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速報:ロンドン大会ファイナリストは… [弦楽四重奏]

今、ニュルンベルク空港ホテルです。朝6時の便で英都に戻るため、4時半には起きねばならず、もう寝ます。ともかく、遙かドーヴァーの彼方英都からの速報。

2018ウィグモアホール・コンクールのファイナル進出団体は、以下です。

ゴルドムント、ヴィアノ、エスメ

以上です。なんか、いろいろ言いたい気もするけど、土曜日は突拍子もない仕掛けの《兵士たち》見物に来て演奏を聴いていないので、ま、日曜日夕方6時からのロマン派でこの結果がどうなのかを判断するとしましょう。なんであれ、ストリーミングを請うご期待。って、やってんのか、ホントに。

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ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクールセミファイナル進出団体 [弦楽四重奏]

本日英国時間午後2時から開催されるウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール準決勝の進出団体が発表されました。以下。発表するのは現場仕切っている事務のおばさま。
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エスメ、ゴルドムント、マルメン、アマービレ、チャリック、ヴィアノ
んで、喜ぶアマービレの皆さん。
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なお、演奏順、曲目などはWigmore Hallの公式サイトを眺めて下さい。現時点では、なにも発表されていません。なんにせよ、全団体がベートーヴェンで、演奏者からの情報で分かっているのは、大阪3位のヴィアノは作品135、我らがアマービレは作品132だそうです。ホールの公式ページでライブ・ストリーミングが予定されてるとのことです。

まあ、ちょっと様相としてはあの2000年大会に似てきたかな、という感じがしないでもないが…いずれにせよこの中からファイナリスト3団体が出て、明日午後6時からの本選ロマン派ラウンドに進みます。お暇な方は、ストリーミングに付き合って下さいな。

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ロンドン大会予選のストリーミングはありません [弦楽四重奏]

ロンドン国際弦楽四重奏コンクール、現在、ロイヤル・アカデミーのホールで第1ラウンドのひとつめのステージが終わりつつあります。
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アマービレQも先程無事に最初のステージを終えました。あ、アマービレの写真じゃないなぁ、まあ、こんな感じ、ってことで。ともかく、各団体のキャラが明快で、その意味ではいろいろあって面白いです。審査員の皆さんはたいへんでしょうけど。

んで、緊急の報告です。スタッフに拠れば、残念ながら金曜までのラウンドはwebでのストリーミングなどはないそうです。英国時間土曜日午後2時からのウィグモアホールでのセミファイナル、6団体によるベートーヴェンと、日曜日午後6時からの本選はウィグモアホール公式webサイトからライブ中継があるとのことです。中身に関しては、それまでお待ちを。なお、日本が8時間先に行ってますので、日本の方は土曜10時から深夜にかけ、春の夜長のベートーヴェン三昧なさってくださいませ。

なお、予選セッションの間はホントに朝から晩までなにも出来なくなっております。細かい情報いろいろありますので、また時間を見て追記していきます。

[追記]

2日目水曜日の夕方時点で、参加12団体を一巡り、まあ、どんな連中かはだいたい判りました。正直、結成年がいちばん古くて2009年というホントに若手ばかりを集めていて、平均年齢30越え団体は3つ。いわゆる「上がり」を目指してきている団体が今ひとつ派手さがないのでどーなんだろうなぁ、と思ってたんですけど、いやぁ、今回のロンドン、面白いです。本命不在、ってのが試合として面白い、ってことでもあるわけで、参加団体の皆さんには失礼この上ないんですけどねぇ。

ま、もう隠居で会場での社交は懐かしい顔見知りと挨拶することくらい、業界関係者への挨拶などは若様がなされば良く、こっちはもう遠くで眺めているだけ。ほれ、アムステルダム弦楽四重奏ビエンナーレのディレクアーさんとなにやらお仕事話をする若き大阪のプロデューサーの図。手前に座ってるのは、メニューイン後のロンドン大会の混迷時にウィグモア裏のお宅から押っ取り刀で駆けつけディレクター職を引き受けたこともある「ロンドンの平井先生」たるボブ・ボア氏(共著本対談部分にちょっとだけ名前が登場してる方です)。こういう空間だもんねぇ
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ホント、隠居ってのは気楽っちゃ気楽。おやーず対応なども知らんぷりしてればいいわけだしさ。おお、あんたまだ生きてたか、お互い爺になったなぁ…

12団体の中で、勝ち負けなんてどーでも良くやくぺん先生として面白かったのは、今や世界一の若手弦楽四重奏産出国フランスから送り込まれた唯一の参加団体、チャリックQ(って読むのかしら、Tcalik、です)ですねぇ。思えばやくぺん先生、弦楽四重奏コンクールを眺め始めて四半世紀、数えれば恐らくは優に300を越える若いプロの団体を眺めて来たわけだが、プロレベルで4人全員が兄弟姉妹って団体は初めて聴いたような。極めて真っ当、「歴史的な背景を参照した演奏」をハイハイ判りましたよ、って横に置いて、「お家でやってる室内楽」を究極にブラッシュアップしたもんをどーどーと出してくる。なる程、彼らなら許されるわけだよねぇ、ってね。初期のハーゲンQみたいなもんだけど、個々のレベルはもっと安定してます。どこまで家族経営でやっていけるか判らぬが、ちょっとこれから眺めていたい連中だなぁ。

昨年の大阪はトランプの気まぐれ政策のお陰で涙を吞んで不参加だったヴェラQが、無事に来ているのは嬉しいです。なんせセカンドのゴージャスなねーさんがキューバ国籍という面倒なことになっていて、クリントン大統領だったらなーんも問題なかったのになぁ。ブルーミントンでパシフィカに習ってるわけですから、きっちりアンサンブル出来ていて、でもやってることは優男ファーストとゴージャスねーさんのセカンドでラテン魂ドッカンどっかん炸裂!勝ち負けという意味では難しいでしょうが、こういう団体があり得るのはなんとも良いことであるぞよ。

もうひとつ、予選課題曲のアデスの《四つの四重奏》をお手本演奏含め総計13回聴いている真っ最中なんだけど、過去にコンクールで何度も聴かされてそれりにちゃんと聴き続けられた作品って、それほどあるわけではない。久しぶりに楽しませて貰ってますです。これは、別項で「現代音楽」ネタでいずれやりますので、またそっちで。

そんなこんな、ロンドン大会、明日からは予選の2回目のセッション。まだまだ地獄の2日間。

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ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール開幕 [弦楽四重奏]

3年に一度、イースター頃の英都に春を告げる「ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール」、いよいよ明日からロイヤル・アカデミーの入って正面右側のホールで予選が開始されます。今、極東の島国の帝都から欧州大陸沖に浮かぶ島国の王都に向かうべく、シベリアを跨いでいる真っ最中。そろそろウラル山脈に辿り着きシベリアもオシマイ、欧州に入らんとするところだけど、眼下には春とは文字通り名ばかりの真っ白い大地が昼の光に輝いているばかり。街らしき姿はまるでなし。
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さても、1970年代の終わりに音楽イベントをやりたいと考えたポーツマスの市関係者がメニューイン卿のところに相談に行ったら、世界に殆ど大会がない弦楽四重奏専門のコンクールをやるべきだと大プッシュ、英国の横須賀とも言うべきポーツマスの偉い人達が何を考えたか知らないが、ともかく「ポーツマス国際弦楽四重奏コンクール」が始まり、初回はタカーチュQが優勝だっけか。第2回はハーゲンQが優勝、歴史的に重要なのは文化大革命後の最初の世代としてやってきた上海Qが2位だかになり(たしか)、今に至るキャリアのきっかけを作った大会。
その後、ポーツマスからロンドンのシティに移り、ホントにシティのど真ん中、ロンドンの壁の跡地横のゴールドスミス・ホールという商工会議所ビルみたいなところで20世紀の終わりまで開催されていた。やくぺん先生がアマデウスQの先生の紹介でコンクールを眺めに行くようになったのは、「いろいろやってみたが弦楽四重奏では喰っていけない」という言葉を遺し活動停止したイギリス発の機能派団体ヴェリンジャーQが圧勝した年から(ちなみに地元団体の優勝はこの回だけです)。その前の回にメニューイン卿大絶賛のウィーハンQが勝ってます。

その後、20世紀末にメニューイン卿が没すると、卿の顔でロンドン・シティの偉い人達を巻き込んでいた無茶なやり方は不可能となり、カザルスQが勝ってアルモニコが2位に入るという2000年だっけか、なんせメニューイン卿という重しが無いところにワルター・レヴィンとノーバート・ブレイニンという銀河の反対にいるような二人をメインの審査員に迎えた挙げ句にもう収集が着かなくなったような大会を最後に、メイン会場がウィグモアホールに移る。かくて21世紀に入ってからは、予選はロイヤル・アカデミー(デーニッシュQの乱暴者たちがまさかヴォーチェQを破って勝った年だけは、RAMが改装中かあんかで使えず、ロイヤル・アルバートホール裏のロイヤル・カレッジ)で予選を行い、セミファイナルとファイナルは週末にウィグモア・ホールで開催し、BBCが中継したり…ってことになって、前々回くらいから「ロンドン国際弦楽四重奏コンクール」じゃなく「ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール」というのが正式名称になったようなのですが、まあ、要は「ロンドン大会」ですねん。

この大会、ウィグモアに移った頃から極めて意図的に昨今のトレンドたる「フェステイバル化」を積極的に展開しています。メニューイン時代には弦楽四重奏のコンクールなのに1次予選では30団体くらいを集めて、ホントに世界中の団体が英都に来ていた。口の悪い英都の評論家さん達は、「あのコンクールは1次は行かなくても良い」とまで酷いことを言っていた程。参加者と一緒にイースター休暇中のロンドン・シティ大学の寮に泊まり込んでいた若きやくぺん先生とすれば、まだ姉弟フォーメーションだったダネルQと知り合ったりしたのもその寮なわけだし、それはそれでとっても面白かったんだけど、流石に天下のウィグモアホールがやるとなるとそういうわけにもいかない。21世紀になってからは、3年に一度の恒例の英都詣、って感じで、コンクールの結果よりも、いろんな人達に会いに行く場所、という感じが強くなっている。

昨年来、隠居宣言をしてからは、もうロンドンは行かなくてもいいかぁ、と思ってたんだけど、カザルスQのジョナサンが審査員だったり、元ベルチャのテイト氏がテープ審査をしていたり、あちこちで顔を合わせると「ロンドン、来るだろ」って調子で、「俺はもう引退じゃ」と言っても冗談としかとってくれない。それはそれでいいんだけど、なんと今年はアルモニコ以来18年ぶりに日本からの団体がテープ審査をパスしてしまい、ま、流石にこれは知らんぷりを決め込むわけにもいかんなぁ、と老体に鞭打ちシベリアの雪を眺めている次第。ふううう…

日程は、こちらにPDFファイルを貼り付けて起きますので、参加団体も含め、ご覧あれ。ストリーミングがあるかどうか、明日、現地で訊ねます。BBCとの関係があるので、ネット放送には慎重な大会だったんだけど、今やまさかやらないというわけにもいかないでしょうし。
WHISQC2018_ Competition Schedule.pdf
なんせ弦楽四重奏というジャンル、この大会で勝ったりファイナリストになったりしようが、普通の意味でものになる若手団体として出て来るまでに10年くらいはかかる。この春の英都で下された判断が本当に正しかったのか歴史的な評価が出来るまでには、四半世紀はかかります。つまり、明日から一生懸命弾いてくれる若い人達が大成する頃には、もうやくぺん爺さん墓のなか、ってこと。

「隠居」とは、そういう意味なんで、とてもじゃないけど以前のようにきっちり付き合っていくことは出来ませんよ、ってことでありまする。

ま、逆に考えれば、なんとも気楽に眺めてさえいればいいわけじゃ。極端な話、大阪室内楽振興財団の若いスタッフがちゃんときっちり根詰めて聴いてくれるのを「どーだったぁ、あいつら?」ってふんぞり返ってフィッシュ&チップス奢って話を聞くだけでも構わんのさっ。なんせ、セミファイナルのベートーヴェン・ラウンドをトンズラして大陸実質日帰りするなんて荒技やるのも、信頼出来る若い耳がわしの代わりにいてくれるからじゃ。うぉおっほっほ!

さても、やくぺん爺さんの桜咲き始める英都での1週間、「うわあああ、こいつは即戦力だぁ!」なんて腰を抜かすような、アルテミスとかエベーヌ級の隠れた才能がステージに出て来てくれることを期待するとしますか。

それにしても、今年から遙か南半球はメルボルンがやり方を変更、間に環太平洋大会を挟み4年に1度の開催から、3年事になったとのこと。って、毎回ロンドンとメルボルンが数ヶ月のインターバルで重なる、ってことじゃあないの。大阪とレッジョが数週間のインターミッションで重なってるよりはまだ良いにせよ…なんだかなぁ。

[追記]

無事に冷たい小雨の英都到着。ハイドパークの北、1週間ちょっとの倫敦厄偏庵に入り、荷物を開けております。雀さんの居ない街…ふうう…
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音楽祭あれこれ [弦楽四重奏]

遅ればせながら、慌てて記す情報のみ。

毎年、この時期に九州の向かい朝鮮半島の南の先っぽは統営で開催されている統営音楽祭、なにせイサン・ユンの故郷故にここにアーツ・センターがあるわけですから、メインに据えられるのはイサン・ユンであります。今年は先週から始まっていて、いちばんの売りは新発見のイサン・ユンの管弦楽曲世界初演でありまして、ディレクター氏からは「来ないのか」という連絡もあったのですけど、うううん、やっぱりどうやっても無理でありました。とはいえ残念なんで、今からでもまだ遅くない当電子壁新聞らしいイベントをご紹介しますぞ。こちら。
http://www.timf.org/ticket/concertView.do?board_id=153&article_id=5879&date_id=1
「優勝団体に遭いに行く」シリーズをやれる我らがベネヴィッツQが来演。残念ながら日本公演はありません。イサン・ユンの弦楽四重奏なんぞやってくれれば多少無理してもいったのになぁ。(追記:コメントをいただき、昼間に1番をやる演奏会があるとのこと。うううん、益々残念。1番はノブスQのCDが出る間で幻の作品に近かったんで、貴重な演奏なんですよねぇ。)

ちなみに、この晩、ベネヴィッツが終わった後に、まだこんなとんでもない演奏会もあります。
http://www.timf.org/ticket/concertView.do?board_id=153&article_id=5880&date_id=1
おいおいおい、ミドリさんのユンって、こっちがこの日のメインでベネヴィッツは前座だろーに、なんて酷いことを言う人もいそうだなぁ。

なお、日本の音楽メディアで話題になってるのやら、音楽祭最終日に出演する統営フェスティバル管弦楽団は、その後にディレクターさんの古巣の金沢に客演します。統営ではリームとウンスク・チンなんてスゴい演目なんだけど
http://www.timf.org/ticket/concertView.do?board_id=53&article_id=5851&date_id=1
金沢ではなんじゃろねぇ、という演目です…一応、話題のユンの作品もやってくれるようなんで、少しは日本の音楽メディアでも取り上げて下さるといいんですけどねぇ…あたしゃ、英都に居るんでダメです。ゴメン。
https://ongakudo.jp/event/2555

もうひとつ、これまた関心のある方にしか関心無いヨーロッパの夏の音楽祭のひとつ、我らがエクが一昨年に咲かしたフランクフルト郊外はゼーリゲンシュタットの小さな弦楽器フェスティバル、今年の招聘団体はディオゲネスQとのこと。
http://www.klosterkonzerte-seligenstadt.de/veranstaltungen_2018/2706.html
やくぺん先生ったら、ヘンシェルのベートーヴェンばかりのコンサートが始まる9時間前にフランクフルトからシベリアを越えねばならず、涙なみだぁ…っても、こればかりはねぇ。なんせ直ぐに南半球に向かわねばならないんだもん。

てなわけで、お暇な方はどうぞ、という宣伝でありました。さて、明日から千葉の山の中でこれまた小さなお祭りが始まります。こっちはホントに、お暇な方は是非どうぞ。

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太陽を追って上田へ [弦楽四重奏]

今、上田駅から千曲川に向けてちょっと歩いたところにある上田サントミューゼ小ホールで、ソレイユQの第2回定期公演を聴いた帰りです。
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往路は池袋から3000円の貧乏人御用達高速バスで来て、帰りは適当な時間のバスが無いのでしなの鉄道から碓氷峠はバス、その先はJRと各駅停車を乗り継いで戻ろうと思っていたのだが、往路のバスが電源が無く、サントミューゼは今時の複合文化施設らしく電源なんぞ設置したら中学生が朝から晩まで学校サボってゲームやってコンセントを占拠しまうだろうからそんなもんありゃしない。で、まさか帰りに延々4時間以上電池無しでボーッとしてるわけにもいかず、しょーがなくエコノミークラスでも全席電源付きのJR東日本の新幹線に乗ってます。東京駅行きならぬ上野行きだからかガラガラだったんだけど、今、軽井沢でそこそこ客が乗って来ました。

ええ、皆様ご存知の通り、ソレイユQといえばサントリーホール室内楽アカデミーの2期生で、このアカデミー出身者としては最初に国際コンクールに挑戦などし、ボルドー、大阪と転戦した団体であります。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2014-03-25
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
若い団体の常、アカデミー終了後というか、コンクールを終えた段階でメンバーに移動があり、休止期間を挟み、今はアカデミー3期生なんぞを加えて半分がソレイユQの名前で生き残って、活動を続けようとしているところ。「第2回定期」という言い方で判るように、昨年から活動を再開した次第。

このような経緯ですから、今のフォーメーションに対して意見したい方もいらっしゃるでありましょうが、ともかくやってることを眺めないと良いも悪いも言いようが無い。てなわけで、昨年は遙々ミサゴ君舞い飛ぶ普天間基地の麓まで出かけたりしたわけでありました。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
現在のソレイユ、春と秋にある程度纏まった弦楽四重奏の活動を行う、春には上田、横浜、沖縄で「定期」と呼ぶ自主公演を行い、各公演の前にはサントリーのアカデミーで培ったノウハウで地域活動をする、というやり方をしている。定期を主催する団体は、地元の鑑賞団体やら主催団体との共催などが出来れば良いのだがまだそういうわけにはいかず、メンバーの出身地の人脈地脈を利用しての手打ち公演です。ま、これをやれる能力を付けたことこそ、アカデミーの成果なんでしょうねぇ。

本日の公演もサントミューゼの主催ではなく、「ソレイユコンサート企画」です。でも、信濃毎日、上田市、それにピティナなんぞまで協賛に並べているのだから、良くやってるじゃないか、と褒めるべきでありましょう。地元出身のクラリネットさんを入れたモーツァルトの五重奏をメインに持ってくるのも、なかなか割り切ったやり方だし。ほい、お疲れ様。
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公演そのものは、サントミューゼ小ホールに半分弱くらいの聴衆を集めたわけだが、終演後に地元出身創設メンバーのチェロさん曰く、「昨日は公民館を課していただいて、そこで昼と午後にもっとオープンなやり方でやってるんです。そっちの方がお客さんが多かった(笑)。」バタバタしていてどういうやり方をしているのか今ひとつ判らなかったけど、なんにせよ「お招き型アウトリーチ」のような子供やお年寄り向け演奏をやっているようです。うううん、そっちを見物にいくべきだったなぁ。

音楽は、良くも悪くも新生太陽四重奏団としては第1ヴァイオリンの個性をどこまで信じ、生かせるかなんだろーが、うううん、まだまだやりたいことはあるだろうねぇ、という感じ。モーツァルトの3楽章トリオとか、やりたい放題やれるところはある演目なんだから、ツアー最後の那覇での大爆発を期待しましょう。

なんであれ、こういうやり方で弦楽四重奏を地道に続けるならば、聴衆はマニアや楽譜を聴き込んだ方ではない。ヘタをすると、1年でまともな《ラズモフスキー》やらバルトークを聴くのはこの日だけ、なんてお客さんも多いところ。そこで、「ああ、弦楽四重奏って、なんか良く判んないけど良いじゃん」と思わせるのが最大の責務。そのためには、自分らがホントに楽しそうに弾いていると感じさせ聴衆を巻き込むパワーと、カリスマが不可欠。それって、経験で得られるものなのか、なんとも判らんけどなぁ…

春になると桜咲きかけの千曲川の畔で太陽の如く弦楽四重奏が鳴り響くように、なっていただきたいっ。てか、なってくれないと爺らとしては困るのじゃ!

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夏のハノイはユリシーズQ [弦楽四重奏]

アロドQの参加をお伝えした夏の終わりのハノイで開催される「Vietnam Connection Music Festival 2018」、もうひとつニューヨークから若い弦楽四重奏団が参加するという情報はお伝えしておりましたが
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2018-01-17
やっと、団体名が判明しまた。前回の大阪大会で2位となったユリシーズQです。以下、参加者詳細はこちあをご覧あれ。
http://vncmf.org/en/nghe-sy.html

ともかく、まだ日程とかははっきりわからないところもあるのですが、8月の後半にハノイでアロドQとかユリシーズQなんぞが出て来る若手弦楽四重奏のプチ揃い踏みがあることは確かなようです。指揮者の本名さんの名前も挙がっているので、オケ関連の演奏会もあるみたい。こちら。


また詳細が分かり次第続報します。とにもかくにも、来るのはユリシーズQらしい(…ってのもなあ)、ハノイでの日程は8月20日くらいから26日くらいみたい、という情報でありました。夏のフェステイバル、まだイースター前とはいえ、そろそろ決めたい方は、ヴェトナムもあるでよぉ、ってことで。ザルツブルクなんかに比べたら滞在費やアホみたいに安いし、飯は美味いですよぉ。

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ベートーヴェン後期弦楽四重奏を3回の演奏会でやるなら… [弦楽四重奏]

どーでもいい趣味的な話。

お彼岸の日に大雪が降る中、遙か三鷹駅から延々と歩き、武蔵野市民会館でのロータスQベートーヴェン後期弦楽四重奏曲全曲演奏会に馳せ参じて参りました。っても、スイマセン、最後のコマは、人に会うことになってしまって都心に戻らねばならず、主催者さんにチケットを供出させていただきましたけど。あのチケット、使われたなら良いんですけどねぇ、大雪が上がった中、当日券でやってきた方などいらしたのかしら。

このサイクル、マネージャーさんは一昨年くらいから「全曲演奏よりこっちがメイン」なんて本気か冗談か判らないようなことまで仰ってたくらいな大きなイベントだったわけで、これを3チクルスやるというたいへんなツアー、ご苦労様でした、ホント。

さてもさても、このベートーヴェンの後期弦楽四重奏を全曲演奏しようという企て、実際にやろうとすると、案外と難しいのが「コンサートとしてどういう並べ方をするか」でありまする。これはもう、室内楽ファン、ベートーヴェン愛好家の皆様なら、「俺ならこうする」と勝手なことを言い合って一晩明かすことも出来るんじゃないかと思える大ネタ。そもそも何回で演奏するか、《大フーガ》をどうするか、改訂版作品130終楽章をどう扱うのか、などなど。

んで、今回のロータスQの回答は…

第1回:べートーヴェン作品127、作品130(終楽章《大フーガ》)、アンコールとして作品130改訂終楽章
第2回:メンデルスゾーン作品13、ベートーヴェン作品132
第3回:ベートーヴェン作品131、作品135

というラインナップでありました。いやぁ、これ、なかなか味わい深いなぁ、こういう手があったか、というやり方ですね。なによりも驚かされるのは、第2回目にメンデルスゾーンの作品13を持ってきたこと。「え、どーして」と思うでしょ。だけど、お判りになる方は「はあああああ、なるほどぉ」と膝を叩くでしょうねぇ。小生は今回、演奏者の皆さんと直接話をしていないので、勝手な推察になるわけだが、ヘンレ版の作品135の序文をご存知の方は、お判りのことでしょう。そー、あの黄色とネイビーブルーの楽譜の最初のところに、「作品135は実はメンデスルゾーンが出版時の校訂をやってるのではないか」と仄めかす、なかなか微妙な物言いがしてあるのですわ。余りにさりげなく言ってるので、ええええ、と思うこともなく読み流しちゃいそうなんだけど、メンデルスゾーンが作品13を書くときにかなり深いところでベートーヴェンの後期のオリジナル譜面との付き合いがあったんじゃないか、ということであります。

当日プログラムにもそれらしいことは書いてないし、なんせ物証があるのやら、学問として証明出来るかどうか判らぬことですけど、納得はゆく話ではある。それを実際にこういう形で音にしてみた、という貴重な経験をさせてもらえて、大いに感謝する次第であります。

ここまで大胆なやり方はそうは出来ないとしても、やくぺん先生としてみれば(演奏する側の負担などをまるっきり考えずに)是非とも聴いてみたいベートーヴェン後期弦楽四重奏の全曲演奏のプログラミングは、以下のようなものであります。奏者の皆さんには全くの無茶を承知で、敢えて長い長い演奏会を2回、出来れば2日続けてやっていただく。演奏順は…

第1回:作品127、作品132、作品130(終楽章《大フーガ》)
第2回:作品131、作品135、作品130(改訂版終楽章)

という無茶苦茶なマンモス演奏会でんがな。

つまり、第1回でガリツィン弦楽四重奏を全部やり、この曲集の《ラズモフスキー》とのパラレル関係を示す(最後がラズモ3番のフーガと同じフーガで終わる)。作曲順に演奏することで、4楽章から5、6楽章とドンドン大きくなっていく様子も判る。第2回目は、ガリツィン弦楽四重奏で言い足りなかったことをまるで創作のレジュメみたいにして語る作品131という特殊な独立した作品をやり、本来は短い4楽章の弦楽四重奏3曲で作品135セットとなる構想だったけど唯一完成した、要は作品135-1をやる。そして、巨大なディヴェルティメントみたいな最終形態の作品130を、もう一度全部弾いてこの作曲家が最後の書いた弦楽四重奏文献を最後に弾いてオシマイ。

演奏するという視点からすれば滅茶苦茶この上ないでしょうけど、理屈からすればとっても綺麗なプログラムなんじゃないかしら。

誰か、やってちょ。どこでも行くからさ。ある意味、とっても理屈は通ってるプログラムなんで、やってる奴らはいるだろうなぁ、と思うんだけど。ま、「作品127&132」「作品130大フーガ付き&作品131」「作品135&作品130改定終楽章付き」という3回の演奏会にするなら現実的なんでしょうけど。

以上、桜も開花を躊躇しアホかと呆れる、寒い初春の夜の与太話でありました。

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上海Q大陸4都市でベートーヴェン全曲演奏 [弦楽四重奏]

2020年のベートーヴェン・イヤーにちょっと先駆け、お隣中国大陸ではベートーヴェン祭りが始まろうとしています。2018年シーズン、上海Qが中国大陸4都市でベートーヴェン弦楽四重奏全曲演奏会を開催すると発表されました。まとまった「サイクルですよ」というページは特設されていないようなので、ともかく、今シーズン中の日程を貼り付けます。
http://shanghaiquartet.com/performances/

じっくりご覧になればお判りのように、4月の中頃から北京、天津、武漢、長沙でサイクルの最初の2回のコンサートが次々と開かれます。それだけではなく、上海Qからの情報に拠れば、来シーズンには蘇州でも予定されているとのこと。

この話の重要なことは、このようなサイクルが北京や上海、広州といった大都市だけではなく、武漢とか長沙とか、はたまた蘇州とか、普通の意味で中国大陸で西洋音楽が盛んに行われていると信じられてはいない都市でも開催される事実。これ、大変なことでんねん。

今や世界のコンクールで次々と優勝者を出し、ランランとかユジャ・ワンとか、ソリストではスーパースターがいくらでもいる中国大陸の「クラシック音楽」でありますが、最大の問題点は「マーケットがないこと」と言われて来ました。ぶっちゃけ、「やりたい奴は山のようにいるが、ホントに金払っても聴きたい奴がいない」ってことです。そういう人がいるのは大都市部だけで、話が室内楽となると大都市でも客は弾くやつらばかり。ま、考えてみれば、人口10分の1の隣の極東の某島国だって、実体はそう違わないような気もするが…

このサイクル、上海Qの本拠地で上海シンフォニーホールのオープン時に中国大陸初のベートーヴェン・サイクル(これもデータが混乱していて、北京でドイツの団体が先にやってる、という話もあるのだが、よーわからんです)を無事に終えている上海は敢えて外し、上海辺りなら蘇州。北京はやるけど、ジュリアード分校が出来る天津でもやる。そればかりか、武漢とか長沙とか、内陸とまではいわないけど、あんまりわしらには関係ないような都市でもやる。

これらの都市には、悪名高い「作っちゃったけど、中身は殆どスカスカ」と揶揄される立派なアーツセンターなんぞもあります。そういう場所を活用する大きなイベントとしてベートーヴェン200年があるのなら、それはそれでなかなか有意義な使い方ではないかい。

それにしても、ホントに中国大陸は広いなぁ。まだもっと内陸には重慶だって長安だってあるわけだし、その気になれば「ベートーヴェン全曲」をやる可能性がある都市が国内に数十と存在している。「マーケットがない」とは、「広大な未開のマーケットが広がっている」という意味でもあるわけですからねぇ。

シャンが道半ばで倒れても、彼らに続くシンプリーとかも出てきている。なんか、思わず、「昴」がなって歩き出しそーな気がしてきたぞ。やっぱ、作品131終楽章口ずさみながら負け戦覚悟の悲愴な進軍、かな。

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シンプリーQ悲願の勝利! [弦楽四重奏]

タイトルからお判りのように、グラーツ大会の結果が出ました。
http://schubert.kug.ac.at/ergebnisse-finale-duo-trio-und-quartett/
我らがシンプリーQ、悲願の優勝でありますっ!下の写真は、1月のパリでの様子。第1ヴァイオリン君が酷い風邪をひいていて、「パリのあと、なおりました」と申しておったが、おぬし、わしにうつして逃げたのかぁ!
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ハイデルベルクのイレーネおばさま大会では2位で奨学金をいただき、これはこれで順当な結果だったわけだが、グラーツではファイナルに残った2団体のセッションをストリーミングで聴き終えたとき、ってか、もう最初の数音が鳴り始めたときから、これはどこが優勝かという問題ではなく、優勝を出すかどうかだなぁ、と思ったです。案の定、なかなか興味深い結果になりましたね。ある意味、審査員の皆さんが凄く正直だった、ということでしょう。

残念ながら、シンプリーQは4月のロンドン、7月のメルボルンには出て来ません。来年のボルドーかバンフ、ってことになるのか(ボルドーの方が勝てる可能性は高そうだなぁ)。こうなってくると、タイミング的には2020年の大阪を上がりの大会に据えて研鑽に励み、本気でメイジャー大会優勝を狙う、ということになりそうだなぁ。なかなか面白いことになってきたぞ。

思えば、2011年秋の北京大会で国内団体最高位を獲得
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2011-09-23
その後、ヴィーンのマイスル氏のところに行くわけだが(つまり、アルモニコ、ミネッティらの弟弟子ということ)、そのときにチェロが脱離。んで、そのチェロくんはなんと最後の八王子カサドで優勝
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2013-12-01
って数奇な縁の連中。恐らくは引退間際のやくぺん先生とすれば、最初からある程度のところまで見続けることになる最後の団体のひとつになるのだろーなー。

なんにせよ、東アジア圏室内楽ネットワークの為には、非常に有り難い結果であることは確かであります。それにしても、半島にはノブスQ、大陸にはシンプリーQ、敢えて言えば台湾にはヘルメスQ(台湾出身者が入っている、というだけならいくらでもいるけど…)、シンガポールにはヴェローナQと、眺めていかねばならぬと思わされる連中が出てきているのに、なぜ極東の島国ベースはこれだけ種を蒔いているつもりなのに「弦楽四重奏で喰っていくべく全てを投げ捨てるバカ共」が出ないのかしら。Qベルリン東京は欧州ベース、すっかりロータスQの道を選んでるわけですし。みんな賢く現実的で、しっかり生活する方策には長けてきている、ということなのか…

ま、そこを見詰めて、文句を言ったり手を出したりするのは、もう若い世代のやる仕事。爺らは高みの見物でありまする。

再来週にシンガポールで会うシャンたちに、シンプリーQが口にしていた5月の上海でのフェスティバルとやらについて問い質してこなければ。

とにもかくにも、これでローカルながらタイトルホルダーとなったわけで、「優勝団体に遭いに行く」シリーズにも加われるわけだ。ぐぁんばれ、シンプリーQっ!なにしろ彼らの前には、先輩上海Qが道半ばの「祖国にマーケットをつくる」という最後にして最大の難関が聳えているのだから。1世紀かけても極東の島国では未だ道半ば、途中に遺体や滑落者が累々と、という状況なんだから。

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