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「判りやすい演出」とは [音楽業界]

これからマエストロ飯守へのインタビュー仕事があるので、あんまり中身には触れられないのですけど、ともかく、忘れないうちにひとことだけ、記しておきます。

昨日、初台新国立劇場で、故ゲッツ・フリードリッヒ演出(原演出?)の《ジークフリート》プレミアがありました。
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んで、このインタビュー仕事のために、珍しくも平土間プレス席をいただき、買っていた天井桟敷いちばん後ろの列のチケットは「これ、学生券とかのための無料提供券に出来ませんか」と新国の方に訊ねたのだが、驚くべき事に我らが国立劇場にはそういうシステムがないとのことで、捨てることになった。まさか、メンツ割れてるのに、警備員警察ゴッソリいる入口前で投げ売りするわけにいかんもんねぇ。

んで、音楽面についてはこれから某月刊誌今月売りグラビアページのためのお仕事があるので、それはそれ。問題は、恐らく、余り触れられないだろう、演出について。

この《リング》の演出、死んだ子の年を数えるようなことはしたくないので敢えてそれは触れないにしても、やっぱり、ちょっと不思議な舞台であります。今の初台の、誰がインテンダントだか判らないシステムでは、世界中の《リング》を見比べて、「おおおし、じゃあ、こいつにするか」と買ってくることだって出来るでしょう(現実的にはともかく、理屈としては可能でしょう、なんせわしらの税金50億円あるんだからさ)。そんな状況で、敢えてキース・ウォーナーの「トーキョー・リング」を捨てて、フィンランドから巨匠の最晩年の演出舞台を持ってきた。共同制作したからこうなっちゃった、とかじゃなくて、買って来た、というべきでしょうねぇ。

この舞台、特に昨日の舞台は、ご覧になった方は皆さんお判りのように、一言で言えば「もの凄く判りやすい」演出でした。

判りやすい、というのは、つまり、「ああ、あの小人は今、スゴく怒ってるんだな」とか、「あのさすらい人という奴はホントは全てを知った神様で、今、裏から成り行きを覗いているのだな」とか、「なるほど、2人の腹黒い小人族の兄弟が喧嘩してるのか」とか、「あの肥ったテノール、自分がホントの息子ではないと判って大喜びしているのだなぁ」とか、そういうこと。その瞬間に舞台で起きていることを、過剰なくらいに、歌手の方々が演技として見せてくれる。

そんな個々の役者がやってることの「判りやすさ」が延々と続きます(唯一、演技無しで棒立ちになっていたのが3幕冒頭のヴォータンなのだけど、あれも「大気荒れ狂うに中に孤独に立って沈思黙考している」という演技なんでしょうねぇ、きっと)。ですから、ホントに「あの肥った人、なにしてるの」という意味では、よーくわかる。

だけどね、それらの演技を通して、この舞台がトータルとして何を言おうとしているかになると…なんだか良く判らない。ってか、全然、判らない。

つまり、5時間以上に亘る舞台全体を眺めて、「あの演技をしていた人達は、どういう舞台の空気を作ろうとしていたのだろうか」というトータルな印象が、あんまり伝わらない。敢えて言えば、舞台監督はしっかりいて、役者もそれぞれに自分なりの役に対するイメージや方法論をしっかり持っていて、みんなきちんとやってるのだけど、全体を統括してるディレクターがいるように感じない、という舞台。

これ、ゲッツ・フリードリッヒが亡くなっている、というところから来る偏見ではないよなぁ、とずっと思いつつ眺めていたけど、やっぱり、最後までその印象はぬぐえなかったでありまする。

まあ、最近のドイツなどの50万人規模くらいの都市で次々に出ている《リング》サイクルは、演出家がどこまで舞台全体をコントロールしすれっからしの評論家共から褒められるかを競うオドカしあいになってる。昨年、前半ふたつだけ眺めさせて頂いたマンハイムのチクルス(DVDにもなってますので、ご関心のかたはどうぞ)なんぞ、まさにそれ。んで、この初台の舞台は、その正反対、「ちゃんとして、文句の言いようが無いけど…で、演出家さんはなにがいいたいのぉ」って舞台。

ネガティヴな表現に聞こえるかもしれませんが、「リングを出して、今の日本で起きている政治状況などを極力考えさせない、感じさせないようにする」という方針と割り切れば、これはこれで立派なもの。演出家が故人となっている定評ある舞台をきっちりした歌手と音楽で聴かせるのが日本の「国立劇場」の仕事、とこの劇場を運営しているお役人の皆様はお考えなのでありましょう。そのメッセージは、しっかりと伝わるです。

じゃ、びわ湖の「可能な限りかち割り通りの舞台」とどう違うかというと、これまた微妙にして違うので話がやたらとながくなるから、今はしません。ゴメン。

まだまだ1万円台以上のチケットはそれなりにあるそうなので、《ジークフリート》という作品がどういうものか知りたい方は、お金を出す価値はあります。この舞台を眺めて「へえ、こういうもんなんだ」と思ったり、「あたしゃ、やっぱりヴァーグナーはダメだ」と思ったりするには最適でありまする。

さて、初台に出かけねば。

[追記]

今、マエストロ飯守のインタビューを終え、新宿線で錦糸町方面に向かってます。いやぁ、上の作文、全部ちゃぶ台返しいしてくれるような、面白い話でした。あたくしめのアホさ加減丸出しでした、ホントに。どうやら事前にこの無責任電子k部新聞を眺めていたらしい新国立劇場スタッフの方はあ、横からニヤニヤなさってましたです。いやはや。

とにもかくにも、6月17日のO学のT誌発売を待たれい。まずは、テープ起こしじゃ。結構、あるぞおおお。

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パシフィカQ第1期最後はベートーヴェンで [弦楽四重奏]

欧州出発を前に滅茶苦茶なことになってきていて、ホントに電子壁新聞どころではなく、ともかく自分の為のメモを。

常設フルタイムでやってきている弦楽四重奏団は、20年を過ぎるくらいからまた次の時代に入り始めるもので、中堅所団体からいろいろな動向が伝えられる今日この頃。やっぱりいちばん大きなネタは、こちらでありましょう。
http://myemail.constantcontact.com/PACIFICA-QUARTET-ANNOUNCES-PERSONNEL-CHANGE.html?soid=1103230119130&aid=ezSPDtM65hU

昨年のサルビアホールでのショスタコ全曲のときから出ていた話が、やっと公式に発表出来る状況になったようです。最初は「第1ヴァイオリンのシミンがオーブリンの弦楽器科主任になるので、ツアーがやっていられない。で、彼女が降りて…」という動きだった。ところが、このクラスの団体の第1ヴァイオリンとなるとそうそう見つかるものではなく、結局、適任者がおらず、弦楽四重奏の仕事を減らして続ける、という方向になりそうだった。

そこからまたいろいろあり、セカンドのシッビのところにオーブリンから室内楽科だか弦楽器かだかの主任クラスで、という話があり、更にマスミにはイーストマンから声がかかった。で、なんのかんの、このような結果になったということ。

新しくセカンドに入る奴は、ビアヴァQの第1ヴァイオリン君です。今世紀の初め頃、札幌のPMFが東京Qを講師にプロの弦楽四重奏コースを数年やったことがあり、そこに来たこともある団体。10年くらい続けて、公式に活動を停止していました。その意味では、適材適所、ということでしょう。

栄光のパシフィカQ、現メンバーからの連絡に拠れば、黄金の第一期の最後の最後の演奏会はこちらだそうな。
https://www.ravinia.org/ShowDetails/Index?id=1259
ラヴィニアQでの「トウキョウ・スタイル」のベートーヴェン全曲でんがな!これはいかにゃならんかなぁ。この時期、カタロニアでカザルスQのベートーヴェン全曲を聴く予定だったんだけど、やっぱり付き合いからすればこっちだろうしなぁ。

20数年目の弦楽四重奏団、パシフィカQの直接のライバルのクスQも、今はみんな別々の場所に住んで、セカンドのオリー君は今はフェルツ師匠の精神を継ぐ最も若く活発なヨーロッパの弦楽四重奏教育センターになりつつある。そういう時代、なんでしょうねぇ。

…などと考えるに、本来ならばエクもそういうポジションがある頃合いなのだが…。なんせパシフィカ第0期、メルボルンの戦いで同じステージに立ち、同じく2次予選で涙を飲んだ同期なんですから。

些かなりの無力感も感じる今日この頃。んで、また週末からパシフィカ伝説の始まり、レッジョの戦いを眺めに行くわけだ。ふううう…アホか、わしゃ。

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北限のコナラの森に鳥の声が響く [演奏家]

ええ、諸処の事情で、札幌にいます。昨日、急に来ると決まった話。後ろにはゼミの授業が始まるのを待つ大学生たちがいて、目の前には最も北にあるコナラの自然林が広がり、シジュウカラやキビタキの声が聞こえてきます。
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さっきはアカゲラさんの姿も見えました。
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流石にクマゲラはいらっしゃらないなぁ。

どうしてそんなことになってるかはともかく、先程、グランドの向こうの教会で、大友肇さんがカザルスの話をし、バッハとか、ちょっと弾きました。お昼休みの短いコンサートなんだけど、サラッと、でも気持ちの良いサラバンドが流れる。

本日は、そんな空気を当無責任私設電子壁新聞を立ち読みの皆様にもちょっとだけでもお伝えしようと、写真と音のさわりを貼り付けてオシマイ。夏の初め、ってか、春の終わりの北海道は、まるで先週の大阪みたいに爽やかで、ピースピースと鳥も鳴く。
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明日は昼に、エクが弾きます。お暇ならどーぞ。

[追記]

主催者のチャペルセンターの方が、《鳥の歌》全曲の音声ファイルをアップしてくださいました。お聴きになりたいかたは、こちらへどうぞ。
https://www.facebook.com/KatchinTK/videos/pcb.1332327333513072/1332381306841008/?type=3&theater

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川向こうの新開地にN響がやってくるっ! [葛飾慕情]

大阪で実質2週間一切の作文作業が出来なかったために、帝都滞在10日の間に「曲目解説×4、チラシ裏×1、イベントレポート×4、エッセイ×1(3時間のテープ起こし含む)、単行本最終校正×1」というアホみたいな量の作業をせねばならず、普通に考えればどう考えても無理。その間に《ラインの黄金》、《ジークフリート》、《天地創造》というこれまたアホみたいな大作が並び、劇場ホールに出かけて座っているだけで半日取られる。そこにもってきて、共著本関係の打ち合わせなども入り…いやはや、なんで今、生きていられるのかよく判らない。もしかしたらわしはもう死んでるんじゃないか、ホントは…

そんな中、新開地葛飾区民とすれば、どうしても外せない大イベントが本日あるのであります。そー、何を隠そう、颱風が来れば暴れ川の中川が氾濫し畑・田圃が水浸しになった荒川放水路向こうの新開地ここ葛飾に、なんとなんと、遙か山の手は高輪から、日本一のオーケストラ、天下のNHK交響楽団様がやって来るのであります!それも、新日本フィルやアンサンブル金沢、大阪フィルなどのメイジャーオーケストラの音楽監督を歴任し、ショルティ時代の全盛期シカゴ響でマーラーを、平壌では第九を振っていらっしゃる我らが国際的大指揮者、井上みっちーさまがポディウムにお立ちになるのでありまするっ!葛飾区民とすれば、もーもったいないことこのうえない、どれだけ喜んでも喜び足りない事態ではありませぬかっ!!!!!
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水浸しの新開地の区立武道館公民館を潰して建てた区民宿望の音楽の殿堂、低湿地に聳える石造りの館、長期政権を誇った小日向区長の置き土産のひとつ、葛飾シンフォニーヒルズのオープン25周年記念演奏会なのでありまするっ!スゴいぞ、交響楽の丘!偉いぞ、NHK交響楽団!かっこいーぞ、いのうえみっちー!いぇいえええいいいい!

てなわけで、葛飾区民なら、ちゃんとチケットを購入して出かけねばなりません。流石に正装はしなくていいだろうけど、ヒルズ隣の風呂屋にいくのとはわけが違う、サンダル履きなどもっての他でありまする。

寅さん唯一の海外旅行として訪れたヴィーン市から特使として派遣されこの地に立ち既に四半世紀、新開地の畑や原っぱの間の町工場や安アパートがごみごみグチャグチャした住宅地なりに変貌し、水戸街道の巨大トヨペット看板もみえなくなり、天を貫き周囲に鳩や烏ばかりかヤンキーマシン猛禽共まで呼び集める巨大な天樹がにょっきりと聳えるようになる有様を眺めた天才アマデウスは、このお目出度き日にいかな感慨をお持ちでありましょうか。
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公式には、こんな経緯だそーな。区民は「寅さんが行ったから、お返しにモーツァルトが来た」と信じてるんだけどなぁ。
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東葛の 丘に轟け よんぱっぱ

[追記]

大エンターテイナーみっちー様のタクトの下、《アルルの女》第2組曲最後の大盛り上がりで生誕四半世紀演奏会は目出度く打ち上げました。やくぺん先生的には、いねちゃんさんN響首席就任記念演奏会でもあった。それにしても、かえこさん&いねちゃんがN響トップって、四半世紀前には考えられないことだなぁ。

ちょっと喋ったみっちー様に拠れば、オープニングもミッチーさんで、シューベルトの間にモーツァルトを挟むプログラムだったそうな。思えばその頃、実質、葛飾の家には寄りつかなかったやくぺん先生、オープン前に母親様から「ホールの名前を公募しているのだけど、お前の嫁さんはカザルスホールで働いてるのだからどういう名前が良いか分かるだろう、入れ知恵しなさい」と毎度ながらの無茶ぶりがあり、「まさかモーツァルトホールはないだろうから、葛飾の区の花でアイリスホールにしなさい」とアドヴァイスした。そしたらなんとまぁ、見事小ホールがアイリスホールと命名されちゃって、母親は小日向区長から命名者のひとりとして記念に15㎝くらいのモーツァルト像などいただいたっけさ。

それにても、今日のピアノお嬢さん、師匠のマンチェはモーツァルト弾くの、ホントに許してるのかしら。ロマン派ならともかく…激怒されないか心配じゃ。いやはや。

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アイズリQのメトロポリタン美術館レジデンシィ [弦楽四重奏]

スイマセン、忙しすぎるので、情報のみ。自分の為のメモ。

第9回大阪国際室内楽コンクール第1部門で優勝したアイズリQ、この9月からのシーズンには、ニューヨークのメトロポリタン美術館室内楽シリーズのレジデンシィに任命されています。これは試合参加前から決まっていたことです。以下、日程。
http://www.metmuseum.org/events/programs/met-live-arts/aizuri-quartet
このページ、なんだか凄くみにくいんだけど、もうちょっとなんとかならんかしら、美術館の公式なんだからさぁ。ともかく、日程だけ纏めると以下です。場所は1回目と3回目はいつもの、グァルネリQ定期以来お馴染み、あの弦楽四重奏映画でも最後の演奏会場となってブレンターノQのチェロさんが最後に登場した、ミイラの向こうのオーディトリアム。

Music and Mayhem:《ハープ》、ライヒ《ディファレント・トレインズ》、グバイドゥーリナ4番
Saturday, October 21, 7 pm

Music and Isolation:ヒルデガルト・フォン・ビンゲン、ジュズアルド、ハイドン、ベートーヴェン作品
Friday, December 1, 7 pm

Immigration/Migration:ブライト・シェン、ビーチャー、バルトーク
Friday, February 23, 7 pm

どこだかよく判らん場所でやる第2回が特に面白そうですねぇ。ちなみにこのシリーズ、グァルネリQがずーっと続けていた定期が終わったあと、3シーズンくらいパシフィカQが引き継いだのだけど、その後はシーズン毎に若手団体に枠を与えるという考え方になったようで、同じく大阪優勝の次のシーズンにアタッカQがレジデンシィを勤めていました。まるで「大阪で優勝するとメトロポリタン美術館のレジデンシィになれる」なんて誤解されそう…なわけないか。

一度くらい眺めにいけるかなぁ。第2回を、サンフランシスコのアダムス新作とがうまく引っかけられればなぁ。アダムス新作は11月29日と12月2日に上演があるみたいなんで、日程としては全く無理はないのだが、問題はフランクフルトでのクスQのベートーヴェン・チクルスの状況なんだわなぁ。ううううん…

って、今はそんなこと考えて暇はありません。さあ、お仕事お仕事。

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遅すぎる告知:ソレイユ東京駅で弾きます [弦楽四重奏]

大阪から戻り、デュッセルドルフ便に倒れ込むまでの10日程の間に、原稿6本(3時間を超えるテープ起こし作業含む)+単行本最終校正という物理的に限界を超えた状況。昨日の藝大でのジョコーソQもいけませんでした。この演奏会も告知してもいけるやら、であります。ここから見える場所なんだけどねぇ。

で、以下。お暇な方、よろしく。メンデルスゾーンは全曲なのかしらねぇ。時間からすると、ちょっと微妙だなぁ。

出演:クァルテット・ソレイユ
 
場所・日時:丸の内トラストシティ 2017年 5月25日(木)12:10~13:00 丸の内トラストタワーN館1階ロビー(JR東京駅日本橋口を出て右側)

演目:
◆ヘンデル:水上の音楽より
◆日本の夏 ~夏は来ぬ~海~浜辺の歌
◆幸松肇編曲:弦楽四重奏のための日本民謡組曲 第2番より「八木節」
◆ハイドン:弦楽四重奏曲 第35番 へ短調 Op.20-5
◆メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番 へ短調 Op.80

昼飯喰いがてら、でかけてみるかいな。

[追記]

てなわけで、辱宇400メートル以下の視界は悪くないのに今にも雨が落ちてきそうな帝都の空、天樹が半分まで臨めるのを横目に、都バスに揺られて(ぎゅう詰めになって、というのがホントのとこ)とーきょー・セントラル・ステーションに至りました。で、これが会場。八重洲北口の、長距離バスが到着してたところの横です。
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席は20ほどしか並んでおらず、「取り置き禁止」と書いてあるけど、開演40分前の時点でもう全部取り置かれてます。おいおい、そこに立ってるスタッフ、なにやってるんじゃい。聴衆はオバサンばかり。あ、オッサンもいるな。どうもハイドンとメンデルスゾーンは楽章抜粋のようです。

かなり頻繁に開催されているロビコンのようなので、スタッフはもう日常作業なんでしょーねぇ。さても、どーなることやら。

[追記の追記]

というわけで、東京駅で梅田ガード下B級グルメ街の饂飩喰らって、八重洲通りを歩いて佃縦長屋まで戻って参りました。Qソレイユのロビコン、32席くらいの客席のうち、なんと10席がオジサン!これって、この類いのイベントとしては異常な比率ではないかい。
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弦楽四重奏オタクご隠居パワーなのか、それともソレイユ・ラブな方々がそれなりにいるのか?

会場は、なんだかチェロがとっても響く空間で、後ろのピアノの蓋を開けて反響板のようにしているとはいえ、なかなか難しい場所でありました。ま、立ち見含めると100人を越える人に新生ソレイユを聴いて貰えたのだから、やった意味はあったのでしょう。

さて、働くぞ。

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中締め~来なかった団体のこと [弦楽四重奏]

今、名古屋を過ぎました。12泊の大阪いずみホールを見下ろす塒を出て、人身事故で大混乱の大阪駅でなんとかデカイ荷物(実質、洗濯物が詰まっているだけ)を引っ張って乗り換え、新大阪から東海道を帝都に向かっております。今日は午後7時から大曲のトッパンホールでザイーハSAXQとアイズリQが弾きます。連中も、この何本か後ろの新幹線で追いかけて来ている筈。

てなわけで、3年に一度の大坂夏の陣が終わり、2週間弱を挟んで、戦場は大阪城外堀から遙かロンバルディア平原はレッジョ・エミリアへと移動します。例年のことながら、もうちょっとなんとかならんもんですかねぇ。今回は大阪がちょっと前倒しにする決定をしてくれたもので、幸いにも大阪とは思えぬ爽やかな空気の中での闘いとなったのは有り難いことでしたけど。

この10日ほどの間に、物理的に処理しきれるのかと思うほどの作文作業、校正作業などが山積みになっていて、当電子壁新聞も滞ること必至でありまするが、ま、別に誰が困るわけでもない。古い記事がさらしものになってても、呆れてやって下さいませ。死なないように祈ってくれ、とは望みません。お前なんでさっさと死んじまえ、と思ってる方もいっぱいいらっしゃるでしょうから。

ホントは車内で最低でも1本仕上げたかったのだが、どーにも身体が動かぬ。んで、どーでもいい中締め話。

今回の大阪大会弦楽四重奏部門、結果とすればいかにも大阪らしい、極めてバランスの良い結果が出たと言えましょう。順当すぎて拍子抜け、なんて酷いことを仰る裏方スタッフさんもいらっしゃったけど、なんせこのところ数年、世界のメイジャーな弦楽四重奏コンクールは「なんじゃこりゃ」とか「おいおいおいおい」とか「気持ちはホントに判るけど、やっぱりそれじゃマズいだろーに」とか「あああああ、やっちゃったか、〇〇先生(〇〇市、はたまた、〇〇国)」って結果が相次いでいたので、こういうまともな結果が出ると驚いたりしちゃう。

今回の大阪大会の最も顕著だった特徴は、「参加アンサンブルが若い」という点にありました。アンサンブルのコンクールにも、所謂年齢制限があります。大会によって個々人の年齢に制限がある場合と、総合年齢に制限がある場合とがあり、その辺りを細かく話し出すと東京まで到着しそうなんで、ま、ともかく、そうなっているとだけ記しておきます。ぶっちゃけ、アイズリQが昨年のバンフを受けていないのは、個々人の年齢制限に数週間引っかかってしまった奏者がいたからだそうな。前回のレッジョで優勝したケレマンQがチェロのお嬢さんだけが異常に若かったのは、トータルでの年齢制限だったのでそれをクリアーするためだ、なんて嘘かホントか判らぬことを言われているし(現在はオッサンのチェリストに交代して活動中)。

で、弦楽四重奏のコンクールでは、結成して数年の団体と、同じか中核が変化しないメンバーで10数年も活動している団体とが、一緒に争うことになる。あたしらは勝手に「若手団体」と「シニア団体」とか呼んでるわけだが、アンサンブルの熟練度はもう別ジャンルとして扱っても構わないような、ってか別ジャンルにしないと可哀想、ってくらいの差が誰の耳にも明かな場合が屡々。お前ら稼ぎに来たな、ってのがミエミエな団体があるのも普通のことだったり。

ところが、一昨年のメルボルン大会での苦労人ノガQ宿望の優勝を最後に、そういうシニア団体が本選まで残らない、という事態が続いていました。特に昨年、4つも重なってしまったメイジャー級の国際弦楽四重奏コンクールで、その傾向がハッキリ出た。

今回の大阪は、なんとなんと、そういうコンクール界でのシニア団体が、ひとつも受けに来ませんでした。ぶっちゃけ、こっちが拍子抜けするくらいでした。それどころか、来月早々に始まるレッジョの大会にも、参加者リストにそういう団体が見当たりません。なんなんねん、みんな昨年でよっぽど懲りたのかいな。

その意味で、今回の大阪は「2010年以降に活動を始めたアンサンブル」という応募規定があったのかと思っちゃうような大会でした。そして、極めて興味深いことに、優勝したのは「音楽家としての経験をそれなりに積んだ上で、2010年以降にアンサンブルとして活動を始めた」団体だった。

なかなか味わい深いなぁ、そういう風に考えると。

ちなみに、昨年の彼方此方の国際大会で優勝という結果にまで至らず、過去の例ならば優勝狙いで大阪を受けに来ていたろうし、レッショとの掛け持ちもなんなくやりそうな「2017年シニア団体トップ・スリー」を敢えて挙げれば…

ムハQ、アリスQ、ジョコーソQ

でんがな。トップ・スリーどころか、もっといっぱいあったようにも思えるけど、ま、ともかく、そろそろどっかで優勝してコンクール時代を卒業させてあげたいなぁ、と思っちゃう団体の筆頭格として思い浮かぶのはこれらの名前です。これらの名前、覚えておいて損はないと思いますよ。

そんななかで、明日、藝大がジョコーソQの演奏会をやって下さるのは、ホントにラッキーとしか言えない。フランス系の団体ならば、アマデオ・モディリアーニQみたいにラ・フォル・ジュルネの常連となってスターになるという手もあるのだけど、それ以外の文化圏では、コンクール卒業後くらいのキャリアの団体がいちばん接し難くなる。

おっと、もう目の前に夏の姿になりつつある富士山が広がってます。与太話はこれくらいにして、ちょっとでもお仕事を進めましょう。何を言いたいかと言えば、「コンクールの結果というのは、あくまでもキャリアのスタートでしかない、勝ったら勝った、勝たなくてもそれはそれ」ということ。いろんなキャリアの造り方がある。自分らが何をやりたいかがハッキリしていれば、ま、なんとかなるもんはなんとかなる。

うううう、貴重な時間を無駄話で費やしてしまったぁ…

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今日明日のアイズリQ演目発表 [弦楽四重奏]

本日22日午後7時から大阪いずみホール「第9回大阪国際室内楽コンクール」、明日23日午後7時から東京は大曲のトッパンホールで開催される優勝団体記念コンサートで、優勝したアイズリQが演奏する曲目が先程発表になりました。

◆22日いずみホール:ベルク作品3、ベートーヴェン《大フーガ》

◆23日トッパンホール:ベートーヴェン作品130(終楽章《大フーガ》)

なお、両日共に演目は演奏者が決めたのではなく、コンクール審査員団からのご指名です。要は、「こいつらは今回の大会でこの曲で勝ちました」と審査員団が教えてくれてるようなもんですな。

ともかく、全作品とおして、「音楽を作るモチーフをどう扱うか」という当たり前のことが極めて明快に出来ている演奏で、特にベルクはあのモチーフぐちゃぐちゃいじいじ弄りまわしているうちに感情や情景が推移していき…って様子がよーくわかる。ホントは、2次予選でやった、このあとにシューマンの3番の弦楽四重奏曲が来る、ってプログラミングだと、意図がもっとはっきりするのだけど、本日はサクソフォン四重奏団と一緒の演奏会なので、そういうわけにはいかないのが残念。あ、サクソフォンの演目、知らんぞぉ。ま、「弦楽四重奏」のカテゴリーだからいいかぁ。

先程、アブダビ以来1年と1ヶ月にアイズリさんたちと話をしたんだけど(ってか、考えてみたらちゃんと「インタビュー」という形で話したのは初めてだわい、なんせ大会期間中は「おおい、生きてるかぁ」くらいしか話するわけにいかんですからねぇ)、ひとつ事実関係で誤解していたことがあったので慌てて記しておきます。

ええ、小生は過去にアイズリQの経歴を紹介するときに「カーチス音楽院が最初に作った学生レジデンシィで、昨年の初夏にカーチスを終え、今はNYC拠点で活動している」と記したり言ったりしてきました。さっき、ちゃんと話を聴いたら(酒飲みながらじゃなくて、ってこと)、この表現で間違いはないものの、誤解を与えるなぁ、ということが判明したのでありまする。

つまり、彼女らは「フィラデルフィアのカーティス音楽院のレジデンシィ(フェロー)を2014年から2016年まで勤める」というのは正しいけれど、「カーティスの学生により結成され…」というわけではないそうな。彼女らが2012年に弦楽四重奏団として始め、「藍刷」を団体の名前に選んだのは、ラヴィニア音楽祭でのことだったそうな。もうその時点で学生ではなく、若いプロの演奏家として活動を始めていた。だから、彼女らはコンクールを受ける年齢制限ギリギリのメンバーがいたりもするわけであります。

つまり、弦楽四重奏として習った先生はいないといえばいない。「学校で出会った4人の仲良しが始めた」とか「授業で先生からレッスンを受けるためにクァルテットを結成したのが始まり」とかいう「あいつらはコルバーンのエベネ教室の奴ら」とか「イェール大学のブレンターノの弟子」とか「NECでニックとかカッツさんに見てもらってる連中」とかいうのではない。強いて似たようなキャリアの団体を挙げれば、そう、もうすっかり出来上がった演奏家たちがマールボロ音楽祭で出会って結成されたグァルネリQとか、最近ではエッシャーQとか、そういうキャリアの積み方をしてきている。だから、昨晩も、目出度いパーティの真っ最中、ましてやメインゲストなのに、こそこそと隅っこの方に集まってメモを取り出した審査員のチリンギリアン氏から細かいアドヴァイスを受けてました。
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なんせ、ベートーヴェンで第1ヴァイオリンを弾いているミホさんとチェロのカレンは、昨年、エクがベートーヴェン全曲をやってる裏番組として隣の大ホールでやってた辻井&オルフェウス室内管のメンバーだったわけで、ミホさんはベートーヴェンの協奏曲ではコンミスだったそうな。室内楽お庭、磯村さんとか聴きたいけど自分らが同じ時に弾いてるので残念、って終演後に大馬鹿成るで麦酒飲みながら喋った。昨年、NYに出て来たところでそれぞれの人生の選択があり、そこから加わったアリアナも、ブルックリンライダーズと弾いてタールって、完全にNYCの若いキャリアのある演奏家だし。

てなわけで、そういう人達が集まって、それでやっと「キャリアの第一歩」なのだから、ほんにまぁ、弦楽四重奏会社ってのはたいへんな商売だわなぁ、とあらためて思わされる初夏の大阪でありましたとさ。

ともかく、お暇なら、いらっしゃいな。無論、11月21日サルビア、23日のトッパンも決まっておりますので、そっちも宜しく。…って、フランクフルトのクスQのベートーヴェン・チクルスと重なってないか、ちょっと心配だぞ。

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