ぐぁんばれ日本芸術文化振興会 [音楽業界]
今、急にやらねばならなくなった原稿でいろいろ調べ物をしていて、ちょっと吃驚したので記します。
ええと、日本国には「日本芸術文化振興会」という、芸術文化支援のためのファンディングを専門に行う独立行政法人があります。こちら。
http://www.ntj.jac.go.jp/kikin.html
何を今更、って言われそうですけど、よーするに、今、ちょっと大阪方面で話題になってるナショナル・トラストをやろうとして、御上主導でやった結果、まるで御上の組織にしか見えなくなってる、皆様にはお馴染み過ぎるあの団体です。よーするに、御上が旗振って金を集めて、新旧国立劇場とかに落としていくところ。
そこが、311以降の震災復興を目的にした独自のファンディングをやってる。これがファンディングをお願いする作文。
http://www.ntj.jac.go.jp/fukkou/1332.html
んで、こっちが報告書。
http://www.ntj.jac.go.jp/fukkou/houkoku.html
さてもね、この報告書、殆どの方が、見た瞬間に「え、誤植じゃないの」と目を疑うでしょ。だって、天下の芸術文化振興会が昨年7月から始めて、80万円ってことはないじゃろーに…って思って当然だもん。
ところがどっこい、ホントにそーなんよ。
どうも、このページそのものは近々更新されるそうなので、いくらなんでももうちょっと額は増えると思うけど、へたすりゃ大口個人のひとり分くらいしか集まってないのは、いったいぜんたいなんなんねん?
てなわけで、こりゃなんなんだ、どーしてこんなことになっちゃってるのだ、ってのをいろいろご存じの方は、情報下さい。だって本来なら、日本赤十字なんかじゃなくてここが日本に於ける義援金取り纏めの窓口になったっておかしくない組織なんだからさ。
ええと、日本国には「日本芸術文化振興会」という、芸術文化支援のためのファンディングを専門に行う独立行政法人があります。こちら。
http://www.ntj.jac.go.jp/kikin.html
何を今更、って言われそうですけど、よーするに、今、ちょっと大阪方面で話題になってるナショナル・トラストをやろうとして、御上主導でやった結果、まるで御上の組織にしか見えなくなってる、皆様にはお馴染み過ぎるあの団体です。よーするに、御上が旗振って金を集めて、新旧国立劇場とかに落としていくところ。
そこが、311以降の震災復興を目的にした独自のファンディングをやってる。これがファンディングをお願いする作文。
http://www.ntj.jac.go.jp/fukkou/1332.html
んで、こっちが報告書。
http://www.ntj.jac.go.jp/fukkou/houkoku.html
さてもね、この報告書、殆どの方が、見た瞬間に「え、誤植じゃないの」と目を疑うでしょ。だって、天下の芸術文化振興会が昨年7月から始めて、80万円ってことはないじゃろーに…って思って当然だもん。
ところがどっこい、ホントにそーなんよ。
どうも、このページそのものは近々更新されるそうなので、いくらなんでももうちょっと額は増えると思うけど、へたすりゃ大口個人のひとり分くらいしか集まってないのは、いったいぜんたいなんなんねん?
てなわけで、こりゃなんなんだ、どーしてこんなことになっちゃってるのだ、ってのをいろいろご存じの方は、情報下さい。だって本来なら、日本赤十字なんかじゃなくてここが日本に於ける義援金取り纏めの窓口になったっておかしくない組織なんだからさ。
3月8日静岡グランシップ Make Our Garden Grow [音楽業界]
緊急告知です。来る3月8日、静岡グランシップで、静岡交響楽団が仙台フィルメンバーを招いて、311メモリアルのチャリティ演奏会を開催します。指揮は、昨年5月にも静岡での同じ趣旨の演奏会を振った大植英次氏です。詳細はこちら。
http://www.granship.or.jp/audience/event.php?id=210
この演奏会、ここには「他」とありますが、えーちゃんファンには聴き逃せない曲が演奏されます。バーンスタインがオペレッタ「キャンディード」を大植えーちゃんのためにオーケストラ組曲に編曲した版から、大詰めの「Make Our Garden Grow」が最後に演奏される予定。ええ、この事実、静岡のプロデューサーさんはまだ秘密にしたいみたいなんだけど、えーちゃんご本人がオープンにして良いと仰ってるので、書いちゃいます。良いですか、秘密、吃驚のアンコールですからね。
311の後の1年をどのように振り返るにせよ、起きたことを全てよしとし、自分たちに出来ることをしていこう、と呼びかけるには最高の選曲でしょう。以下、ホントは著作権があるんだろうけど、勝手に歌詞を引用しておきます。ま、勝手に読んで、勝手にいろいろ感じてください。
CANDIDE
You've been a fool
And so have I,
But come and be my wife.
And let us try,
Before we die,
To make some sense of life.
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow...
And make our garden grow.
CUNEGONDE
I thought the world
Was sugar cake
For so our master said.
But, now I'll teach
My hands to bake
Our loaf of daily bread.
CANDIDE AND CUNEGONDE
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow...
And make our garden grow.
(ensemble enters in gardening gear and a cow walks on)
CANDIDE, CUNEGONDE, MAXIMILLIAN, PAQUETTE, OLD LADY, DR. PANGLOSS
Let dreamers dream
What worlds they please
Those Edens can't be found.
The sweetest flowers,
The fairest trees
Are grown in solid ground.
ENSEMBLE (a cappella)
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow.
And make our garden grow!
http://www.granship.or.jp/audience/event.php?id=210
この演奏会、ここには「他」とありますが、えーちゃんファンには聴き逃せない曲が演奏されます。バーンスタインがオペレッタ「キャンディード」を大植えーちゃんのためにオーケストラ組曲に編曲した版から、大詰めの「Make Our Garden Grow」が最後に演奏される予定。ええ、この事実、静岡のプロデューサーさんはまだ秘密にしたいみたいなんだけど、えーちゃんご本人がオープンにして良いと仰ってるので、書いちゃいます。良いですか、秘密、吃驚のアンコールですからね。
311の後の1年をどのように振り返るにせよ、起きたことを全てよしとし、自分たちに出来ることをしていこう、と呼びかけるには最高の選曲でしょう。以下、ホントは著作権があるんだろうけど、勝手に歌詞を引用しておきます。ま、勝手に読んで、勝手にいろいろ感じてください。
CANDIDE
You've been a fool
And so have I,
But come and be my wife.
And let us try,
Before we die,
To make some sense of life.
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow...
And make our garden grow.
CUNEGONDE
I thought the world
Was sugar cake
For so our master said.
But, now I'll teach
My hands to bake
Our loaf of daily bread.
CANDIDE AND CUNEGONDE
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow...
And make our garden grow.
(ensemble enters in gardening gear and a cow walks on)
CANDIDE, CUNEGONDE, MAXIMILLIAN, PAQUETTE, OLD LADY, DR. PANGLOSS
Let dreamers dream
What worlds they please
Those Edens can't be found.
The sweetest flowers,
The fairest trees
Are grown in solid ground.
ENSEMBLE (a cappella)
We're neither pure, nor wise, nor good
We'll do the best we know.
We'll build our house and chop our wood
And make our garden grow.
And make our garden grow!
緊急開催決定:講演会「芸術教育プログラムは、なぜ必要か?」 [音楽業界]
このような催し物の案内がまわってきました。来週の木曜日、急な話ですけど、ご関心の向きはどうぞ。エク・サン・ブロヴァンス音楽祭の監督ならもっと別の話をしてくれぇ、と思うかもしれないけど、ダメです。
ま、正直、2行目の「…定着しているヨーロッパ」という体言止めで、もう突っ込みたくなるんだけどねぇ。えええええ、ヨーロッパほど教育プログラムが定着してないところはないんじゃないかぁ、って。
ま、こういう風に「定着している」と断言しちゃう(周囲にさせちゃう)ところが、「価値を作る」というテクニックに長けたヨーロッパらしいなぁ、と思うわけだが、ま、それはそれ。「中国四千年の歴史」なんて言われると、「嘘つけ、あんたがそれを歴史と思って認識するようになったのは明治維新よりも後からじゃないか」と理性は突っ込みたくなるけど、なんか気持ちは納得させられちゃうのと同じでんな。←悪意じゃないから怒らないでね、Sさん。おもしろがってるだけだから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「芸術教育プログラムは、なぜ必要か?」
芸術家、芸術団体による教育プログラムが定着しているヨーロッパ。
その成功・失敗からみえてきた教育プログラムの「本質」と「成果」とは。
日時: 2012年2月22日(木)19:00~20:30
会場: 上野学園 石橋メモリアルホール内「エオリアンホール」
講師: ベルナール・フォックルール氏(通訳有)
詳細、参加申し込み方法はこちら
http://www.ishibashimemorial.com/calendar/concert/201202/000557.html
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これ以上いろいろ言うのは余計なお世話なような気もするので、これでオシマイ。今、アークヒルズのスターバックスでお仕事の真っ最中。よく働く偉いあたしだ。ホント。なんでこんなに貧乏なのだ。不思議だ。
ま、正直、2行目の「…定着しているヨーロッパ」という体言止めで、もう突っ込みたくなるんだけどねぇ。えええええ、ヨーロッパほど教育プログラムが定着してないところはないんじゃないかぁ、って。
ま、こういう風に「定着している」と断言しちゃう(周囲にさせちゃう)ところが、「価値を作る」というテクニックに長けたヨーロッパらしいなぁ、と思うわけだが、ま、それはそれ。「中国四千年の歴史」なんて言われると、「嘘つけ、あんたがそれを歴史と思って認識するようになったのは明治維新よりも後からじゃないか」と理性は突っ込みたくなるけど、なんか気持ちは納得させられちゃうのと同じでんな。←悪意じゃないから怒らないでね、Sさん。おもしろがってるだけだから。
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「芸術教育プログラムは、なぜ必要か?」
芸術家、芸術団体による教育プログラムが定着しているヨーロッパ。
その成功・失敗からみえてきた教育プログラムの「本質」と「成果」とは。
日時: 2012年2月22日(木)19:00~20:30
会場: 上野学園 石橋メモリアルホール内「エオリアンホール」
講師: ベルナール・フォックルール氏(通訳有)
詳細、参加申し込み方法はこちら
http://www.ishibashimemorial.com/calendar/concert/201202/000557.html
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これ以上いろいろ言うのは余計なお世話なような気もするので、これでオシマイ。今、アークヒルズのスターバックスでお仕事の真っ最中。よく働く偉いあたしだ。ホント。なんでこんなに貧乏なのだ。不思議だ。
サルビアホールにいこー! [音楽業界]
忙しいのでご案内のみ。
いよいよ来週、シューマンQがグラーツ凱旋公演で日本にやってきます!ええ、もう、凱旋公演でいいんです。たまたま、でも、実態としてそーなんだから、それでいいんじゃい。
さても、その凱旋公演が行われる会場ですけど、ひとつは今やスタジオ・ルンデの跡を継いで名古屋地区のクァルテットのメッカとなりつつある宗次ホール。それから、今更何をいわんや武蔵野市民文化会館小ホール。秋田の大曲にも行くそうだし(だいじょーぶか、雪は!)。それに、サルビアホールです。他にもまだあったらゴメン、マネージャーさん。
さて、で、このサルビアホールであります。当電子壁新聞を立ち読みなさってるすれっからしの皆さんは、もうとっくに一度や二度は足をお運びでありましょうぞ。昨年(だっけ?)、鶴見のJRと京浜急行の駅の間の細長い空間に出来た、駅前市民センタービルの中に設置された音楽専用ホールであります。ビルそのものは、1階はファーストフードや安飯屋、2階もそんなもの。そっから上が市のコミセンみたいなものになってる、という今時のよくあるもんです。ビルとしても味も素っ気もない、って、ビルとして認知できないような、駅に張り付いた、まあ現代版の民衆駅ですね。←完璧な死語だなぁ
このなんてことない場所にあるサルビアホールなる空間が、これまたとてつもなく良いんだわ。もー、良い、としか言いようがない。もうひとつ言葉を加えれば、贅沢、ですね。
贅沢、っても、関西系の民間クラシック音楽専用ホールが「まああ、ヨーロッパみたい」って感じでいろいろと美しく内装に凝ったりしているのとはまるっきり違う。内装は、まるででっかいピアノの反響板の中にでも入ったみたいというか、なんの飾りもないというか。でも、音は良過ぎる。良い、じゃない。良過ぎる、です。
正直、たった100席でこんなに条件の良い会場を公立で造られてしまうと、民間は太刀打ちが出来ない。ともかく音響の良いところでサロンコンサートをやりたいとか、特に古楽系、ヴァージナルのリサイタルをやりたいとか思ってる人には、世界でも有数の空間ですわ。
問題があるとすれば、その「良過ぎる」ってことですね。ここに慣れてしまうと、ぶっちゃけ、もうはるばる大曲やら晴海やら、築地市場裏やらまで行く気はなくなっちゃうでしょ。ましてや溜池のデカイ方とか、カーネギーのアイザック・スターン・オーディトリアムで室内楽やるなんていわれても、へーそーですかぁ、としか思えなくなる。危険きわまりない場所です。
嘘だと思ったら、来週の水曜日、鶴見までいらっしゃいませ。ま、もうひとつの問題は、なんせキャパが100席しかなく、ここで行われている日本一の目利きさんが選んだ弦楽四重奏のシリーズに出演する演奏家のギャラを出すだけでも、切符がそれなりのお値段になってしまうこと。でもね、一度この場所を体験すると、この値段はしょーがない、もっと高くても良いんじゃないのと思えるだろうこと必至であります。これホント。
詳しくはこちらを参照。では諸君、水曜日に会おうっ!
http://salvia-hall.jp/
サールくんには…ちょっとひくなぁ。ううううん…
いよいよ来週、シューマンQがグラーツ凱旋公演で日本にやってきます!ええ、もう、凱旋公演でいいんです。たまたま、でも、実態としてそーなんだから、それでいいんじゃい。
さても、その凱旋公演が行われる会場ですけど、ひとつは今やスタジオ・ルンデの跡を継いで名古屋地区のクァルテットのメッカとなりつつある宗次ホール。それから、今更何をいわんや武蔵野市民文化会館小ホール。秋田の大曲にも行くそうだし(だいじょーぶか、雪は!)。それに、サルビアホールです。他にもまだあったらゴメン、マネージャーさん。
さて、で、このサルビアホールであります。当電子壁新聞を立ち読みなさってるすれっからしの皆さんは、もうとっくに一度や二度は足をお運びでありましょうぞ。昨年(だっけ?)、鶴見のJRと京浜急行の駅の間の細長い空間に出来た、駅前市民センタービルの中に設置された音楽専用ホールであります。ビルそのものは、1階はファーストフードや安飯屋、2階もそんなもの。そっから上が市のコミセンみたいなものになってる、という今時のよくあるもんです。ビルとしても味も素っ気もない、って、ビルとして認知できないような、駅に張り付いた、まあ現代版の民衆駅ですね。←完璧な死語だなぁ
このなんてことない場所にあるサルビアホールなる空間が、これまたとてつもなく良いんだわ。もー、良い、としか言いようがない。もうひとつ言葉を加えれば、贅沢、ですね。
贅沢、っても、関西系の民間クラシック音楽専用ホールが「まああ、ヨーロッパみたい」って感じでいろいろと美しく内装に凝ったりしているのとはまるっきり違う。内装は、まるででっかいピアノの反響板の中にでも入ったみたいというか、なんの飾りもないというか。でも、音は良過ぎる。良い、じゃない。良過ぎる、です。
正直、たった100席でこんなに条件の良い会場を公立で造られてしまうと、民間は太刀打ちが出来ない。ともかく音響の良いところでサロンコンサートをやりたいとか、特に古楽系、ヴァージナルのリサイタルをやりたいとか思ってる人には、世界でも有数の空間ですわ。
問題があるとすれば、その「良過ぎる」ってことですね。ここに慣れてしまうと、ぶっちゃけ、もうはるばる大曲やら晴海やら、築地市場裏やらまで行く気はなくなっちゃうでしょ。ましてや溜池のデカイ方とか、カーネギーのアイザック・スターン・オーディトリアムで室内楽やるなんていわれても、へーそーですかぁ、としか思えなくなる。危険きわまりない場所です。
嘘だと思ったら、来週の水曜日、鶴見までいらっしゃいませ。ま、もうひとつの問題は、なんせキャパが100席しかなく、ここで行われている日本一の目利きさんが選んだ弦楽四重奏のシリーズに出演する演奏家のギャラを出すだけでも、切符がそれなりのお値段になってしまうこと。でもね、一度この場所を体験すると、この値段はしょーがない、もっと高くても良いんじゃないのと思えるだろうこと必至であります。これホント。
詳しくはこちらを参照。では諸君、水曜日に会おうっ!
http://salvia-hall.jp/
サールくんには…ちょっとひくなぁ。ううううん…
学生プロデュース西へ [音楽業界]
「学生プロデュース・コンサート」という教育プログラムがあります。そんなジャンルあるのか、と突っ込まれても困る。やくぺん先生が「書いてあることはみんな嘘、信じるな」をモットーとする当へっぽこ私設壁新聞で「ある」と断言するのだから、そりゃーもー、絶対にあるのです。ええ、あたしは嘘はもうしませんっ!
どんなものなのか、ざっくりと概説すれば…
1:主催団体(民間音楽ホールの制作部だったり、公共ホールを運営する指定管理者だったり)が、コンサートを1本自主制作するために必要な予算を用意する。
2:地域の学生(過去の事例では高校生から大学生)に、「コンサートをみんなの手で作ってみましょう」と呼びかけ、演奏会制作作業をやってみたい若者を募る。無論、ボランティア。会費を取るわけでもないが、アルバイト料は出ません。
3:集まった学生を、演奏家、音楽業界関係者専門家らが指導し、ホールの担当者やスタッフが陰に日向に学生らと音楽家を援護、半年ほどかけて有料の演奏会をひとつ作ってもらい、公演を行う。
まあ、こういうもんです。こう記してみると、プロが見れば見るほど突っ込みどころ満載、初期の無鉄砲なTANでもなければ考えても実現はさせない企画ではありますねー。始めたTANは民間のNPOだから支援者が理解を示せばOKなんだろうが、公共ホールが税金を使ってやるとなれば、理屈としては「手を挙げてくれた学生らに奨学金を与える」ってような形になるんでしょうなぁ。
予算をどこまで使わせるのか、どこまでの赤字を許すのか、などなど、学生プロデューサーたちの裏で相当に老獪な担当者が微妙な(ってか、老獪、場合によっては悪辣な)動きをせねばやれない企画。有名演奏家をカタログ買いする「主催公演」の極北にある、思いっきり手間がかかり、面倒な事態は頻発し、周囲からはなにやってんだかさっぱり判らぬと言われ、客はちっとも入らず、それでいて公共ホール的な言い方での「受益者」は企画に参加した学生たちたかだか10数人のみ、だけどまかり間違って参加しちゃった学生とすれば人生や進路設定を変えかねないもの凄くインパクトの強い経験になる可能性もある、って、無謀この上ない企画です。
さても、そのルーツを言い立てれば、長野県南の某所の方など「うちだってやってた」と仰るかもしれないけど、そんなの承知の上で敢えてらんぼーに言い立てれば、東京湾岸は晴海の某音楽提供NPOで吉野直子さんのハープの妙なる調べと共に今世紀の初め頃に生まれ、荒川の彼方は人情の街たる西新井で様々なアーティストにもまれながら育ったこのプロジェクト。昨年は311で最終回だった西新井ヴァージョンが中止になったりして、いろいろと波乱の多い企画生を送っているわけであります。当電子壁新聞での報道は、この辺りからどうぞ。左下の検索で「西新井」と入れるとジャブジャブ出てきます。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
とはいうものの、ひとつの主催団体が諸事情で背負えなくなると、じゃあうちがその遺伝子を引き取りましょう、というところが出てくるのは、やっぱり企画として間違ってはいない、凄い可能性があると思っている業界関係者が少なからずいることの証。てなわけで、晴海から西新井にかけてずーっと遙か遠くから眺めていた関西で某公共ホールを指定管理者として運営するNPOの方が、精神を繋げていってくれることになった。
なんせ時間的にもバタバタで、今回は「プレ企画」という感じらしいのですけど、こんな企画になりました。
リリースのPDFファイルをまんま貼り付けます。ご覧あれ。
エク学生プロデュースプレスリリース.pdf
これだけを眺めても、どこがどーなって学生プロデュースなのかよー判らんものの、ともかく、こういうのがある。お近くでご関心のある方は、是非ともどんなことになってるのか眺めてくださいな、というお知らせでありました。
http://www.concertsquare.jp/blog/2012/2012012721.html
ちなみに、今回の演奏担当に抜擢されたエクは、大阪のコンクールに参加したときに京都某所のチェロ大友氏のご実家に合宿、毎日京阪電車に乗って、門真を通って、京阪京橋で下車、いずみホールの舞台に通っていたそうです。エクとしても、学生になったみたいな思い出の場所、なのかしら。
今や大阪といえば文化不毛の地、次に誰を敵にするやら必死にあちこち火に油を注ぐ市長さんを祭り上げ熱狂する市民がいつ手のひら返して市長をズタボロにし始めるか日本中が冷たい目で(ワクワクしながら)眺めている場所。そんなところでも、こんな風に猛烈に地道なブンカ、ってか、「人を育てる」ということをやろうとしているブンカの動きがあることは、ちょっとはお見知りおきを。
どんなものなのか、ざっくりと概説すれば…
1:主催団体(民間音楽ホールの制作部だったり、公共ホールを運営する指定管理者だったり)が、コンサートを1本自主制作するために必要な予算を用意する。
2:地域の学生(過去の事例では高校生から大学生)に、「コンサートをみんなの手で作ってみましょう」と呼びかけ、演奏会制作作業をやってみたい若者を募る。無論、ボランティア。会費を取るわけでもないが、アルバイト料は出ません。
3:集まった学生を、演奏家、音楽業界関係者専門家らが指導し、ホールの担当者やスタッフが陰に日向に学生らと音楽家を援護、半年ほどかけて有料の演奏会をひとつ作ってもらい、公演を行う。
まあ、こういうもんです。こう記してみると、プロが見れば見るほど突っ込みどころ満載、初期の無鉄砲なTANでもなければ考えても実現はさせない企画ではありますねー。始めたTANは民間のNPOだから支援者が理解を示せばOKなんだろうが、公共ホールが税金を使ってやるとなれば、理屈としては「手を挙げてくれた学生らに奨学金を与える」ってような形になるんでしょうなぁ。
予算をどこまで使わせるのか、どこまでの赤字を許すのか、などなど、学生プロデューサーたちの裏で相当に老獪な担当者が微妙な(ってか、老獪、場合によっては悪辣な)動きをせねばやれない企画。有名演奏家をカタログ買いする「主催公演」の極北にある、思いっきり手間がかかり、面倒な事態は頻発し、周囲からはなにやってんだかさっぱり判らぬと言われ、客はちっとも入らず、それでいて公共ホール的な言い方での「受益者」は企画に参加した学生たちたかだか10数人のみ、だけどまかり間違って参加しちゃった学生とすれば人生や進路設定を変えかねないもの凄くインパクトの強い経験になる可能性もある、って、無謀この上ない企画です。
さても、そのルーツを言い立てれば、長野県南の某所の方など「うちだってやってた」と仰るかもしれないけど、そんなの承知の上で敢えてらんぼーに言い立てれば、東京湾岸は晴海の某音楽提供NPOで吉野直子さんのハープの妙なる調べと共に今世紀の初め頃に生まれ、荒川の彼方は人情の街たる西新井で様々なアーティストにもまれながら育ったこのプロジェクト。昨年は311で最終回だった西新井ヴァージョンが中止になったりして、いろいろと波乱の多い企画生を送っているわけであります。当電子壁新聞での報道は、この辺りからどうぞ。左下の検索で「西新井」と入れるとジャブジャブ出てきます。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
とはいうものの、ひとつの主催団体が諸事情で背負えなくなると、じゃあうちがその遺伝子を引き取りましょう、というところが出てくるのは、やっぱり企画として間違ってはいない、凄い可能性があると思っている業界関係者が少なからずいることの証。てなわけで、晴海から西新井にかけてずーっと遙か遠くから眺めていた関西で某公共ホールを指定管理者として運営するNPOの方が、精神を繋げていってくれることになった。
なんせ時間的にもバタバタで、今回は「プレ企画」という感じらしいのですけど、こんな企画になりました。

エク学生プロデュースプレスリリース.pdf
これだけを眺めても、どこがどーなって学生プロデュースなのかよー判らんものの、ともかく、こういうのがある。お近くでご関心のある方は、是非ともどんなことになってるのか眺めてくださいな、というお知らせでありました。
http://www.concertsquare.jp/blog/2012/2012012721.html
ちなみに、今回の演奏担当に抜擢されたエクは、大阪のコンクールに参加したときに京都某所のチェロ大友氏のご実家に合宿、毎日京阪電車に乗って、門真を通って、京阪京橋で下車、いずみホールの舞台に通っていたそうです。エクとしても、学生になったみたいな思い出の場所、なのかしら。
今や大阪といえば文化不毛の地、次に誰を敵にするやら必死にあちこち火に油を注ぐ市長さんを祭り上げ熱狂する市民がいつ手のひら返して市長をズタボロにし始めるか日本中が冷たい目で(ワクワクしながら)眺めている場所。そんなところでも、こんな風に猛烈に地道なブンカ、ってか、「人を育てる」ということをやろうとしているブンカの動きがあることは、ちょっとはお見知りおきを。
釜山文化会館について [音楽業界]
釜山音楽祭のガラコンサートを聴き、134番のバスで文化会館の下から釜山駅まで、黄色の点滅ばかりの金曜夜の港町のコンテナ作業場街を抜け、まあ運ちゃん、飛ばす飛ばす。黄色はGO、赤は慎重に突っ込みましょう、って調子。
無事に命を抱えて宿まで戻ってきたことに感謝。シンユンのバルトークはソロはめちゃ秀逸、ワイリー氏はなぜかドボコンの2楽章のみ、昼間には「俺、ベートーヴェンのトリプルコンチェルト以外でオケの前に出るのはホントに久しぶりなんで、聴きに来ないでくれよ」なんて冗談めかしていってたのはなんだったんだ。
そんなこんなで、今回の超短期の釜山滞在、ネタはいっぱいあるけど、釜山駅至近の宿からほど近いバス停で下りた真ん前にあったファミリーマートで、金1500ウォン也のマッコリと、いくらか記憶がないカッパえびせんを買ってしまい、ぱりんぱりん食って、750ミリリットル瞬く間に空けてしまい(マッコリはホントに危険な酒だ!)、すっかり気持ちよくなってしまった酔っ払いは、こんなへっぽこ壁新聞に書いて良いことと書けないこととの区別などつけられない真っ赤っかの海胆頭じゃぞ。だから、当たり障りのないことだけ書くぞ。昼間にニックとした、バルトークの第6弦楽四重奏の終楽章のアレグロ初稿なんて話は、絶対にしないぞっ!←ほーら、吃驚でしょ。今度、どっかにバルトークの6番の曲解を書く機会があったら、そこで記します。期して待て、マニア共っ!ちなみに、予定はまるっきり無しです。
んで、今回の超短期ツアーで二日間通った、釜山文化会館について記ましょか。
釜山文化会館は、正直、かなり行き難いです。釜山駅から港を挟んだ向こうの岬(ってのかなぁ)の上にあります。いつ建てられたのか、スイマセン、知りません。でも、正面広場にあるチェロの像が2010年のものだし、とってもバブルっちーんで、この10年以内なんでしょ。←こんな発言、信じるべからず。知りたかったら自分で調べなさい。
丘全体がブンカコンプレックスになっていて、UN記念公園(よーするに、朝鮮戦争メモリアルパークです)を中心に、釜山博物館と、アーツサンターっぽく文化会館の3つのホールが独立棟として建ってます。感じは、もろにリンカーンセンターで、正面のメトに相当するのが昨日今日の釜山音楽祭の会場になった大劇場。でかく見えるけど客席は1000ちょっとくらいという適正規模。で、その左右に劇場と、小劇場だかが配置されてます。
道を挟んで、ってか、昔のリンカーンセンターとジュリアード音楽院みたいに、134番のバスが釜山駅からやって来る通りをふさぐようにして広場になっていて、反対側が博物館とメモリアルパークになってる。遙かに韓国の熱海、ヘウンデに向かう横浜ベイブリッジの3倍くらいの感じのデカイ橋が眺められます。肉眼ではもう真っ暗な時間の写真、ぶれてるなぁ。
ここで、昨晩はボロメーオQがマック4台並べ、後ろのスクリーン下ろして、ベートーヴェンのラズモ3番のオリジナル譜面と、「死と乙女」の現存する2楽章コーダ前までのオリジナル譜面を投影しながら、演奏した。
今日はガラコンサート。明日以降もなんのかんのあるみたい。
このホール、表はもの凄く豪華です。どういう意図か知らぬが、やたらとソファーなどがあります。
だけど、クロークというものがありません。ってか、クロークというシステムそのものがありません。ミネアポリスや、そういえばこの前のハイデルベルクもそうだったっけ、ノンビリした田舎ではロビーの隅に勝手に聴衆がコートかけてくセキュリティ皆無のハンガーがずらっと並んでることもあるけど、そーゆーのもない。聴衆はみんなコート着たまま入ってきます。でも、さもありなん。コートが必要なくらい寒いんですわ。イーサン曰く、「ホールが光熱費をケチってるの。練習のときなんて凍え死ぬかと思ったわ」。ううううん。
他のホールは知らないけど、大劇場でいちばん印象的なのは、開演ベルです。こんなん。
お判りでしょうか。鴎の声、それから、船の霧笛(ってのかしら)です。いかにも過ぎる港町情緒たっぷりな、なかなかナイスな開演の合図ですね。横浜みなとみらいが、最初の頃はライブで銅鑼を叩いてたのを思い出してしまった(なんか、酔っ払いの記憶混乱のようにも思えるけど)。
この施設が、釜山市民にとってどーゆー意味があるのか、たびの空の身にはよー判らんです。でも、とにもかくにも、こんな立派なファシリティが関門海峡を越えた北側にあることを、博多の皆さんなんぞは本気で脅威に思ってほしいもんですな。
さて、もう寝るべーか。起きて、荷物詰めて、さっさと湾岸に戻りましょ。エアプサンさん、宜しくね。事前ネットチェックインなんて立派なもんもないけどさ。
そんなこんなで、今回の超短期の釜山滞在、ネタはいっぱいあるけど、釜山駅至近の宿からほど近いバス停で下りた真ん前にあったファミリーマートで、金1500ウォン也のマッコリと、いくらか記憶がないカッパえびせんを買ってしまい、ぱりんぱりん食って、750ミリリットル瞬く間に空けてしまい(マッコリはホントに危険な酒だ!)、すっかり気持ちよくなってしまった酔っ払いは、こんなへっぽこ壁新聞に書いて良いことと書けないこととの区別などつけられない真っ赤っかの海胆頭じゃぞ。だから、当たり障りのないことだけ書くぞ。昼間にニックとした、バルトークの第6弦楽四重奏の終楽章のアレグロ初稿なんて話は、絶対にしないぞっ!←ほーら、吃驚でしょ。今度、どっかにバルトークの6番の曲解を書く機会があったら、そこで記します。期して待て、マニア共っ!ちなみに、予定はまるっきり無しです。
んで、今回の超短期ツアーで二日間通った、釜山文化会館について記ましょか。
釜山文化会館は、正直、かなり行き難いです。釜山駅から港を挟んだ向こうの岬(ってのかなぁ)の上にあります。いつ建てられたのか、スイマセン、知りません。でも、正面広場にあるチェロの像が2010年のものだし、とってもバブルっちーんで、この10年以内なんでしょ。←こんな発言、信じるべからず。知りたかったら自分で調べなさい。
丘全体がブンカコンプレックスになっていて、UN記念公園(よーするに、朝鮮戦争メモリアルパークです)を中心に、釜山博物館と、アーツサンターっぽく文化会館の3つのホールが独立棟として建ってます。感じは、もろにリンカーンセンターで、正面のメトに相当するのが昨日今日の釜山音楽祭の会場になった大劇場。でかく見えるけど客席は1000ちょっとくらいという適正規模。で、その左右に劇場と、小劇場だかが配置されてます。

このホール、表はもの凄く豪華です。どういう意図か知らぬが、やたらとソファーなどがあります。

他のホールは知らないけど、大劇場でいちばん印象的なのは、開演ベルです。こんなん。
この施設が、釜山市民にとってどーゆー意味があるのか、たびの空の身にはよー判らんです。でも、とにもかくにも、こんな立派なファシリティが関門海峡を越えた北側にあることを、博多の皆さんなんぞは本気で脅威に思ってほしいもんですな。
さて、もう寝るべーか。起きて、荷物詰めて、さっさと湾岸に戻りましょ。エアプサンさん、宜しくね。事前ネットチェックインなんて立派なもんもないけどさ。
「楽しい」も「簡単な」も「わんぱく」もなく [音楽業界]
1日夕方が続いているような、ドンヨリした曇り空のハイデルベルクです。「ハイデルベルクの春」音楽祭最終日、これからまた新市街のアルテ・ペタゴギッシュ・ホッホシューレに行き、延々となんのかんの。で、深夜までやってた筈の昨日の感想をひとことだけ。
ええと、昨今、なんだろーが、日本国のローカルな都市で「音楽祭」というイベントが大流行で、朝から晩までいろんな演奏会を次々やるのはもう完全に定番でありますな。その基本にあるのは、「誰でも楽しいクラシック」であり「簡単な入門の音楽を次々と」であり「わんぱくな君も楽器にチャレンジ」であり、ま、よーするに、いかに間口を広げるか、が課題。みんながジャブジャブ来てくれないと、自治体が金を出したりするわけにいかぬ、と首長さんが口から泡を吹いたりするわけだしさ。
んで、昨日のハイデルベルクのイベント、正直、「楽しく」もなければ「簡単」でもなければ、ましてや「わんぱくちびっ子」など相手にしていない。集まるのはこの街の御隠居たち、ま、みんな車で来てるからフランクフルト南部やらシュトゥットガルトの北、マンハイムやらくらいの人も来てるんだろうけど、ともかく、数百人の老人が相手です。
んで、やってることも、もう全く媚がない。なんせ、学校講堂に並べた300くらいの椅子をいっぱいに、老男女が自由席確保に列を成し、熱心に聴き入るレクチャーが、「ベートーヴェン作品131の構造分析」であります。講師はかのアルバン・ベルクQのチェロ奏者、エルベン先生。それにアマリリスQにセカンドはヴォーチェQの眼鏡っ娘じゃない方を入れた弦楽四重奏が横にいて、いろいろ音を出す。
レクチャーは、いきなり「オヴィデウスの「メタモルフォーゼン」に於けるアポロとヒアキントスは…」で始まって、ゲーテが出て来て、いつ弦楽四重奏が出てくのかと思う頃にやっと演奏家が出て来て、そこから先は冒頭のファーストの音型が「トリスタン」の溜息モチーフに似てる話になり、延々とモチーフの変容を追いかけ、最後は、コーダの12小節がまるで「サロメ」の最後のように突然終わる、ってさ。楽しい、だとか、感動、とかいう言葉は一切ありません。そんなこと、説明に使う言葉じゃないんでしょーな。
どこをどう叩いてもまるっきりガチガチ。これ以上固いネタをやってくれ、と言われても困るくらいのもの。それを1時間半弱、延々とやってて、聴衆は誰一人逃げ出さない。
そう、ここに、教養がある。もう正真正銘、逃げも隠れも出来ない、なんか文句あるかって教養がジャブジャブ溢れてるのでありますよ。これで15Euroの有料イベントです。
無論、この後、夜の9時からは同じ会場にバーカウンターを持ち込み、テーブル席も並べ、ビールやワインを飲みながら楽しく深夜まで次々と演奏を聴く、というお楽しみも控えているわけですけど…ショスタコの2番第1楽章で始まり、モーツァルトのト短調五重奏、それからヴェーベルンの作品5、って「楽しい」曲が並び、みんなビールを片手に、シーンと沈黙し集中して聴いてるぞ。ま、夜の10時を過ぎたところで小生はトンズラしたのだけど、その後にスカンジナヴィアのフィドル大会になったり、アコーディオンが出て来たりするんで、そっから空気が変わるんだろうだけどさぁ。
だからなんだ、ってんじゃないです。でも、こういう「ちびっ子」が「わんぱく」に「ふれあう」んじゃない音楽祭が、ここにはある、ってこと。それだけ。
フランクフルト空港から1時間という便利な場所なんだから、ちょっくら橋下市長でもご招待したいですね。これに1日付き合ってくれるなら、飛行機代、あたしが出して上げるよ。
ええと、昨今、なんだろーが、日本国のローカルな都市で「音楽祭」というイベントが大流行で、朝から晩までいろんな演奏会を次々やるのはもう完全に定番でありますな。その基本にあるのは、「誰でも楽しいクラシック」であり「簡単な入門の音楽を次々と」であり「わんぱくな君も楽器にチャレンジ」であり、ま、よーするに、いかに間口を広げるか、が課題。みんながジャブジャブ来てくれないと、自治体が金を出したりするわけにいかぬ、と首長さんが口から泡を吹いたりするわけだしさ。
んで、昨日のハイデルベルクのイベント、正直、「楽しく」もなければ「簡単」でもなければ、ましてや「わんぱくちびっ子」など相手にしていない。集まるのはこの街の御隠居たち、ま、みんな車で来てるからフランクフルト南部やらシュトゥットガルトの北、マンハイムやらくらいの人も来てるんだろうけど、ともかく、数百人の老人が相手です。
んで、やってることも、もう全く媚がない。なんせ、学校講堂に並べた300くらいの椅子をいっぱいに、老男女が自由席確保に列を成し、熱心に聴き入るレクチャーが、「ベートーヴェン作品131の構造分析」であります。講師はかのアルバン・ベルクQのチェロ奏者、エルベン先生。それにアマリリスQにセカンドはヴォーチェQの眼鏡っ娘じゃない方を入れた弦楽四重奏が横にいて、いろいろ音を出す。
どこをどう叩いてもまるっきりガチガチ。これ以上固いネタをやってくれ、と言われても困るくらいのもの。それを1時間半弱、延々とやってて、聴衆は誰一人逃げ出さない。
そう、ここに、教養がある。もう正真正銘、逃げも隠れも出来ない、なんか文句あるかって教養がジャブジャブ溢れてるのでありますよ。これで15Euroの有料イベントです。
無論、この後、夜の9時からは同じ会場にバーカウンターを持ち込み、テーブル席も並べ、ビールやワインを飲みながら楽しく深夜まで次々と演奏を聴く、というお楽しみも控えているわけですけど…ショスタコの2番第1楽章で始まり、モーツァルトのト短調五重奏、それからヴェーベルンの作品5、って「楽しい」曲が並び、みんなビールを片手に、シーンと沈黙し集中して聴いてるぞ。ま、夜の10時を過ぎたところで小生はトンズラしたのだけど、その後にスカンジナヴィアのフィドル大会になったり、アコーディオンが出て来たりするんで、そっから空気が変わるんだろうだけどさぁ。
だからなんだ、ってんじゃないです。でも、こういう「ちびっ子」が「わんぱく」に「ふれあう」んじゃない音楽祭が、ここにはある、ってこと。それだけ。
フランクフルト空港から1時間という便利な場所なんだから、ちょっくら橋下市長でもご招待したいですね。これに1日付き合ってくれるなら、飛行機代、あたしが出して上げるよ。
社交の世界 [音楽業界]
なんせ昨晩は、午後7時に始まったカザルスQの演奏会が実質フルコンサートで、途中の休憩を短めにしたとはいえショスタコの9番の演奏が終わったのが7時25分。地下の円形小ホールから駆け上がって、予想通り壮大にごった返している招待券受け付けに列を作る。と、混雑するロビーにこんな方もいらしてて、どーもどーもとご挨拶したり。
パリの方はドイツや日本とは違い周囲がどーであれ自分の都合を延々と言い立てます。だから開演5分前というのに、列は全然短くならない。もう開演時間になった頃にやっと切符をいただけたと思ったら、横で列を邪魔するみたいに立ってたオバチャンに「あなたはひとりなんだから、もう1枚余ってないの」と突っ込まれる(なるほど、コンサートにひとりで来ることはない、ってのがやっぱり前提なんだなぁ)。なんなんだい。
んで、慌てて音楽ホールの座席に向かうと、これまたパリでは当然のことながら、開演時間を過ぎたら良い席が空いてれば誰かがどっかから来てちゃっかり座ってる。で、動かすのも面倒なので、後ろに立ってればいいや、と腹を据えたら、目の前をプロカルテットのザイゼル総裁がやっぱりご遅刻。いつものように飄飄と歩いてて、「おげんき~」と遠くを見るような目でお馴染みの脱力系のしゃべり方。このあとハイデルベルクにアマリリスQにインタビューしにいくんで、ここは明日までなんですよ、と応えると、「おお、我が可愛い子ども達、良い子達…」と呟いて、再び遠くを見るような目をして去って行きましたとさ。なんせ、メルボルンの審査員さんだもんね。
かくて5分押しくらいで始まった今回のクァルテット・ビエンナーレのハイライト、クロノスQのコンサートは延々と続き、終わったら深夜の11時をまわってました。
ステージで起きたことは商売モンなんでここでは記せませんけど、面白いのは客席です。1階平土間の真ん中に、どかんと、正に文字通りどかんと、ヴォルフガング・リーム御大がお座りであります。周囲にお付きの者もはべらせておられます。で、その前に業界関係者が列を作り、挨拶をしておいでです。演奏家関係は無論のこと(ガースのお姿を久しぶりに見たです、あたしゃヴィオラ・スペースはとんと無縁なもので)、ソニア・ジメナウアーおばさま以下、小生も誰かが判るような業界関係者がご挨拶をしている。ほれ、完全にパパラッチだなぁ。誰が誰かは敢えて説明しませんが、真ん中に大きく写ってるオッサンは関係ありません。向こうに向けて歩いて行くのが誰かも、お判りでしょ。リーム御大がどれかは、知りたかったらグーグルの写真検索でもしてご覧なさい。ホルス・シュタイン風、ってば判るかな。
結局、こういうライブでの演奏会というのは、演奏を聴くのも重要だけど、いかにもこの場所にいそうな人に会う、ということの方が遙かに大切なんだなぁ、とあらためて思うです。パリで長く働くある日本人演奏家さんが、「パリのお客さん、音楽は好きじゃないから」とぼそっと仰ったことがある。たしかに、それは一面真理なんでしょーねぇ。
ちなみに、ちょっとだけ中身について触れれば、問題のライヒの「WTC911」パリ初演は、驚く程あっさりと流した感じでした。この曲、ライブで聴くと、ディスクやNHKでやったドキュメンタリーみたいに言葉がハッキリは聴き取れません。第1部ですら言葉というよりも響きになってしまいます。エンジニアがいて、リハーサルをきっちりやってのことだろうから、意図的なんでしょうねぇ。
それから、リームをクロノス様式で大丈夫なのか、とアホな心配をしたわけですけど、この第7番というのはクロノスQのために書かれたもので、その前の6番の乱暴な響きに溢れかえった音楽とはちょっと違うものでした。ウッドブロックがじゃんじゃん出て来たり、それまでの6曲とは相当に違います(アーヴィンなら、あれはピチカートの種類を違えればやれるから必要ない、と言いそうだなぁ)。リームの作品、アンプリファイした方が無理がないんじゃないか、と思えたのは収穫でした。
てなわけで、パリはあと1日。今日はディオティマが2曲、そしてアーヴィン社長の会社が新作をやります。ディオティマは売り切れだけど、お暇ならパリの北千住までどーぞ。どーゆーわけか、リームの13番の世界初演のあとに、エベーヌQがチャイコフスキーやりますでぇ。なんなんねん。

んで、慌てて音楽ホールの座席に向かうと、これまたパリでは当然のことながら、開演時間を過ぎたら良い席が空いてれば誰かがどっかから来てちゃっかり座ってる。で、動かすのも面倒なので、後ろに立ってればいいや、と腹を据えたら、目の前をプロカルテットのザイゼル総裁がやっぱりご遅刻。いつものように飄飄と歩いてて、「おげんき~」と遠くを見るような目でお馴染みの脱力系のしゃべり方。このあとハイデルベルクにアマリリスQにインタビューしにいくんで、ここは明日までなんですよ、と応えると、「おお、我が可愛い子ども達、良い子達…」と呟いて、再び遠くを見るような目をして去って行きましたとさ。なんせ、メルボルンの審査員さんだもんね。
かくて5分押しくらいで始まった今回のクァルテット・ビエンナーレのハイライト、クロノスQのコンサートは延々と続き、終わったら深夜の11時をまわってました。
ステージで起きたことは商売モンなんでここでは記せませんけど、面白いのは客席です。1階平土間の真ん中に、どかんと、正に文字通りどかんと、ヴォルフガング・リーム御大がお座りであります。周囲にお付きの者もはべらせておられます。で、その前に業界関係者が列を作り、挨拶をしておいでです。演奏家関係は無論のこと(ガースのお姿を久しぶりに見たです、あたしゃヴィオラ・スペースはとんと無縁なもので)、ソニア・ジメナウアーおばさま以下、小生も誰かが判るような業界関係者がご挨拶をしている。ほれ、完全にパパラッチだなぁ。誰が誰かは敢えて説明しませんが、真ん中に大きく写ってるオッサンは関係ありません。向こうに向けて歩いて行くのが誰かも、お判りでしょ。リーム御大がどれかは、知りたかったらグーグルの写真検索でもしてご覧なさい。ホルス・シュタイン風、ってば判るかな。

ちなみに、ちょっとだけ中身について触れれば、問題のライヒの「WTC911」パリ初演は、驚く程あっさりと流した感じでした。この曲、ライブで聴くと、ディスクやNHKでやったドキュメンタリーみたいに言葉がハッキリは聴き取れません。第1部ですら言葉というよりも響きになってしまいます。エンジニアがいて、リハーサルをきっちりやってのことだろうから、意図的なんでしょうねぇ。
それから、リームをクロノス様式で大丈夫なのか、とアホな心配をしたわけですけど、この第7番というのはクロノスQのために書かれたもので、その前の6番の乱暴な響きに溢れかえった音楽とはちょっと違うものでした。ウッドブロックがじゃんじゃん出て来たり、それまでの6曲とは相当に違います(アーヴィンなら、あれはピチカートの種類を違えればやれるから必要ない、と言いそうだなぁ)。リームの作品、アンプリファイした方が無理がないんじゃないか、と思えたのは収穫でした。
てなわけで、パリはあと1日。今日はディオティマが2曲、そしてアーヴィン社長の会社が新作をやります。ディオティマは売り切れだけど、お暇ならパリの北千住までどーぞ。どーゆーわけか、リームの13番の世界初演のあとに、エベーヌQがチャイコフスキーやりますでぇ。なんなんねん。
…出てこないチケットはない [音楽業界]
パリは曇り。週末にかけて天気は下り坂で、どうやら小生が金曜日から向かう「ハイデルベルク弦楽四重奏音楽祭」は雪模様になりそうです。いやはや。ま、この季節の北米東海岸に比べれば、まだまだ人間が生きていられる気候だけどさ。
さても、昨日は「どうやって唯一ゲット出来ていない木曜日のディオティマQの切符を手に入れるか」が課題の日でありました。なんせ、シテ・ド・ラ・ムジークの広報さん曰く「この切符だけはこちらの手元にも1枚もない、スイマセン」だし、ディオティマの連中曰く「どういうわけか1ヶ月も前から売り切れちゃってて、僕たちもビックリしてる。ホントに申し訳ないけど、ゴメン、なんともならぬ。」
こーなると燃えるわなぁ。
んで、どういう策を弄するか、まあ最悪、立ち席で入れろと並んで入り込むという手はある。それに、せいぜいが客席数300ほどの地下の円形ホールとはいえ、1ヶ月前から売り切れということは、絶対に当日になって来られない奴が5人や10人はいるのが常識。客席がパンパンになることはあり得ない。どーにかなるだろう。とはいえ、いろいろ手を打って、「チケットを必死に探してる奴がいる」という風にチケット関係スタッフに思われておくにこしたことはない。幸いこちとら、遙か極東の放射性物質まみれの島国からリーム聴くためにシベリア越えて来た酔狂な奴、って相手に印象付けられるので、ちょっとは有利だしさ。
そんなこんなで、まずはきっちり、劇場に入って真っ直ぐのところの受け付けで、木曜日の切符はなんとかならんか、立ち席チケットとか出す予定はないのか、と言い立てると、わしゃわからぬのであっちに行け、と奥のチケットブースを指差す。
おや、今日はチケットブース、ガラガラでんがな。どういうわけかいつも人がいっぱい並んでて、これまでまともに立ち寄っていなかった。これは夜の様子。こんな感じ。
昨日の昼間は、どうも音楽ホールの方に小学生から中学生くらいまでを集めてなんかお招きイベントをやってたようで、ブースではおねーさんが暇そうにしてる。3ヶ月程やってたような人気のパウル・クレー展も去る日曜日に終わって、全体にこの施設全体が一休み、って感じです。
アンジェラ・アキってか、ララ・ムスクリーニってか、フランスには必ずどっかにいるタイプの眼鏡美人さんに、これこれこーゆーわけで木曜日のチケット、そう、アルディッティの方じゃなくてディオティマ、なんとかならんか、と訴えるに、なんとなんと、「あるわよ」とあっさり仰る。
ええええ、だって、全然なくて、みんな困ってるんですよぉ。でも、ある。あたし今朝チェックしたら、1枚あったわ。要るの。残念ながら招待券にするわけにはいかないけど、あなたはジャーナリストさんだというから、14Euroのディスカウントにしてあげられるわ。それでいいかしら。
むろん、良いに決まってるじゃーないのっ!
てなわけで、いやぁ、チケットというのはホントにエニグマだ、なにがどうなってるか分けわかんないわよねぇ、と間抜けこの上ない会話をしながらチケットを発券して貰い、無事に手に入ったわけであります。
ディオティマの連中に連絡したら、どーやって引っ張り出したんだ、と驚いてました。いや、単にボックスオフィスに行って、ありませんかと尋ねたら、ありました、ってだけのこと。ちなみにディオティマは、リーム初期の1番と、最もパワフルだった頃の8番とをやります。パリの人はみんなそんなにこれらの曲が聴きたいのかぁ。
かくてご教訓。「どんなに売り切れと言われても、ともかく現地のボックスオフィスに行って、ありませんか、と尋ねてみるべし。」
「明けない夜がないように…」
さても、昨日は「どうやって唯一ゲット出来ていない木曜日のディオティマQの切符を手に入れるか」が課題の日でありました。なんせ、シテ・ド・ラ・ムジークの広報さん曰く「この切符だけはこちらの手元にも1枚もない、スイマセン」だし、ディオティマの連中曰く「どういうわけか1ヶ月も前から売り切れちゃってて、僕たちもビックリしてる。ホントに申し訳ないけど、ゴメン、なんともならぬ。」
こーなると燃えるわなぁ。
んで、どういう策を弄するか、まあ最悪、立ち席で入れろと並んで入り込むという手はある。それに、せいぜいが客席数300ほどの地下の円形ホールとはいえ、1ヶ月前から売り切れということは、絶対に当日になって来られない奴が5人や10人はいるのが常識。客席がパンパンになることはあり得ない。どーにかなるだろう。とはいえ、いろいろ手を打って、「チケットを必死に探してる奴がいる」という風にチケット関係スタッフに思われておくにこしたことはない。幸いこちとら、遙か極東の放射性物質まみれの島国からリーム聴くためにシベリア越えて来た酔狂な奴、って相手に印象付けられるので、ちょっとは有利だしさ。
そんなこんなで、まずはきっちり、劇場に入って真っ直ぐのところの受け付けで、木曜日の切符はなんとかならんか、立ち席チケットとか出す予定はないのか、と言い立てると、わしゃわからぬのであっちに行け、と奥のチケットブースを指差す。
おや、今日はチケットブース、ガラガラでんがな。どういうわけかいつも人がいっぱい並んでて、これまでまともに立ち寄っていなかった。これは夜の様子。こんな感じ。
アンジェラ・アキってか、ララ・ムスクリーニってか、フランスには必ずどっかにいるタイプの眼鏡美人さんに、これこれこーゆーわけで木曜日のチケット、そう、アルディッティの方じゃなくてディオティマ、なんとかならんか、と訴えるに、なんとなんと、「あるわよ」とあっさり仰る。
ええええ、だって、全然なくて、みんな困ってるんですよぉ。でも、ある。あたし今朝チェックしたら、1枚あったわ。要るの。残念ながら招待券にするわけにはいかないけど、あなたはジャーナリストさんだというから、14Euroのディスカウントにしてあげられるわ。それでいいかしら。
むろん、良いに決まってるじゃーないのっ!
てなわけで、いやぁ、チケットというのはホントにエニグマだ、なにがどうなってるか分けわかんないわよねぇ、と間抜けこの上ない会話をしながらチケットを発券して貰い、無事に手に入ったわけであります。
ディオティマの連中に連絡したら、どーやって引っ張り出したんだ、と驚いてました。いや、単にボックスオフィスに行って、ありませんかと尋ねたら、ありました、ってだけのこと。ちなみにディオティマは、リーム初期の1番と、最もパワフルだった頃の8番とをやります。パリの人はみんなそんなにこれらの曲が聴きたいのかぁ。
かくてご教訓。「どんなに売り切れと言われても、ともかく現地のボックスオフィスに行って、ありませんか、と尋ねてみるべし。」
「明けない夜がないように…」
エルマウ城のコンサート・シリーズ [音楽業界]
ミュンヘンから車でアウトバーンと国道をぶっ飛ばして1時間半と少し、リヒャルト・シュトラウスが最晩年を過ごした場所として知られるガルミッシュ・パルテンキルヘンの更に奥の、オーストリア国境に近いプライベートな敷地にある、エルマウ城という場所に行って来たです。
100年程前に建てられたこの「お城」は、一種のプライベートな保養所で、いろんな経緯を経て戦後には「ドイツ文化のメルティング・ポット」となりました。つまり、芸術家、政治家、経済界のVIPなどが滞在し、普段の付き合いとは違う関係を作り、結果として山から下りてその関係を様々に展開することになる場所。音楽関係では1950年代にブリテンとピアーズが訪れ、その環境にビックリし、音楽祭を始めた。他にも、アマデウスQやボザール・トリオが長期滞在し、そこに学生がやってきたり音楽祭に参加したり。要するに、シモン・ゴールドベルクも出入りしていた初期の頃のアスペンみたいな場所ですね。
ドイツの文化というとどうしても行政支援が手厚く、都市のオペラやオーケストラが話題の中心になるわけですが、ここはもっと個人レベルのプライベートな場所で、音楽も室内楽や歌が中心です。2004年だかにかつての建物が火事で倒壊し(3台あったスタインウェイは1台は生き残ったそうな)、その後、流石にそれまでの「文化と雰囲気があるだけ」のストイックな空間をそれなりに今風にし(とはいえ、上海やドバイやシンガポール、はたまた東京の六本木やら表参道風な「デベロッパーに金を払って作らせた豪華さ」とはちょっと違いますけど)、ドイツ内陸唯一の超高級スパホテルリゾートになった。これがメインホール。
音楽に関しては、SONYヨーロッパにいた方がレコード業界に見切りを付けてこの場所のプログラム・ディレクターに転身、音楽や映画のシリーズを年間通して作ってます。小生は彼女がSONY時代に存じ上げていて、「ここは予算を全部自分で使えて、自分でファンディングする必要が無いので、夢みたいよ、オーナーが滅茶苦茶働く人で大変だけど」とのことでありました。これが今やってる「クァルテット+」というシリーズ。月末はクレメラータ・ムジカが来て滞在します。実は内田光子のボストリッジとのデュオは、ここに滞在して作ったそうな。
http://www.schloss-elmau.de/english/cultureevents/index.html
建物の中にコンサート会場が実質ふたつもある場所でのこのシリーズ、どうしてたった200人ほどの聴衆を相手にやれるのか、不思議に思うでしょうねぇ。ヘンシェルQのモニカも「判らない、不思議よね」と申しておりましたが、ディレクターさんに話をきけば、ま、ある程度は判る気になる。
よーするに、ここ、演奏家はノーギャラなんです。
えええ、と思うでしょうねぇ。でも、演奏のギャラはないけど、1泊最低でも700ユーロの部屋に滞在でき、飯が出て、好きに施設を使える。ヘンシェルみたいに日帰りの例外チームにはクーポンをくれるそうな。
おお、どっかで聞いたような話だなぁ、と思うでしょうねぇ。そー、なんのことはない、ゆふいん音楽祭と同じなんですわ。
小生とすれば、今、この瞬間に、この場所でこのようなあり方を眺めさせていただくのは、抱えている単行本の記述にとってとても意味のあることでした。まさかこんなに直接関係するとは想像だにしなかったけれどさ。中谷さんたちが今の由布院を作り上げていくときの根っこにバーデン・バーデン近郊での経験があると繰り返しています。でも、もし彼らが出会ったのがエルマウ城だったら、今の由布院とは違う場所があったかもしれないな、と思わないでもない。ま、70年代に人脈もなく武者修行であちこち眺めていた由布院の伝説のプロデューサーさんたちとすれば、余程の偶然や僥倖もなければこういう場所に行き着くことはあり得ないわけだし、そもそもここは誰もいない修道院みたいな「魔の山」なのだから、現地の人々が住んで生活している由布盆地のお手本にはならなかったかもしれないしけどさ。
改装以降は基本的に「暇とお金のある方はどうぞ」なので(その意味では、きっちり誰かが微妙な手綱さばきをし続けねばならない)、厄天庵上層階にお住みの方などは1週間程過ごしてみてはいかがでしょうか。恐らくは裏ジョークで、ドイツではおおっぴらに書いてはいけない発現なんだろうけど、「ロシア人とアラブ人はいない」そうな。ま、趣味の問題なんでしょうけどね。
なお、スタッフは全部プロですので、ボランティアでどーの、というのはありません。悪しからず。
100年程前に建てられたこの「お城」は、一種のプライベートな保養所で、いろんな経緯を経て戦後には「ドイツ文化のメルティング・ポット」となりました。つまり、芸術家、政治家、経済界のVIPなどが滞在し、普段の付き合いとは違う関係を作り、結果として山から下りてその関係を様々に展開することになる場所。音楽関係では1950年代にブリテンとピアーズが訪れ、その環境にビックリし、音楽祭を始めた。他にも、アマデウスQやボザール・トリオが長期滞在し、そこに学生がやってきたり音楽祭に参加したり。要するに、シモン・ゴールドベルクも出入りしていた初期の頃のアスペンみたいな場所ですね。
ドイツの文化というとどうしても行政支援が手厚く、都市のオペラやオーケストラが話題の中心になるわけですが、ここはもっと個人レベルのプライベートな場所で、音楽も室内楽や歌が中心です。2004年だかにかつての建物が火事で倒壊し(3台あったスタインウェイは1台は生き残ったそうな)、その後、流石にそれまでの「文化と雰囲気があるだけ」のストイックな空間をそれなりに今風にし(とはいえ、上海やドバイやシンガポール、はたまた東京の六本木やら表参道風な「デベロッパーに金を払って作らせた豪華さ」とはちょっと違いますけど)、ドイツ内陸唯一の超高級スパホテルリゾートになった。これがメインホール。
http://www.schloss-elmau.de/english/cultureevents/index.html
建物の中にコンサート会場が実質ふたつもある場所でのこのシリーズ、どうしてたった200人ほどの聴衆を相手にやれるのか、不思議に思うでしょうねぇ。ヘンシェルQのモニカも「判らない、不思議よね」と申しておりましたが、ディレクターさんに話をきけば、ま、ある程度は判る気になる。
よーするに、ここ、演奏家はノーギャラなんです。
えええ、と思うでしょうねぇ。でも、演奏のギャラはないけど、1泊最低でも700ユーロの部屋に滞在でき、飯が出て、好きに施設を使える。ヘンシェルみたいに日帰りの例外チームにはクーポンをくれるそうな。
おお、どっかで聞いたような話だなぁ、と思うでしょうねぇ。そー、なんのことはない、ゆふいん音楽祭と同じなんですわ。
小生とすれば、今、この瞬間に、この場所でこのようなあり方を眺めさせていただくのは、抱えている単行本の記述にとってとても意味のあることでした。まさかこんなに直接関係するとは想像だにしなかったけれどさ。中谷さんたちが今の由布院を作り上げていくときの根っこにバーデン・バーデン近郊での経験があると繰り返しています。でも、もし彼らが出会ったのがエルマウ城だったら、今の由布院とは違う場所があったかもしれないな、と思わないでもない。ま、70年代に人脈もなく武者修行であちこち眺めていた由布院の伝説のプロデューサーさんたちとすれば、余程の偶然や僥倖もなければこういう場所に行き着くことはあり得ないわけだし、そもそもここは誰もいない修道院みたいな「魔の山」なのだから、現地の人々が住んで生活している由布盆地のお手本にはならなかったかもしれないしけどさ。
改装以降は基本的に「暇とお金のある方はどうぞ」なので(その意味では、きっちり誰かが微妙な手綱さばきをし続けねばならない)、厄天庵上層階にお住みの方などは1週間程過ごしてみてはいかがでしょうか。恐らくは裏ジョークで、ドイツではおおっぴらに書いてはいけない発現なんだろうけど、「ロシア人とアラブ人はいない」そうな。ま、趣味の問題なんでしょうけどね。
なお、スタッフは全部プロですので、ボランティアでどーの、というのはありません。悪しからず。




