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マンハッタンの動物たち~珍客遭遇編 [マンハッタン無宿]

昨日はマンハッタン厄偏庵にお籠もりと宣言した筈が、午前中に栗鼠さんと遊びながらテープ起こしをひとつ終えたら、
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なんかもーいーやという気になってしまい、午後からセントラルパークの「京都御所水場」みたいな鳥さん見物名所「ランブルの水場」の方へとフラフラ足を伸ばしましたです。

と、すっかり葉っぱが落ちて、枝ばかりになった森の中が、なにやらおかしなことになってる。土曜日の午後と言え、スーパームーンが眺められるまでの時間をブラブラお安く過ごそうという貧乏なカップルやら、ニューヨークに来たのだから定番観光地セントラルパークは訪れねばならぬという勢いのアジア系観光客の皆さんばかりではなく、明らかにバーダーさんと思われるご夫婦、長いレンズ抱えたオッサンなどが、落ちた葉っぱの間の散策路をウロウロしてるぞ。
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水場の横でカラの群れを眺めながらちょっと立ち話をすると、「知らないのか、ニューヨーク州で発見が3件目のフライキャッチャーがいるんだよ。」
https://www.birdingbob.com/single-post/2017/11/29/RARE-wowsa-rare-and-we-were-there-to-make-the-discovery-in-Central-Park
へえええ、ってもねぇ、こっちは世界最悪の害鳥たるホシムクドリだって珍しい極東からの訪問者。正直、そんなもんよりも、どこにだっているブルージェイさんやら
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紅葉の時期限定の柿の実擬態をしている北米カージナルさんの方がよっぽど珍しいし
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可愛さという一点に絞れば北海道のシマエナガ、朝鮮半島のダルマエナガと並ぶ可愛さチャンピオン、エボシガラさんが群れで水場にいる方にキャーキャーしてしまう。
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水場には無論、こいつらもいらっしゃいますけどね。
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こんな「地上のドバト」たる栗鼠さんですら嬉しがる異人としてみれば、雀だって日本やロンドンでは見られぬイエスズメのお嬢さんというちょー美人さんなわけだしさ。
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京都御所の水場にも匹敵する天下の大観光地ど真ん中の飛ぶ方々見物愛好家限定の隠れたスーパー観光スポット、この季節に来ると判るのだが、水場の横に餌場が作られている。
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この辺りに、極東の島国ではいそうでいないアカゲラ色のコゲラっぽい方(Red-bellied Woodpeckerとか、Yellow-bellied Sapsuckerだそうじゃ)とか
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色は違えどやってることは札幌円山公園の冬と違わぬゴジュウカラさんとか
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いろいろいらっしゃる。

面白いのは、この場所が「公園管理のお役所がやってる」というんじゃなく「市民が勝手にやってるのを公園が黙認している」みたいな状態であること。日本だったら、あっと言う間に公園管理の指定管理会社がやってきて、こんなものぶら下げてたら撤去して歩くだろうなぁ。「公共」の意味の違いを、こんなところでも感じさせられるのであーる。

もうひとつ、こういう場所に生息するバーダーさんという動物達も、随分とニッポン国のそれとは生態が違います。日本では「都市公園のバーダー=長いレンズをズラリと並べるカメラマニアさん」だけど、写真撮影よりも夫婦での軽い山歩き、って感じの人が殆どで、ひとりで来ているマニアさんは少数派ですな。そんな中で、異彩を放っているのが、餌場に巨大レンズと三脚据えていた明らかにニッポン代表系のマニアさん。
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周囲と会話もせずに、静かに目的の鳥さんがやってくるのを待ち、来ると猛烈なシャッター音で高速連写をなさってます。良い悪いではなく、いやぁ、ブンカの違いでんなぁ。

ま、そうはいっても、猛禽類の人気は高く、頭の上にやってくれば、一斉に動いていくのは大阪城公園やらと同じ。
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Redhawkの若い子、だそーな。確かにここは、ぼーっとしてるアホな栗鼠さんとか、ちっちゃい飛ぶ方とか、いっぱいいるもんねぇ。

そんなこんな、数時間彷徨い、日も暮れてきたのでマンハッタン厄偏庵に戻るかと岩場を降りて行けば、おお、目の前をこんな方が走って藪に飛び込む。
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ミソサザイさんかと思ったら、どうやらロビン系の方でありました。

自然史博物館南の出口から公園を出て、目の前の歴史博物館でやってるヴェトナム戦争回顧展のカタログだけ買い込み
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隣のソイヤー氏のアパートの前を通り、ああ、お久しぶり、と感じ入る。なんせこのアパートに最後に入ったのはソイヤー御大にインタビューするためだったのだが、その朝にブレイニン氏の訃報が伝えられ、じいちゃん、ずーっとブレイニンさんとかカザルスとかの昔話になり、インタビューは全く使えなかったっけ。そのソイヤーさんも逝き、アイズリQのチェロさんに拠れば、本人はそんなことは全く知らないままに日本室内楽演奏史に大きな貢献をすることになった隠れた大恩人ソイヤー夫人も数年前に没し、今はここには誰もいないという。

わしらも爺になったもんじゃのぉ、ばーさんや…

てなわけで、とことこ歩いて厄偏庵近辺まで戻り、向かいのビーコン劇場は定番クリスマス・ソングの女王マライア・キャリーなんて大物やってて売り切れの文字が輝くクリスマス・シーズン始まりの土曜日の夜のブロードウェイ、♪All I want for Xmas is yuuuuuuuuu!
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フェアウェイで敢えてマンハッタンならぬニューイングランド・タイプのクラムチャウダーを買い込み、もう今日はメトの《タイス》もエド・デ・ワールト指揮NYPもいくのはやめよー、と写真を整理し始めたら、おやぁ、あたくしめがだーれもいない水場で撮影させていただいたじみーなヒタギさん、問題の超レア種さんじゃあないかいっ!
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こういう不必要なビギナーズ・ラックって、喜んで良いものやらなにやら判らず、すっかり判断停止の栗鼠さん状態になって
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さっさと寝てしまったのでありましたとさ。

日本時間6日締め切りの原稿、実質、手つかず。月曜の大陸横断機内でやるしかないっ!ふううう…

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駆けもちの仕方 [マンハッタン無宿]

メモ帳代わりに電子壁新聞使います。読者対象は自分のみ。

夏にマンハッタンで暫くダラダラしている予定が、パシフィカQのラヴィニア音楽祭キャンセルという騒動の結果北米に来ず、考えてみれば15ヶ月もマンハッタンからおさらばしていた。初めて足を踏み入れたトランプのアメリカ合衆国、それもシカゴではトランプ・タワーの真ん前、ここマンハッタン厄偏庵でも買い物の為にブロードウェイの野菜は世界一のスーパーに行こうとすると、遙か向こうにイヤでもトランプ・タワーが目に入る。なんとも、ある意味で今の資本主義世界の一部資本家投資家大企業関係者さん限定好景気を具現するマンハッタンだけど、ま、毎度ながらに貧乏な若い学生や学生が終わってどうやって喰っていこうかという奴らが室内楽をやってはいる。それを追いかけるわずか数日の滞在でありまする。

んで、金曜の晩のアイズリQのメトロポリタン美術館での演奏会に続き、3日日曜日にもいっぱいそんな類いの演奏会があるぞ。日曜と言えば、そー、伝統のニュースクール・シュナイダー・コンサートではないかぁ。調べれば、やっぱりやっていて、それこそ毎度毎度のコンクールで散々眺めるような「ニューヨーク拠点」って連中が毎週のように顔を出してる。この日曜日はこいつら。
https://www.eventbrite.com/e/the-schneider-concerts-presents-the-omer-string-quartet-tickets-37849859950
灼熱のレッジョで、このままではイタリア勢独占か、というアヤシイ勢いをなんとか止めて1位なし2位となり、秋の初めのトロンハイムでは絶対の優勝候補として参入しながらも「演奏曲目がリストに無かった」という空前の呆れた事故で2位となった、かのオマールQでありまする。

会場は、あの奇妙な音響のニュースクールのオーディトリアム。ここ、マンハッタン厄偏庵からはM7のバスでも、赤い地下鉄でも30分で行ける。とはいえ、M7はクリスマス商戦の日曜日に7番街を延々と下って行くのだから、まともに走るとは思えぬ。1時間以上かかるだろーなぁ。$2ちょっとのバス車窓NYクリスマス風景見物には最高だろうけどなぁ。これが2時から。

問題はその後なのじゃわい。

こっちはカーネギーホール主催のアウトリーチ事業で、こんなのがあります。
https://www.carnegiehall.org/Calendar/2017/12/03/NEIGHBORHOOD-CONCERT-ATTACCA-QUARTET-0400PM
アイズリQの前の前の大阪国際の覇者、我らがアタッカQが登場し、ガッツリ作品132を弾いてくれるですよ。

問題は、会場がブルックリン公共図書館で、開演が4時、ということ。つまり、オマールQを聴いてからじゃあ、ギリギリ間に合わないなぁ、ってところだわさ。ブルックリン美術館の隣でんがな。ニュースクールからユニオンスクエア駅まで歩いて、Qの地下鉄に乗れば1本でブルックリン美術館の辺りまで行くけど、結構、時間はかかりそうだなぁ。

まあ、冷静に考えれば、オマールを前半まで聴き、慌てて飛び出して、アタッカに向かう、というのが最も現実的であろ-。

それにしても、こういうことを必至で考えねばならぬ状況がまだあるということに、大いに感謝すべきでありましょうぞ。マンハッタン、昨今は楽譜屋も本屋もCD屋も、はたまた中古レコード屋も、それどころか家電量販店すら姿を消し、買い物にはなーんにも意味のない街になってしまったのが来なくなった理由でもあるのだけど、まだまだ若い連中の室内楽はいっぱいあるんだよねぇ。

そういえば、北のマンハッタン音楽院とか、はたまたコロンビア大学とか、なんかやってる可能性は高いなぁ(なんせ、今、原田先生がいらっしゃるみたいで、月曜日にはマンハッタン音楽院で公開マスタークラスがあるし)。それに、オマール&アタッカの裏番組には、両団体が束になっても敵わなさそうなこんな室内楽系では珍しいスーパーイベントもあるし。うううん、どーしてひとつくらい、土曜日にまわしてくれなかったかな。
https://www.92y.org/event/brentano-string-quartet
今や冷静に考えて「ヨーロッパではいちばん評価が高いアメリカの弦楽四重奏団」のブレンターノQですから、普通なら、これに行くんでしょうけどねぇ….。もひとつ、極めつけはこれ。
https://www.elliottcarter.com/events/20171118-052609/
おいおいおい、いい加減にしてくれよぉ。ゲンダイオンガク系の方は、もうこのためにNYCまで来そうな勢いの出し物じゃんかぁ。

そんなこんな、メトロポリタン美術館のシリーズが「室内楽」のオーセンティシティから遠い企画ものになりつつあり、ちょっと淋しくなっていたけど、これだけ派手にバッティングしてくれるなんて、まだまだやるじゃん、マンハッタン!

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優勝団体に遭いにいく・その2:第9回大阪国際室内楽コンクール第1部門アイズリQ [大阪国際室内楽コンクール]

今回の超短期北米滞在の大きな目的のひとつが、かつて大阪国際室内楽コンクール第1部門を制したふたつの団体が、共に現在は本拠地とするニューヨーク・シティで日を空けずに演奏会をするのを聴きに行くことにありました。まずは、半年と少し前に優勝したばかりのアイズリQが、この秋からのシーズンでレジデンシィを勤めるメトロポリタン美術館が主催するシリーズ第2回目のコンサートであります。
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メトロポリタン美術館の室内楽シリーズといえば、長くグァルネリQが実質上のレジデンシィを勤め、シーズン中に4回くらいの演奏会をずーっと行っていた。20世紀の終わりくらいからは、アリス・タリー・ホールでのリンカーンセンター室内楽協会のエマーソンQやジュリアード音楽院の演奏会としてのジュリアードQ、92丁目Yのレジデントの東京Q、はたまたマンハッタン音楽院レジデントのアメリカンQ、フリック・コレクションでのヨーロッパ系外来団体などと並び、マンハッタン地区で弦楽四重奏が定期的に演奏される重要な場所のひとつとなっていたのは、皆様よーくご存知の通り。

グァルネリQが引退し、後を継いだパシフィカQが数シーズンでブルーミントンを本格拠点とすることになって(それが理由かは知らぬけど)、さて次はどうなるんだろうと思ってたら、なんとなんと、「その2」でご報告するアタッカQがレジデンシィになるという。へええ、すごい若手に持ってきたなぁ、とビックリしたら、どうやらシステムそのものが変更になったようで、大物中堅団体を長くレジデンシィにして実質的にはその団体にとって最も重要なNYCでの定期演奏会主催をサポートするというやり方を止め、いきのいい若手を「レジデント」にして、シーズン内に4回くらいの演奏会を主催してあげる、という「若手支援」の枠になってしまった。無論、それが悪いというわけではなく、お陰でアタッカ、そしてアイズリ、と、まるで「大阪に優勝したらレジデントにしてあげましょう」みたいなことになってしまっている。大阪大会の評価の客観性が別の所で証明されているような形で、それはそれで大いに有り難いことであります。


てなわけで、感謝祭休暇が終わりすっかりアドヴェント、いかなネット商戦がメインになった北米とは言えここはマンハッタン、買い物客で溢れかえる五番街をセントラルパークに沿って上がっていったメトロポリタン美術館ロビーは、夜の9時までオープンの金曜日ということもあってか、すっかり日も暮れた6時半過ぎくらいになっても世界中からやってきた観光客の皆さんで大混雑。アイズリQから、「チケットはボックスオフィスにあるから」と言われているものの、ボックスオフィスそのものがどれだけあるのやら、訳が判らぬ。

なにしろ今晩の会場、これまでグァルネリQが提起をやって来た、地下だか1階だかのミイラがずらずら並んだ先にある奥まったところのオーディトリアムではありません。アイズリQの初回はそこだったそうだが、今度はなにやらイタリアから持ってきた邸宅の中庭みたいな場所だそうな。散々彷徨って、3箇所くらいのボックスオフィスで「今日の演奏会は…」って尋ねた挙げ句、やっと辿り着いたのは、なんのことはない、5番街に面したいちばんメイジャーな階段上がった正面入口の直ぐ裏でありました。

へえ、こんなところあったっけぇ、と思いつつ、ルネサンス彫刻が無造作に並べられた中庭に演奏台を架設し、お馴染みの電子楽譜なんぞを据えるための譜面台を並べた前に、総計60席くらいが並べられている。文字通り、これ以上判りやすいのはないくらい判りやすい「Music in Museum」でありまする。これまでのメトロポリタン美術館の室内楽シリーズ、「美術館での演奏会」を期待すると完全に肩透かしの、真っ当すぎる室内楽演奏会場だったので(楽屋が無い、とかいう問題はあったものの)、ま、随分と感じは違うもんになったことよ。
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てなわけで、この街では珍しく金曜の晩なのに午後7時に演奏が始まります。先週末に日本から戻ったばかりのアイズリQ、元気いっぱいで登場するや、日本の一部でも聴かせてくれた超モノフォニーのヒルデガルト・フォン・ビンゲンだとか、やっぱり奇妙な音が並ぶジェズアルドを、擬似ルネサンス空間に響かせる。正直、弦楽四重奏には響きすぎる場所だけど、これらの曲には丁度良いかな。
続いて、今回、はるばるやくぺん先生が太平洋を渡った理由でもあるナンカロウ第3番。これ、日本ツアーの間も盛んに練習していて、最初から聴いている日本室内楽振興財団のもぐらくんやらYさんには、4人それぞれがまるで違う拍子を刻んでいく突拍子も無い音楽のできかけを散々聴かせて、目をまん丸にさせていたそうで、「今日の演奏をYさんに聴いていただきたかったわ」って。まるで勝手なメトロノームが4つ、まるで勝手に鳴っているのをぼーぜんと眺める曲かと想像していたら、意外にも、なんか、音楽になってたんで逆にビックリでありました。ナンカロウを聴いちゃえば、最後の《大フーガ》だってもう驚かないぞっ!

そんなこんな、休憩無しで1時間ちょっとくらい。場所が場所だけに終演後に楽屋で…ってのもムリで、アイズリQの皆さんが会場に出て来て、談笑のお時間となりましたとさ。
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曲によってスタッフが背景の照明を変化させたり、うううん、ちょっとやらずもがな、と苦笑してしまいそうな演出もあったものの、天下のメトロポリタン・ミュージアムの「Music in Museum」を任されたアイズリQ、しっかりその責務を全うしたのでありました。次回は日本の作品なども取り上げるからか、東洋美術の展示室が会場。最終回は、マンハッタンの北にあるそれこそ中世の建物をまんま持ってきちゃった別館クロイスターでの演奏会だそーな。

うううん、企画している学芸員さんが凄く攻めてるなぁ、と感心することも出来るかもしれぬが、正直、やくぺん先生のような爺とすれば「栄光のメトロポリタンの弦楽四重奏シリーズ」が、なんだか妙にモダンでクールなもんになってしまったなぁ…と淋しく感じてしまうのもまた事実なのであります。はい。

なお、まだ公式には発表されていないけど、関係者さんに拠れば、次回2月23日のアイズリQ演奏会、ライブストリーム中継があるそうな。ご関心の向きはこちらのサイトからどうぞ。そのうち、ちゃんとした情報がアップされると思います。請うご期待。
https://www.metmuseum.org/events/programs/met-live-arts/aizuri-quartet-18-3

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ヴァーグナーで何を喰らうか:シカゴ編 [音楽業界]

時差調整程度に考えてたシカゴ・リリック・オペラの《ヴァルキューレ》が、予想外、といっては失礼ながら、あっと驚く猛烈に充実した内容で、ぶっちゃけ、21世紀に出されたこの作品演出のいいとこ取り、いろんな意味での集大成だったんで、そっちについてもちゃんと記さにゃならんと思うのだが、長すぎる新暦霜月晦日の深夜、もう頭が動かないので、どーでもいいことを先に記しておきましょ。

そー、すっかりシリーズ化しつつある「ヴァーグナーで何を喰らうか」でありまする。この問題、既に議論は提起してあるのでありますが
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
その結論でありまする。

朝の7時前にオヘア空港に到着、なんのかんので遅い昼をシンフォニー隣のパンダ・エクスプレスで喰らってしまったために、頑張ればなしでいけるかとも思ったが、流石にそれもキツい。決して狭くは無い筈のシカゴ・シヴィック・オペラハウスのロビーに入るや、中は大混乱。というのも、沢山の人々が《ヴァルキューレ》飯の予約に並んでるんですわ。選択肢は、上の記事に記した通り。

んで、結局、これにしましたです。
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選択肢は
$15 Nigiri &Maki Combo
$12 Maki Combo
$8 Single Maki
の3つ。それぞれに中身は選べて、あたしゃ$12のセットを選んだら、California, Spicy Tuna, Shrimp Tempra, Salmonからの2つのチョイスで12個のマキだそーな。で、カリフォルニアと海老フライ巻きを選んだで御座いますよ。
お名前は、ええとぉwatanabe,まあ、あたしの眼科の先生の名前と同じね、と仰るオバチャンに、じゃあ2幕の後にします、と御願いし、現金で払い(カードもOKでした)、引換券をいただくのであった。なんと、どっかからケータリングするんじゃなくて、演奏の間に板前さんがお店の奥で握ったり巻いたりするようです。

幕の間の休憩は30分しかなく
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ちょっと外に行くには時間がなさ過ぎる。で、このヴァーグナー飯、大盛況であります。最初の幕間ったら、サンドイッチバッグやらスシやらを頼んだ方々で、ゴージャスなアールデコのロビーが溢れかえる。なんせ、喰らうところはないし、外は寒いし街の真ん中のビルで運河の畔で喰らうなんてことも無理。結果として、こんなことになる。
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寿司屋さんの周りは、ヴァーグナーと思えぬ酸っぱい香りが漂います。

さて、ブリュンヒルデが空中を飛ぶグラーネの上から荘厳に宣言する「死の告知」のシーンから、それまで全く出てこなかったヴォータンの槍が象徴的に闘う2人の間に上空から振って来てノートゥングを叩き割るもの凄くカッコイイ戦闘シーンを経て、感動盛り上がりっぱなしの2幕が終わり、カーテンコールをやってるのに、さっさと平土間5番扉横の寿司屋さんにヴォータンに追われるが如くに飛んでいき、オバチャンからスシをいただきます。これ。
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へえ、これでこの値段なら、普通のスーパーと同じじゃないの。結構、お得。飲み物を寿司屋さんで売ってないのはちょっと困るけどさ。

幸いにもひとつ席を確保し、さっさと喰らうのが勿体ないまったりしたアボガド、意外にもぱりぱりの海老のドラゴンロール、あああああ素晴らしきかなアメリカンSUSHI!

結論:やっぱりヴァーグナー見物はドラゴンロールで決まりじゃ!なんせ次はドラゴン退治の《ジークフリート》だもんっ!

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やお君来日中 [音楽業界]

現在、ロン・ユー御大に率いられたチャイナ・フィルハーモニックが日本ツアーを行っています。本日はフリーで、団員さんは朝からバスで富士山見物に行き、一部は軽井沢とかに行ったりもしてるらしい。軽井沢って、まさかこのオケとは縁のある大賀ホールでなにか、と思ったら、そうじゃなく、「アウトレットだよ。もう、買い物命、ってのがいてねぇ…」

と、半分、苦笑しているのは、同オケ広報のやお氏であります。北京在住で紙媒体からwebまで幅広く批評などを展開する若き音楽評論家にして、腕章付けてカメラブースから公式写真を撮影するのがこの数日の仕事になってるチャイナ・フィルの広報担当者でもあります。先月の北京取材ではもの凄く御世話になったので、そのお返しの接待(?)でありまする。こちら、先月、北京某所にて撮影。他人事ながら、エコノミークラス、きつそーだぁなぁ。
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オケの公報さんが評論家、って大丈夫なのかいと心配になるけど、「自分のオケについては書きません。それから、友人の演奏家についても」とのこと。オケは、そんな活動を咎めるどころか、奨励してくれているそうな。へえええ。

なんせ、北京には評論家とか音楽ジャーナリストという職種は前世紀には存在しておらず、学校もなく、音楽院でも育成しているわけではない。「この前、北京で音楽評論家のコンファランスがあったのだけど、ドイツから招待された評論家はみんな音楽学者とか楽理の出身なのに、こっちは僕はアメリカで化学を学んだわけだし、みんなそんなのばかり。日本はどうなの…」

ま、日本の状況はどうあれ、今は北京にも10数人は存在しているという書き手やらの話とか、先頃いろいろお世話になった北京の音楽祭の来年のこととか、なんのかんの、東京駅前新丸ビルでとんかつ喰らいながら話をしてきたわけです。
せっかく、北京の若い「第一世代」がいるのだから、日本の側の同じ世代に繋げていくのが爺の仕事であろーってことで、昨晩、慌てて何人かに声をかけたら、都内某ホールの広報氏が押っ取り刀で駆けつけて下さり、若いもんどーし、話も弾んでいたようであります。来月早々に北京の国家大劇院で出るヴィーン国立歌劇場との共同制作メータ指揮の《ファルスタッフ》についてとか、その先のなにやらいうオペラにドミンゴがホントに出るのかとか、「マニアさん」通しで盛り上がっておりました。まだ記すわけにはいかないけど、来年の北京国際音楽祭のメイン出し物となるオペラに関して、「いくぞぉ」ってなってたのはいいことであります。

どうなることやらわからないけど、ともかく何らかの形で東京と北京の相互で公演情報の共有が出来るようにしたいねぇ、となってた。うん、そーだ、ぐぁんばれ、若い人達っ!

これで爺も安心して隠居できる…ってわけにはいかんだろーがなぁ。

さあ、明日からは厳冬の北米中西部から常春のカリフォルニアへと駆け抜け、戻って来たら厳冬の半島。そして、クリスマスはハノイで過ごすことになったよーだ。まだまだ、動けるうちは爺や婆も動くとしましょうか。

そうそう、明日30日のチャイナフィル、お暇な方は是非どうぞ。シュトラウスの《4つの最後の歌》終曲を弦楽オーケストラに編曲したと、珍品というには面白過ぎる小品に始まり(オケのレジデント・コンポーザーさんが、楽譜ではなく耳で起こした編曲だそうな)、ブロン弟子の11歳の少女のサン・サーンス、そしてロン・ユー御大による今時珍しい「熱い」ショスタコ5番が聴けますよ。

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《西部の娘》ではなく《西部の娘たち》 [現代音楽]

エクが定期関連のツアーをやっているところに、ヘンシェルQが来て博多から関西、名古屋を経て帝都に来訪。その間に高岡から始まったアイズリQのグランプリ日本ツアーが足かけ3週間ほど、なんのかんのなんのかんのとクァルテット連中にただ付き合うばかり、という新暦霜月もやっと終わろうとする感謝祭休暇最後の日曜日の朝。皆々様にはいかがお過ごしでありましょうか。当電子壁新聞もなんのかんの更新が進まず、書きかけをまとめてアップする、なんて荒っぽいことをやってますが、ま、別に誰にも責任のない私設媒体ですので、ゴメンナサイとも言いませぬ。はい。

んで、いよいよ今日からは、《アッシジの聖フランチェスコ》演奏会形式全曲演奏に始まり、シカゴでのパウントニー演出《ヴァルキューレ》、そして今シーズンのハイライトのひとつたるサンフランシスコ戦勝記念オペラハウスでのジョン・アダムス&ピーター・セラーズの新作世界初演、という娯楽なんだか好きでやってる苦難なんだか判らぬような1週間ちょっととなります。それが終わると、既に厳冬の半島に飛んでベルチャQ&ノブスQのオクテット、なんてまたクァルテット漬けの方に戻り、1月2週後半から3週間で3ダース以上の団体を聴く2年に1度の欧州弦楽四重奏漬へと突っ込むわけで…

ふうう、そろそろこういうバカな生活もなんとかせねばなぁ、と思わざるを得ぬ爺初心者なのであった。いやはや。

んで、世間ではライブ・ビューイングが予定されているメトのアデス新作《皆殺しの天使》の方が話題なのかもしれないけど、やっぱり、アメリカ合衆国からカナダへの亡命者が絶えないという(数日前に、某所でご一緒させていただいた先頃までカナダ大使をなさっていた方から聞いた話で、冗談ではないそうな)こんなとんでもないご時世に初演されることになってしまったアダムス作品でありまする。これが公式。
https://sfopera.com/1718season/201718-season/goldenwest/designers/ggw-moving-moment-1/
全米メディアお役所全部お休みの感謝祭休暇に合わせての初演だったからか、反応は些か遅いようですが、21日の初演以降、いろいろ報道も出てきています。舞台写真としてはこれがいちばん充実しているかな。
http://www.playbill.com/article/first-look-at-the-world-premiere-of-john-adams-and-peter-sellars-opera-girls-of-the-golden-west
ま、中身その他については来週、SFに到着してから自分の勉強のために記すことになるでしょう。まずは、バックトラックさんの批評がアップされてるので、ご覧あれ。ついでに、ファイナンシャルタイムズの批評もどうぞ。
https://bachtrack.com/review-john-adams-girls-of-the-golden-west-world-premiere-sf-opera-november-2017
https://www.ft.com/content/f891bd0c-d056-11e7-b781-794ce08b24dc

このオペラ、なんといってもこの先、困るのは題名でしょう。なんせ、既に誤った表記が氾濫しております。正式の題名は、《Girls of the Golden West》です。これが屡々、《Girl of the Golden West》と誤って表記されることがあり、もっと酷い場合は《The Girl of the Golden West》にされちゃっているのもある。

そー、最後の表記は、かのプッチーニの《西部の娘》の英語表記と全く同じなんですわ。アダムス&セラーズは、頭の定冠詞はなく、The Girl じゃなくて、Girlsなのですよ。だから、敢えてちゃんと訳せば、《西部の娘たち》とか、《西部の若い女たち》なわけですね。

この微妙な英語題名の違いは、おおよそ100年を隔てて世に出たアメリカ合衆国西部開拓時代ゴールドラッシュのカリフォルニアを舞台にしたふたつの中身がまるっきり違いますよ、と表明している。

誰でも判るように、プッチーニはゴールドラッシュの西部を背景とした毎度お馴染みラブロマンス、それに対し、アダムス&セラーズはゴールドラッシュ西部で生きた様々な女たちの姿を描く群像劇とは言わぬが、歴史絵巻です。なんせ、後者はアフリカン・アメリカン(黒人、とか、ニグロ、という今のアメリカ社会では使えない表記を敢えて用いるのが正しいのでしょうが)の娘の悲劇がメインとなり、そこに東海岸から来たエリートのインテリ女性や、中国人娼婦が絡んでくる、というのだから。なんせ娼婦の宿が舞台だったりするわけだしねぇ。

なんだか、この秋から始まった「スタートレック」の新シリーズが黒くて若い女性士官が主人公で、第1話で大活躍し殉職するのがミッシェル・ヨー演じる中国系女性艦長だったり、ドクターと科学仕官がゲイのカップルだったり、艦長と保安主任がPTSDだったり、なんてクリントン大統領のアメリカを前提にした話なのとも通じるような…と言っていいのかは、また先の話。

てなわけで、この先、この作品に関しては《西部の娘たち》という表記を使い、プッチーニ作品との混乱を避けるようにしますので、皆々様もヨロシクお願いしますです。

さて、これからメシアンで、明日は法事。ずーっとお経を聴いてるような2日間じゃ。

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柿の木その後 [葛飾慕情]

なんのかんのバタバタしていてご報告が遅れてしまいましたが、去る日曜日に葛飾オフィス巨大柿の木の実採り入れ大会が開催され、恙なく終了いたしました。ご参加いただいたご近所やそうじゃないちびっ子たちは直接手でもぎれるところを中心に収穫し
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わざわざ高枝切りばさみを持参下さった足立区の文化関係者の方やらのご協力もあり、高い所の実もそれなりに取り込み
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総計100個以上を収穫。道ゆく皆様、ご近所で迷惑かけてる皆様にお配りし、それでもなんのかんのでこれくらいは残ってしまい
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現在もヴォッカぶちまけたビニール袋の中で成熟を進めておりまする。なんだかもう、食い物、って感じじゃないんですけど。

とはいえ、いかな高枝切りばさみ3本も振り回してみたところで、残念ながら重力にはからっきし闘う術のない我らニンゲン、いちばん高い辺りに3ダースばかりは収穫しようがなく、すっかり秋も深まる空の下、小さな、はたまた大きな、飛ぶ方々のご飯として残されたのでありましたとさ。

さても、それから数日、なんのかんのバタバタしていて葛飾オフィスに行けず、昨晩から久しぶりに泊まりこみ、朝になってみれば、なにやらキーキーという声が盛んにしている。ヒヨちゃんのギャーギャー声ではないし、枝がバサバサ鳴っているし、それなりの数がいるよーだ、と思って眺めれば、なるほど、こいつらね。
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今シーズンの柿の実上空制空権争奪戦で、規格外の別格たる烏様達の下で、数に任せた闘いを挑み、実質制してしまっている、ムク軍団でありまする。
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なんせこいつら、我が名はレギオン、と大見得切ってもいいくらいの物量勝負ですから、凶悪ヒヨちゃんがぎゃーぎゃー叫んでもまるで動じない。ニンゲンにも、なんとも不思議な無関心さと警戒感で、どーにも動きが読めぬ勝手な奴ら。

なんかの拍子でムク軍団が去ると、直ぐにどこからともなくこいつがすっ飛んでくる。
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秋の始め頃はふたつが喧嘩してたんだけど、今は、共闘とは言わぬものの、なんとか共存してやってるみたい。ま、結局のところ、こいつらが今年の「うちの奴ら」って感じだなぁ。ぐぁんばれ、ニッポン列島固有種よ!

無論、めじろんなんぞもたまにやっていらっしゃいます。だけど、今シーズンはお隣が建て替えの真っ最中で、いつも工事のニンゲンさんが動いているので、めじろんなんぞには案外と柿の木に近寄り難いみたい。ま、許してくれ給え、これが都会の田舎のニンゲンのご近所づきあいなんじゃよ。

シジュウカラさんも取り立てて柿は好きではなく、意外な最強鳥類たるセキレイさんたちも柿の実には関心ないから、小さな飛ぶ方々のお姿が少なくて…なんて残念がってる暇もなく、どういう案配か、今シーズンはこいつらが随分とご飯に来ています。
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沢山の集団では来ない、いつも同じいくつかの奴らがジュクジュクと喰らいに来てるみたい。どうなのかしら、個体によって柿が好きな奴とそうじゃない奴がいるのかしらねぇ。

来週後半からの2週間ほどのツアーを終えて戻ってくれば、葉っぱも落ち、実も全部ご飯になって、柿の実騒動もオシマイ。いよいよシジュウカラ・レストラン開設、と行きたいところだが…果たしてどうなることやら。ニューヨークやサンフランシスコにエナジーボールとか、売ってるのかいな?

我が家来て 遊べや腹の 減る雀

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ジョン・アダムス&ベルリンフィル [現代音楽]

遙か太平洋を隔てたサンフランシスコ戦勝オペラハウスでは、数時間前からジョン・アダムスの新作《西部の娘》世界初演が始まったところ。
https://sfopera.com/1718season/201718-season/goldenwest/
一方、ここトーキョーでは、ほぼ同じ時間にジョン・アダムスが昨シーズンの「アーテイスト・イン・レジデンス」を勤めたベルリンフィルの記者会見が行われ
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この類いのもののマニアさん、愛好家さんにはもう涙ちょちょ切れの発表がありました。日本語ではこれが良いかな。ほれ。
https://primeseat.net/ja/news/20171109-001582.html

これは「ハイレゾ試聴のお知らせ」だけど、普通のボックスCD4枚とBlu-ray2枚というパッケージでも今日だか昨日だかから購入出来るそうです。HMVでもタワーでも、はたまたAmazonでも、「ベルリンフィル ジョン・アダムス・エディション」でググれば、簡単に購入出来る筈。

中身は、昨シーズン、レジデント・アーティストだったアダムスの作品でベルリンフィルが演奏したものを全て収めたという、まあとんでもない代物です。どう考えても日本で100セット売れるか売れないかでしょうが、ともかく、ベルリンフィル自主レーベルのひとつの目玉としてドカンと出してしまったわけであります。

本日の記者会見、無論、メインは明日からだかの来日公演についてですが、なんでやくぺん先生如きへっぽこ三流売文業者が呼ばれたのかと思ったら、要は、アダムス関係で本気になって質問したりする奴がいないと困る、ってことだったんでしょーねぇ。

ホントは、サンフランシスコから《西部の娘》初演直前のアダムスが映像で飛び入り参加、なんてビックリでも用意されているのではないかとワクワクしていたんですが(だって、そうでもなきゃ、朝の10時半にねぼすけの音楽評論家共を集めるなんてありえないだろーに、ってね)、残念ながらというか当然ながらというか、それはありませんでした。はい。

ジョン・アダムス・エディション、さあ、皆さん、一家にひとつ、お供えあれっ!ピーター・セラーズ演出の《もうひとりのマリアのための受難曲》も、なんと日本語字幕付きでBlu-rayに収録されておりますよ。

このベルリンフィルのアーティスト・イン・レジデンス、興味深いのは「コンポーザー・イン・レジデンス」ではなかったこと。なんと、1年ベルリンフィルと関わりながら、アダムス御大はベルリンフィルのための新作はひとつとして書いていないのです。この部分、どのような意図だったのかラトル様やらインテンダント様にお尋ねしたかったのだが、「アダムス関係の質問は第2部にしてください」と遮られてしまい、第2部にはもうラトルもインテンダントもおらず、おいおい、でありましたとさ。三文売文業者の哀しさ、まさか朝日様やら産経様、日経様などのスター記者様を押しのけて質問するわけにいきませんからねぇ。←一種の「忖度」だなぁ…ってか、業界内ヒェーラルキー、かな

ま、なにはともあれ、来週にはやくぺん先生も《西部の娘》見物にSFへと参ります。ちなみに、今回のベルリン・フィル日本公演、ウンスク・チン作品はあっても、アダムスの曲はありません。なんなんねん?

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