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ファイナルはレッジョ初のイタリア祭! [弦楽四重奏]

北イタリアはレッジョ・エミリアで開催中の第11回パオロ・ボルチアーニ・コンクール、昨日本日と残念ながらステージから姿を消した団体が郊外の幼稚園&障害者施設とか
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旧市街内の広場とか
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弦楽四重奏という音楽を街の皆様に広めて歩いてる間にも、いつのまにやらもうセミファイナルも終わり、明日の本選に進む団体が発表されました。こちら。
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てなわけで、3団体のうち、なんとなんと2団体が地元イタリアです。あの今や神話的な大会となっているパオロ・ボルチアーニ氏の楽器をさし上げます、という全くプライヴェートで1回限りの特別大会として始まってこの方、数多くのイタリア団体が挑戦するも、ファイナリストまで残ったことはない。それどころか、招聘団体にイタリア拠点のものがあったことすら稀という状況が続いておりました。それだけに、この結果はもう、完全にイタリア祭状態でありまする。

ま、本日の結果だけをみれば、純粋に第3ラウンドでの出来を素直に反映したのかな、という感じ。ハンソン君、ちょっと流石にやり過ぎだったしねぇ…QBTが残っていれば、などと死んだ子の年を数えるようなことはもうしませんが、はい。

これがコンクールというもの。さて、明日日曜日本選はこちらの午後8時にスタート。日本時間では月曜朝午前3時といういちばんしんどい時間ですねぇ。

レッジョ2次予選結果 [弦楽四重奏]

レッジョ・エミリアのパオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクール2次予選の結果、出ました。以下,ご覧あれ。
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ストリーミングをお聴きになられていた方は、ちょっとビックリなんじゃないでしょうかね。

ま、とにもかくにも、これは一体どういう意味なのか、どう考えれば良いのか、なかなか勉強になる、としか言いようがない結果でありまする。残った5団体のうちの3つがイタリア、というのはたまたまなんでしょうねぇ…

ストリーミングがあったお陰で、それなりにお聴きになられていた方がいて、かなり安心しています。何も知らずにこの結果だけ見るのとは違うでしょうから。

ともかく、明日の午後3時、日本時間の午後10時から、ジュネーヴの2位を胸に秘め,半年で随分と姿を変えたハンソンQが弾きます。請うご期待。

いやはや、これはホントに、ここまで来て聴いていなかったら判らぬなぁ。これがコンクールというものなんだわなぁ、いろんな意味で。

[追記]

以下は、書くべきかどうか暫く考え、ともかく今は記さずにおこうと、上記の部分では触れなかったこと。やっぱり,書きます。

ええ、Qベルリン東京のブラームス第2番ですけど、演奏終了後、個人的には「コンクールのステージでこれをやるのはちょっと危険ではないか」と思わなかったとは言えません。オマールQなど、試合を落とさないという意味では綺麗に纏めてきましたし。だけど、結果発表後、第1ヴァイオリンのもりやさんと話した中で、彼が「自分達としては、次の段階に行ったと思ってやったことですから」と仰っておりました。あの拍感を落として内に沈殿していくようなもどかしいブラームスは、明らかに彼らが意図的にやっていたものだった。ハンソンQの極めてアグレッシヴなシューマンとは正反対の方向性だけど、これもひとつのロマン派の表現と考えた挙げ句に、彼らが選んだやり方だった。

Qベルリン東京は、昨年のメンバー交代以降、ずっと学んできた師匠オリーとも別れ、自分達の道を歩み始めています。生活も変わりました。そんななかで、こういう道で進むのだと考え抜いた上で作ってきたのが、あのブラームスだった。確かに、「俺は納得いかないだろうが、これならば仕方ないな」と万人が思えるまでの完成度には至っていなかったかもしれません。コンクールという舞台では、そういう音楽を出すのは危険かもしれない。でも、今、彼らはこれしか出来なかった。

だから、やくぺん先生としましては、彼らのあのブラームスはありだろう、と思った。そして、これがダメと言われるならば、それはそれで仕方ないのだろうとも、ちょっとだけは思った。

Qベルリン東京という団体が、この先、どのようにやっていくか、それは判らない。だけど、あのブラームスは、異国の地で自分らの音楽を探そうとしている、コンクール時代を終えた若い演奏家達のひとつの真摯なありようとしては、誠に立派なものであります。

だから、皆さん、6月25日のふきのとうホールには、是非とも聴きに来て下さい。そして、皆さん自身で、彼らの道が正しいのか、やっぱりそれはまずいのか、聴いてあげてください。この若者達には、それだけのことをする価値はあります。宜しく御願いしますです。
http://www.rokkatei.co.jp/fukinoto/

「クラシックコンサートをつくる。つづける。」やっと出ます [売文稼業]

北イタリアはボローニャとミラノを結ぶ街道の真ん中辺り、パルマとモデナの間の商都、レッジョ・エミリアにおります。なんせロンバルディアやエミリア・ロマーニャ州の各地から集まってくる農産物の集積都市として発達した場所なので、パルマハムやらパルメジャンチーズが市場価格で積み上がっているわけで、イタリア国内では美食の街として知られる。でもなぜかイタリア各都市に溢れかえる世界中からの観光客さんは全く来ない、という不思議な場所でありまする。

伝説のイタリアQの第1ヴァイオリンを勤めたパオロ・ボルチアーニを顕彰し、戦後に歌劇場が崩壊して室内楽くらいしかやれなくなったイタリアで若き音楽家が訓練を重ね、世界へと出て行ったこの街で、3年に1度開催されるパオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールも現時点で2次予選2日目。淡々と演奏が進んでおりまする。

という状況はどうあれ、やくぺん先生としますれば、2週間前に終わった大阪国際室内楽コンクール&フェスタの公式報告書を記しつつ、大阪からレッジョに特使として派遣されている若きプロデューサーもぐら君の爺やとしてお手伝いをするのが仕事。カルミナQに優勝が出されなかった大スキャンダルの初回にハレーQが参加して以来、ケラーQが勝った第2回ですばるQ(実質上、現ヴィルタスQ)、アルテミスQが勝った第3回でロータスQが3位となり、第4回ではエクが1位なし2位最高位となり(直前にロンドンで勝って乗り込んだカザルスQが3位でした)現在日本ベースで活動する弦楽四重奏としてメイジャー級国際コンクールで成し遂げた最高位というタイトルが未だに保持されているこの大会、今世紀になってからは日本の最もコアな弦楽四重奏主催団体が関係を持つようになり優勝団体ツアーを行っていた。問題は開催年が同じになっている大阪と機関が極めて近いことで、いつも調整が必要だった。で、今回、大阪が新体制になり、せっかくだからちゃんと顔つなぎをしておこうということで、若きプロデューサーが派遣された、ということ。あたしゃ、ホントに爺やです。もうそういう歳周りなんじゃのぉ、ばーさんや。

んでもて、若者が演奏に必至でノートを取ってるのをボー前と眺めつつ、考えてるのは自分のお仕事。そー、やっと、やっと、足かけ3年になってしまった共著本が形になるようであります。こちら。
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クラシックコンサート注文書無170607+.pdf
いちおう、7月20日発売となっていて、Amazonでも既に予約が始まっているそうであります。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8B-%E6%96%87%E5%8C%96%E3%81%A8%E3%81%BE%E3%81%A1%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A%E5%8F%A2%E6%9B%B8-%E5%B9%B3%E4%BA%95-%E6%BB%BF/dp/4880654035/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1496903847&sr=8-1&keywords=%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E5%92%8C
中身は、もうお判りの方はお判りだと思いますが、2010年代初め頃に「音楽の友」誌に20回くらい連載し、編集者が退社,取材の技術的な難しさ(広く知られてもらいたくない主催者が少なくない、始めたはいいが直ぐに活動を止めてしまう主催者もこれまた少なくない、等々)ちょっと休止にしましょうということになった連載「コンサートスペースに行こう」から、ある程度普遍性があると判断し改定再録したものと、新たに取材したものが小生の担当。中心は、知る人ぞ知るへいまん先生のお仕事の紹介でありまする。そのお手伝いをした、というもんですわ。

なんせ,取材を終えてからも1年以上、その間に所謂コンサートスペースは大流行になり、もう状況もちょっと変わってきてしまっている感もあり、今の時代の「書籍」という形の難しさを痛感するわけでありますが、2010年代前半の状況の定点観測と割り切れば類書など全く無く、過去にもいろんな意味で意図的に語られなかった部分を前面に出している。だって、「バブル時代に日本では公共が税金を大量に投入し地方民間小規模主催者を圧殺、根絶やしにした」なんて歴史観、今の日本の「どっかの公共ホールや財団に就職したいなぁ」なんて子供達を育てているアートマネージメント科では、絶対に教えられない視点ですからねぇ。

ま、公共側からの反論を期待しつつ、「御上にたよらないコンサートの造り方」を真面目に考えてる方々の参考になれば、というのが趣旨であります。出版社さんも、公共のアートマネージメントなどの書物をいっぱい出しているところで、その意味では穴を埋めた、というようなもんですな。

なんせまだ最終校正を待っている段階。次の段階に至ったらまたお知らせします。ともかく、書名が決まった、ということ。ふううう…

レッジョの審査員絶賛お仕事中 [弦楽四重奏]

レッジョ・エミリアに到着しました。2002年の歴史に残るクスVSパシフィカによるロンバルディアの戦いを見物して以来、3年毎に大阪の後は直ぐに渡欧というパターンが続いてるわけだが、最初は晴海のディレクターとして日本での優勝団体ツアーを引き受けるお嫁ちゃんらと一緒、お嫁ちゃんが溜池で室内楽お庭の庭師さんを始めて来られなくなってからは独り身、そして今回は大阪から特使としてオフィシャルに派遣されているもぐら隊長お付きの爺やとしてクラウン・プリンスの御世話係…なんせ、一昨日は今や2児のパパとなったそのクスQのヴィオラ氏とベルリンでバカ話をして、パシフィカQの動向(新しいヴィオラはベルリン拠点だった奴で、ウィリアムは良く知ってるそうな)にビックリしていたりしたわけだしさ。

ま、こうやって人生、いろいろ変わっていくから面白いもんです。なあ、ばーさんや、今日は結婚記念日じゃのぉ。レッジョのツバメたちがぴーぴーと祝ってくれておるじゃ。

んでまぁ、なんのかんのでベルリン・いんちきブランデンブルク空港ことシェーネフェルト空港からパツパツでお子様とイタリア人が騒ぐLCCでヒョイッと雲の上を跨ぎ、途中でエミレーツ航空の38くんに2回も頭の上を横切られつつアルプスを越え
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半端な曇り空のボローニャ空港に到着。バスで中央駅に向かい、今やすっかりローカル線となってしまったかつてのトレニタリア栄光の幹線上を30分ほどローカル快速で突っ走り
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レッジョ駅からモーツァルトもカエサルも歩いた街道を旧市街内部中央まで荷物引っ張って歩き、レッジョの普段着作務衣&サンダルに着替えて慌てて劇場に走り込んだら、1次予選最後の団体がハイドンの終楽章弾いてましたとさ。
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かくてやっと大阪公式代表もぐら隊長に合流、どんなじゃった、などと話をしていると、目の前をベルリン東京のモーティ君が練習に向かいご挨拶、そのうちにわらわらと弦楽四重奏共が集まり始め、1時間弱ほどで結果発表であります。っても、以前のような劇的なことはなにもなく、連絡事項掲示板に事務局のおばちゃんが紙をピラッと張るだけ。
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ほい、これが結果。
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昨日からしっかりノート取りながら全部聴いてるもぐら君に拠れば、全く妥当とのこと。これ以上減らしたらいきなり3次になっちゃうもんね、ってさ。そりゃそーだ。

ともかく大阪に比べるとやたらと時間の余裕がある大会なので、ことによると殆ど落とさずに次のラウンドにいくかなぁ、とも思っていたのだけど、エルベン審査委員長の下、ミューラー氏など真面目な方が揃っているので、そいういうことにはならなかったみたいでんな。

かくて、本日のこちらの午後4時、日本時間では午後11時というネット世界ではゴールデンアワーに、ベルリン東京から本日のセッションが始まります。ストリーミングもありますので、ご関心の向きはどーぞ。タイムラインは上の張り紙参照。
http://www.iteatri.re.it/Sezione.jsp?idSezione=4804

さて、あたしゃ、お付きの者宿の部屋を全面的に配置換えしお仕事場に改造し、大阪の報告書にやっと着手です。ここはどこじゃ、いたりあじゃぁ!

文楽人形のような子供達 [現代音楽]

ちょっと前に日生劇場で上演され、帝都でもそれなりに話題になったライマンの《メデア》の独都初演となっている舞台を見物してまいりました。場所は,今、ことによるとこの地でいちばん面白い劇場、コミーシュ・オパーです。

ええ、どうもこの街に来ると、昼間っからいろんな人達とアホみたいにデッカいジョッキをひっくり返してシュニッツェルやらアスパラやらを喰らってしまい(肉団子はパス)、べろべろへべれけになって劇場やホールに至り…という悪いパターンが定着していて、昨日もしっかりその悪習を繰り返してしまい、リンデン通り挟んだ反対側の「カフェ・アインシュタイン」なる今回のドイツ滞在を象徴するような名のみんな知ってるカフェを出て劇場平土間真ん中に座ったときは、もー前頭葉は活動停止状態。ましてや目の前にデカイおっさんが座れば舞台真ん中はみえないような構造なんで、メデアが一生懸命なんか掘り返していたり、埋めていたりするのがよく見えず、結果として前半はほぼ轟沈。なんで、流石にこの無責任電子壁新聞の「感想になってない感想」としても、とてもじゃないがまともなことは言えない。とはいえ、本日からまた弦楽四重奏の世界に頭が戻れば、多少なりとも思ったことをすっかり忘れてしまうこと必至。で、おぼろげな記憶から、メモのように記しておきます。自分の為のメモですので、悪しからず。←いつもじゃないか、と突っ込まないよーに

日本でも目敏い追っかけマニアさんらが注目しているベネディクト・アンドリュースが演出を手掛けるこの舞台、基本は、全く以てまとも。変なことはなーんにもしてません。その意味で、今、東京は初台で出ているフリードリッヒ最晩年の《リング》なんかが出て来た,遙か遡ればスタニフラフスキー・システムなんぞという懐かしいところから、ブレヒト経由してしっかりこの街に根付いている「リアリズム演劇を前提としたオペラ演出」のモダン版。妙なテクノロジーも全く用いない、ホントにストレートプレイに近いものです。

なんせ日生劇場と比べてもまだ小さい(とも思えないのだけど…)劇場で、ピットも小さく、この劇場でこの類いのもんをやるときの恒例の打楽器ピットからあふれ出し、という状況。で、あのライマンのこれでもかという音楽をドッカンドッカン無慈悲に鳴らし、歌手が無慈悲に叫びまくる、というもの。前半最後のメデアのモノローグは、まあ、それは演技歌音楽総ざらえでそれはもー「ロマン派の究極形態としての表現主義」を目にするようなもので…こういうもんがあらためて21世紀に出て来るんだわねぇ。

そんなこんなの濃厚にしてどぎつい、日生の舞台は音楽含めまるっきりお茶漬け風味の薄味にしか思えぬ舞台の中で、最も印象的だったのが、子供達の扱いでした。この演出、子供らは最初から舞台の奥に座っている。
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よーく見ると、人形なんですわ。かなり大きな、文楽人形に今の子供のシャツなど着せたようなもの。その人形を、メデアやらクレウサやらが扱うんだけど、これがまぁ、とっても上手、というか、訓練された扱いで、まるで「静かな、大人しい、無表情なよい子達」に見える。周囲の登場人物やオーケストラが大騒ぎをすればするほど、子供達の静かな礼儀正しさ、こんな場所でも一生懸命順応して生きていこうと子供なりに頑張ってるんだろー、って感じがガンガンに伝わってくる。ホント、完全に文楽の世界です。

で、そんな子供らを、舞台の真ん中で、メデアは頸をかききって殺します。オケが子供の悲鳴のような、弱音の叫びを挙げる。ホントに、人形が死んでいく…

いやぁ、刺激が強すぎてR指定にしないと、トラウマになるんじゃないか、というような、フォルテシモを鳴らし続けた中で、いきなり再弱音だけで表現されるものの強烈さ。その直後、クレウサはホントに火に包まれて死ぬのだけど、絵ずらとしては遙かに刺激的なそっちよりも、遙かにインパクトがある子供殺害シーン。

数あるメデア舞台のなかでライマン作品が特徴的な、最後のクレオンとメデア再開の静寂感は、もうその前に充分に先取りされている、って感じでした。

てなわけで、ともかく,メモ。そろそろ空港に移動せねばならないので、これまで。

第11回パオロ・ボルチーアニ国際弦楽四重奏コンクール開幕 [弦楽四重奏]

本日11時のQベルリン東京の演奏を以て、レッジョ・エミリアでのボルチアーニ・コンクールが開幕いたしましたぁ。
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とはいえ、あたしゃまだドイツにいて、明日の午後に駆けつけるのでありまする。んで、既に現地入りしている大阪もぐら君からの情報で、今分かってることだけを記します。

参加団体は、ひとつキャンセルがあり、9団体。
http://www.iteatri.re.it/Sezione.jsp?idSezione=4736
先月に発表されたこのリストから、カスアリアンQが辞退しただけ。って、それなりにキャリアがある奴らがまた減ったわけかぁ。地元団体で実績のあるリスカム、前回ボルドーのファイナリストのオマールやベルリン東京、このまえのジュネーヴ2位のハンソン、という辺りが軸になっていくのでしょうけど、有力団体にイタリア勢が入ってるのがなんとも微妙ですねぇ。うううん…

昨日の開幕レセプションで抽選会があり
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籤引きで誰やらがBをひいたようで、演奏順はベルリン東京がトップ。あとはこのリストの順番にアルファベット順で弾いていくことになったそうな。本日は5団体演奏だそうで、インダコQというイタリアの連中までということですね。明日は残り4団体が11時から弾くそうな。どうやらやくぺん先生が到着する頃には、第1ラウンドは終わっちゃってるなぁ。なお、演目などは、現地からの情報は来てません。なんせストリーミングもないそうなんで、なーんにも判らぬです。

これだけじゃ、あんまりにも寂しいんで、昨日カメラマンもぐら君が撮影した昨日のベルリン東京の勇姿。すっかりベテランの風格じゃ。
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てなわけで、明日以降、いつものように結果速報だけはするようにいたしましょう。今、ハノーファー中央駅停車中。ベルリン東京の師匠オリーくん、ここから数百メートルの音楽院の教室で、今度こそ安心して眺めていられる戦いかな。なんせ、クスが勝った時のレッジョとは状況が相当に違ってますから。

[追記]

スイマセン、先程、リンデン通りの飯屋で某弦楽四重奏団ヴィオラ奏者氏と話をしていて、「え、ストリーミング、やってるよ、俺、さっき、ベルリン東京聴いた。あいつら、バルトークの3番選んで正解だったわ」ということになりました。
http://www.iteatri.re.it/Sezione.jsp?idSezione=4804
明日6日も午前11時から、日本時間では午後6時から4団体が弾きます。さあ、こぞって聴こう!

舞踏要素極小の《浜辺のアインシュタイン》 [現代音楽]

ケイ・ボジス(Kay Voges、なんかこういう日本語表記らしいです)演出の《浜辺のアインシュタイン》を見物してまいりました。休憩無し3時間15分程の舞台で、この作品としては短いと言えましょうが、やっぱりもの凄く疲れてるので、忘れちゃわないうちの備忘録として自分の為に記します。

数年前にここの劇場の方のインテンダントだったという演出家ボジス氏、劇場発表の印刷物には全て「フィリップ・グラス&ロバート・ウィルソン」の作と記しているのに
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ウィルソン演出とはまるで異なるコンセプトを出して来てます(ドイツ版wikiを眺める限り、オペラ系はさほどやってる方ではないようです)。漸く昨年に第3ヴァージョンの正規盤Blu-rayも出た過去の3ヴァージョンあるウィルソンのオリジナル演出のコピーなりアップデートなりではありません。まるっきり違うものです。公式の宣伝映像はこんなもの。
https://www.theaterdo.de/detail/event/einstein-on-the-beach/#prettyPhoto/1/
恐らく、この作品の非ウィルソンの演出としては、初演後比較的直ぐにシュトゥットガルトだかどっかあの辺りで出たもの、一昨年にアデレードで初期三部作として上演されたものに継ぐものじゃないかしら。詳しい方、教えてちょーだいな。

さても、この演出、一言で言えば、「限りなく舞踏の要素を排除した《浜辺のアインシュタイン》」でありました。なんせ、2箇所に巨大な舞踏シークエンスがあって、最後には「宇宙船」は総まとめのような大ダンス・シーンでクライマックスが築かれる作品とみんな思ってるでしょうから、それが無いってなんなんじゃいでしょ。でも、無いんです。ふたつめの舞踏シーンでダンサーが2人になるのが最大で、ウィルソン版では最も因習的な舞踏シーンが延々続く最初のところでもダンサーはひとり、「宇宙船」でも同様。

じゃあ、どうしているのか、ってば、代わりに演劇の要素を突っ込んでるのですわ。ひとり、ウィルソン版にはまるで登場しない基本ドイツ語を朗読する役者を出し、本来の台本にはないテキストを舞踏シーンで読ませています。役者は、《サティアグラハ》でガンジー役などをやらせたらイメージ最適、って感じのオッサンで、ドルトムント劇場の役者さんみたい。テキストは、ええと、上の方の字幕のところに一瞬出たのをノートしたのだけど、うううん、読み取れないぞ。ええと、最初のところは…Schizpophrerie nd Sparache、かな。もうひとつ、二つ目の方は、ドイツ語訳の「ゴドーを待ちながら」の断片とありました。

そもそも冒頭のニープレイのときから、舞台奥に陣取るアンサンブルの前に2人の女優さん(なんでしょうねぇ)が立っていて、アンサンブルの後ろに合唱団が入ってきて「わんつーすりーふぉー…」と歌い始めるとナレーションを被せてきます。
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この2人がいろんな風に動き、ウィルソン版の英語の朗読を担当する。とはいえ、これもかなり弄られていたみたいだったぞ。なにしろ終幕のニープレイでも、あのバス運転手のバリトン声で恋人達の姿を労働句するのではなく、女優さんふたりが手紙を読み上げるようにドイツ語で語ってる。極端な比喩をすれば、「ヴォータンの告別」がソプラノ二重唱になっちゃったみたいな感じですわ。
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カーテンコールにて、演劇チーム。白いジャケットのオッサンがナレーション役者さん、で、隣の青と赤の頭が女優さん。写真いちばん左手の男はダンサーさんで、でっかい脳の被り物に入って踊ったりで著集には誰だかわからないので、「デッカい脳」とTシャツに書いてある。

細かく説明しているとキリがないけど、舞踏のシーンは、音楽と最小限の舞踏と、それにナレーション手置き換えられる。実質的には、初演の頃にはなくて今はとても重要な武器になってるのが映像で、舞台奥全体の上下するスクリーンと、白い細い糸みたいなものを束ねて舞台の前の方で左右から動いてきたり、回転したりする、斜幕上のスクリーンに様々にイメージが投影され、それが舞踏の代わりになってます。

それらの作業の積み重ねの結果として、オリジナル版よりも遙かにグラスの音楽が表に出て来ます。

なんせ、アンサンブルの中にお馴染みのアインシュタイン姿のヴァイオリニストがいるのは毎度ながらだけど、完全に独奏として舞台の真ん中に出て(電子楽譜とスタンドを自分で持って出て来る)、ナレーションの老俳優と絡んだりします。最後も、ナレーターふたりが去った後に、舞台が暗転するまで真ん中で1人で弾いているし。
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これがカーテンコールでの音楽チーム。実は、いちばんたいへんなのはヴァイオリンの隣に立っているキーボードの女性。実質上の全体を支える通奏低音奏者みたいなもの。

もうひとつのデッカい独奏で印象的な「都市」の場面では、これが合唱団が舞台から客席に下りて歌いながら歩き回り、それと一緒にサクソフォン独奏も客席を歩き回ります。まるっきりシアターピースですわ。指揮者と合唱団が舞台の前に出て来て、合唱の演奏会みたいに歌うところもあったり。

合唱団も大活躍。過去の演出ではどれもピットに入っていたり、隅っこに立っていたりしてさほど目立つ扱いはなく、なんとなく仕事の割に報われない感漂う合唱団なんだけど、この演出では実質上オペラの出演人物となっています。「宇宙船」では原始人の着ぐるみを着て客席から出て来たり。独唱歌手も扱いが大きくなっていて、「夜汽車」では、2人の歌手が真ん中で完全に二重唱を延々しています。どこだったっけかなー、完全にソプラノ独唱がステージ真ん中で延々とヴォカリーズを続けるアリアになってたところもある。

なんだかこれじゃ全然判らないかもしれませんねぇ。スイマセン、でもまあ、つまるところ、「《浜辺のアインシュタイン》をあくまでも音楽メインに捉え、現在ある照明、電子技術その他を駆使して視覚化する。舞踏がないともたない部分は、敢えて別のテキストを追加することまでしてカバーする」というやり方。

会場となるドルトムント歌劇場はかつてナチスに潰されたシナゴーグの跡地だそうで、それを非常に大事にしている記念碑などがいろいろあるから
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この作品に読み取ろうと思えば強引に読み取れなくはない「ヨーロッパからアメリカ、そして宇宙へと至るユダヤ人アインシュタインの旅」を演劇的に強調するのかなぁ、と開演前には勝手に推察していた。だけど、まるっきり外されましたね。好き嫌いはともかく、こういう手があるのかぁ、と大いに感じ入りましたです。アデレードの演出が、舞踏出身の演出家さんだったこともあり、全三部作を全て舞踏の視点から作り直すような舞台だったのとは、ほんとにまぁ、正反対のアプローチでありまする。

この作品、ことによると、やりようによっては案外と生き延びるかもしれんぞ、近未来には演出家が最もやりたい作品になるかも、なーんて思わされましたとさ。

ヘバヘバなので、これでオシマイ。もう寝ます。

ダニエル・ベル元気です [演奏家]

エッセンにおります。都響がヨーロッパ公演で来たとき以来かな。なんせ、昨日はインタビューのテープ起こしで寝たのは3時前。6時半には起きてなんのかんの、午前11時成田発のデュッセルドフル便に乗って、シベリア上空でテープ起こし内容を記事にする作業をして、ウラル山脈直前くらいで一応、初稿は完成。それからヨーロッパに入ってペテルスブルク上空くらいまでちょっと寝て、午後4時前に到着し、5時頃にはDBでエッセン中央駅まで来て、宿に荷物投げ込んで風呂浴びて一寝入りする暇もなくアールト劇場まで行き、楽屋口に向かい…って調子。午後7時からは半分沈没しながら《ティトゥス》見物して、今に至っておりまする。本日は30時間以上あり、そのうち睡眠時間は3時間ちょっと。こりゃああ頭が海胆になる…

なんでここにいるかはともかく、こんな方に会いました。
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そー、エッセン歌劇場のコンサートマスター、ダニエル・ベル氏でありまする。ってか、皆々様におかれましては、溜池室内楽お庭でヘンシェルQがベートーヴェン全曲やったときのセカンドさん、って言った方がお判りでしょうね。

ペッターソンQがアルテミス騒動の玉突きで解散になり、その後、ベルリンフィルに数シーズン加わったのだが、クァルテットがやりたくてヘンシェルQに復帰。そのときにエッセンとBBC響のコンマスもかねて、ヨーロッパの常設団体では極めて珍しいコンマス複数との掛け持ちを数シーズンやっていた(そもそもベルリンフィル世紀団員の収入をクァルテットだけで得るなんて、アルテミスやハーゲンだって不可能)。だけど流石に無理ということで、昨シーズン今頃の日本ツアーを最後にクァルテット業界からは引退、コンマスに専念することにした。なかなか波乱の経歴でありますねぇ、こうして記すと。

まあ、この話には、ヘンシェルQのルクセンブルク国立大学のレジデンシィの話があって、ほぼ決まっていたのだが、最後の最後に国会での予算承認がされず流れた、という背景があるのですが…それはまた別の話。ちなみに、ヨーロッパでも所謂「常設弦楽四重奏団」としてツアーや録音だけで食って行けている団体は、2017年現在、そーねー、恐らく…アルディティQ会社だけじゃないかなぁ。ある年代を過ぎて続いている団体は、どれもメンバーの数人が安定した教職を持ってます。

もとい。で、楽屋口で待っていて、ビックリさせてやろうと思ってそっちに向かったら、なんと外で団員と話をしていてヨロヨロやってくるあたくしめを発見し、デカイ声で「やくぺんさーん!」と手を振って来た。ビックリしたなぁ、なにしてるの、いや、来週からレッジョのコンクールでさ、ヨーロッパに入るのにいろいろ道はあるんだけど、ここで今日はプレミアが出るから絶対に乗ってるだろうと思って、さっきデュッセルドフルに着いたんじゃわな…

ダニエル、昨シーズンからは家族もベルリンからエッセンに引っ越し、実質、この地を拠点に生活しているとのこと。ツアーもないし、スゴく安定した生活だよ。子供の教育にもね。そうそう、このオペラのオケの連中とクァルテットを組んだんだ。あ、今日の《ティトゥス》は、空港が舞台だからビックリしないでね。このプロダクション、歌手から制作スタッフから全てがうちのハウスの専属メンバーだけで作ってるんだよ…

立ち話で近況を語る姿は、とてもお元気そうでした。

こういう生き方もある。音楽的にも、(普通なら)眠気も吹っ飛ぶような勢いの良いモーツァルト。長い夏至前のヨーロッパの土曜の夜が、やっと暮れていく。