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ハノイの国際交流基金で弦楽四重奏を聴いたのじゃ! [たびの空]

本日天皇誕生日、ハノイ市内は健軍記念日翌日の土曜日、曇り空で18度くらいの寒い寒いクリスマス前の週末でありまする。お嫁ちゃまは連日の気を使う打ち合わせ仕事の疲労が溜まり、本日は轟沈の土曜日となっております。ま、いつものこと。

さても、昨日の晩、市内のフランス大使館、インド大使館などが集まる中心部にある国際交流基金で、「クリスマス・コンサート」が開催されました。
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この話の続報でありまする。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-12-20

担当者さんもどういう楽器が来るのかギリギリまで良く判らなかったとのこと、結果からすれば、オーボエ各種7、フルート、弦楽四重奏、ピアノ、というなんだかやたらと豪華、ってか、やっぱりよーわからん編成でありました。

演目は、ピアノさんが体調不良で予定されたラヴェルの小品がなくなったり、転換が面倒な小品プログラムで時間がおしちゃたからか渡されたプログラムから井上陽水「少年時代」なんぞ数曲が吹っ飛ばされたり、予定になかったオーボエ独奏の現代曲があったりと、なかなかバタバタしたものの、冬の野外の1時間半、国際交流基金の中庭に詰めかけた皆様はそれなりにお楽しみになりました。

楽的にいちばん興味深かったのは、フルート独奏で披露された武満《ヴォイス》でありましたね。向こうにバスや単車が走る音が轟き、マイクで拾う形でも、武満の静謐さはなぜか醸し出されるのだなぁ。壊れ物注意、みたいに扱っちゃうタケミツ・サウンドだけど、案外、乱暴な扱いにも対応可能なのかも。

野外で、マイクを使いスピーカーを通して拡声するこの無料演奏会、やっぱり最大のポイントは「7本のオーボエ」でありました。もう、著作権も何も知らん。勝手にアップしちゃうので、皆様、適当におききあれ。
ついでに、ったら失礼だけど、頑張った弦楽四重奏の皆さん、《アイネク》なんてもやってくれたのだけど、こちらをご紹介。なんか、この曲、アジア圏で人気なんだよねぇ。よく、中国のショッピングモールなんかで冬になるとBGMで流れてるもん。

無論、おおっぴらに拡散なんてしないでくださいな。

おっと、お嫁ちゃんも起きてきたようなので、土曜日午後の市内をフラフラしてきましょうか。寒さに負けないようにしっかり着込まねば。

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ハノイ初の教会コンサート [音楽業界]

一応、「音楽業界」カテゴリーかな。実体は「たびの空」なんだけど。

昨日、ハノイ市内の大観光地(物理的に広い、という意味)旧ハノイ城跡遺跡の北、大統領府やホーチミン廟からもほど近いクァバック・カトリック教会で、「クリスマス・コンサート」が無事に開催されました。ここ。
http://www.giaoxugiaohovietnam.com/HaNoi/01-Giao-Phan-HaNoi-CuaBac.htm
へえ、ハノイでもそういうのがあるのか、とお思いでしょうし、実際、それだけのことであるといえばそれだけのことなんだけど、「無事に」という副詞を敢えて被せてあるのは決して意味がないことではない。指揮を執られたヴェトナム国立管音楽監督本名さんに拠れば、ともかくここに至るまで苦節何年だかの大変な道のりがあったそうな。なんせ、カトリック教徒の人口が2割くらいというこの人口1億に迫ろうというかつてフランスが宗主国だった国で、教会内部でのクリスマス・コンサートというのは前代未聞、全く初めての試みだったそうでありまする。

きちんとした取材じゃなくて酒飲み話、事実関係を確認したわけではないので細かい事情は記しませんけど、よーは、社会主義国に於ける教会という人が集まる場所の在り方、ましてやハノイの丸の内というか霞ヶ関というか皇居周辺というか、そんな位置づけの場所の凄く目立つ大きな教会となれば、いろいろと御上も気になるし、教会側もいろいろ忖度、とは言わぬが、配慮をしていた、ということでありますな。なんせ、本番数日前に御上からいろんなことを言ってきて、中止になるかもしれなかったという。

切符を売るのではなく、日本円でお一人様500円くらいのドーネーションを御願いします、と呼びかけて入口で徴収するチャリティ・コンサート、主催はゲーテ・インスティテュートで、教会はあくまでも会場を貸した、という形になっている。ドイツから歌手が2人招聘され(アルトさんはフランス人だそうだけど)、ヴェトナム側からはソプラノさんと、一昨年の《かぐや姫》でもエンペラーを演じたバリトンさんが参加。合唱団はハノイ・カトリック青年合唱団にハノイ・オペラハウス合唱団が加わり、オケは無論、ヴェトナム国立管でありまする。

なにせこの街ではかつて起きたことの無いイベント、表の差配を含めどうなることか判らぬ一発勝負イベントだったわけで、やくぺん先生とお嫁ちゃんも開場の1時間近く前には教会に到着。
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表でドーネーションのブースが作られたり、トナカイ髪飾りやサンタ帽子
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はたまたマグカップなどいかにも教会ドーネーション屋台の立て込みなんぞが行われてる。
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なるほど、こんなノンビリした感じなんね、と安心して、本名さんお薦めの道を渡った(この作業がいかに至難か、この国の都市部の交通事情を知る方にはお判りであろー)向かいにあるコーヒーハウス「コバ」に上がり込んで、ううん、確かにモダンアート連中はこの国に関心あるわなぁ、とさりげなくふるぼけカッコイイ店内に満足し
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気持ち良い椅子に座りこんでヴェトナム珈琲をいただき、クリスマス前の宵、道を流れるオートバイの無茶苦茶さを眺めていればいくらでも時間の経つのは忘れる状況なれどそーゆーわけにもいかず、おっともう開場15分前を切ったでは無いか、と慌てて再び決死の覚悟で道を渡り、ではあらためて、とホーオジサンの赤いお札を出して2人前、チケット代わりに当日プログラムをいただき、教会横に仮設された臨時駐車場に次々と乗り付け始めるバイクを眺めているのであった。

そうこうするうちに午後7時もまわり、教会正面の扉も開き、人々がだだだだああああ、っと流れ込む。ぼーっとしているうちにあっと言う間に中央の席は埋まり、あれよあれよ、後ろから数列目をなんとか確保するのがやっとの田舎者。なんせ定員などのない教会、席はなくなり補助席が出され
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うしろは立ち見でぎゅう詰め状態。
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東京の消防署が見たら卒倒しそうな状況でありまする。各国大使も招待されているらしいけど、VIP席まで溢れかえっていて偉い人も座るところがないみたい。

かくて開演時間を押すこと10分ほど、ハノイのゲーテ・インスティテュート所長さんが短い演説をし、どんな風に楽器が配されているかなどまるっきり判らないままに本名さんが登場、まずはバッハの《管弦楽組曲》第3番がやたら響いて弾いてる皆様には聴きづらそうな空間に響き渡る。続いて合唱と独唱者が登場し、モーツァルトの《戴冠式ミサ》が高鳴る。ま、たしかにこの空間ではヴァン・スヴィーテン男爵のところで勉強した後のポリフォニー志向のミサだったらグチャグチャになっちゃうだろーなー、と納得しつつソプラノのアリアなどを堪能させていただいた次第。

アンコールに「主よ、人の望みの喜びよ」をやって(カトリック教会だけどいいでしょ)、最後はしっかり《きよしこのよる》で締め括り、大拍手の中に大混雑のハノイ初の教会でのクリスマス・コンサートは幕を閉じたのでありました。
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協会関係者の方は、想像以上に大変だったので毎年というわけには、と仰ってるそうだけど、そんな大人の事情はどーあれ、目の前でトナカイになって踊ってる女の子や、サンタ帽子を被って指揮してる男の子なんぞにしてみれば、「子供の頃に行ったクリスマスコンサート」の想い出、連れてきているお母さんにすれば「お前はあのとき全然聴いてなかった」と一生繰り返すであろうネタとなったことでありましょう。

普通の、当たり前のことが、当たり前に出来る幸せ。単車の群れの照らす光に浮かぶ、Merry Xmas in Hanoi!

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ハノイの国際交流基金で弦楽四重奏を聴くのじゃ…かな? [たびの空]

ハノイはオペラハウスからまあっすぐ西に駅の方に向かい、ホアンキエム湖の南側、ぶっちゃけ、トーキョーなら銀座通りの直ぐ裏くらいの場所のふつーの宿におります。夕方のハノイの街は、相変わらずの単車の洪水。
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お嫁ちゃまが学校のお仕事で音楽院なんぞの方といろいろ話をしに来るのにくっついてきた、「亭主の学会についてきちゃった奥さん」とかと同じ、なーんの用事も無いたびの空でありまする。

お嫁ちゃんが学校の予算で泊まれて、でもこれはちょっと爺婆入門者にはキツいというんじゃない宿を探したら、期せずして、数年前に沼尻オペラ公演が終わった後にオペラハウス裏の某超高級ホテルを引き払った後に泊まった宿だった。ま、まともにリーズナブルな宿を探していくと案外少ない、ってことなのかな。これから飯を喰いに行く指揮者のHさんも、ご存知の宿だったようです。ミドリさんのツアーに同行したときの音楽院近くの大使館の方が探せなかったようなスーパー安宿とは違うので、ご安心を。わ、11年も前のことなのかぁ…
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2006-12-25

オマケでくっついてきてるわけだし、機内で年末進行の作文をひとつやっつけ、空港からのタクシーの中で送っちゃったんで、気分は「おわったおわった」状態。早速、近くのサークルKで買ってきたBia Ha Noi、日本円で60円くらい、を煽りながらOishiのえびせん超辛口を喰らっているわけであるが、ま、流石になーんにもせんというわけにはいくまい。明日はHさん指揮するヴェトナム国立管が旧市街北の教会でモーツァルトの《戴冠式ミサ》なんぞをやるクリスマスコンサート。で、明後日が、これでんがな。
https://hanoigrapevine.com/2017/12/winter-concert-night-winds-string-quartet-piano/
市街の南の方にある国際交流基金での無料コンサート。沼尻オペラのときにも、無料でオペラ抜粋などを披露したところ。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07
へえ、弦楽四重奏やるんだぁ、ヴェトナム国立管の連中もクァルテットあるしなぁ…と思ったら、あれぇ

12 musicians from the Vietnam National Academy of Music, Vietnam National Symphony Orchestra and Vietnam Military Band will perform Classical music and Contemporary music including some Japanese songs. This time, we feature Oboe – 7 Oboe players will perform together with Flute, Piano and English Horn.

出演者が12名で、オーボエが7(!!)、フルート、ピアノ、イングリッシュホルン…ってことは、他の楽器は2人。だけど、国際交流基金さんの出してるヘッドラインは「Winter Concert Night with Winds, String Quartet & Piano」なんですよねぇ。

うううん、オーボエふたりが弦楽器に持ち替える、ということなのであろーか?

ま、なにがなんだか判らぬが、なんせやくぺん先生、つらつら考えてみるに、ヴェトナムでクァルテットを聴いたのは、ミドリさんが頭で、小野あきこさん、それに今や日本フィルの堂々たる首席となっている辻本氏なんぞとの地獄のツアーで《アメリカ》を聴きまくって以来絶えて無いのじゃ。

果たしてホントに「弦楽四重奏」が聴けるのかしら。11年経っても、変わってるようであんまり変わってるように思えないハノイのクリスマス、果たしてどんなことになるのやら。

単車駆る 光の中に Xmas

[追記]

一部で展開されております「ヴェトナムの学校は何度になると休講になるのか?」論争ですが、一応、公式な見解を発表しておきましょうぞ。ホーチミンのヴェトナム国立音楽院の院長の次くらいに偉い先生に拠れば、「我が校は気温7度で休講です」だそーです。なるほど。

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大フィル聴衆はカモなのか? [音楽業界]

ある関西の大学の先生から、こういう詐欺があるらしい、ということを教えていただきました。昨日今日のことではなく、もう話は収まっているのかもしれませんけど。
http://www.osaka-phil.com/news/detail.php?d=20171125

余りに興味深いので、自分のメモのためにコピペしておきます。内容が内容だけに、事が収まったらなくなってしまうリンクの可能性がありますからねぇ。

※※※※

2017.11.25
【大阪フィル・チケットセンターを騙る電話にご注意ください!】

定期会員各位

 昨日以来、定期会員様より「大阪フィル・チケットセンターから定期会員更新手続きの件で、との留守電が入っていた」「今回郵送物送付に不備があったので、この電話で手続きをします、との連絡があった」などのご報告が複数件寄せられております。
 大阪フィル・チケットセンターからは、定期会員様へ更新手続きに関するお電話を差し上げておりません。

 今後、そのような電話がかかってきた場合、くれぐれも個人情報を開示されないようご注意願います。
 また、もし不審な電話を受けられた方がおられましたら、大阪フィル(06・6656・7711)迄ご報告いただけますようお願い申し上げます。

 ※なお、大阪フィルは電話番号を非通知設定にしておりませんので、必ず「06・6656・4890」「06・6656・7711(7701)」の番号が表示されます。「非通知設定」の番号からおかけすることはございませんので、ご注意ください。

※※※※

というわけで、何があったのか、その後どうなったのか、関係者に尋ねてみたいところだが、用もないのにお邪魔するのもなぁ。その後の詳細、事件の経緯など、ご存知の方がいらっしゃいましたら、お教え下さいな。

それにしても、大フィルの定期会員の更新で動くお金って、最大に考えても数万円なわけです。会社とか組合が福利厚生で何十人も定期会員になっている、なんて例があるのならともかく(あんまりあると思えない)、この話はあくまでも個人会員向けての電話みたいだし。

身元がバレない電話1本とはいえ、なんだか不思議な話であります。大フィル定期会員って、もの凄い資産家かなんかと思われてるのかしら。そもそも、どうして電話番号が流出しているのかしら。

考え始めると、なにかホントはもっと深い裏があるのではないか、と思えてしまう。ま、「皆様、お気をつけて」という感じがあんまりしないのは不幸中の幸いでしょうかね。

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聴衆の拡大の仕方~浦安の場合 [弦楽四重奏]

本日はJR新浦安駅前にこの春に竣工した浦安音楽ホールで、レジデント・アーティストだかいう名前で活動するエクの演奏会に行って参りました。ってか、雑用の公式カメラマンやってきました、ってのがホントのところかしら。

エクは、このような「地域密着活動」に関しては、今世紀の初めから入善で重ねて来たミニレジデンシィ、とやま室内楽音楽祭でのアウトリーチ活動、札幌は北星学園大学でのショートタイム・レジデンシィなど、ある種のパイオニア的な(ぶっちゃけ、試行錯誤、トライ・アンド・エラーの実験台、ってことだけど)活動を続けてきたわけで、それが彼らをNPOでの運営という無茶に向かわせた理由でもあったわけです。東京首都圏というのは地域コミュニティの在り方が極めて多層的でアモフルで、地方よりも余程難しいのは第一生命ホールを舞台にしたトリトンさんの晴海・月島・佃地区でのO年代の活動ではっきりしたわけだが、そこにもいろいろな形でエクは関わった。んで、10年代半ば過ぎ、そういうやり方のベテランとして、新たに立ち上がった浦安の活動に抜擢されることになったのは、当然といえば当然でありましょう。

浦安での「レジデンシィ」としての活動、ひとつはこういうもの。ま、定番の地域アウトリーチでんな。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20
ここ浦安でのもうひとつの重要な動きは、本日のエク演奏会のプレコンサートとして行われた、「地元アマチュア音楽家への働きかけ」とも言うべき活動であります。ローカルなアマチュア音楽家へのクリニックとかレッスンというのは、アメリカの地域レジデンシィでは非常に重要な、ってか、基本なんだけど、案外と日本ではやられていない。富山ではやったことがあるものの、案外と首都圏では少ない。どうしてなのか、理由を考えればいろいろあるのでしょうけど、「日本の首都圏でのアマオケ活動は、土地とは結びついていない」という事実が自治体主導の地域レジデンシィと馴染まない理由なのでしょう。その意味で、小学校単位での地域アマオケ活動が盛んな千葉県西部というのは、首都圏にあってはこういいうやり方がやれる例外的な場所とも言えるわけです。

午後2時からのエク本番の前、午後1時半から地域のジュニア・オケの子供達の中にエク4が入って一緒に演奏、ご指導というわけではないけど、いろいろと現実的なアドヴァイスをする、というやり方でした。こんなん。
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ホール練習と本番に至る前にどれくらいのセッションがあったのか、スイマセン、良く知りません。音楽的にどのような効果があったのかも判りません。だけど、ともかく、子供達はエクと一緒に弾いた、という事実はしっかり残ったようであります。

そんなこんなで、午後2時からの本番は300の客席がホントの若い弦楽器奏者達で埋まる…と思ったら、どーもそーゆーこともない。無論、さっき舞台で弾いていた子供達の姿はあるし、練習のときからカメラで舞台を追いかけていた親御さんなんぞも見えるけど、やっぱり客席を埋めるのは毎度ながらのこの業界お馴染み、ご高齢者の皆様なのでありまする。

うううん、どーゆーことなんだろーなぁ、と思って周囲に聞き耳を立てると、なかなか興味深いことが判ってきた。どうやら、年の瀬の土曜日の午後に弦楽四重奏を聴くべくこのホールに座っている聴衆のかなりの人達は、地元の方らしい。新浦安駅を出て舞浜の方に京葉線沿いに歩いて10分くらい、とか、市役所の向こうとか、そういう場所からいらしている。んで、それらの方々が決して「弦楽四重奏」やら「クァルテット・エクセルシオ」を知っていてきているのではないみたい。無論、ジュニアオケのおじいちゃんおばーちゃんということでもない(それどころか、プレコンサートがあったことすら知らない方が随分いたようだし)。

この状況、「ああ、弦楽四重奏はやっぱり若い人は来ないんだ」とネガティヴに捉えることもできるだろうけど、「弦楽四重奏なんて聴いたこともない地元の方で、それなりに音楽には関心がある方々をそれなりに集めた」とポジティヴに捉えることも出来るわけでんな。

開き直っちゃえば、弦楽四重奏に無理して若い聴衆を呼ぶ必要などない。そういう方々は隣のミッキーマウス・ランドに言ってくれれば良い(浦安市民割引もあるわけだし)。客席は相変わらず高齢者中心であれ、新しいお客さんを少しでも引っ張ってくることが出来たのだから、これはこれで「聴衆拡大」になっているのであろう、ってこと。

この秋から先頃まで、韓国や台湾、中国での「若い聴衆」ばかりを目にしていると、ニッポン国聴衆の高齢化は気になるなといわれても無理です。だけど、高齢者人口が増えてる中、そこをターゲットに新しい聴衆が開けているなら、それはそれであり。このジャンル、中身で新しい聴衆を獲得しようとするなら、それこそアロドとかノブスとか、はたまたアマデオ・モディリアーニみたいな中身なり外見を本気になってなんかしらはっきり方向性を持って展開する努力をせねばならぬ。それはもう、30代以下の演奏家やマネージャー、プロデューサーの仕事になるのだろう。わしら爺の出る幕ではないし、出てはいけない。

浦安のやり方は、決して間違っていない。ご隠居に楽しみを与え、それが聴衆拡大になっているなら、何が悪かろーか。うん。

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期間限定レストラン「葛飾柿の木亭」オープン! [葛飾慕情]

毎年、葛飾オフィス巨大柿の木の葉っぱが落ちきった頃、冬季限定で開店する自由に生きる小さな飛ぶ方々専用レストラン「葛飾柿の木亭」が、今朝、賑々しくも目出度くも、オープンいたしましたです。
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数百メートルいったところに藪やらそれなりに食べるものやら、はたまた水場まであるA町平和公園という場所まであり、烏やらガーやら、ほーほー&どばやらはそこにいらっしゃって、小さな方々もその辺りを塒にだらしない川向こう新開地葛飾の冬を過ごすのでありましょう。カラ類などは数キロ北の水元公園にいけばいいわけで、わざわざこんなしょーもない街場に出て来る必要などは、皆目ない。普通に考えれば、葛飾オフィス巨大柿の木近辺は、それほどレストラン営業に適した立地では無いことは百も承知。ま、客が来ることは特に考えてない、趣味のレストランでありまする。

秋口にドイツや英国のスーパーに行く機会がなかったため、シジュウカラ・レストランのメインになるエナジーボールやらシジュウカラ輪っか飯の新しい在庫がありません。仕方なく、夏を越した古い食材で開店せざるを得ませんでした。申し訳ありませぬ、カラの皆様。1月にハイデルベルクのスーパーで仕入れて参りますので、ホントにこの場所が必要になる厳冬期には間に合うと思います。それまで、ご勘弁を。

とはいえ、まだ柿の実は4つ残っており、今年の柿の実制空権を奪取なさった皆様が、最後までしっかりいらしてくださっておりまする。
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更に開店記念特別セールとして富山の林檎を提供させていただきました。昨晩深夜に在庫を出し、冷たい曇り空の朝になってみると、もう既にお客様がいらしたらしい。誰じゃ、目敏い奴らは。多分、昨シーズンのレストランを実質占拠してしまったこいつらだろうなぁ。
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もうふたつがずっと開店を待っていらっしゃったようで、柿の実を巡ってもムク軍団と壮絶な争奪戦を繰り広げていらっしゃったみたいだし。

せっかく、佃のせれぶなブンチョウ様から譲り受けた食い残し、でもフィンチ系の皆様にはそれなりの御馳走がぶら下がっているのに、この方々はどうにも動きが判らない。
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どうやら、ムク軍団が去ったところに小さな集団でやってきて、柿の枝についた細かい食べ物やら柿の実そのものを召し上がっているようなんですが、もの凄く美味しい御馳走がそこにあるのは気付いていただけないよーじゃ。振ってやって、下にこぼしてやると、おっ、なんかあるぞ、と降りていらっしゃるんだけど。

無論、この方々はちっちゃい声でお喋りしながらご夫婦でやってきてますよ。
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凶悪狂暴ひよちゃんには追い立てられるのだけど、どうしてかムクは無視するみたいで、ムク軍団が柿の実を占拠していると、安心して「林檎、ぼくたちのでちちち」と嬉しそうにいくらでも喰らってはトイレをなさってます。

てなわけで、4時も過ぎれば暗くなる東経135度の冬の日、結局、本日はメインゲストのカラ類(っても、シジュウカラさんしかいなんだけどさ)はいらっしゃいませんでした。

飛ぶ方に 干し場とられて 乾燥器

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優勝団体に遭いにいく・その6:2015年ミュンヘンARDコンクール弦楽四重奏部門第1位アロドQ [弦楽四重奏]

秋の終わりから冬の初めの「世界の弦楽四重奏コンクール優勝団体に遭いにいく」シリーズ、この後も、1月のパリのビエンナーレではメルボルン大会優勝ノガQ、アムステルダムで新しく始まるビエンナーレではバンフ大会優勝ロルストンQ、はたまた恒例の「ハイデルベルクの春音楽祭」ではボルドー大会優勝のツェムリンスキーQと、来月にもバタバタ続きがあるのだけど、ま、当面はこれでちょっとお休み。なんか、年寄りが仕事を纏めにかかってるみたいな話だが…まあ、実際にそうなんだからしょーがないわね。

21世紀に入って「優勝団体を出します」という通達が審査員に出され、かつての「よっぽどのことがないと優勝は出さないミュンヘン」というイメージは様変わりしてしまったものの、3年に1度きっちり科目がまわってくるようになって、順当に優勝が出たり出なかったりしているミュンヘンARDコンクール、弦楽四重奏部門も、昨年はバンフと重なって「ヨーロッパ選手権」の色彩が濃かった中で天下のピヒラー御大を審査委員長に迎え開催され、以下のような結果になったのはまだ記憶に新しいところでありましょう。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
なんせドイツの放送局が自分のオケのためのポスト・オーディションとしてやってるようなところもあるこのコンクール、室内楽はぶっちゃけどう扱って良いか判らぬ、なんでもあるデパートだから並べてある商品みたいなところもあって、優勝団体へのこれといったアフターケアを主催のバイエルン放送が行ってるわけではない。無論、地元ミュンヘンでは「ARDコンクール優勝者はうちの子たち」みたいなファンの大事にしてくれ方、アドラーなどの大手主催者からの別格扱いなどあるものの、それは周囲が勝手にやってること。アポロ・ムサゲーテQもまだまだ出し、アルミダQに至っては存在すら知られていないやもしれぬ極東の島国ニッポンでありまするから、ほぼリアルタイムで優勝団体が紹介されるなんて、なんともラッキーな機会だったわけです。

このミュンヘン大会、エベーヌQというとてつもない、現実問題として21世紀のヨーロッパ大陸に於ける弦楽四重奏というジャンルの在り方に革命を起こしてしまったとんでもない逸材を出した後、どうにも「優勝」という意味ではやくぺん先生には今ひとつよく判らぬ結果が続いている。アポロ・ムサゲーテも「え、早すぎるだろー」という感は否めなかったし(実際、その後数シーズン、表に出ずに修行を続けて…というアルテミス型のやり方をしてきましたし)、ノブスが2位となったアルミダ優勝のときも「なんでザイーデじゃないんねん!」と怒りまくったわけだし、正直、昨年も「…ええええええぇ」と思わざるを得ない結果でした。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
てなわけで、このアロドQに関しても、関西の主催者さんから「チラシ裏やって」と言われて、「モーツァルトに関しては言えるけど、本選のベートーヴェンに関してはなんにも言うことはありませんけど、それでも良いんですね」と念を押した上でお仕事をさせていただいた次第。当電子壁新聞でも、敢えて事前盛りあげなどはしなかった。まあ、エラートなんてまだあったのかというレーベルが専属にしたりして、今時稀有な20世紀後半型レコード会社主導パブリシティが成されるだろうから(成されたのか、わしゃ知らん)まあいーじゃろ、と思ってたわけですわ。

とはいえ全く知らんぷりも出来ないわけで、ノブスQ10周年をソウルじゃなく水原で聴き、慌ててホンシュウ島に戻ってきた次第。

ま、なんの影響力も権威もないやくぺん先生のご感想なんてどーでもいい前振り話は、ホントにどーでも良いや。昨晩の鶴見について。演目はミュンヘンのセミファイナルでも賛否両論ながら「これはもしかして面白いかも」と一部からは圧倒的に評価が高かった(猛烈に怒っている人も少なくなかった)モーツァルトのニ短調、続いていかにも今時のフランスなイスラム圏に向けた作曲家の新作があり、最後はデビューCDで持ってきたメンデルスゾーンの作品44の2(敢えて同じCDに収められた作品13ではなく)、というもの。ベートーヴェンやハイドンなど、拒絶反応に遭いそうだったり、まだまだ手に入っていないレパートリーは避けて、今の彼らのキャラが真っ正面から出せ、勝てるものを並べてきている。なかなか賢い連中であることよ。

モーツァルトに関しては、ミュンヘンのときよりも随分と無茶の無いものになっていたとはいえ、決して大人しくなったわけではなく、無駄な騒ぎ方はしなくなった、という感じ。とはいえ、今のエベーネ以降のフランス、特にプロカルテットなんぞで切磋琢磨してる若い連中らしく、良くも悪くも攻めた演奏で、「際物ですね」と仰る愛好家の方も客席にはいらっしゃいました。無論、大受けだったわけですけど。メンデルスゾーンも同じやり方が通用する作品ということなんでしょう、細部をうんと強調し拡大鏡で見せて、それをオケのような勢いの中に落とし込んでいく音楽。

良く言えば、弦楽四重奏という文献にあまり馴染みは無いけど、オペラやオケなどは沢山聴いてる方は大喜びしそうな音楽。今や絶滅を待つばかりのコアな弦楽四重奏聴衆は、なんであんなことしなきゃいけないの、ってあたふたしてるうちに置いてきぼりにされちゃうような…

その意味で、ノブスQとは違った意味で、新たな聴衆を開拓する努力をしている団体であることは確かです。そこをどう評価するか、弦楽四重奏の趣味は時代や聴衆の変化と共に変化していくものなのだからこれもあり、と割り切れるかどうか、でしょう。それに、このやり方だとレパートリーが極めて限られる、きっちり手に入ったものだけを出すしか無いだろうから、フルタイムの常設弦楽四重奏としてやっていくにはっまだまだ基本レパートリーを作るためだけでも時間がかかるだろうなぁ、と思ってしまう。ま、それは彼らの問題で、こっちが心配するようなことじゃないけどさ。

いすれにせよ、優勝団体に遭いにいくツアーの最後を飾るに相応しい、「嗚呼、俺もそろそろ隠居だ」感漂う夜でありましたとさ。かくて、終演後、ARDで3位となったアマービレのセカンドさんと談笑、同期のリユニオンをなさる若者達であった。
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若い団体は、若い人に眺めていって貰おうではないか。なあ、婆さんや…

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優勝団体に遭いにいく・その5:第11回国際モーツァルト・コンクール第1位ノブスQ [弦楽四重奏]

朝っぱらに水原のバスターミナルを出て、国道一号線をソウルに向けて北上。なんでこの道はいつも混雑しているのだと呆れる仁川方向への支線に入り、金浦空港に到着し、ぼーっとしながら半島を出て、鳥取辺りでホンシュウ島に上陸、摂氏10度とうらうらの帝都湾岸に戻って参りました。そのまま都内某所まで急ぎひとつ野暮用を済ませ、今、京急鶴見駅下の喫茶でやっとパソコン開いてます。午後7時から前回のミュンヘンARDの覇者アロドQの演奏会。20日にハノイに向かうまでの1週間、師走の帝都滞在でありまする。

昨晩は水原市が発祥の地というSKグループが、不動産部門のフラッグシップたる45階建て高層マンションを林立させた水原市北の新興開発地区のど真ん中に建てられたSKアートリウムなる文化施設のかなり大きなオーディトリアムで、ノブスQ10周年記念演奏会シリーズのひとつが開催されたのを、遙々聴きに行ったのでありました。ちなみにソウル公演は14日で、すっかり売り切れだそうな。
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ノブスQに関しましては、当無責任電子壁新聞でも随分とフォローしてまいりましたので、ご存知の方は良くご存知でありましょう。そうそう、彼らの表記ですけど、大阪で3位になったときに「ノブース」と記されて、以降、それに従ってきたのだけどやっぱり気持ち悪い。だって、どう考えたって「ノーブス」だもんねぇ。で、ハングル表記ではどうやら「ノブス」らしいので、ま、それで行きますか、ってことにします。韓国語なんだ、と思えばそれまで…じゃないけどさぁ。

もとい、で、ノブスQであります。なんせ、アマデオ・モディリアーニQと並び、弦楽四重奏聴衆の裾野を特定方向にホントに広げちゃった稀有な連中。ソウル公演はでっかいアーツセンターのホールに千数百のお嬢さんらが集まり、終演後の韓国クラシック業界伝統のサイン会は終わるまで延々1時間近くかかるのが毎度、なーんてとてつもないことになってる。

これでやってることがやっつけ仕事や、はしにもぼーにもかからないルックス勝負のみなら「かってにしてちょーだいな」だけど、なんせレッジョを見限ったジメナウアー事務所が本格的にバックアップに入ることになった2014年のザルツブルクのモーツァルト・コンクールできっちり勝ってくるようなまともな(ポッペン先生なんぞにしっかり鍛えられた、押さえるべき所はちゃんと押さえた恣意的ならざる音楽、ってこと)古典を聴かせてくれる。ロマン派やらせれば、ハッタリではなく筋の通った「キメ顔」が出来る。すげええカッコイイんだわさ。

昨晩の演奏会でも、意外にクールでスタイリッシュなシューベルト《断章》に始まり、ファーストぶっとびには決してならない室内楽としてちゃんとしたメンデルスゾーンの作品80。そして、ソナタ形式の構築性をしっかり見せた第1楽章と、弱音中心の第2楽章の泣き節とを対比させるドヴォルザーク作品106。どれもとても立派で、ロビーで流される10周年の軌跡を描いたヴィデオクリップのコンクール受賞歴も当然でしょ、と納得させる堂々たる演奏でありました(結成翌年に大阪で3位になったのは韓国ベースの団体としては初の国際室内楽コンクール入賞で、これが彼らのその後の活動のきっかけになっている、という事実は触れて欲しかったなぁ)。個人的には、ドヴォルザーク第3楽章トリオのテンポに、へええええ、と思わされたのがとても印象的でありましたです。

そんなノブスQ、この故郷でのミニ記念ツアーを終え、来週はウィグモアでハイドンばかりのシリーズのひとつを弾き、それからイスタンブールで公演を行い、ひとつの時代を終えようとしております。

祖国を出て、ミュンヘンでずっと一緒にやってきたヴィオラのイくんが、今月をもって脱退。指揮者の修行を本格化させるとのことです。新しいヴィオラはもう決まっていて、やっぱりヴィジュアル系OKの伯林在住のコリアン・ボーイ。来年に入ると暫く移行期間でコンサートは休み、春前から再稼働とのこと。

それを知ってしまうと、ドヴォルザーク作品106の緩徐楽章は、10年のあれやこれ万感の思いを込めた涙なみだの音楽に聞こえてきてしまうのであーる。そういえば、セシリアQがチェロ脱退が決まって参加したバンフの本選で、いろいろあった苦難の時代を振り返り懐かしむ、すすり泣きが音楽になって響いてるような音楽をやって予想外の(失礼)優勝を飾っちゃった、なぁんてのを思い出すぞ。この曲、晩年の作品なんだけど、「我が青春よさらば」のテーマソングなのかしら。

ま、ここまできちんと作れていれば、ちゃんと弾ける奴が入ればアンサンブルは問題ないでしょう。ノブスQ、10年を過ぎての歩みを、これからも見守って行かねばならんし、なにか出来ることがあれば少しでもお手伝いをせねばならんだろうなぁ。

かくて、新しいメンバーが客席で「すげえよねぇ、今日の演奏」と手を叩く向こう、舞台の上の4人の姿。
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新メンバーを迎えた祖国の初公演は5月の「ソウルの春音楽祭」出演とのこと。11月3日には、なんとロッテホールという大空間でショスタコの3番と8番なんぞを披露する予定だそうな。

日本で聴ける予定は…残念ながら、現時点ではありません。ふううう…

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