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せーしゅんじゅーはちらー松本へ! [たびの空]

もの凄く久しぶりに、松本ハーモニーホールの喫茶に座ってます。目の前では2時から受付のテレビなど報道チームなんぞ、いかにもそれっぽい連中がグチャグチャと集まり始めてます。

どうも世の中、このままでは近衛総理っぽい空気マンマになりそうな横須賀選出若手三世衆議院議員の結婚電波ジャック騒動を筆頭に、考えただけで力が抜けてくるようなアホで馬鹿馬鹿しい話ばかりで、当電子壁新聞も開ける気にならない灼熱の日々が続いたこのところ、流石に「生きてますよ」という残暑見舞いくらいはせねば、と、取材受付が始まるまでの時間にパソコンを開いている次第。ふううう…松本盆地、風は吹くもちっとも涼しくありませぬ。いやはや。

本日は某音楽祭初日の歌曲セミナー発表会と総監督記者会見という「お仕事」、明日は一応本職ってか、まあ眺めてもそれなりのことはそれなりには判る室内楽勉強会の発表会で、今晩は安曇野で1泊でありまする。この取材、あまり大きい声では言えないけど取材費はあずさに乗って新帝都から往復する程も出ず、娯楽で行くならどんな風に金を使おうが構わぬが、商売である以上は赤字にするわけにいかぬ。となると、もう方法はひとつしかない、そー、世に有名な季節限定貧乏人御用達チケット、「青春18きっぷ」しかないのでありまする。新宿からのバスよりも安いんですからねぇ、なにしろ。

てなわけで、朝の7時過ぎに佃縦長屋を出て、まずは都バスで東京駅へ向かいまする。んで、おもむろに既に1日使用済みの「青春18きっぷ」を出し、自動改札マシンの隅にある有人コーナーに向かい、ジャパンパスのインバウンドさんやらの後ろに並んで、ぺったんと本日のスタンプを押していただくのでありました。どうせ土曜日の朝、混むはずもなかろうと、東京駅のながぁい中央線ホームに向かうのが嫌なのでさっさと山手線で一駅、神田駅まで参ります。さあ、いよいよ中央線各駅停車の旅でありまする。
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神田駅というのは案外と使いそうで使わない駅で、このホームもホントに久しぶりだなぁ、と東京駅から降りてくる特快高尾行きを待つ。んで、やってきた特快は、案の定ちいうか有り難いことにか、さほど混んでおりませぬ。殆どが近場散策の熟年ハイカーさんばかり。えんえん1時間弱、本日は電源温存のために紙の読書に徹するべくいつもの懐かしの中央線は新帝都を抜け多摩県に突入。1時間弱で高尾駅に無事到着。

だだだああだ、と跨線橋を越える奴らは、なんとなく八割がせーしゅんじゅーはちらーみたいな空気が醸し出される。やってきた8時45分発小淵沢行き各駅停車に乗り込み
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中央道に並走しつつ、小淵沢までは行かずに10時22分に灼熱の甲府に到着。途中下車致します。

昨今の立派なマシン改札は、青春18きっぷにはちょっとした鬼門。ひとつしかない有人改札に並んで切符を提示しないといけません。昨今のインバウンド人気で大量に発行されているジャパンパス、そしてこの時期に溢れる我らせーしゅんじゅーはちらーが有人改札に行列になり、外国語で面倒なやり取りをやってるので、気の短い人は切れそうになったり(短気な方はせーしゅんじゅーはちらーにはなってはなりませぬっ!)。ともかく、突破して駅ビルに入り、朝飯を調達し、直ぐにホームにとって返すと、直ぐに甲府発松本行きが入線してくる。この駅の3番ホームに下りが入るのは珍しいのかな。
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やってきたのはなんと3両編成。わらわららら、と人々がホームの後ろの方に走り始める。乗ってみればまあ、そこそこみんな座れるくらいなんだけど、3分の連絡時間しかない高尾からの次の各駅停車がやって来るや、もう車内はギュウ詰めでありまする。ふうううっふっふ、この切符が誕生した頃から使い続けている貧乏の先輩達は、そんな接続の列車に乗ったらいかんことはよーく心得ておるのじゃ、若い者達よっ!

かくて10時58分発松本行きは風光明媚な甲斐路を淡々と下り、小淵沢で観光気分は払拭。後は誰が乗っているのかよーわからんが、すわ方面に向かう中学生とか、おっさんおばちゃん、それに我らがびんぼーなせーしゅんじゅーはちらー&何故かそれなりにいる外国人観光客の皆さんを乗せて、ひたすら松本盆地へと向かうのであった。塩尻での待ち合わせでちょっと遅れ、12時52分の定刻から5分程押し、全然涼しくない松本駅に到着した次第。

あとは大糸線で島内に至り…って、この駅で目の前のホールに行く目的で降りた客は、やくぺん先生以外にひとりもおらんじゃあないのぉ。烏が水浴びしてるのを微笑ましく眺めつつホールの前まで来ると午後2時前。中ではスタッフが本日のブリーフィングを始めていて、おお、懐かしいカメラマンさんの顔も。
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これで写真は大丈夫、と思ったら、すっかり力が抜けてしまったのでありましたとさ。

さて、そろそろホールに入れそうだ。お仕事モードに切り替えねば。

※※※

かくて本日の歌曲発表会も無事に終了。小澤監督の2年ぶりの松本入りにメディア22社がグチャグチャに押し込まれる記者会見も無事に終了し、安曇野の宿に辿り着きました。明日のスイス室内楽セミナー発表会、やっぱりトンでもない奴が来てますが…それはまた明日にでも。では、一日の終わり
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遠き山に日は落ちてぇ…

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カナフィルの指定管理を見に行く [指定管理者制度]

今、世間はお盆休みの真っ最中のなにやらいう国民の祝日、神奈川県横浜市は港から二山越えた保土ケ谷の丘の上、保土谷公園の真ん中にある「かながわアートホール」のオープンハウスに来ております。
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周囲ではハマのおこちゃまたちが走りまわり、2階楽器体験コーナーに向かう通路ベンチに座って見下ろす眼下ホールロビーでは、似顔絵やら風船アートやら、はたまたギター弾き語りの準備などが進んでおり、ホール内部では南京玉簾がパーフォーマンス真っ最中。この後、神奈フィル木管五重奏が「美空ひばりメドレー」なんかやりまする。
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うううん、全て世は事も無し、としか言いようがない世界でありますな。

この「かながわアートホール」、日本世界津々浦々のホールに出没する音楽愛好家の皆々様におかれましてもあまりご存じないかもしれませぬがぁ…それもそのはず、横浜駅西口からバスで延々20分程の公園の中にある、いちばん大きなオーディトリアムでも300人程の小規模な施設。実際のところ、有料無料の公開コンサートに使われることは殆どありません。ぶっちゃけ、運動場なんかと一緒に公共施が建てた音楽練習場、みたいなもんですわ。

とはいえひとつ興味深いことがあって、なんとなんと、ホールと練習室、会議室などを収めたこの公共文化施設の指定管理をしているのが神奈川フィルなのであります。日本で初めて「プロのオーケストラが公共ホールの指定管理者となった」という場所、指定管理者業界(なんてあるのか?)ではそれなりに有名なところなのであります。既に一期目は終えて、この初夏には無事に指定管理も二期目に入り、順風満帆みたいでんなぁ。その辺り、細かい資料をご覧になりたいなら、こちらをどうぞ。一期目はライバルがあったようですが二期目の指定管理、対立候補は出なかったみたい。なんせオケですから公共施設の管理運営の人材が全部いる筈もなく、無論、共同事業体で、一緒に組んでるのは横浜アーチストトという施設管理もやってる広告代理店さんでんな。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/yi4/cnt/f520017/index.html
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/hy8/prs/r7537518.html
指定管理者決定の評価書みたいなものもどっかにあった筈だけど、今、めっからないなぁ。ま、関心のある方は探してみて下さいな。

この神奈川フィルの指定管理について、殆ど話題にならないのはどうしてなのか、ま、問題は起きない方が良いに決まってるけどだからって知らんぷりしてるわけにもいかぬ。てなわけで、年に一度、ホールに皆さんどんどんいらっしゃい、というイベントがあるのだから見物位してくるか、ということでここに来ている次第。

ホールは、実質的には様々な運動施設が並んでいる横浜を取り巻く丘の上の公園というよりも総合運動施設の中の管理棟みたいな感じ。内部は、300席のメインホールがあり、二階には音楽練習室が2つと室内楽の練習くらいは出来る集会室みたいなものがある。ま、横浜だから小さなホールですけど、人口数万くらいの町に公金投入して音楽ホール建てました、なんてときにはよくあるような施設です。立派なもんです。

神奈川フィルは普段からこのメインホールで練習をしており、それが公開されていることもあるとのこと。楽団主幹さんにここでの室内楽公演などは考えないのですか、と尋ねたら、まあ場所が場所ですしなかなか…とのことでありました。

もう面倒なんでいきなり結論を記しちゃえば、神奈川フィルがこの場所を指定管理しているのがそれほど大きく話題にされないのは、ぶっちゃけ、「公演会場ではなく練習場の管理だから」でありましょう。実際、指定管理を取るにあたり、この会場に聴衆を集めて商業的に成り立つ公演を行うことは求められていない。ホールを練習室として使ったり、発表会をしたりする市民や音楽ファン、その関係者は用いるだろうけど、年間に万単位の聴衆が訪れるところではない。要は、「日本センチュリー交響楽団がオーケストラハウスの指定管理をする」みたいなものですわ。←この比喩が判る人が関西圏関係者以外にどれだけいよーか…

なーるほどねぇ、と思えたんで、もうあとは気楽に「夏の楽しいお子様ランド」となってる会場を見物していきましょか。本日はメインホールのステージで神奈川フィルの金管五重奏と木管五重奏がミニコンサートもやってるしさ。っても、演奏の真っ最中も、ホールの客席側後ろ半分ではお祭りの縁日状態なんだけど。さあ、夏らしく、そしてヨコハマらしく、神奈川フィル金管五重奏団が演奏する加山雄三メドレーをお楽しみあれぇ!
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…これって、前に坐ってる2010年代に生まれたお子ちゃま達にとって、新鮮なカッコ良い曲なのかしら。

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エベーヌQベートーヴェン全集早速登場! [弦楽四重奏]

速報です。ともかく、事実関係のみ。

数週間前、TOKYOは溜池で「世界五大陸でベートーヴェンを演奏しまくり、記念年に全部録音で出す」というイベントの一端としてのライヴ録音をしていったエベーヌQ
https://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2019-07-17
某関係者の方から早々と第一弾が出るという公式な案内が来ました、との情報をいただきました。もう発表になってるようです。こちら。
https://wmg.jp/quatuorebene/
昨今のベートーヴェン全曲録音ではちょっと珍しいラズモ1番と2番という組み合わせ。これってやっぱり、「各大陸で演奏した演目で1枚づつ録音する」ってことになったようですね。これはこれで、こういうやり方でなければあり得ないカップリングで、興味深いことであります。耳に出来るまで、もうちょっとお待ちあれ。

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ハノイはユリシーズQ順当に優勝 [弦楽四重奏]

ことによると極東湾岸の新帝都より過ごしやすいんじゃないか、って遙かインドシナ半島の根っこはハノイで開催されていたヴェトナム初の国際室内楽コンクール、審査も順調に進み、昨晩、結果が出ました。こちら。
https://vncmf.org/en/competition/result.html

地元最上位の団体の映像、こちらです。
https://www.facebook.com/watch/?v=1227939874075391

念のため、室内楽音結果部分を貼り付けますと、以下。

★グランプリ
Comme Toi Piano Duo (Korea)
Ulysses Quartet & Trung (Canada, Poland, USA, Việt Nam)

★第2位
Amici Quartet (Việt Nam)

★第3位
L' Espoir Trio (Việt Nam)

★ファイナリスト・ディプロマ
Agosto Piano Quintet (Việt Nam)

ま、ある意味、ユリシーズは特別参加みたいなものでしょうから、順当な結果なんでしょうが、驚異深いのは第2位に地元団体が入っていることですね。どういうメンツで、どういう団体なのか、情報が拾えたらご紹介したいと思います。どうもヴィデオを眺める限り、第1ヴァイオリンに見たような顔が入ってるようなんだけど。ま、団体の名前については、かの元東京Qチェロ奏者が加わる弦楽四重奏団が存在してましたよぉ、と教えて上げたいけど…ジャンルが違し、こればかりはなぁ。

てなわけで、次はピアノの入らない形態も含めた室内楽コンクール、ですかね。なんであれ、目標があるのは良いことです。ぐぁんばれ、ハノイの若い演奏家諸氏!

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ホンマモンの古楽器を真夏に持ち歩く人々 [演奏家]

なんとまぁ、古い暦だと本日から秋らしい今日この頃、灼熱の日本列島にお暮らしの皆々様におかれましてはいかにお過ごしでありましょうか。あたしゃ、もうダメですっ。

なんせ本日は昼前から東京湾岸、向こうにまだ使ってないのに売り出しが始まったという御上公認元オリンピック村なる中古住宅が建ち並ぶ晴海まで行き、1時間ちょっとの演奏会を拝聴。その後は地下鉄京急バス乗り継いでヨコハマ市郊外某所まで、某演奏家のアウトリーチ取材で出かけ、今、葛飾オフィスまでのながあああい京急の旅を終えて戻って来た次第。どこが秋なんじゃい、という勢いで生い茂る巨大柿の木、どうもこのところボトボト落ちるダメな実の数が減ってきて、いよいよ本格的に実り出すかいな、ってところに微かな秋を感じる川向こう新開地なのであった。

なぁんて季節の挨拶はそこそこ、暑さですっかり働く気が無い前頭葉を必死に動けと命じて記す本日の御題は、昼間に拝聴させていただきましたデン・ハーグ五重奏団についてでありまする。こちら。
http://denhaagpianoquintet.webstarts.com/
って、あれ、この写真は今日の昼間に眺めたような顔ぶれ5名だけど、下のメンバー名は7つあるぞぉ。なんなん…ってか、妙に納得したりして。

もとい、この団体、本日昼間に晴海トリトンで演奏したのはこういうもんでした。
https://www.triton-arts.net/ja/concert/2019/08/08/2888/
要は、《鱒》タイプの常設、ってか、固定メンバーの所謂「オリジナル楽器」五重奏団。本日舞台の上からの情報によれば、この編成の作品は3ダースくらいは存在しているとのこと。ま、名曲となるとシューベルトと、知る人ぞ知るフンメルくらいなんでしょうけど、それだけあれば年間に4つくらいのプログラムなら作れるのかなぁ。

演奏そのものは、やはりどうしても関心は「音色とバランス」にばかり行ってしまうのは仕方ないでありましょう。善し悪しの問題ではなく、「ああ、鍵盤ってこんなに聴こえないのか」ってのがホンネの感想。特にメイン演目となったメンデルスゾーンの六重奏曲では、まるで弦楽器群がオーケストラのようにフォルテピアノの前に立ち塞がる、とすら感じられた程でありました。

きけば、この団体が用いている鍵盤楽器はレプリカではなくオリジナルだそうな。弦楽器群はどうなのか訊かなかったけど、ともかく2世紀以上昔の木製工芸品ですから、中に張られた弦も周囲に合わせて強くするなんてオソロシーことは不可能でありましょう。このフォルテピアノにどうやって弦楽器のバランスを作っていくか、ということになるんでしょうねぇ。

こういう音楽って、録音になってしまうとどんなに立派なものであれスピーカーなりヘッドフォンから耳にするバランスは調整されてしまうわけで、ホントのところは判らない。その意味で、極めて貴重な機会でありました。この晴海の会場が演奏会としては限界の大きさだなぁ、と思わせて下さいましたし。

終演後、楽屋裏を襲って、もう他では演奏会ないのですかと尋ねたら、残念ながら今回の日本ツアーは本日でオシマイだそうな。この数日、このアホみたいな暑さの中、楽器を持って歩いていたという。言われてみればそりゃそうなんだろうが、この暑さと湿気の中で、運搬中の車から外にちょっとであれ出てホールへと動かすなんて、アイスクリームを炎天下で運ぶみたいなもんでありましょーぞ。

どうして今、敢えてニッポン・ツアーを、世界大運動会の予習ですか、なんてどうでもいいことを考えんでもないが、とにもかくにも貴重な秋の初めの経験でありましたとさ。

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チェロは歌うだけじゃ…ない? [現代音楽]

昨晩、一部で大いに話題のチェリストのジョヴァンニ・ソッリマがドヴォルザークの協奏曲を弾くのを見物にミューザ川崎まで詣でたでありました。

っても、一部の方々とすれば、ソッリマというのは作曲家なのかも。マネージメント業界現役時代には日本チェロ協会なんぞのお手伝いもしていたうちのお嫁ちゃまなど、ソッリマと言ったら「ああ、作曲家の」と仰いましたですし。楽譜の手配とか、権利関係とか、いろいろあったんでしょうねぇ。

さても、そのソッリマ氏、なにやらマイクが林立するシティフィルの前に登場し、ドヴォコンをご披露下さったわけであります。演奏家としてこういう曲を普通のオケと弾く、という所謂「ソリスト」としての活動はいっぱいあるのか、関係者の方に尋ねたら、先頃イタリアだかで3回だか続けてドヴォルザーク弾いてたそうな。
音楽は、まあお聴きになった方はお判りのように、演歌ギリギリとは言いませんが、楽譜の許容量いっぱいまでのルバートやらアッチエルランドやら、時間を自在に扱う。妙な音譜が山のように入ったりとか(ちょっとは入るけど)、音程がまるっきり違っちゃうとかではないんだけど、「弦楽器」というか、「チェロ」という旋律楽器の音の出方、出し方から不自然にはならない限界ギリギリの中で、最大限にいろんなことをしてみせてくれる、というもの(その意味では、先頃のエベーヌQにちょっと近いものがあるかな。無論、弦楽四重奏はアンサンブルだから、ここまで好きは出来ないけどね)。
ぶっちゃけ、自分でチェロを弾く方なら「ここはこんなことやっちゃったらカッコ良いだろうけど、ちょっと無理だよなぁ、俺には」なーんて思ってるようなことを次々とやってくれちゃう、ってか。なるほど、実際にチェロやら弦楽器やらをお弾きになる方々から演奏家としての人気に火が付き、アマチュア奏者を束ねるみたいな合奏をやっちゃうのもよーく判ります。これは「俺たちのアイドル」でんがな。ミニチュアスコアを手にしながらスピーカーの前で指揮者になった気持ちで聴く、なんて20世紀のオールドファンの方には、かなり抵抗あるかもなぁ。それにしても、これに付き合う指揮者さんとオケはさぞかし大変だったでありましょう。皆様、ご苦労さまであります。

ちょっと意外だったのは、独奏のダイナミックレンジは案外と広くはなかったこと。痛いような強烈なピアニッシモとか、オーケストラに負けじと鳴り渡る耳を聾せんばかりの大音響とか、そういうもんはありません。これまた、チェロという楽器が自然に歌える範囲内で、強弱の指定は物理的な音響ではなく、あくまでも表現として提示されます。だから、結果として、すごく聴き易いんですわ。これは一歩間違うとネガティヴな評価になりそうなんだけど、所謂「クラシック音楽」も滅茶苦茶広いダイナミックレンジを前提に存在する静寂なコンサートホールや自宅のオーディオルームではなく、電車の中でYouTube音源をちっちゃなヘッドフォンで聴く愛好家がいっぱいいる、ヘタするとそっちが圧倒的な多数である、という2019年現在の現実を鑑みるに、納得はいくやり方ではあります。
恐らくライブ録音していたであろう昨晩の演奏、今時の再生環境でも独奏者としてのソッリマ氏の芸風をきっちり伝えられることでありましょう。

てなわけで、ここまでは前座。面白かった、というか、とても興味深かったのは、アンコールで弾かれた自作の無伴奏作品でした。ソッリマ先生、なんとなんと、関係者が客席からスマホで撮影したとしか思えぬ動画をご自分のFacebookにアップしていらっしゃいます。Facebookの動画をどうやって引っぱってくるか良く判らないんで、ともかく、ソッリマ氏のFacebookページそのものをご紹介。ほれ。
https://www.facebook.com/sollimamusic/?__tn__=kC-R&eid=ARBYDLxBjU4jUj8GmJX__9j6r0YIHusC4Cumf-R8Ae0wBnpyVqYqXvl8ROTAyiMWxvDqnG72amRHA1xd&hc_ref=ARQZxWkr2BmwgbKw_vUYMWT2WYSPcEeacq1y2lgSGzaFn_uQgNGiwSmEvnGPAs348Bg&__xts__[0]=68.ARCpZiTjGZcNBSSI-d6DtbvmtfhbI5mfIPhxUZWfxJfHlxeBOfgrbQFjG5JL-H8YndI9o_DAFtpVCEabLZn2shPNpisjVZzVjO_3dE3u1weVUS-hYEDkbEgF4neSAl8-eXXilplKX74EgYHTFxtQ0MZlCeWrmT-uGhA7TW57V6DNnRwMBN26sPHykHaGygxrTCNVQwNgmQsM7Ax9AWaVRthcb_yRAExIfdHR7Hov-ar7KzC0xcGFT9XGPt7hDMx7c65wcRwUQ3WeaMEvi59gT8aWTDTOYZlK-rlzeV3CLrYOllawfDbUnMkaJEo_cGQmsQnZiMhUxPZbfwAhLq7ChrSCSo0zTZRBYzz8virNayb_5zMIrReAHHpZgaN9dO7JUkEksLZ3YCyuSLlwQ8OUWXVQ4zfPqL5rvdbVgTlXzfTqVplIV3BZolWTFNvKn7w
これを上からスクロールしていって、「場所:MUZA川崎」となってるホールの映像が昨晩のアンコール。こういうのを演奏も作品も著作権がある御本人がアップして無料で世界に見せちゃう世の中になったんですなぁ。もう「著作権」とか「映像権」とかの議論なんて、明後日の方向に置き去りでんな。JASRACさんも必死になるわけだわ。

もうこういう映像と音があるから、なんのかんの言うのも気楽なわけですが、ただ、現場で接していると、前半の歌を中心とした部分はともかく、特殊奏法と呼ばれるいろんな音の出し方が繰り出される後半は、やっぱりライヴでないと伝わらないなぁ、と思わされます。そんなんを割り引いても、いろいろ伝わるものはある映像でしょうけど。

お判りのように、作曲家としてのソッリマという方、この作品に限って言えば、「20世紀後半以降に開拓された無数にある前衛のチェロ奏法の中から、実際に演奏者として有効なものを選び出して並べる」って仕事をなさってる。正に「演奏者兼作曲家」がやるべきことを、しっかりおやりになっている。

チェリストの作曲家といえば、それこそ19世紀のヴィルトゥオーゾから延々と続く系譜があるわけで、20世紀後半にもウェルナー=トーマス・ミフネとか、知ってる方は良く知ってる作曲家兼チェリストがいた。そういう中で、ここまできっちり「前衛の響き」の最良の遺産を広く人々に伝えようと本気になってる奴は、いそうでいない。そういう意味で、このソッリマという作曲家さん、やっぱり只者ではないと思った次第。

100人チェロでそういうものが前面に出て来るか、ちょっと判らないけどねぇ。
http://plankton.co.jp/100cellos/

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ハノイの室内楽コンクール始まりました [音楽業界]

昨年暮の藝大&ヴェトナム国立音楽院の室内楽セッションのときから話題になっていた
https://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2019-03-05
ヴェトナムで初めて開催される「室内楽ジャンルの国際コンクール」が、本日4日朝から恙なく始まったようであります。日程表はこちら。
https://vncmf.org/en/competition/time.html
なるほど、音楽院の大ホールを会場に、朝から夕方まで独奏ヴァイオリン部門のセッションがあり、夕方頃から総計11団体が参加するピアノ付き室内楽のセッションになるようです。これって、審査員の先生、無茶苦茶大変だと思うが…ヴァイオリン部門と室内楽部門は別の審査員さんなのかしら。審査委員長は室内楽は別にいるようなんですけど。
https://vncmf.org/en/competition/judges.html
ま、その辺りは、昨年の藝大室内楽セッションで「是非とも審査員に」ということになり呼ばれた村田先生に、こっそり連絡してみましょう(ちなみに藝大で室内楽科の実質上の主任格の松原かっちゃん先生は、「コンクールは大嫌い」とのことではじめっからパスであります)。審査委員長に尋ねちゃうと、なんか表のメディアに紹介するのかと誤解され、大事になっちゃうかもしれなからなぁ。

正直、独奏ヴァイオリンには高い関心があるけど、室内楽部門はなかなか告知広報が大変だったそうな。ちょっと心配なところもありましたが、とにもかくにもこれだけの参加があったのだから、良かったよかった。このコンクールも音楽祭の一部として位置付けられている「Vietnam connection music festival」のゲストとして既に先週シューベルトの大ト長調とかバルトークとか演奏会を行っている日本でもお馴染みユリシーズQが、Nguyen Viet Trungというもうキャリアがある地元ピアニストさん加えて参加しており、ま、一種の特別参加みたいなものでありましょう。結果として、ズィ先生達は大変だったでしょうけどなんと10に迫る国内団体が結成され、本気で数ヶ月は練習をしたのでしょうから、「コンクールを開催することで国内の関心と水準をアップする」という本来の目的は見事に達成されているわけです。始めの一歩がなければ、何にも始まらない。うん。

ちなみにユリシーズ、ハノイの後は一気に太平洋を越え(多分)バンフ入りし、月末からのバンフ国際弦楽四重奏コンクールで優勝を狙いに行きます。隠居爺さんのやくぺん先生は指くわえて極東の湾岸でネットライブに張り付く予定でありまする。
https://www.banffcentre.ca/2019-competing-quartets
あー、極東勢はユリシーズのチェロ嬢だけかぁ。無論、メルマンのリッキー君は半分同胞だけどさ。

てなわけで、正直、結果だけ聞かされても「へええ、そうですか」としか言いようがないハノイの大会ですけど、ともかく一部の方々にご心配書けましたが、無事に始まった、ということ。ことによると結果などは直ぐにこちらにアップされるんじゃないかな。
https://www.facebook.com/bui.c.duy
ズィ先生の個人Facebookなんだけど、なんせ最近はFacebookが公式、ってのが当たり前になってきてますからねぇ

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秋の気配:上海編 [音楽業界]

さても、共産党政権獲得70年を祝うこの秋の中華世界、首都北京から宿命のライバル、西洋文化導入は近代市民社会誕生の頃とほぼ同時の伝統の街上海編でありまする。ま、共産党の旗揚げがここだ、というのがあるから、お祭りもきっちりやるんでしょうねぇ。

この瞬間、大手アスコナス・ホルトの仕切りでそれこそ長征みたいなオーケストラ設立140年記念世界巡回ツアーが始まろうとしている上海交響楽団
https://www.askonasholt.com/tours-and-projects/upcoming/shanghai-symphony-orchestra-world-tour-summer-2019/
なんか、60年代初頭のN響世界ツアーみたいだけど、上海響は日常的に海外ツアーをやってるのはちょっと時代が違いますねぇ。

ま、それはそれ。で、この記念年、秋のシーズン開幕を飾るのが、ロン・ユー御大指揮のこんな演奏会。
https://www.shsymphony.com/item-index-id-7683.html
ああ、これは売り切れになる勢いだなぁ。前半は、今、北米で名前が出て来ている中国の若い作曲家。後半は言わずと知れたロン・ユー御大のお爺ちゃんが作曲した《長征》交響曲、ってある意味王道プロ。

蛇足ながら、この作品に対する我らがニッポンの作品といえば、こちらなのかしらね。
https://www.sso.or.jp/concerts/2019/09/post-496/
https://www.symphonyhall.jp/?post_type=schedule&p=16351
http://kaidoutousei.com/
この作品、最近、妙にさりげなく上演されるようで、それも一頃までは日本会議様御用達みたいな状況でしかあり得なかったけど、若年層右傾化教育が成功しつつある今、もう演奏されても特に話題にすらなならくなってきてまんなぁ。恐らくは、こういう作品というのは実はたかが150年くらいしかない「西洋クラシック音楽」の世界には各文化圏に存在しているのでありましょう。生誕150年のプフィッツナー《ドイツの魂について》とか、例外的に存在が知られる傑作はあろうが、殆どは埋もれているのだろーなー…

おっと、話がおかしな方に行っているけど、ま、どうも世の中がなんだか半端に「政治の季節」になりつつある昨今、生きていればこういう秋に巡り会うこともあるんだろー、ってことで。

あ、そうそう、忘れそうだったけど、日本語文化圏の方にはこっちの方が大ニュースかな。
https://www.shsymphony.com/item-index-id-7785.html
これ、東混が出る筈なんだけど…なんで上海響公式には出てないねんっ!

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