、弦楽四重奏全曲演奏をどの団体がやるのか、ある意味、この瞬間にその文化圏で最も評価の高い弦楽四重奏はどれだ、というみんなが大好きな下世話な疑問に対する業界からの回答が否応なしに示されるときでもありますな。

もうなんのかんの前振り無し。欧州代表は、♪パンパパーン!エベーヌQでありまするううう!

まだどのような形でのチクルスになるのか、具体的なやり方は発表になっておりませんが、
2020年(を含む)シーズンに、結成20年を迎えるエベーヌQはベルリン・フィルハーモニー、ブリュッセル・ボザール宮、パリ・シテ・ド・ラ・ムジーク、ヴィーン・コンツェルトハウス、ストックホルム・コンサートホール、そしてカーネギーホールで、総計6回の演奏会でベートーヴェン全曲演奏会を開催いたします。
いぇいっ!

本日は、先頃の日本ツアー中に正式メンバーとなることが確定した新しいヴィオラ嬢を加えたパリでの実質上のお披露目で、2年後のベートーヴェン・チクルスの前パブのように、作品18の2、《ハープ》、《ラズモフスキー第2番》を、満員の聴衆の前で演奏いたしました。このフェスティバル、ハーゲンQなんぞでもこのオペラシティくらいの規模のホールを満員に出来ていないのだけど、唯一ホントに満員になってるのはエベーヌQだけ。ま、そういう団体だからこそ、こんな大きな仕事がまわってくるのでありましょうが。

エベーヌQのベートーヴェン、正直、かなりかわってます。ってか、そーだなぁ、疲れます。本日はその前にブレンターノQという北米一のお疲れ系があったので、もう、今やヘバヘバです。ともかく、剛直とかパワーとか勢いとかいう言葉とは相当に違う、でもベルチャQみたいな考え過ぎの作りすぎとも違う。なんせ、手元にあるパレットが広すぎて、さてもどの絵具を、どの筆を使おうかな、って感じもある。まだまだ、あと2年のうちに相当に変わってくるでしょう。とはいえ、今時のフランスの若い連中みたいに意図的に捻り倒しているわけじゃないのだが、しっかりと細かいことをやっていて、それをしっかり追いかけていると聴衆とすればかなり疲れます。後期はまあ、それなりに想像も付くけど、作品18をあそこまでやってくるかぁ…

さてもさても、こうなってくるとトーキョーはどーするんでしょーねぇ。まさか、世界大運動会にかこつけて「うちはおります」…なんてことにならないで欲しいなぁ。数年前のヴァーグナー・イヤーの再現は勘弁して欲しいぞ。

爺には、2年なんてアッという間に経っちまう…いやはや。

あ、そうそう、蛇足になっちゃうけど、関係者さんに拠れば、新しいヴィオラさんは「マチューなみに歌える」とのこと。また歌っちゃおうか、などと話してるそうですが、当面はベートーヴェン全曲造り込みが先になるんでしょうねぇ。お楽しみは2021年以降かな。

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クァルテット・ビエンナーレ小ネタ集 [弦楽四重奏]

大阪の室内楽振興財団から派遣されクァルテット・ビエンナーレ・パリの「オーディション」にコミッティ・メンバーとして正式参加しあれこれ発言し、昨日はこの秋にグランプリ・コンサートで日本を訪れるパリのサクソフォン四重奏団と打ち合わせなどをしたもぐらプロデューサーが、先程、羽田経由大阪に戻るべくドゴール空港に向かいました。これでやくぺん先生も爺や仕事はオシマイで、ここからは2週間ちょっとの欧州ひとりたびの空でありまする。やはり若き方をひきたてる仕事はそれなりに気を使うのか(どんどん突っ込んでいけば良い、ってわけにもいきませんからねぇ)、一昨日来、どっかで風邪を拾って酷いことになっていたことも相まって、電子壁新聞どころではありませんでした。ここからはいつものようにノンビリと、どーでも良いことを記すことにしましょうぞ。まずは、現時点で20団体聴いたクァルテットに関する小ネタ集。なんせ大量の情報が飛び交っている空間にいるもので、だれから聞いた話だかもう半分かた忘れてる。ま、自分の為の備忘録でありまする。

★ここで触れましたアロドQのヴェトナム・ツアーですが
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
大まかな日程は数日前に決まったそうです。8月14日にサイゴン公演で、それからハノイに移動し、月末まで2週間滞在するそうな。それ以上のことは立ち話をした瞬間には判らぬ、とのこと。
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写真は、ディオティマQの演奏会に来ていたチェロ君。日曜日にビエンナーレでツェムリンスキーの2番を弾きます。ちょっと想像が付かないなぁ。あたしゃ、この日のベルリンに移動しちゃうので聴けないのが残念。

★まだ日本のマネージャーさんのページには京都公演しか出てませんけど、ディオティマQは6月の来日時にバルトークの全曲をやるとかやらないとか。
http://okamura-co.com/concerts/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%9E%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3%E6%9D%A5%E6%97%A5%E3%83%84%E3%82%A2%E3%83%BC-2018/
詳細は、来週、ハイデルベルクで話を聞くことになってますので、またそれ以降に。

★上海からヴィーンに出て、今はチェロにノルウェー人を加えてやってるシンプリーQ(ちなみに初代チェロは留学せず独立、八王子カサドで優勝しました)、来る5月に上海で上海Qが差配する室内楽のフェスティバルだかに呼ばれて何回か里帰り公演が出来るそうです。第1ヴァイオリン君が酷い風邪ひきでゴホゴホしてて(恐らく、わしゃ、奴からうつされたと思うぞ)、殆ど話せなかったんだけど、ともかくそういうこと。3月にシンガポールで上海Qに会うので、詳細はそこで尋ねます。請うご期待。

★ダネルQは、なんだかこのところ急にメイジャー感を増していて、大ホールを満杯にして誠に以て立派なベートーヴェンを聴かせて下さいました。正直、妙にキレイキレイに纏まってしまった今のアルテミスQよりもメイジャーっぽかったぞ。

★モディリアーニQは第1ヴァイオリンにソリスト活動を志望していたアモーリ・コエトーくんを入れて、なんとまぁ、まるでピーター・ウンジャンかマーチン・ビーバーか、って音楽をしてます(第1ヴァイオリン限定、ですけど)。他のメンバーとのバランスがどうなのかなぁ…ま、ともかく、ブランドが確立したあとのメンバー交代で弱点を一気にひっくり返すのはありでしょうから、これはこれなのかも。これまで、やくぺん先生的には「なんで売れてるのか全く謎の団体」だったのだけど、その意味ではやっと筋が通った、って感じかしら。

★アキロンQは相変わらず。アリスQも、やっぱり相変わらず。久々に聴いたカスタリアンQは何だか妙に立派になっていた。やはりオリーくんの教育方針は間違っていないっ!

★ヴェローナQのおんちゃんは、Onちゃんを凄く喜んでくれましたぁ。ちっちゃいOnちゃんはヴァイオリンケースにくっつけてました。
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今はボストンでカッツさんの教室にいて、3月にはボロメーオQとオクテットを弾くそうな。ちなみに、今、ちょっと病気で降りてるボロメーオQのヴィオラのもとぶちさんですが、それまでには復帰するとのこと。ボロメーオQ、キム・カシュカシュアンが加わって演奏会なんかしてるそーです…ううう、ニックとの練習風景など、絶対に眺めたくないぞ。

★今日までの時点で新作は5作聴いたのですけど…やっぱりアーヴィンたちはギャラが高いだけのことはありますっ。はい。

★電子楽譜は、どうもヨーロッパの団体には殆ど普及していないようです。現時点で使っていたのは、ボストンから来たヴェローナQ(ニックのお膝元ですからねぇ)と、アルテミスQのアメリカ人の新第2ヴァイオリンさんだけでした。
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てなわけで、他にもいろいろあるけど、とにもかくいも「生きてます」って報告の小ネタ集でした。本日はこれからエルメスQ。ドビュッシーQのモツレクはパスします。

[追記]

今、エルメスQの演奏会から戻って参りました。あのアンフィシアター、絶対になにか悪いばい菌が飛び交ってます。換気装置なんてないみたいだから、あのままどんどん悪い空気が溜まっていくんだろうなぁ。あそこに入ると病気になるみたいな気分になる。あと3回はいかにゃならんのだよなぁ。うううん…

なんて愚痴はともかく、小ネタ。

★エルメスQ、なんと、エク配置でした。エク以外では初めてみました。これはこれであり、という感じでした。なお、後半にブラームスのピアノ五重奏をやったジョフロア・クトーくん、ひとりだけパッド眺めてました。ピアニストは足が大変だろうに、と思ったら、手でページ繰ってました。へえええ…

どーでもいいことだけど、エルメスQはシューマン全集のCDを作ってるのだが、何故か「日本語解説付き」とでっかく記されています。まさか、去る11月に来日予定があったけど売れなくて流れた、というのと関係あるのかしらねぇ。

[追記の追記]

パリのクァルテット・ビエンナーレも残すところあと2日。今、金曜日の夜で、ブレンターノQが終わって、大ホールでエベーヌQが始まるのを待っているところ。で、小ネタの追加。

★ブレンターノQも、ヴィオラのミッシャだけが譜面を電子化しております(シンユンのご主人さん)。電子譜面って、イェール大学で教えるときには便利だと思うんだけど、どうなんでしょうねぇ。

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若い連中に遭いに行く [弦楽四重奏]

昨日来、もうあっちこっちにメール書いたり、今風にFacebookのメッセージで連絡したり、もう頭がグチャグチャになりながら晴れ渡った真冬の帝都トウキョウを眺めておりまする。年末年始の観光客を満載した遊覧船の姿はなく、今日は大川も空もとても静か。ただ、永代橋も隅田川大橋も、なぜか都心方面に向かう車は大渋滞。正月の松も取れて、帝都もやっと動き始めた、ということなのかしら。トンビがノンビリ尻尾を大きくひらいて風に乗って昇っていく初春の空。マシン猛禽なんぞ物騒もんは影もなし。あ、立川から東京ヘリポートに向け、消防庁ピューマくんが走ってくるぞ。

隠居宣言2年目となるやくぺん先生も、やっと重たい腰を上げ明後日昼前のシベリア横断出発に向けて鋭意準備中。実は、さっきからNYCにいるヴェローナQ第1ヴァイオリンのジョナサン・オンくんとチェーンチャット状態になってたり、この世界はどーなってるんだ、って。

昨日来、あちこちと連絡を取り合ってる今回のツアー、ハイライトは3つありますです。ひとつは、これ。
https://philharmoniedeparis.fr/fr/activite/musique-de-chambre/18243-journee-daudition-de-quatuors-cordes
2年に1度のパリ・シテ・ド・ラ・ムジークで開催される弦楽四重奏音楽祭最大の目玉、「若い弦楽四重奏オーデイション」です。

2年前も当電子壁新聞でお伝えしたイベントだと思うが、このオーディション、世にも奇妙なオーディションなんですわ。ぶっちゃけ、結果はなーんにもないのです。これに通るとどっかの音楽祭に出られるとか、賞金がいただけるとか、マネージャーと契約が出来るとか、そんなのなーんにもない。純粋に、「オーディション」。だけど、お判りになる方はお判りになるように、審査員というか、聴いてもらう人として並んでるのが、世界中のフェスティバルやホールの現場ディレクターたち。このページがアップされた段階でまだ決まってなかったからだろうけど、無論、日本からも行きます。前回まではサントリーホールのチェンバーミュージック・ガーデンの創設ディレクターが行っていたのだが、隠居したので、今回からは生きの良い奴が大阪から行きますっ。世界のディレクターやマネージャーども、極東の島国が送り出す最終兵器、まってろよおおおおお!わぁああっはっはっはああああ!

ま、業界内の話はおいといて、世間の皆様に関心があるのは参加する奴らでしょう。始まった頃は「来れば弾けるよ」だったんだけど、自腹切って来なければならぬし、なんの結果も無いけど、これだけのメンツに聴いてもらうことに意味があると思う奴らは世界にちゃんといるわけで、今や事前審査が必要な大変な難関となってしまった。なんせ、ご覧のように、世界のメイジャー大会ファイナリストがズラリ、ですから。ここに1日座ってれば、ここ数年の世界のメイジャーマイナー取り混ぜた弦楽四重奏コンクールの結果が目の前に見られる、ってこと。一応、現時点での参加者を列挙しておくと…
ハンソンQ、シンプリーQ、ボルサンQ、ヴェローナQ、コンソンQ、ヘナオQ、アキロンQ、アリスQ、カスタリアンQ、メティスQ、アルビオンQ、グリンカQ、ゲルハルトQ、ゴルドムントQ、ヴィジョンQ
おいおい、ボルドーとジュネーブの優勝団体がいるじゃないかぁ、なんて呆れちゃうでしょ。なんせ前回は、今回のビエンナーレではちゃんと公式コンサートに出て来るファン・カイックとか、バンフを制したセシリアなんぞまで出てたんだから。

んで、もうひとつは、恒例のハイデルベルクの春音楽祭なんだが、今回からここに若い団体対象のコンクールが加わることになりましたです。
https://www.heidelberger-fruehling.de/en/heidelberger-fruehling/programm/veranstaltung/?id=23879
この地味でまいなーなコンクールがどういう意味があるのか、今はめんどーなので記さないけど、こりゃいかないとマズい。参加団体を列挙すると
ベーンQ、コスモスQ、エスメQ、ゲルハルトQ、ゴルドムントQ、ピエロQ、シンプリーQ、ヤコQ
なるほど、なかなか渋めのラインナップですなぁ。知ってる団体が3つくらいしかないというのは新鮮でよろしー。そういうコンクールですから。まあ、敢えて言えば、日本では「松尾オーディション」みたいなもんかな。

ンで、最後のハイライトがこれ。今年から始まるアムステルダムの弦楽四重奏ビエンナーレ、2日目の日曜日午後1時というもっともお目出度い時間に持ち出してくるのが、「世界の弦楽四重奏コンクール優勝団体揃い踏みコンサート」じゃっ!
http://www.sqba.nl/events/dates/28-01-en?lang=en
登場団体は
ロルストンQ、ノガQ、アキロンQ、マックスウェルQ、ベーンQ

なんだい、「もう爺になって若い連中を眺めても老い先短い命が儚く感じられるばかりなんで隠居する」って宣言はどこにいったんじゃ、この嘘つきめ、と仰りたくなる気持ちはわしにだって判るですっ。そんなこと言われたって、これらがハイライトであることは事実、エマーソンもアルディッティも、みんなあとは年寄りのオマケみたいなもんですわ。

さあ、まだまだがんばろーという気持ちが少しはわいてきたところで、そろそろ歯医者さんに行って耄碌してきた奥歯を3週間保たせる仮治療をしていただかねばならぬ。ぐぁんばれ、あたしっ!

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巨匠逝く~ロバート・マン享年97 [弦楽四重奏]

新年早々、訃報が飛び込みました。
https://www.nytimes.com/2018/01/02/obituaries/robert-mann-dead-juilliard-string-quartet-violinist.html
元旦にマンハッタンのご自宅でお亡くなりになったそうです。

去る秋、アイズリQのチェロさんと話をしていて、たまたま「ボビー・マン氏はお元気なんですか」という話になり、「随分お体は衰えたみたいだけど、お元気でした」という近況を聞いておりました。とはいえ、このお歳ですから、いつこういう話が飛び込んでも驚くことはない状況ではありましたが。

当電子壁新聞でも、マン御大のジュリアードQ引退後の動向は折に触れてお伝えしておりました。ここでお遇いしてお元気でした、とか、どこそこでお遇いしたけど奥様がいらっしゃらなくてちょっと淋しそうでした、とか。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2008-01-07
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2009-08-24
これが、最後のお姿かな。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2011-07-21

どういう方だったかは、あらゆる方があらゆる場所で語ることになるでしょうから、やくぺん先生なりに御大の業績を語るとすれば、「ニューミュージックQを解散して日本フィル創設コンマスとして来日し、齋藤秀雄以下、巌本真理、黑沼俊夫、河野俊達ら戦後日本の室内楽を支える人々に戦後アメリカ型室内楽の在り方(ぶっちゃけ、教えるもなにもないそれまでのヨーロッパの室内楽とは異なる室内楽)を教え衝撃を与えたブロダス・アール氏がイェール大学に去ったのと入れ替わるように日本を訪れるようになり、伝説の日光金谷ホテルでのセミナーで東京Qの種を蒔くなど、日本の室内楽演奏と価値観に決定的な影響を与えた方」であります。

無論、その影響が60年代から70年代の「東大美学系評論家」が主導した日本の音楽メディアでの室内楽の価値感と同じではなく、結果として演奏する側と受容する側の大きな評価(人気?)の違いを生んでしまったことは否定しえない歴史的な事実でありましょう。とはいえ、ジュリアード的なるもの、敢えて言えばボビー・マン的なるものは、ひとつの大きな流れとなって桐朋やら松本、奥志賀、はたまた現在のプロジェクトQやサントリー室内楽アカデミーなどにまで受け継がれていることも、また事実であります。そして今、そんな「戦後アメリカに集まった最良の室内楽伝統」そのものが問われるような新しい価値感が出てきていることも、否定出来ない事実。

なんのかんの言うよりも、こちらを聴き、翁の業績の一端を忍ばせていただきます。お忙しい方は9分40秒くらいからだけでも。


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夏にハノイでアロドQ凱旋公演! [弦楽四重奏]

ハノイでいろいろ仕入れてきた話で、書いておかないと自分が忘れそうなことで、書いても構わない類いを書いておきます。関心のある方がどれだけいるかなんぞ知らんわい、ってのは毎度ながら。

数週間前に日本初お目見えをし、予想通り、というか、当然のことながらというか、賛否両論真っ二つに割れた感があるアロドQでありますが、今後の来日公演については知らないけど、アジア地区での公演はひとつ決まっているとのことです。

ハノイ音楽院弦楽セクション主任のデュイさんがディレクターを務め、夏に音楽院を舞台に室内楽音楽祭を行っております。もう数年になるとのことで、在米ヴェトナム系演奏家が戻ってきて現地の音楽家と共演したりするタイプの都市型音楽祭でありまする。

この音楽祭、来年のひとつのメインゲストに、アロドQが招かれるとのことであります。

やくぺん先生、この話を聞くまでアロドQの第2ヴァイオリンくんはヴェトナム系フランス人だと勝手に思い込んでいたのだけど、なんと、ホーチミン市音楽院からパリに渡った純粋なヴェトナム人だそうな。んで、文字通りの里帰り公演とのこと。

現時点では8月の初旬くらいに、アロドQも複数回の演奏が予定されている。もうひとつ、NY在住の若い弦楽四重奏団も参加予定で、たしかチェロがアジア人だった…との話を監督さんは仰ってたんだけど、その瞬間、彼も忙しくて調べて貰うわけにはいかなかった。なんであれ、なかなか面白そうなメンツが登場することになりそう。せっかくだから、これが会場となる音楽院の新しいホール。設計はダン・タイソンさんのお兄さんだそうな。
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8月のハノイなんて、どんだけ暑いか想像したくも無いけど…考えてみたらトウキョウだって灼熱地獄の時なんだから、どっちだろうと同じでんなぁ。

てなわけで、アロドQ良いじゃん、と思った方は、夏のヴァケーション先にハノイもお考えになられるとよろしーんではないでしょーか、という話でした。

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聴衆の拡大の仕方~浦安の場合 [弦楽四重奏]

本日はJR新浦安駅前にこの春に竣工した浦安音楽ホールで、レジデント・アーティストだかいう名前で活動するエクの演奏会に行って参りました。ってか、雑用の公式カメラマンやってきました、ってのがホントのところかしら。

エクは、このような「地域密着活動」に関しては、今世紀の初めから入善で重ねて来たミニレジデンシィ、とやま室内楽音楽祭でのアウトリーチ活動、札幌は北星学園大学でのショートタイム・レジデンシィなど、ある種のパイオニア的な(ぶっちゃけ、試行錯誤、トライ・アンド・エラーの実験台、ってことだけど)活動を続けてきたわけで、それが彼らをNPOでの運営という無茶に向かわせた理由でもあったわけです。東京首都圏というのは地域コミュニティの在り方が極めて多層的でアモフルで、地方よりも余程難しいのは第一生命ホールを舞台にしたトリトンさんの晴海・月島・佃地区でのO年代の活動ではっきりしたわけだが、そこにもいろいろな形でエクは関わった。んで、10年代半ば過ぎ、そういうやり方のベテランとして、新たに立ち上がった浦安の活動に抜擢されることになったのは、当然といえば当然でありましょう。

浦安での「レジデンシィ」としての活動、ひとつはこういうもの。ま、定番の地域アウトリーチでんな。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20
ここ浦安でのもうひとつの重要な動きは、本日のエク演奏会のプレコンサートとして行われた、「地元アマチュア音楽家への働きかけ」とも言うべき活動であります。ローカルなアマチュア音楽家へのクリニックとかレッスンというのは、アメリカの地域レジデンシィでは非常に重要な、ってか、基本なんだけど、案外と日本ではやられていない。富山ではやったことがあるものの、案外と首都圏では少ない。どうしてなのか、理由を考えればいろいろあるのでしょうけど、「日本の首都圏でのアマオケ活動は、土地とは結びついていない」という事実が自治体主導の地域レジデンシィと馴染まない理由なのでしょう。その意味で、小学校単位での地域アマオケ活動が盛んな千葉県西部というのは、首都圏にあってはこういいうやり方がやれる例外的な場所とも言えるわけです。

午後2時からのエク本番の前、午後1時半から地域のジュニア・オケの子供達の中にエク4が入って一緒に演奏、ご指導というわけではないけど、いろいろと現実的なアドヴァイスをする、というやり方でした。こんなん。
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ホール練習と本番に至る前にどれくらいのセッションがあったのか、スイマセン、良く知りません。音楽的にどのような効果があったのかも判りません。だけど、ともかく、子供達はエクと一緒に弾いた、という事実はしっかり残ったようであります。

そんなこんなで、午後2時からの本番は300の客席がホントの若い弦楽器奏者達で埋まる…と思ったら、どーもそーゆーこともない。無論、さっき舞台で弾いていた子供達の姿はあるし、練習のときからカメラで舞台を追いかけていた親御さんなんぞも見えるけど、やっぱり客席を埋めるのは毎度ながらのこの業界お馴染み、ご高齢者の皆様なのでありまする。

うううん、どーゆーことなんだろーなぁ、と思って周囲に聞き耳を立てると、なかなか興味深いことが判ってきた。どうやら、年の瀬の土曜日の午後に弦楽四重奏を聴くべくこのホールに座っている聴衆のかなりの人達は、地元の方らしい。新浦安駅を出て舞浜の方に京葉線沿いに歩いて10分くらい、とか、市役所の向こうとか、そういう場所からいらしている。んで、それらの方々が決して「弦楽四重奏」やら「クァルテット・エクセルシオ」を知っていてきているのではないみたい。無論、ジュニアオケのおじいちゃんおばーちゃんということでもない(それどころか、プレコンサートがあったことすら知らない方が随分いたようだし)。

この状況、「ああ、弦楽四重奏はやっぱり若い人は来ないんだ」とネガティヴに捉えることもできるだろうけど、「弦楽四重奏なんて聴いたこともない地元の方で、それなりに音楽には関心がある方々をそれなりに集めた」とポジティヴに捉えることも出来るわけでんな。

開き直っちゃえば、弦楽四重奏に無理して若い聴衆を呼ぶ必要などない。そういう方々は隣のミッキーマウス・ランドに言ってくれれば良い(浦安市民割引もあるわけだし)。客席は相変わらず高齢者中心であれ、新しいお客さんを少しでも引っ張ってくることが出来たのだから、これはこれで「聴衆拡大」になっているのであろう、ってこと。

この秋から先頃まで、韓国や台湾、中国での「若い聴衆」ばかりを目にしていると、ニッポン国聴衆の高齢化は気になるなといわれても無理です。だけど、高齢者人口が増えてる中、そこをターゲットに新しい聴衆が開けているなら、それはそれであり。このジャンル、中身で新しい聴衆を獲得しようとするなら、それこそアロドとかノブスとか、はたまたアマデオ・モディリアーニみたいな中身なり外見を本気になってなんかしらはっきり方向性を持って展開する努力をせねばならぬ。それはもう、30代以下の演奏家やマネージャー、プロデューサーの仕事になるのだろう。わしら爺の出る幕ではないし、出てはいけない。

浦安のやり方は、決して間違っていない。ご隠居に楽しみを与え、それが聴衆拡大になっているなら、何が悪かろーか。うん。

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優勝団体に遭いにいく・その6:2015年ミュンヘンARDコンクール弦楽四重奏部門第1位アロドQ [弦楽四重奏]

秋の終わりから冬の初めの「世界の弦楽四重奏コンクール優勝団体に遭いにいく」シリーズ、この後も、1月のパリのビエンナーレではメルボルン大会優勝ノガQ、アムステルダムで新しく始まるビエンナーレではバンフ大会優勝ロルストンQ、はたまた恒例の「ハイデルベルクの春音楽祭」ではボルドー大会優勝のツェムリンスキーQと、来月にもバタバタ続きがあるのだけど、ま、当面はこれでちょっとお休み。なんか、年寄りが仕事を纏めにかかってるみたいな話だが…まあ、実際にそうなんだからしょーがないわね。

21世紀に入って「優勝団体を出します」という通達が審査員に出され、かつての「よっぽどのことがないと優勝は出さないミュンヘン」というイメージは様変わりしてしまったものの、3年に1度きっちり科目がまわってくるようになって、順当に優勝が出たり出なかったりしているミュンヘンARDコンクール、弦楽四重奏部門も、昨年はバンフと重なって「ヨーロッパ選手権」の色彩が濃かった中で天下のピヒラー御大を審査委員長に迎え開催され、以下のような結果になったのはまだ記憶に新しいところでありましょう。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
なんせドイツの放送局が自分のオケのためのポスト・オーディションとしてやってるようなところもあるこのコンクール、室内楽はぶっちゃけどう扱って良いか判らぬ、なんでもあるデパートだから並べてある商品みたいなところもあって、優勝団体へのこれといったアフターケアを主催のバイエルン放送が行ってるわけではない。無論、地元ミュンヘンでは「ARDコンクール優勝者はうちの子たち」みたいなファンの大事にしてくれ方、アドラーなどの大手主催者からの別格扱いなどあるものの、それは周囲が勝手にやってること。アポロ・ムサゲーテQもまだまだ出し、アルミダQに至っては存在すら知られていないやもしれぬ極東の島国ニッポンでありまするから、ほぼリアルタイムで優勝団体が紹介されるなんて、なんともラッキーな機会だったわけです。

このミュンヘン大会、エベーヌQというとてつもない、現実問題として21世紀のヨーロッパ大陸に於ける弦楽四重奏というジャンルの在り方に革命を起こしてしまったとんでもない逸材を出した後、どうにも「優勝」という意味ではやくぺん先生には今ひとつよく判らぬ結果が続いている。アポロ・ムサゲーテも「え、早すぎるだろー」という感は否めなかったし(実際、その後数シーズン、表に出ずに修行を続けて…というアルテミス型のやり方をしてきましたし)、ノブスが2位となったアルミダ優勝のときも「なんでザイーデじゃないんねん!」と怒りまくったわけだし、正直、昨年も「…ええええええぇ」と思わざるを得ない結果でした。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
てなわけで、このアロドQに関しても、関西の主催者さんから「チラシ裏やって」と言われて、「モーツァルトに関しては言えるけど、本選のベートーヴェンに関してはなんにも言うことはありませんけど、それでも良いんですね」と念を押した上でお仕事をさせていただいた次第。当電子壁新聞でも、敢えて事前盛りあげなどはしなかった。まあ、エラートなんてまだあったのかというレーベルが専属にしたりして、今時稀有な20世紀後半型レコード会社主導パブリシティが成されるだろうから(成されたのか、わしゃ知らん)まあいーじゃろ、と思ってたわけですわ。

とはいえ全く知らんぷりも出来ないわけで、ノブスQ10周年をソウルじゃなく水原で聴き、慌ててホンシュウ島に戻ってきた次第。

ま、なんの影響力も権威もないやくぺん先生のご感想なんてどーでもいい前振り話は、ホントにどーでも良いや。昨晩の鶴見について。演目はミュンヘンのセミファイナルでも賛否両論ながら「これはもしかして面白いかも」と一部からは圧倒的に評価が高かった(猛烈に怒っている人も少なくなかった)モーツァルトのニ短調、続いていかにも今時のフランスなイスラム圏に向けた作曲家の新作があり、最後はデビューCDで持ってきたメンデルスゾーンの作品44の2(敢えて同じCDに収められた作品13ではなく)、というもの。ベートーヴェンやハイドンなど、拒絶反応に遭いそうだったり、まだまだ手に入っていないレパートリーは避けて、今の彼らのキャラが真っ正面から出せ、勝てるものを並べてきている。なかなか賢い連中であることよ。

モーツァルトに関しては、ミュンヘンのときよりも随分と無茶の無いものになっていたとはいえ、決して大人しくなったわけではなく、無駄な騒ぎ方はしなくなった、という感じ。とはいえ、今のエベーネ以降のフランス、特にプロカルテットなんぞで切磋琢磨してる若い連中らしく、良くも悪くも攻めた演奏で、「際物ですね」と仰る愛好家の方も客席にはいらっしゃいました。無論、大受けだったわけですけど。メンデルスゾーンも同じやり方が通用する作品ということなんでしょう、細部をうんと強調し拡大鏡で見せて、それをオケのような勢いの中に落とし込んでいく音楽。

良く言えば、弦楽四重奏という文献にあまり馴染みは無いけど、オペラやオケなどは沢山聴いてる方は大喜びしそうな音楽。今や絶滅を待つばかりのコアな弦楽四重奏聴衆は、なんであんなことしなきゃいけないの、ってあたふたしてるうちに置いてきぼりにされちゃうような…

その意味で、ノブスQとは違った意味で、新たな聴衆を開拓する努力をしている団体であることは確かです。そこをどう評価するか、弦楽四重奏の趣味は時代や聴衆の変化と共に変化していくものなのだからこれもあり、と割り切れるかどうか、でしょう。それに、このやり方だとレパートリーが極めて限られる、きっちり手に入ったものだけを出すしか無いだろうから、フルタイムの常設弦楽四重奏としてやっていくにはっまだまだ基本レパートリーを作るためだけでも時間がかかるだろうなぁ、と思ってしまう。ま、それは彼らの問題で、こっちが心配するようなことじゃないけどさ。

いすれにせよ、優勝団体に遭いにいくツアーの最後を飾るに相応しい、「嗚呼、俺もそろそろ隠居だ」感漂う夜でありましたとさ。かくて、終演後、ARDで3位となったアマービレのセカンドさんと談笑、同期のリユニオンをなさる若者達であった。
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若い団体は、若い人に眺めていって貰おうではないか。なあ、婆さんや…

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優勝団体に遭いにいく・その5:第11回国際モーツァルト・コンクール第1位ノブスQ [弦楽四重奏]

朝っぱらに水原のバスターミナルを出て、国道一号線をソウルに向けて北上。なんでこの道はいつも混雑しているのだと呆れる仁川方向への支線に入り、金浦空港に到着し、ぼーっとしながら半島を出て、鳥取辺りでホンシュウ島に上陸、摂氏10度とうらうらの帝都湾岸に戻って参りました。そのまま都内某所まで急ぎひとつ野暮用を済ませ、今、京急鶴見駅下の喫茶でやっとパソコン開いてます。午後7時から前回のミュンヘンARDの覇者アロドQの演奏会。20日にハノイに向かうまでの1週間、師走の帝都滞在でありまする。

昨晩は水原市が発祥の地というSKグループが、不動産部門のフラッグシップたる45階建て高層マンションを林立させた水原市北の新興開発地区のど真ん中に建てられたSKアートリウムなる文化施設のかなり大きなオーディトリアムで、ノブスQ10周年記念演奏会シリーズのひとつが開催されたのを、遙々聴きに行ったのでありました。ちなみにソウル公演は14日で、すっかり売り切れだそうな。
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ノブスQに関しましては、当無責任電子壁新聞でも随分とフォローしてまいりましたので、ご存知の方は良くご存知でありましょう。そうそう、彼らの表記ですけど、大阪で3位になったときに「ノブース」と記されて、以降、それに従ってきたのだけどやっぱり気持ち悪い。だって、どう考えたって「ノーブス」だもんねぇ。で、ハングル表記ではどうやら「ノブス」らしいので、ま、それで行きますか、ってことにします。韓国語なんだ、と思えばそれまで…じゃないけどさぁ。

もとい、で、ノブスQであります。なんせ、アマデオ・モディリアーニQと並び、弦楽四重奏聴衆の裾野を特定方向にホントに広げちゃった稀有な連中。ソウル公演はでっかいアーツセンターのホールに千数百のお嬢さんらが集まり、終演後の韓国クラシック業界伝統のサイン会は終わるまで延々1時間近くかかるのが毎度、なーんてとてつもないことになってる。

これでやってることがやっつけ仕事や、はしにもぼーにもかからないルックス勝負のみなら「かってにしてちょーだいな」だけど、なんせレッジョを見限ったジメナウアー事務所が本格的にバックアップに入ることになった2014年のザルツブルクのモーツァルト・コンクールできっちり勝ってくるようなまともな(ポッペン先生なんぞにしっかり鍛えられた、押さえるべき所はちゃんと押さえた恣意的ならざる音楽、ってこと)古典を聴かせてくれる。ロマン派やらせれば、ハッタリではなく筋の通った「キメ顔」が出来る。すげええカッコイイんだわさ。

昨晩の演奏会でも、意外にクールでスタイリッシュなシューベルト《断章》に始まり、ファーストぶっとびには決してならない室内楽としてちゃんとしたメンデルスゾーンの作品80。そして、ソナタ形式の構築性をしっかり見せた第1楽章と、弱音中心の第2楽章の泣き節とを対比させるドヴォルザーク作品106。どれもとても立派で、ロビーで流される10周年の軌跡を描いたヴィデオクリップのコンクール受賞歴も当然でしょ、と納得させる堂々たる演奏でありました(結成翌年に大阪で3位になったのは韓国ベースの団体としては初の国際室内楽コンクール入賞で、これが彼らのその後の活動のきっかけになっている、という事実は触れて欲しかったなぁ)。個人的には、ドヴォルザーク第3楽章トリオのテンポに、へええええ、と思わされたのがとても印象的でありましたです。

そんなノブスQ、この故郷でのミニ記念ツアーを終え、来週はウィグモアでハイドンばかりのシリーズのひとつを弾き、それからイスタンブールで公演を行い、ひとつの時代を終えようとしております。

祖国を出て、ミュンヘンでずっと一緒にやってきたヴィオラのイくんが、今月をもって脱退。指揮者の修行を本格化させるとのことです。新しいヴィオラはもう決まっていて、やっぱりヴィジュアル系OKの伯林在住のコリアン・ボーイ。来年に入ると暫く移行期間でコンサートは休み、春前から再稼働とのこと。

それを知ってしまうと、ドヴォルザーク作品106の緩徐楽章は、10年のあれやこれ万感の思いを込めた涙なみだの音楽に聞こえてきてしまうのであーる。そういえば、セシリアQがチェロ脱退が決まって参加したバンフの本選で、いろいろあった苦難の時代を振り返り懐かしむ、すすり泣きが音楽になって響いてるような音楽をやって予想外の(失礼)優勝を飾っちゃった、なぁんてのを思い出すぞ。この曲、晩年の作品なんだけど、「我が青春よさらば」のテーマソングなのかしら。

ま、ここまできちんと作れていれば、ちゃんと弾ける奴が入ればアンサンブルは問題ないでしょう。ノブスQ、10年を過ぎての歩みを、これからも見守って行かねばならんし、なにか出来ることがあれば少しでもお手伝いをせねばならんだろうなぁ。

かくて、新しいメンバーが客席で「すげえよねぇ、今日の演奏」と手を叩く向こう、舞台の上の4人の姿。
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新メンバーを迎えた祖国の初公演は5月の「ソウルの春音楽祭」出演とのこと。11月3日には、なんとロッテホールという大空間でショスタコの3番と8番なんぞを披露する予定だそうな。

日本で聴ける予定は…残念ながら、現時点ではありません。ふううう…

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アイズリQのCDはネットでは買えません! [弦楽四重奏]

先程、第9回大阪国際室内楽コンクール&フェスタの第1部門グランプリ・コンサート米子公演が終わり、主催者の日本海テレビ様の差し入れ、先週くらいに解禁になったばかりの蟹さんを喰らって、戻って来たところであります。細長いカプセルの中です。

今、ツアーをしているアイズリQ、若手とはいえ学生ではなく、20代後半くらいにそれぞれキャリアがある猛者が集まって出来た団体。そう、例えばグァルネリQとか、最近ではエッシャーQなんかの在り方でんな。だから、やる音楽も「上手な学生さん」ではなく、ガッツリとプロのちゃんとした音楽。国東での演奏会では、聴衆から「あんたら、こんな安いチケットで、自分らを安売りしちゃダメだ」と諭されたそうな。いやはや。

んで、そんな彼女ら、まだCDはありません。でも、このツアーでは、CD売ってます。
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そー、去る5月の大阪いずみホールでのライブです。シューマンの3番がないのがちょっと残念だけど、ベートーヴェンの作品130とベルクの作品3が入ってます。

このCD、CD番号もなく、財団ガネットでの販売はしていません。売りたい、という話はあったのだけど、敢えて「会場でのみ販売」にしたそうな。純粋に「会場でのみの販売」です。

さあ、アイズリQのCDを欲しい人は、グランプリ・コンサート会場にいらっしゃい。鶴見は満員だそうだけど、トッパンはまだ大丈夫でしょう。

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欧州弦楽四重奏音楽祭ラッシュ [弦楽四重奏]

いかなヨーロッパは「音楽協会は終わり、フェスティバルの時代だ」と言われようが、あっしらの狭い世界はそんなもん無縁だわなぁ、と思えていたのも今は昔。実質1ヶ月のバタバタツアーを終えて戻って、そろそろ先のことを考えねばならなくなり、1月からの日程などを眺めていたら、いやはや、これはなんなんじゃ、でありますな。

なんせ、1月には11日から21日まで、パリのシテ・ド・ラ・ムジークで2年に1度の「弦楽四重奏ビエンナーレ」
https://philharmoniedeparis.fr/en/programming/thematic-weekends/string-quartet-biennial
参加するのは
QUATUOR VAN KUIJK
Quatuor Béla
QUATUOR VOCE
QUATUOR DANEL
QUATUOR DIOTIMA
QUATUOR MODIGLIANI
ARDITTI QUARTET
ARTEMIS QUARTET
QUATUOR HERMÈS
QUATUOR DEBUSSY
ASASELLO QUARTET
BORODINE QUARTET
BRENTANO QUARTET
QUATUOR EBÈNE
CASALS QUARTET
NOGA QUARTET
QUATUOR THYMOS
DAVID OISTRAKH QUARTET
BELCIA QUARTET
QUATUOR AROD
HAGEN QUARTET

んで、その直後の25日から28日には、どうして春の音楽祭なのにこんな時期に弦楽四重奏だけ纏めてやるんじゃ、と文句も言いたくなる「ハイデルベルクの春音楽祭」の弦楽四重奏週間
http://www.streichquartettfest.de/en/
ここも列挙すれば
Asasello Quartett
Brooklyn Rider
Castilian String Quartet
Quatuor Diotima
Zemlinsky Quartett

まあ、これらは今世紀頭くらいからの常連フェスティバルで、なんとかハシゴも出来るし、まあそれはそれで有り難いことだったんだけど、そこにもってきて、こんなのが加わります。アムステルダムの港の方にあるムジークヘボウを会場に、初開催となる音楽祭でありまする。これは1月27日から2月3日まで。
http://www.sqba.nl/?lang=en
ここの参加団体を列挙すると
BRENTANO STRING QUARTET
CUARTETO CASALS
QUARTETTO DI CREMONA
QUATUOR DANEL
DOELENKWARTET
DORIC STRING QUARTET
DUDOK KWARTET AMSTERDAM
EMERSON STRING QUARTET
HAGEN QUARTETT
O/MODERNT STRING QUARTET
Cuarteto Quiroga
Ragazze Quartet
Ruysdael Kwartet
Signum Quartett

うううん、それぞれが微妙に時期がずれているんだか重なってるんだか、って感じですねぇ。もうちょっとなんとかしてくれなかったのかしら。

いかがでしょうか、日本国に伝わる弦楽四重奏の情報がいかに古く、偏っているか、よーくわかるラインナップでしょ。アルディッティは別格、ハーゲンやボロディンが最長老、ジュリアードや東京の後続がブレンターノ、アルテミスがやっぱりスゴく偉くて、エベーヌが重鎮、って感じですからねぇ。個人的には、若手一押しのエルメスQがちゃんとパリに出して貰えているのが嬉しい。ノーブスQ、突っ込めなかったのかなぁ、残念だなぁ。

やっぱりこれもあれも、欧州弦楽四重奏界の「ジメナウアー独裁」が緩んで、群雄割拠時代に入りつつあることの顕れなのか。はたまた、ヨーロッパではホントに弦楽四重奏が人気が出て来たのか?まあ、後者とは思えないので…なんなんでしょうねぇ。

そろそろ欧州入りの飛行機を確保せにゃらなん時期だし、マレーシアフィルに大植えーちゃんが客演するのを眺めてまわるにはパリがちょっとキツいし、うううん、どーするべーかなぁ。まあ、何も考えずに、1月12日の夕方に極東の帝都からパリに入って、2月3日の昼前にフランクフルトを出て4日午前6時前に羽田に戻り、エクのオペラシティに飛び込む、という日程しかないかなぁ。あれ、西村先生と喋らなきゃいけないんだっけ、その日って。うううん…

ま、どれもまーったく金にならんというのは気が楽でありまする。いやはや。

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